
OM SYSTEMは2026年に“飛ばない”のか?マイクロフォーサーズ次の勝ち筋


「次のOMは、センサーが化ける」。そんな期待と不安が入り混じる中、43rumorsが写真系YouTuberトニー・ノースラップが出した“2026年予測”をもとに新たな情報を報道しました。結論から言うとその見立てはかなり手厳しく「大革命は起きにくい」とされます。一方で、同じ記事の中にはOMが一発で空気を変える“現実的なカード”も示唆されていました。
この記事のサマリー

トニー・ノースラップの見立てとして「OMは2026年に大革新を打ち出しにくい」「野生動物重視は継続」「フルサイズ軽量化でMFT優位が揺らぐ」が語られている。

一方で、50-200mm F2.8の投入や、PEN/E-M10を継続・検討する幹部発言を見る限り、入口とシステム強化の“勝ち筋”は残る。

市場自体もCIPA統計でミラーレスが伸びており、撮影支援AIの追い風がある今こそ、OMの物語を再設計できる局面だ
何が出る?「2026年は大改造ではなく“増改築”」という予測

43rumorsが取り上げたのは、トニー・ノースラップによる「OMは2026年に急進的な新機軸を出さないのでは」という見立てです。ポイントは3つ。
- 1つ目は“20MP級センサー路線の継続”。読み出しが激変する新アーキテクチャ(グローバルシャッター級)までは期待しにくい、という主張。
- 2つ目は野生動物・自然撮影を中心に据えた戦い方が続くこと。
- 3つ目は「小さく軽く安い」というメッセージは続くが、現実の購入キットではフルサイズも競争力を持ち始めているという指摘です。
ここまで読むと「OMを選ぶ理由は目減りするのか?」と、MFTユーザーほど胸がざわつくはずです。
チェックポイント①OM-1 Mark IIは“据え置き”なのか、それとも別物なのか
まず事実として、OM-1 Mark IIは積層BSIのLive MOS(20MP級)を採用し、超高速連写や被写体認識など“スピードと実戦機能”を売りにしています。メーカー自身も「積層BSI」を強く押し出しています。
一方で、同機が「前モデルから見て大変化ではない」という評価が出がちなのも、構造的には理解できます。たとえば報道ベースでは「同じセンサーを使い、主なアップデートはコンピュテーショナル系」という整理もされています。
つまりトニーの言う“増改築”は、完全に的外れではありません。ただし逆に言えばOMは「センサーを変えなくても価値を出す」方向に舵を切っているとも読めます。
チェックポイント②「小型軽量の優位が薄い」って本当? 具体的な“重さ”で比較
ここからは数字で見ます。合計すると 約1,674g。
機材名 | 質量 |
|---|---|
OM-1 Mark II | 599g(バッテリー・カード込み) |
M.ZUIKO 50-200mm F2.8 IS PRO | 1,075g |
対してフルサイズ側で「軽量・安価な野生動物ズーム」の代表格として、たとえば次で合計 約1,096g。
機材名 | 質量 |
|---|---|
Canon EOS R8 | 461g(バッテリー・カード込み) |
RF 100-400mm F5.6-8 | 635g |
“重量だけ”を切り取ると、確かに「フルサイズが軽いじゃないか」という絵が成立します。トニーの「フルサイズキットが軽く・手頃になり、MFTの歴史的優位が削られている」という主張は、こういう現実に乗っています。ただし重さだけで結論を出すと、話を誤ります。
- 50-200mmは“35mm換算100-400mmで、しかもF2.8通し”。そして「世界唯一の完全防塵防滴をうたう」など“プロ用途の設計思想”が前提にあるレンズです。
- 一方RF 100-400はコスパが非常に良い反面、仕様上「防塵防滴は無し」と明記されています。
つまり、同じ「100-400相当」でも設計思想が別物。OMの強みは「雨・泥・寒さの現場で、明るい望遠を“現実的なサイズ”で振り回す」方向に寄っています。さらに“OMの本丸”はここです。メーカーは、150-400mmクラスで 換算2000mm相当までを約2.5kg級で扱えるという世界観を強烈に提示しています。 野鳥屋が最後に欲しくなるのは、結局この領域だったりします。
センサーの未来 「20MP据え置き」が現実でも、カードは机の上に並んでいる
ここは期待と現実を分けて語ります。
【事実】いまの20MP積層センサーは“ソニーが用意した4/3型の高速センサー”という系譜
ソニーは4/3型の積層CMOS(IMX472)を公開しており、最大120fps級の読み出しなどが示されています。
【事実】47MP級(IMX492)は実在する。ただし“民生カメラ用”とは限らない
ソニーのIMX492は 約47.08M有効画素、対角23.1mm(Type 1.4)として公式資料が出ています。一方で、この手のセンサーは産業用途の文脈で語られることも多く、写真機に載るには発熱・コスト・読み出し・ローリング歪み・色再現など別の壁が立ちます。
【事実】4/3型近辺の“グローバルシャッター”センサー自体は存在する
ソニーはPregius/Pregius Sとしてグローバルシャッター技術を展開しています。さらに、産業用カメラの仕様ですが Type 4/3相当でグローバルシャッターの例も確認できます。
【見立て】OMが“センサーで空気を変える”なら、候補は2つだけ
- 47MP級で「画作りの自由度」を増やす
- グローバルシャッター級で「動体の写り」を別次元にする
43rumorsも同様の方向性を“サプライズの可能性”として示唆しています。 ただし、ここはあくまで推測の域。現時点でOMがそれをやると確定する材料はありません。
PENとE-M10―「野鳥だけの会社」にしないための“入口”の話
OMが2026年に勝つ条件は、ハイエンドだけではありません。むしろ今の市場は「入口(軽いボディ、日常、旅、動画)」が強い。
事実として、OM幹部はインタビューで次の観点を語っています。
- E-M10シリーズは重要で、今後もこの方向性を開発していく
- 新しいPENを“積極的に検討している”
さらに別媒体でも「新しいPENはまだ来る」という趣旨が報じられています。ここが面白いのは、43rumors記事が「PENの復活に“25MP級センサー(例:G9II)”は相性が良いのでは」と連想している点です。 パナソニックG9IIは 25.2MPセンサー+(Gシリーズ初の)像面位相差AFを売りにしています。
PENに必要なのは、連写番長でも宇宙最強AFでもなく、「持ち歩ける外観」「迷わない操作」「スマホから一段上の絵」「瞳AFの安心感」。もしOMがそこに本気で刺しにいくなら、2026年の空気は一気に変わります。
まとめ
トニー・ノースラップの予測では、OM SYSTEMの2026年は「センサー刷新などの大変化は起きにくく、既存技術を磨く年」になる可能性が高いとされています。一方で、野生動物撮影を軸にした製品戦略や、50-200mm F2.8のような本気の望遠レンズ投入を見る限り、システムとしての方向性は一貫しています。
今後の鍵を握るのは、PENやE-M10といった“入口モデル”をどう再定義するか、そして小型・耐候性・計算写真といったOMならではの強みを、初心者にも直感的に伝えられるかどうか。大きく跳ばずとも、戦い方次第で評価を取り戻す余地は十分に残されています。
OMシリーズの実機レビュー評価をチェック
OMシリーズのスペック・使い勝手・競合比較については、こちらの記事で詳しくまとめています。
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