
Canon EOS R6 Mark IIIのダイナミックレンジはSony α7 Vに届かず?


Sony Alpha Rumorsが、PhotonsToPhotos(Bill Claff氏)の測定データをもとに、Canon EOS R6 Mark IIIとSony α7 Vのダイナミックレンジ差を取り上げました。結論から言うと、サイトの評価は「純粋なダイナミックレンジという観点ではα7 Vが技術的に優位」。特に低ISO域で差が大きく、条件次第では“約2段”近い開きがあるとしています。
この記事のサマリー

PhotonsToPhotosの測定をもとに、EOS R6 Mark IIIのダイナミックレンジは低ISO域でα7 Vに最大約2段近く遅れる可能性があると報じられた。

ただし差は常に一定ではなく、メカシャッターで低ISOほど開きやすい一方、電子シャッターでは条件によってR6 Mark IIIが優位になる局面もあるという。

結論としては、DR重視ならα7 Vが有利とされるが、実際の選択はシャッター方式や撮影ジャンルを踏まえて判断すべきだ。
まずは“どのISOで差が出るか”が重要

今回の話で面白いのは、「いつでも常にα7 Vが大差で勝つ」というより、差が大きく出るゾーン(低ISO)と、差が縮むゾーン(高ISO)がハッキリしている点です。Sony Alpha Rumorsは、メカシャッター運用だとISO50〜600でα7 Vが大きくリードし、ISO800以降は差が一気に小さくなる、とまとめています。
ISO50〜600でα7 Vが“目に見える差”になり得る
記事内の整理によれば、
- ISO50/100ではα7 Vが約1段リード
- ISO200で差が1段強に拡大
- ISO600付近まで差が伸び、最大で約2段近い開き
という流れ。Sony Alpha Rumorsは「1〜2段の差は見た目にも分かる差」と踏み込んでいます。
この“低ISOのDR差”が効くのは、例えば風景や建築、スタジオなどで、ハイライトを守りつつ暗部を後で持ち上げたい場面。要するに「シャドーを救える保険が厚いかどうか」に直結します。逆に言えば、低ISOで粘れるカメラほど、露出の自由度が増えるという話です。
全体はα7 V優位だが、ISO800だけR6 Mark IIIが逆転
一方、電子シャッターの比較になると“空気が少し変わる”のも注目点です。Sony Alpha Rumorsの記述では、ISO50〜600ではα7 Vが1/4〜1/2段ほどリードする一方、ISO800ではR6 Mark IIIが約1段リード。ただしそこから先は再びα7 Vがわずかに上回るという形です。
つまり「静音・無音で撮るために電子シャッターを多用する人」は、メカシャッター比較ほど“圧倒的な差”として受け取らない方がよさそうです。機種選びの現実解は、シャッター運用と撮影ジャンル次第で変わります。
別サイトでは“ピーク差”を約0.84段として紹介
参考までに、CanonRumorsもPhotonsToPhotosのデータをもとに、R6 Mark IIIのPDR(Photographic Dynamic Range)や電子シャッター時の数値に触れています。そこでは、メカシャッターでの測定PDRとして α7 V 12.47 / R6 Mark III 11.63(差 約0.84段)、電子シャッターでは α7 V 10.99 / R6 Mark III 10.5 などの数値が示されており、“最大値だけで見る”と差は1段未満に見える、という整理にもなります。
今回のSonyAlphaRumors記事は「ISOごとのカーブ上で差が大きくなる局面(低ISO側)」にフォーカスしている、と捉えると理解しやすいでしょう。
注意点:測定値は強い指標だが“唯一の答え”ではない
ダイナミックレンジは画作りの土台になる重要指標ですが、最終的な満足度はそれだけで決まりません。AF、連写、動画、ローリングシャッター、色作り、レンズ資産、そして何より「自分がよく使うシャッター方式(メカ/電子)」で評価は変わります。
今回の測定結果は、あくまで“現像耐性の傾向”を知るための強い材料。そこに、自分の撮影スタイルを重ねて判断するのが一番安全です。
まとめ:この話が刺さるのはこんな人
低ISOでシャドーを持ち上げる編集をよくする(風景・建築・作品撮り)人や、メカシャッター中心で最高画質を狙いたい人にはα7 Vの強みが特に効きやすいというのがSony Alpha Rumorsの見立てです。電子シャッター中心で撮り、ISO800付近も多用する場合は、条件によってはR6 Mark III側が有利になる局面があるという点も頭に置きたいところです。
Sony α7 VとEOS R6 Mark IIIの最新情報をチェック
Sony α7 VとEOS R6 Mark IIIのスペック・価格・競合比較については、こちらの記事で詳しくまとめています。
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