摺上川

摺上川は吾妻連峰を源に福島市内を流れる清流で、上流部の渓谷から摺上川ダム湖、田園地帯へと風景の変化が楽しい。春は桜並木と雪を頂いた山々、初夏は新緑と川霧、夏は深い緑と入道雲、秋は紅葉と水面への映り込みが被写体になる。堤防や橋の上から広角で蛇行する流れと街並みを入れ、望遠でダム湖と山のレイヤーを圧縮すると奥行きが出る。PLで水面の反射を整え、朝夕の柔らかな光を選べば、川と暮らしが寄り添う表情豊かな一枚に仕上がる。桜や紅葉の時期には河川敷からローアングルで花や草を前景に入れ、川と山と街のレイヤーを意識した構図を組みたい。定点で季節ごとの変化を撮り続けるのにも向いたフィールドだ。