須刈岳

須刈岳は、西会津町上野尻の集落背後にこんもりと立つ信仰の里山で、山頂からは阿賀川と小さな集落、その向こうに飯豊連峰を望める。標高は438mと低めだが、古くから雨乞いや豊作祈願が行われ、静かな参道や石碑が味わい深い被写体になる。春は山桜と新緑、初夏は川面の霧と棚田の水面が柔らかなグラデーションをつくり、秋は紅葉と黄金色の田んぼが画面に温かさを添える。頂上から阿賀川の蛇行や発電所の施設を望遠で圧縮すれば、昔の山河を思わせるダイナミックな構図になる。