永田岳

永田岳は屋久島北西部にそびえる鋭い花崗岩のピークで、原生林と岩峰が一体となったダイナミックな景観が魅力です。深い谷から立ち上がる急斜面を登り詰めると、眼下には濃い緑の森と雲の海、その向こうに東シナ海の水平線が広がります。山腹では苔むした岩と屋久杉の大木、ガスに包まれる幽玄な森が被写体になり、頂上部では白い岩塊と空のコントラストが際立ちます。初夏は残雪のない岩稜と新緑、梅雨や晩夏は雲の出入り、秋は澄んだ空気と低い太陽光が主役。広角で岩を前景に大胆な構図をとり、望遠で重なる尾根や海原を圧縮すれば、山と海がせめぎ合う屋久島ならではのスケール感を表現できます。