双竜の辻

山稜が二筋の竜のようにうねる鞍部。眼下に谷が深く落ち、紅葉期は斜面が錦に染まる。朝は雲海が巻き、切れ間から差す斜光が稜線を縁取る。広角で大きなS字を描く道や尾根をリーディングラインに構図化し、望遠では層の重なりを抽象的に切り取れる。風が強い日は雲の流れを長秒で描き、夕景は逆光のシルエットが端正。三脚＋PLで微妙な反射と階調を整え、ブラケットで空のハイライトを守ると破綻がない。夜明け前の群青に街の灯が点れば、尾根の繊細な曲線が浮かぶ。薄霧の日は谷が柔らかくつながり、タイムラプスも生きる。安全に配慮して立ち位置は低く。