十禅寺山

里山の落ち着きを湛える十禅寺山は、雑木林の柔らかな光と尾根の起伏、点在する石仏や祠がつくる静かな時間が魅力。春は山桜と新緑、初夏は木漏れ日と沢音、秋は紅葉の深い色調、冬は霜と淡い朝霧が情緒を添える。広角で小径と林冠をのびやかに、望遠で重なる支尾根を圧縮すると奥行きが際立つ。PLで葉の反射を抑え、雨上がりは滴のきらめきが映える。朝夕の斜光は樹肌の立体感を強め、微風ならスローで草の揺れを描ける。寄りと引きの繰り返しで物語を紡ぎたい。鳥の囀りが聞こえる静かな時間帯は人影も少なく、三脚を据えて構図を吟味できる。落ち葉の絨毯に足跡を残さぬよう配慮を。