宇和島城

現存12天守の一つで、三層三階の白壁が小高い城山に凛と立つ。石垣を覆う苔と緑、木造天守の白漆喰、海風を孕む空が織り成す色彩はシンプルながら力強い。山道を20分ほど登る過程で、桜、ツツジ、紅葉など季節の彩りが変化し、望遠圧縮で天守と花を重ねる定番構図から、ドローンで湾と街並みを俯瞰する開放的カットまで幅広く狙える。内部は太い梁と急階段が残り、窓越しに射し込む斜光が木肌を浮かび上がらせる。朝一番は人が少なく、澄んだ光で天守を独占できる。夜はライトアップされないため、月明かりと星空を背景に漆黒のシルエットを描く長秒露光がロマンチックだ。