旧山内家住宅(耶麻郡猪苗代町古城跡)

猪苗代湖を望む高台にある旧山内家住宅は、城跡の地形と農家住宅が同じフレームに収まる面白い被写体。晴れた日は瓦と白壁が空に映え、曇天は木肌と土壁の質感がしっとり。家の前の畑や石垣を前景にし、奥に猪苗代の町並みや山を重ねるとスケール感が出る。夕方の斜光で軒先の影を長く引けば、かつての暮らしの気配が静かに立ち上がる。雪の季節は足跡のラインを導線にし、逆光で息の白さまで捉えたい。広角で環境ごと、標準で住居の佇まい、望遠で障子越しの光や古い道具を切り取れば、歴史のレイヤーを感じるシリーズとしてまとめやすい。