白菊塚

小さな塚と石碑が静かに残る白菊塚は、名前の通り“白”の扱いが写真の鍵。供花や季節の草花が置かれると、石の灰色に白が浮いて一気に物語が出ます。広角で塚の丸みと周囲の余白を大きく取り、標準で碑を端正に、マクロで苔・欠け・花びらの繊維を拾うと密度が上がる。夕方の斜光は影が長く伸び、静けさが深まる時間帯。雨上がりは石が黒く締まり、白い花がより際立ちます。あえて背景を整理して“点”として置くと、見る人の想像が勝手に広がるタイプの被写体です。秋はススキや落ち葉が柔らかく彩り、冬の霜は白のニュアンスを増やします。モノクロで撮っても強いので、露出は白飛び手前で粘りたい。