蟠龍梅

蟠龍梅は、地を這うように幹が折れ曲がり、龍がとぐろを巻いた姿にたとえられる古木のウメで、複雑な枝振りと苔むした幹が圧倒的な造形美を見せます。花期には白や淡紅の花が幹の節々からこぼれ、広角で見下ろすと一本の木とは思えない広がりに。枝の一部をクローズアップすれば、線と花のリズムだけで画面が成立します。曇天の日は幹の質感や苔の色がよく出るので、コントラスト控えめの現像で、静かな時の流れを感じさせる一枚に仕上げたい被写体です。花のない季節も、幹と枝だけで十分に被写体になるので、逆光のシルエットや霧の朝など、光と気象条件を変えて通いたくなる一本です。