シオジ原生林(多野郡上野村楢原)

群馬のシオジ原生林は、谷沿いにまっすぐ伸びるシオジの巨木が林立し、足元には清流が流れる、初夏の新緑撮影にぴったりの森です。淡い黄緑色の葉が頭上を覆う時期は、森全体が柔らかな光に包まれ、広角レンズで見上げるように撮ると、幹の直線と葉のボリューム感が強調されます。沢沿いでは、渓流の白い流れをスローシャッターでとろりと描き、前景に苔むした岩や倒木を置くと、奥行きのある一枚に。霧が出ると木々が層状に溶けていく幻想的な光景となり、露出をややオーバー寄りにして柔らかくまとめると雰囲気が出ます。足元が滑りやすい箇所もあるので注意しつつ、沢の音を聞きながら三脚を低く構え、一枚一枚を丁寧に切り取りたい森です。