城山公園

城山公園(福島)は、城跡の土塁と石段、並木が残る丘上の公園。春は桜のトンネル、初夏は濃い木陰、秋は紅葉と長い影が画面に模様を描きます。手すりや石垣の直線を斜めに配し、低い位置から空を大きく入れると開放感が際立つ。雨上がりは苔と石の階調が豊かで、薄霧の朝は輪郭がやわらぐ時間帯。ベンチや案内板を小さく入れ、歴史の気配を点景に添えると物語が立ち上がります。方位盤や石碑を前景に、広角で空の比率を大胆に配分。望遠で重なる屋根と樹冠だけを圧縮すれば抽象的な層が現れる。夕暮れはシルエットが凛と立ち、モノクロ仕上げも好相性。人影の少ない朝は鳥の声とともに、静けさの階調を丁寧に拾えます。