一眼レフの撮り方を初心者向けに解説!人物・風景・花火のコツ

一眼レフの撮り方を初心者向けに解説!人物・風景・花火のコツ

一眼レフで撮った写真が「暗い」「ブレる」「背景がごちゃつく」と感じる場合は、露出(写真の明るさ)やピント、被写体と背景の距離などを見直すことで改善できることがあります。この記事では、一眼レフを中心に、ミラーレス一眼にも共通する基本的なとりかたを解説します。キヤノン・ニコン・ソニーで異なる撮影モードの表記にも触れながら、人物や動く被写体、花火など、撮影シーンに応じた設定の考え方も紹介します。撮影場所の明るさや使用するレンズ、被写体の動きに合わせた調整方法まで分かりやすく解説します。

みんカメ編集部
筆者
みんカメ編集部
みんなのカメラ編集部によるカメラに関する最新情報・レビューなどを毎日配信しています!ためになるプロのテクニックもご紹介。

この記事のサマリー

チェックアイコン

最初はPやオートで撮影し、露出補正で写真の明るさを調整する

チェックアイコン

背景ボケはF値だけでなく、焦点距離や被写体・背景との距離でも変わる

チェックアイコン

動く被写体はシャッタースピードを優先し、人物は目にピントを合わせるのが基本

チェックアイコン

撮影モードはキヤノンがAv/Tv、ニコン・ソニーがA/Sと表記が異なる

チェックアイコン

花火は三脚が使える場所で、三脚・レリーズ・バルブ撮影を組み合わせる

目次

一眼レフの基本の撮影手順

一眼レフの基本の撮影手順

一眼レフを使う際は、最初から細かな設定を覚える必要はありません。まずは「レンズを取り付ける」「撮影できる状態にする」「ピントを合わせる」「シャッターを切る」という基本の流れを覚えましょう。

一眼レフの撮り方

レンズの取り付けから撮影までの流れ

最初に、カメラ本体とレンズにある取り付け位置の目印を合わせ、レンズを差し込んで固定されるまで回します。取り付け方や目印の位置はメーカーや機種によって異なるため、初めて使うカメラでは取扱説明書も確認してください。

次に、バッテリー残量とSDカードなどの記録メディアが入っているかを確認し、レンズキャップを外します。撮影モードは、まずP(プログラムオート)またはオートモードに設定すると、カメラ任せで撮影しやすくなります。

撮影するときは、ファインダーまたは背面モニターで被写体を確認し、シャッターボタンを半押ししてピントを合わせます。ピントが合ったことを確認したら、そのままシャッターボタンを最後まで押して撮影します。

基本操作に慣れてきたら、背景のボケ具合はA/Av(絞り優先)でF値を調整し、動いている被写体の写り方はS/Tv(シャッタースピード優先)でシャッタースピードを調整してみましょう。設定を一つずつ変えると、それぞれの操作が写真にどう影響するのかを理解しやすくなります。

一眼レフのとりかたを覚える:まずは失敗の原因を確認

一眼レフの撮り方を難しく感じる原因の一つは、明るさやブレ、ピント、背景といった複数の要素を同時に調整する必要があることです。写真がうまく撮れなかったときは、まず「暗すぎる・明るすぎる」「ブレている」「ピントが合っていない」「背景が目立ちすぎている」のどれに当てはまるかを確認しましょう。原因を一つずつ確認すると、どの設定を変更すればよいのか判断しやすくなります。

暗い・白飛びする:写真の明るさを調整する方法を覚える

写真が暗すぎたり明るすぎたりするときは、まず写真の明るさを決める仕組みを確認しましょう。カメラでは主に、シャッタースピード(シャッターが開いて光を取り込む時間)、ISO感度(取り込んだ光をどの程度の明るさとして記録するかに関わる設定)、絞り(レンズから入る光の量)によって写真の明るさが決まります。

例えば、シャッタースピードを速くすると光を取り込む時間が短くなるため、写真は暗くなりやすくなります。一方、ISO感度を高くすると暗い場所でも明るく撮りやすくなりますが、数値を上げるほどノイズ(写真のざらつき)が目立ちやすくなります。

ただし、設定に問題がなくても、カメラが判断した明るさによって写真が暗くなったり明るくなったりすることがあります。カメラには「測光」という、画面内の明るさを測って適切な露出を判断する機能があります。雪景色や白い服など明るい部分が多い場面では、カメラが「画面全体が明るい」と判断し、実際より暗めに写すことがあります。この場合は、露出補正をプラス側に設定すると明るく撮影できます。

より詳しい明るさの調整については、以下の記事も参考にしてみてください。

ブレる:手ブレと被写体ブレを分けて対策する

写真のブレには、撮影時にカメラが動いて起こる「手ブレ」と、撮影中に被写体が動いて起こる「被写体ブレ」があります。特に室内で走る子どもやペットを撮る場合は、手ブレと被写体ブレの両方が起こることがあります。

手ブレを防ぐには、シャッタースピードを速くする、脇を締めてカメラを安定させて構える、手ブレ補正に対応したカメラやレンズを使うといった方法が有効です。ただし、手ブレ補正の有無や補正効果は、カメラ本体とレンズの組み合わせによって異なります。

一方、手ブレ補正では被写体そのものの動きは止められません。走っている子どもやペット、スポーツなどをブレずに写したい場合は、シャッタースピードを速くする必要があります。動きを止めて撮りたいときは、S/Tv(シャッタースピード優先)モードを使い、被写体の動きに合わせてシャッタースピードを設定すると調整しやすくなります。

シャッタースピードについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

写真がまとまらない:ピント位置と背景を確認する

写真の主役が目立たなかったり、見せたい部分がはっきりしなかったりする場合は、ピントを合わせた位置と背景を確認してみましょう。主役ではなく背景にピントが合っていたり、看板や電柱など目立つものが背景に入っていたりすると、何を見せたい写真なのか分かりにくくなります。

人物を撮る場合は、基本的に目にピントを合わせます。顔検出や瞳AFに対応しているカメラでは、これらの機能を使うと目にピントを合わせやすくなります。対応していない一眼レフでは、AFポイント(ピントを合わせる位置)を選び、できるだけ目の位置に合わせて撮影しましょう。

背景が目立ちすぎる場合は、カメラの設定を変える前に撮影位置を少し変える方法も有効です。左右に移動したり、カメラの高さを変えたりするだけでも、看板や電柱などを画面から外せることがあります。ズームだけで構図を調整するのではなく、撮影する位置も変えながら、主役が分かりやすく見える背景を選びましょう。

露出の三要素を理解する:F値・シャッタースピード・ISO感度

写真の明るさは、絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度という3つの要素で決まります。この3つは明るさだけでなく、背景のボケ方、動いている被写体の写り方、ノイズ(ざらつき)の出方にも影響します。

すべての設定値を覚える必要はありません。背景をぼかしたいならF値、動きを止めたいならシャッタースピード、暗い場所で明るさを補いたいならISO感度というように、撮りたい写真に合わせて優先する設定を決めると調整しやすくなります。

絞り(F値):背景のボケはF値だけで決まらない

絞りは、レンズを通る光の量を調整する仕組みです。絞りの開き具合はF値で表し、F値を小さくすると絞りが開いて光を多く取り込めるほか、背景をぼかしやすくなります。

ただし、背景のボケはF値だけで決まるわけではありません。同じF2.8でも、広い範囲を写す広角側で被写体から離れて撮るより、遠くのものを大きく写せる望遠側で被写体に近づいて撮るほうが、背景は大きくぼけやすくなります。

背景をぼかしたい場合は、「F値を小さくする」「焦点距離を長くする」「被写体に近づく」「被写体と背景の距離を離す」という4つの方法が基本です。焦点距離とは、レンズがどのくらい広く、または大きく写せるかを示す数値で、一般的には数値が大きいほど望遠になります。

シャッタースピード:動きを止めるか、動きを残すかで決める

シャッタースピードは、シャッターが開いて光を取り込む時間を表します。シャッタースピードを速くすると動いている被写体を止めて写しやすくなり、遅くすると被写体の動きをブレとして残しやすくなります。

例えば、運動会で走る子どもや飛んでいる鳥、室内で動き回るペットをはっきり写したい場合は、速いシャッタースピードが必要です。一方、滝の水をなめらかに見せたい場合や、車や電車の流し撮りで背景を流したい場合は、あえてシャッタースピードを遅くします。

必要なシャッタースピードは、被写体が動く速さや撮影距離、使用するレンズの焦点距離によって変わります。そのため、「この場面では必ずこの数値」と覚えるよりも、まず動きを止めたいのか、動きを残したいのかを決め、そのうえで撮影結果を確認しながら調整する方法が分かりやすいでしょう。

最初はS/Tv(シャッタースピード優先)モードを使い、シャッタースピードだけを変えて撮り比べると、動きの写り方の違いを理解しやすくなります。

ISO感度:写真の明るさとノイズのバランスを調整する

ISO感度は、カメラが取り込んだ光をどの程度の明るさとして記録するかに関わる設定です。ISO100、ISO400、ISO1600のように数値で表され、ISO感度を高くすると、暗い場所でも速いシャッタースピードを使いやすくなります。

一方、ISO感度を高くするほど、一般的にはノイズ(写真に現れるざらつきや色の乱れ)が目立ちやすくなります。ただし、ノイズを減らすためにISO感度を低くしすぎると、シャッタースピードが遅くなり、手ブレや被写体ブレが発生することがあります。

どこまでISO感度を上げられるかは、カメラの機種や写真の用途によって異なります。最初からISO感度を低く固定するのではなく、まずF値やシャッタースピードを撮りたい写真に合わせて決め、必要な明るさを確保するためにISO感度を調整すると分かりやすいでしょう。設定に迷う場合は、カメラがISO感度を自動で調整する「ISOオート」を利用する方法もあります。

キヤノン・ニコン・ソニーの撮影モードの違い

メーカー別撮影モードの違い:キヤノン・ニコン・ソニーの設定名を確認

一眼レフやミラーレス一眼には、絞りやシャッタースピードを自分で調整できる撮影モードがあります。ただし、同じ機能でもメーカーによって名称や記号が異なります。

代表的なのが、絞りを自分で設定する「絞り優先」と、シャッタースピードを自分で設定する「シャッター優先」です。キヤノンではAv・Tv、ニコンとソニーではA・Sと表示されます。AF(オートフォーカス)や測光にもメーカーごとの名称があるため、それぞれ確認しておきましょう。

なお、より詳しい撮影モードについて知りたい人には、以下の記事もおすすめです。

キヤノン:絞り優先はAv、シャッター優先はTv

項目

キヤノンでの表記

主な用途

プログラムAE

P

カメラに基本設定を任せて撮影

絞り優先AE

Av

背景ボケやピントの範囲を調整

シャッター優先AE

Tv

動きを止める・流して写す

マニュアル露出

M

絞りとシャッタースピードを自分で設定

静止向けAF

ワンショットAF

風景や止まっている人物

動体向けAF

AIサーボAF

スポーツや動物

基本の測光

評価測光

画面全体を見て明るさを判断

部分的な測光

中央部重点平均測光/スポット測光

特定の範囲を基準に明るさを調整

キヤノンでは、P(プログラムAE)、Av(絞り優先AE)、Tv(シャッター優先AE)、M(マニュアル露出)が基本的な撮影モードです。

Avでは撮影者がF値を決め、カメラが適切なシャッタースピードを設定します。背景をぼかした人物撮影や花、料理などを撮りたいときに使いやすいモードです。Tvでは撮影者がシャッタースピードを決めるため、スポーツや走っている子どもなど、動く被写体を撮るときに役立ちます。

AFは、止まっている被写体に適した「ワンショットAF」と、動いている被写体を追いながらピントを合わせ続ける「AIサーボAF」が代表的です。例えばEOS 90Dでは、ファインダー撮影時にワンショットAF・AIサーボAF・AIフォーカスAFを選択できます。

測光は、画面全体を見ながら明るさを判断する「評価測光」を基本に、中央部重点平均測光やスポット測光などを選べます。まずは評価測光を使い、逆光などで狙った被写体が暗くなる場合に露出補正やほかの測光方式を試すと分かりやすいでしょう。

ニコン:絞り優先はA、シャッター優先はS

項目

ニコンでの表記

主な用途

プログラムオート

P

カメラに基本設定を任せて撮影

絞り優先オート

A

背景ボケやピントの範囲を調整

シャッター優先オート

S

動きを止める・流して写す

マニュアル

M

絞りとシャッタースピードを自分で設定

静止向けAF

AF-S

風景や止まっている人物

動体向けAF

AF-C

スポーツや動物

基本の測光

マルチパターン測光

画面全体を見て明るさを判断

部分的な測光

中央部重点/スポット

特定の範囲を基準に明るさを調整

ニコンでは、P(プログラムオート)、S(シャッター優先オート)、A(絞り優先オート)、M(マニュアル)が基本です。

AモードではF値を撮影者が決めるため、背景のボケ具合やピントが合って見える範囲を調整したいときに適しています。Sモードではシャッタースピードを撮影者が決めるため、動く被写体を止めて撮ったり、あえてブレを残したりするときに使います。

AFでは、止まっている被写体に使いやすい「AF-S(シングルAFサーボ)」と、動いている被写体にピントを合わせ続ける「AF-C(コンティニュアスAFサーボ)」が基本です。ニコンの一眼レフでもAF-SとAF-Cが採用されています。

測光は「マルチパターン測光」が基本で、画面の広い範囲から明るさを判断します。このほか、中央付近を重視する「中央部重点測光」、狭い範囲を基準にする「スポット測光」などがあります。

ソニー:A・S・M表記が基本

項目

ソニーでの表記

主な用途

プログラムAE

P

カメラに基本設定を任せて撮影

絞り優先AE

A

背景ボケやピントの範囲を調整

シャッタースピード優先AE

S

動きを止める・流して写す

マニュアル露出

M

絞りとシャッタースピードを自分で設定

静止向けAF

AF-S

風景や止まっている人物

動体向けAF

AF-C

スポーツや動物

基本の測光

マルチ測光

画面全体を見て明るさを判断

部分的な測光

中央重点/スポット

特定の範囲を基準に明るさを調整

ソニーのαシリーズでは、P(プログラムAE)、A(絞り優先AE)、S(シャッタースピード優先AE)、M(マニュアル)が基本です。ソニーは現在ミラーレス一眼が主流ですが、A(絞り優先)・S(シャッタースピード優先)・M(マニュアル)の基本的な役割は、一眼レフと共通しています。

AモードではF値を自分で決め、背景のボケ具合を調整できます。Sモードではシャッタースピードを決められるため、スポーツや動物、乗り物など動く被写体の撮影に向いています。MモードではF値とシャッタースピードの両方を自分で設定します。ソニーのαシリーズでもP・A・S・Mの各露出モードが採用されています。

AFは、止まっている被写体に使う「AF-S(シングルAF)」と、動く被写体を追い続ける「AF-C(コンティニュアスAF)」が基本です。機種によってはAF-A(AF制御自動切り換え)や被写体認識AFなども利用できます。

測光は「マルチ測光」を基本に、「中央重点測光」や「スポット測光」などを選択できます。まずはマルチ測光を使用し、逆光や明暗差が大きい場面で狙った被写体の明るさが合わない場合に、露出補正や測光モードを変更するとよいでしょう。

人物の撮り方:ピント・背景・明るさを意識する

人物の撮り方:ピント・背景・明るさを意識する

一眼レフで人物を撮るときは、目にしっかりピントを合わせること、背景をシンプルにすること、顔が暗くなりすぎないように明るさを調整することが重要です。

特に背景をぼかした写真では、ピントが少しずれるだけでも目立ちやすくなります。また、背景に看板や電柱など目立つものが入ると、人物より背景に視線が向きやすくなります。まずは「目のピント」「背景」「顔の明るさ」の3点を確認すると、人物写真を安定して撮りやすくなります。

ポートレートは目にピントを合わせ、背景との距離を取る

人物を撮るときは、まず目にピントを合わせることが基本です。AFエリア(ピントを合わせる範囲)を一点や小さめのゾーンに設定すると、狙った位置にピントを合わせやすくなります。顔検出や瞳AFに対応している機種では、これらの機能を使うのも有効です。

背景をぼかしたい場合は、F値を小さくするだけでなく、人物と背景の距離を離すことも重要です。人物を壁から離したり、遠くの木や建物を背景にしたりすると、背景がぼけやすくなります。

また、標準ズームレンズでも望遠側を使い、人物から少し離れて撮ると背景をぼかしやすくなります。背景に家具や看板など目立つものがある場合は、撮影位置を変えて背景をシンプルにすると、人物がより目立つ写真に仕上がります。

光の向きで人物の写り方が変わる

人物撮影では、光が当たる方向によって顔の明るさや影の出方が変わります。まず覚えておきたいのが、順光・横からの光(サイド光)・逆光の3つです。

順光は、撮影者の後ろ側から人物に光が当たる状態です。顔全体を明るく写しやすいため初心者にも扱いやすい一方、正面から強い光が当たると影が少なくなり、顔が平面的に見えることがあります。

横からの光は、人物の横や斜め方向から光が当たる状態です。頬や鼻などに自然な影ができるため、顔の立体感を出しやすくなります。ただし、光が強いと顔の片側が暗くなりすぎることがあるため、撮影位置や人物の向きを調整しましょう。

逆光は、人物の後ろから光が当たる状態です。髪や輪郭が明るく写りやすい反面、顔が暗くなることがあります。その場合は露出補正をプラス側に設定して顔を明るくする方法が簡単です。顔検出に対応している機種では活用しつつ、撮影後に顔の明るさを確認して調整すると失敗を減らせます。

複数人・記念写真:全員にピントを合わせることを優先する

家族写真や友人同士の記念写真では、背景を大きくぼかすよりも、まず全員にピントを合わせることを優先しましょう。F値を小さくしすぎると、手前の人にはピントが合っていても、後ろにいる人がぼけてしまうことがあります。

複数人を撮る場合は、F値を少し大きくして絞り、被写界深度(ピントが合って見える前後の範囲)を広げると撮りやすくなります。また、できるだけ全員がカメラから同じくらいの距離になるように並んでもらうことも重要です。

背景までしっかり写したい場合は、広角側を使うと人物と周囲の景色を一緒に収めやすくなります。表情の違いを残したいときは連写も有効ですが、まずはピントと写真の明るさを確認したうえで撮影すると失敗を減らせます。

旅行・風景・物撮りのコツ:構図と焦点距離を意識する

旅行・風景・物撮りのコツ:構図と焦点距離を意識する

動きの少ない旅行や街歩き、料理や小物の撮影は、構図や明るさを確認しながら落ち着いて撮影しやすいジャンルです。

ズームレンズを使う場合は、広角側で周囲の景色まで入れたり、望遠側で主役を大きく写したりしながら、見せたい範囲を調整してみましょう。焦点距離を変えるだけでも写真の印象は大きく変わるため、同じ被写体を複数の画角で撮り比べると、構図の違いを理解しやすくなります。

風景は広角と前景を使って奥行きを出す

広い風景を撮るときは、遠くの景色だけでなく、手前に岩や花、柵などを入れると奥行きを感じやすい写真になります。こうした手前の要素を「前景」と呼びます。

風景全体をはっきり写したい場合は、F値を少し大きくして絞り、手前から奥までピントが合って見える範囲を広げる方法が基本です。ただし、絞りすぎると画質が低下することもあるため、必要以上にF値を大きくする必要はありません。

また、空が明るすぎて白く飛んでしまう場合は、露出補正をマイナス側に調整すると、雲や空の色を残しやすくなります。手持ち撮影では、シャッタースピードが遅くなりすぎると手ブレが起こりやすいため、撮影後にブレていないか確認しましょう。

街並み・建物:水平・垂直と背景を確認する

街並みや建物を撮るときは、まず写真の水平と垂直を意識しましょう。カメラのグリッド表示(画面に表示される格子線)を使い、地平線や建物の縦の線を目安にすると、傾きを確認しやすくなります。

また、街中では看板や電線、自動販売機など、主役より目立つものが画面に入りやすくなります。撮影前に画面の中央だけでなく四隅まで確認し、不要なものが入っていないかチェックしましょう。

目立つものが入る場合は、撮影位置を左右に変える、ズームして写す範囲を狭くする、横位置から縦位置に変えるといった方法が有効です。何を見せたい写真なのかを決め、その被写体が目立つ構図を選ぶと、街並みや建物をすっきり写しやすくなります。

食べ物・物撮り:窓からの光とピント位置を意識する

料理や小物を撮るときは、窓から入る自然光を利用すると、被写体の色や形を自然に見せやすくなります。直射日光が強い場合は影が濃くなりやすいため、レースカーテン越しの光など、やわらかい光を使うと撮影しやすくなります。

料理全体をはっきり写したい場合は、F値を少し大きくして絞り、ピントが合って見える範囲を広げます。一方、料理の一部や小物の質感を目立たせたい場合は、F値を小さくして背景をぼかし、最も見せたい部分にピントを合わせる方法が効果的です。

室内では、窓からの自然光と照明の光が混ざることで、写真が黄色や青色に偏ることがあります。このような場合は、ホワイトバランス(写真の色味を調整する機能)を確認しましょう。まずはオートホワイトバランスを使い、色が不自然に見える場合は「電球」など撮影環境に合った設定へ変更します。

写真が暗い、または明るすぎる場合は露出補正で調整します。料理の場合も、見た目の印象だけで判断するのではなく、白い皿などが白飛びしていないか確認しながら明るさを決めると失敗を減らせます。

動く被写体の撮り方:シャッタースピード・AF・連写を優先する

動く被写体の撮り方:シャッタースピード・AF・連写を優先する

運動会や野鳥など、動いている被写体を撮るときは、まずシャッタースピードを速くして被写体ブレを抑えることが重要です。次に、動く被写体へピントを合わせ続けるAF-CやAIサーボAFなどの動体向けAFを設定します。

さらに連写を使うと、動きや表情が変化する場面でも狙った瞬間を残しやすくなります。シャッタースピードを速くすると写真が暗くなりやすいため、必要に応じてISO感度を上げたり、ISOオートを使ったりして明るさを調整しましょう。

運動会・スポーツ:シャッタースピードを優先する

運動会やスポーツで、走る・跳ぶといった動きを止めて撮りたい場合は、まずシャッタースピードを速く設定します。S/Tv(シャッタースピード優先)モードを使うと、撮影者がシャッタースピードを決め、カメラが適正な明るさになるよう絞りを自動で調整します。ISOオートを設定している場合は、ISO感度も自動で変化します。

明るさが変わりやすい屋外では、ISO感度を自動で調整する「ISOオート」を使うと便利です。曇りや日陰ではISO感度が高くなり、ノイズが増えることがありますが、動く被写体ではノイズを抑えることより、まずブレを防ぐことを優先すると撮影しやすくなります。

AFは、動いている被写体にピントを合わせ続けるAIサーボAF(キヤノン)やAF-C(ニコン・ソニー)を使います。さらに連写を組み合わせると、走っている途中の表情や、動きが大きく変化する瞬間を残しやすくなります。

野鳥:まず画面内に入れてからズームする

野鳥撮影では望遠レンズを使うことが多いですが、望遠側ほど写る範囲が狭くなるため、鳥をファインダー内に入れるのが難しくなります。見つけにくい場合は、最初はズームを広角側に戻して鳥を画面内に入れ、その後に望遠側へズームすると追いやすくなります。

ピント合わせは、止まっている鳥ならワンショットAFやAF-S、飛んでいる鳥ならAIサーボAFやAF-Cなど、動く被写体にピントを合わせ続けるAFを使うのが基本です。連写も組み合わせると、羽ばたきや飛び立つ瞬間を残しやすくなります。

明るさは、まず画面全体を基準にする評価測光・マルチパターン測光・マルチ測光などを使うと設定しやすくなります。白い鳥が暗く写る場合は露出補正をプラス側、黒い鳥が明るく写りすぎる場合はマイナス側に調整し、撮影結果を確認しながら明るさを合わせましょう。

流し撮り:被写体の動きに合わせてカメラを動かす

流し撮りは、動いている被写体に合わせてカメラを動かし、被写体を比較的はっきり写しながら背景を流して見せる撮影方法です。車や自転車、電車など、横方向に動く被写体で使われます。

撮影モードはS/Tv(シャッタースピード優先)を使い、通常より遅めのシャッタースピードに設定するのが基本です。ただし、シャッタースピードが遅いほど背景は流れやすくなる一方、被写体までブレる可能性も高くなります。

撮影するときは、足を安定させ、被写体の動きに合わせて上半身をゆっくり動かします。シャッターを切った瞬間にカメラを止めず、そのまま被写体を追い続けることも重要です。

最初は自転車やゆっくり走る車など、動きを追いやすい被写体から練習すると分かりやすいでしょう。シャッタースピードを少しずつ変えながら撮り比べ、自分が被写体を追いやすい設定を見つけていくと成功しやすくなります。

花火の撮り方:一眼レフで長時間露光する基本手順

花火の撮り方:一眼レフで長時間露光する基本手順

花火を一眼レフで撮るときは、三脚でカメラを固定し、数秒間シャッターを開ける「長時間露光」を使うのが基本です。花火の光の軌跡を残したい場合は、バルブ撮影やタイム撮影を使うと、シャッターを開ける時間を自分で調整できます。

長時間露光では、わずかな振動でも写真がブレやすくなります。三脚は安定した場所に設置し、できるだけカメラに触れずに撮影しましょう。レリーズ(カメラに触れずにシャッターを切るためのリモートスイッチ)があれば、シャッターボタンを押すときの振動を抑えられます。レリーズがない場合は、セルフタイマーやスマートフォンからのリモート撮影を使える機種もあります。

ただし、花火大会では三脚や一脚の使用が禁止されている場合があります。事前に主催者の案内を確認し、使用できる場合でも通路や周囲の人の視界を妨げないように設置しましょう。

上達のコツ:撮影後に設定を確認して次に生かす

一眼レフの操作に慣れるには、設定を覚えるだけでなく、実際に撮影して結果を確認することが重要です。同じ被写体でも設定を変えて撮り比べると、F値やシャッタースピード、ISO感度の違いが写真にどう影響するのか理解しやすくなります。

撮影した写真には、F値・シャッタースピード・ISO感度などの撮影情報が記録されます。うまく撮れた写真と失敗した写真の設定を見比べれば、次にどの設定を変えればよいのか判断しやすくなります。

まずは「撮る」「見返す」「設定を変えてもう一度撮る」という流れを繰り返し、自分のカメラで使いやすい設定を少しずつ覚えていきましょう。

練習は1日1テーマに絞る

一眼レフの操作を覚えるときは、複数の設定を一度に変えるより、1回の撮影で一つのテーマに絞るほうが違いを理解しやすくなります。

例えば、A/Av(絞り優先)でF値だけを変えて背景のボケ方を比べる、S/Tv(シャッタースピード優先)で速度を変えて動きの写り方を確認する、といった練習がおすすめです。露出補正だけを変えて、写真の明るさがどのように変化するかを比べる方法もあります。

同じ被写体を設定だけ変えて何枚か撮ると、それぞれの設定が写真に与える影響を確認しやすくなります。まずは一つずつ操作を覚え、慣れてきたら複数の設定を組み合わせていきましょう。

撮影後は大きな画面で写真を確認する

カメラの背面モニターでは問題なく見えても、パソコンやタブレットなど大きな画面で確認すると、ピントのずれやブレに気づくことがあります。

撮影後は写真を拡大し、狙った場所にピントが合っているか、手ブレや被写体ブレが起きていないかを確認しましょう。失敗の原因が分かれば、次回はシャッタースピードやAF設定を変えるといった対策につなげられます。

公式ガイドを使って自分のカメラで設定を確認する

メーカー公式の撮影ガイドは、自分のカメラで使われている設定名や機能を確認するときに役立ちます。例えばソニーでは、人物・風景・料理・動く被写体など撮影シーン別のコツに加え、ISO感度、露出補正、Aモード、Sモード、AFなどの基礎知識も紹介しています。

ただし、設定できるISO感度の範囲や手ブレ補正の有無、AF機能などは、カメラやレンズによって異なります。そのため、公式ガイドとは違う機種を使う場合は、掲載されている設定をそのまま使うのではなく、撮影結果を見ながら調整しましょう。

一眼レフの撮り方のまとめ

一眼レフの撮り方を覚えるときは、F値・シャッタースピード・ISO感度をすべて暗記する必要はありません。まずは、写真が暗い、ブレる、ピントが合わない、背景が目立つといった失敗の原因を一つずつ確認し、それに合った設定を変えてみましょう。

人物撮影では目にピントを合わせ、背景との距離や顔の明るさを確認します。運動会や野鳥など動く被写体では、速めのシャッタースピードと動体向けAFを使うことが基本です。花火では、使用できる場所であれば三脚やレリーズを使い、長時間露光で光の軌跡を写します。

最初はPやオートモードで撮影に慣れ、その後、背景のボケを調整したい場合はA/Av、動きの写り方を変えたい場合はS/Tvを使ってみましょう。撮影後に写真と設定を見比べる習慣をつけると、それぞれの設定が写真に与える影響を理解しやすくなります。


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