
【2026年版】FUJIFILM X-T4のレビュー比較まとめ 静止画も動画も一本で回したい人に最適






FUJIFILM X-T4は、クラシカルなダイヤル操作の楽しさを残しながら、ボディ内手ブレ補正(最大6.5段)や大容量バッテリー、4K60p 10bit内部記録まで詰め込んだ“ハイブリッド志向”のAPS-Cミラーレスです。強みは手持ち撮影の自由度と動画機能の厚み、弱みは後継機と比べた静止画の解像度や、バリアングルモニターの好みが分かれる点でしょう。この記事では実機レビューや海外レビューの評価をもとに、いまX-T4を選ぶメリット・注意点、競合機との違いまで具体的に掘り下げます。
この記事のサマリー

X-T4は「写真の操作感」と「動画の実務性能」を両立しやすい一台で、IBIS+NP-W235+4K60p 10bitが核。中古で狙う価値が残りやすいです。

解像度重視の静止画派はX-T5など40MP世代が合う場合もあり、モニター可動方式(バリアングル)も好みが分かれます。

画質は26.1MPのX-Trans CMOS 4らしい色再現とRAW耐性が魅力。大伸ばしより「質感の気持ちよさ」を重視する人に向いています。

AFと連写はメカ15fps/電子20fps(条件付きで30fps)まで対応。万能スポーツ機というより、動体にも強いハイブリッド機として捉えると納得しやすいです。

動画は4K60p(クロップ条件あり)とFHD240pを備え、手持ちの安定化オプションも豊富。運用面はデュアルUHS-IIとUSB-C給電が効きます。
FUJIFILM X-T4のレビュー要点

FUJIFILM X-T4は、同社らしい撮影体験を残したまま、現場仕様の便利さを手に入れられるかどうかが選択のポイントになるカメラです。IBIS・バッテリー・シャッター機構・バリアングル化の4点が、撮影ジャンルの向き不向きを分けます。静止画も動画も撮る人ほど恩恵が大きく、逆に「写真の撮り方」が決まっている人は他のモデルが合う場合もあります。
おすすめな人
週末のスナップから家族行事、旅行、そして時々しっかり動画も撮りたい。そんな欲張りな使い方でも、X-T4は破綻しにくいカメラです。ボディ内手ブレ補正により、夕景や室内の静物、動きの少ない人物では手ブレを抑えながらISO感度を抑えやすくなります。走る子どもなど動きの速い被写体を撮る場合は、手ブレ補正よりも被写体の動きを止められるシャッタースピードを優先しましょう。
動画でも「手持ちでそれなりに成立する」範囲が広いのが利点です。例えば旅Vlogの歩き撮り、イベントの記録、料理やクラフトの手元撮影など、三脚やジンバルを毎回持ち出せない場面で助かるでしょう。TechRadarも発売当時のレビューでX-T4の総合力を高く評価しており、静止画と動画を一台で扱いやすい設計は現在も長所として残っています。
加えて、ダイヤル中心の操作系は「露出を自分で決めて撮っている感覚」が分かりやすく、撮影が作業になりにくいのもポイントです。RAW現像を含めて写真づくりを楽しみたい人ほど、長く付き合えるタイプのカメラと言えます。
不向きな人
解像度で作品を作りたい人、たとえば風景の大伸ばしプリントや、商品撮影で細部の情報量を最優先したい人は、40MPクラスの後継機や別システムが候補に上がりやすいです。X-T4の26.1MPが不足というより、トリミングを前提とした解像の余裕という点では最新高画素勢に譲ります。
動体撮影も、プロ競技レベルのスポーツや野鳥を主目的にする場合は注意が必要です。連写自体は速くても、被写体認識の挙動や望遠域の運用(レンズ選び・AF設定・電子シャッターの歪み)で“詰め”が要る場面があります。カメラ任せで成功率を最大化したいなら、より新しい世代のAFロジックを持つ機種が安心なこともあります。
もう一点、バリアングルモニターは動画・自撮りには便利ですが、スチル中心でウエストレベルや縦位置ローアングルを多用する人の中には、3軸チルトを好む人もいます。ここは性能差ではなく、撮り方の相性で評価が割れる部分です。
要素別レビュー早見表
数字のスペックだけでは判断しづらいので、使い勝手の“体感”に寄せて要点をまとめます。X-T4は特定の性能だけが突出したカメラというより、撮影の失敗要因を減らす方向に効くカメラで、特に手持ち性能と動画運用が強みになりやすいです。
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
画質(色・質感) | 26.1MPでも立体感の出し方が上手く、JPEGのフィルムシミュレーションも含めて“仕上がりが速い”。 |
高感度・RAW耐性 | 無理をさせても破綻しにくい傾向。暗所はIBISと合わせて粘りやすいが、超高感度は用途次第。 |
AF性能 | 人物・日常動体は十分。競技スポーツ級の追従を期待すると設定の詰めが必要になることも。 |
連写性能 | メカ15fpsが実用的。電子20fps/条件付き30fpsは歪みやクロップの理解が前提。 |
手ブレ補正 | 静止画・動画とも効く。手持ち動画の安定化は便利だが、設定次第で画角や動きの自然さが変わる。 |
動画性能 | 4K60p 10bit内部記録が核。FHD240pも強みだが、画質と運用(クロップ・熱・カード速度)を理解したい。 |
操作性 | ダイヤル中心で直感的。バリアングルは動画向き、スチル中心だと好みが分かれる。 |
バッテリー・運用 | NP-W235で持ちが良く、USB-C給電も便利。デュアルUHS-IIはバックアップ運用がしやすい。 |
コスト感 | 新品より中古中心の選択肢になりやすいが、機能密度を考えると“値段以上”の満足感がある。 |
FUJIFILM X-T4の基本情報

FUJIFILM X-T4は2020年4月発売のAPS-Cミラーレスで、2026年7月現在は生産終了モデルです。しかしIBIS搭載・大容量バッテリー・デュアルUHS-II・4K60p 10bit内部記録と、いま見ても撮影現場で効く仕様がまとまっています。在庫はタイミング次第になりやすく、選び方としては中古コンディションや付属品の揃い方が重要になってきます。
主なスペック要点
静止画と動画の“軸”になる項目だけを抜き出すと、X-T4のキャラクターがつかみやすくなります。
項目 | 値 |
|---|---|
センサー | APS-C X-Trans CMOS 4(有効約26.1MP、BSI) |
ISO感度 | 常用ISO 160-12800(拡張ISO 80-51200) |
AF | 位相差+コントラストのハイブリッドAF(測距点最大425点) |
連写(メカ) | 最高15コマ/秒(ライブビュー表示時は最大8コマ/秒) |
連写(電子) | 最高20コマ/秒(1.25×クロップで最高30コマ/秒) |
動画 | DCI/UHD 4Kは最高60p、H.265で10bit内部記録に対応。最大400Mbpsは4K 29.97p以下で、4K 59.94p/50pは最大200Mbps。FHDでは通常撮影時に最高60p、ハイスピード動画撮影時に最高240pに対応 |
手ブレ補正 | 5軸IBIS(最大6.5段の補正効果:対応レンズとの組み合わせ時) |
EVF | 約369万ドット OLED、倍率0.75倍、最大100fps |
モニター | 3.0型 約162万ドット バリアングル タッチ対応 |
メディア | SD×2(両スロットUHS-II対応、V90対応) |
後継機種との比較:X-T5との違い
後継機のFUJIFILM X-T5は2022年11月発売で、2026年7月時点でのFUJIFILM公式サイトの価格は298,100円(税込)です。静止画の解像度を大きく引き上げた一方で、モニター可動は3軸チルト方向へ寄せた設計です。つまり「写真の画素と機動性」に寄せたのがX-T5、「手持ち動画も含めた総合運用」に寄せたのがX-T4、という見立てがしやすいでしょう。
X-T5は40.2MPセンサーや被写体検出AF、6.2K動画記録を備え、4K60pとFHD 240pにも対応します。高画素化によるトリミング耐性の高さは、風景や建築、商品撮影で特に活きるポイントです。
一方、X-T4は自撮りや動画撮影で使いやすいバリアングルモニターが特徴で、動画フレームレートや手持ち運用の厚みに強みがあります。画素数やAF性能に加え、モニター方式と中古価格まで含めて比較すると選びやすいでしょう。なおX-T4は新品より中古での選択が現実的になりやすく、価格差が大きいほど「IBIS付きのハイブリッド機を手頃に組む」意味が出ます。
中古価格も含めて考えると、Andre Pel(個人レビュー)のように「価格次第では今も非常にコストパフォーマンスが高い」という見方が出てくるのも自然です。予算をレンズに回したい人には、この世代の強さが残ります。X-T5とX-T4はどちらが上というより、モニター方式・画素数・中古価格の3点を自分の撮り方と照らし合わせると、候補が絞りやすくなります。
FUJIFILM X-T5の情報はこちらの記事でまとめています。
X-T4のデザインと操作性のレビュー

FUJIFILM X-T4は、シャッター速度ダイヤルや露出補正ダイヤルなど“触って分かる操作系”を持ちながら、動画用途を強く意識した改良が入った世代です。特にバリアングル化とバッテリー大型化は、使い方そのものを変えます。撮影スタイルがスチル中心か、動画比率が高いかで評価が割れやすいので、良い点と気になる点を分けて見ていきましょう。
ダイヤル操作の気持ちよさと、設定の迷いにくさ
X-Tシリーズらしく、露出を「いま何に設定しているか」が外観で把握しやすいのは大きな魅力です。オート撮影が悪いわけではありませんが、例えば夕方の逆光ポートレートでシャッター速度だけ固定したい、夜のスナップでISO上限を意識しながら撮りたい、といった場面で“迷いが減る”方向に働きます。
また、静止画と動画を行き来する人ほど、ボタンカスタマイズやクイックメニューの設計が効いてきます。X-T4は前モデルのFUJIFILM X-T3からボディ側の更新点が多く、単なる同型の後継ではないので、購入後は自分の撮影ジャンル(家族、旅、仕事)に合わせて割り当てを整えると快適さが伸びます。
一方で、設定項目が豊富なぶん、最初は“できることが多すぎる”と感じる可能性もあります。迷ったら、まずは手ブレ補正、AF-Cの挙動、動画のフレームレートとビットレートの関係から馴染ませるのが近道でしょう。
バリアングルモニターは動画に強いが、スチル派は要確認
背面モニターがフル可動になったことで、自撮りやインタビュー、縦位置ローアングルなどの自由度は確実に上がっています。Photography Blogでも、ボディを少し厚くするだけでIBIS・強力なバッテリー・フル可動スクリーンを詰め込んだ点を高く評価しており、X-T4の方向性を象徴する変更点です。
ただし、写真中心で素早く角度を変えたい人にとって、横に開く動作がひと手間増えることはあります。特に縦位置で地面すれすれを狙うとき、3軸チルトに慣れた人ほど違和感が出やすいでしょう。ここは慣れで解決する場合もありますが、撮影頻度が高いスタイルほど購入前にイメージしておくと安全です。
X-T4の操作性は「触って楽しい」だけでなく、撮影の失敗を減らすための実用改良が積み重なったタイプです。だからこそ、モニター方式だけは“好み”として切り分けて判断するのがおすすめです。
FUJIFILM X-T4の画質評価(色・解像・高感度)

FUJIFILM X-T4の画質は、センサー自体は同世代機と比べて突出した高画素ではありません。その代わり、X-Transらしい色の出方や、RAWの粘り、フィルムシミュレーション込みでの「仕上がりの早さ」が魅力になります。高解像で細部を詰めるより、被写体の空気感を整えて“写真として成立させる”のが得意な方向性です。
26.1MPでも立体感が出る理由:色と階調の扱いやすさ
APS-Cで26.1MPという数字は、2026年の目線だと控えめに見えるかもしれません。それでもX-T4は、ディテールの見え方や色のつながりが良く、SNSやA3プリント程度なら不満が出にくいはずです。特に人物の肌、夕景のグラデーション、木々の葉の密度感など、“量”より“質”で勝負するタイプに感じられます。
Imaging Resourceは、X-T4の画像を「ノイズが少なくシャープで、優れたディテールとダイナミックレンジ、心地よい色再現」と評しています。これは単に彩度が派手という意味ではなく、RAWで追い込んだときに階調が崩れにくい、シャドーを持ち上げても破綻しにくい、といった“編集耐性”も含めた評価として受け取ると納得しやすいです。
JPEG中心の人でも、フィルムシミュレーションで方向性を決めやすいのは利点です。納品や家族写真の整理など、現像に時間をかけられない状況ほど効いてきます。
高感度は「IBIS込み」で考えると成功率が上がる
FUJIFILM X-T4の常用ISOは160〜12800で、暗所にもある程度強い設計です。ただし“高感度が強いカメラ”というより、IBISがあることでシャッタースピードを稼げて、結果的にISOを上げすぎずに済む、この組み合わせが強いと捉えるのが現実的でしょう。
例えば室内の誕生日会やライブハウスの記録で、手ブレを恐れてISOを一段二段上げてしまう場面は多いです。ここでIBISが効くと、同じ明るさでもISOを抑えられる可能性があり、結果として階調が残りやすくなります(被写体ブレは別問題なので、動く被写体ではシャッター速度優先が必要です)。
RAW現像では、ノイズリダクションとシャープのバランスを詰めやすい素材感があります。夜景スナップや室内ポートレートを「雰囲気を残して仕上げたい」人には扱いやすいはずです。
X-T4のAF性能と連写のレビュー

FUJIFILM X-T4は“動体向け”としても語られやすいですが、理解しておきたいのは「連写の速さ」と「追従の賢さ」は別物という点です。メカ15fpsは頼もしく、電子シャッターも高速ですが、被写体の種類や動き方によって成功率が変わるのは多くのカメラと同じです。得意なシーンを把握して使うと、撮れる幅が一気に広がります。
メカ15fpsの使いやすさと、静音化のメリット
新設計のメカシャッターで最高15コマ/秒までいけるのは、日常撮影でも効きます。子どもの走り出し、ペットの表情変化、ダンスやパフォーマンスの“決まる瞬間”など、短時間だけ連写したい場面で、メカの安定感は心強いでしょう。
加えて、シャッターの静音化はイベント撮影で効いてきます。式典や発表会、静かな室内でのスナップなど、電子シャッターを使いたくなる場面でも、LED照明のフリッカー(縞)や動体歪みが気になることがあります。そういうとき「メカで速い」こと自体が保険になります。
バッファの余裕はカード速度にも左右されますが、デュアルUHS-IIの前提があるため、カメラ側の足を引っ張りにくい構成です。撮影のテンポが落ちにくいのは、数字以上にありがたい部分です。
電子20fps/30fpsは“条件”を理解して使う
電子シャッターの20コマ/秒、さらに1.25×クロップで30コマ/秒は、表情のピークや決定的瞬間の捕捉に役立ちます。ただし、ローリングシャッター歪み(動く被写体が斜めに変形する現象)の影響が出る可能性があるため、被写体の速度や撮り方には注意が必要です。
Digital Camera Worldでは、X-T4がX-T3から重要機能を追加してより強力になった一方で、被写体が急に不規則に動く状況では追従に課題が出ることがある、というニュアンスも示しています。つまり「何でも撮れる」ではなく、撮影者がゾーンAFやAF-C設定を合わせ込むほど結果が良くなるタイプです。
運動会で走る子ども、近距離で動くペットなど、動きが読みやすい被写体では十分通用します。逆に、野鳥の急旋回や競技スポーツの密集戦のような難条件では、連写よりもAFのクセを掴むことが重要になるでしょう。
FUJIFILM X-T4の手ブレ補正(IBIS)レビュー

FUJIFILM X-T4の評価を決定づけた要素の一つがIBISです。レンズ側手ブレ補正(OIS)に頼らず、単焦点でも手持ちの成功率が上がり、動画でも“支え”として効きます。逆に言えば、IBISの恩恵を感じにくいジャンル(常に高速シャッター、常に三脚)だと、X-T4を選ぶ理由が薄くなることもあります。
静止画:シャッタースピードの余裕が、表現の余裕になる
最大6.5段という補正効果は、数字だけを見ると誇張に見えるかもしれませんが、体感としては「撮れなかった写真が撮れる」方向に効きます。例えば夕方の路地で、標準域の単焦点を開放寄りにして雰囲気を残したいとき、被写体が止まっていれば手持ちで粘れる可能性が上がります。
特にAPS-Cでは、同じ画角を得るために焦点距離が短めになりやすく、IBISとの相性が良い場面があります。もちろん被写体ブレは止められないので人物やライブの動きは別の工夫が必要ですが、背景の階調や空気感を残すのに大きく役立ちます。
また、マニュアルフォーカスのオールドレンズを楽しむ人にもIBISは効きます。ピント拡大時の揺れが抑えられ、細部の追い込みがしやすくなるため、結果として成功率が上がりやすいです。
動画:デジタル補正は便利だが、画角クロップを忘れない
動画ではIBISに加えて、デジタル手ブレ補正やISブーストなど、安定化の選択肢が用意されています。例えば室内の手持ちインタビュー、旅先の小さな移動、三脚禁止の場所での記録など、機材を増やせないときの逃げ道になります。
X-T4の動画は、4K60pやデジタル手ブレ補正の使用時に画角が狭くなります。クロップ倍率は動画モードや補正設定によって異なるため、撮影前に実際の画角を確認しておきましょう。Vlogや室内撮影ではレンズ選びや画角設計に余白を持たせると安心です。
ISブーストは“固定っぽく見せたい”ときに役立ちますが、意図的にパンする撮り方だと動きが不自然になることもあります。撮影シーンでオンオフを切り替える前提で、撮影意図に合わせて使い分けるのが良いでしょう。
X-T4の動画性能レビュー(4K60p/10bitとFHD240p)

FUJIFILM X-T4を動画機として見ると、4K60pと10bit内部記録、さらにFHD240pまで揃っているのが大きな個性です。動画専用機の操作系とは違い、写真機の形のまま高品位な動画を撮れるところに価値があります。とはいえ、4K60p時のクロップ、記録ビットレートとカード、熱やバッテリー運用など、押さえるべき実務ポイントもあります。
4K60p 10bit内部記録の強み:編集耐性と色の作りやすさ
10bit記録は、簡単に言うと色の階調(なめらかさ)を残しやすく、グレーディングで破綻しにくい形式です。逆光の人物、夕景のグラデーション、室内照明の混在など、“色が荒れやすい条件”ほど差が出ます。X-T4は内部で10bitを扱えるため、外部レコーダー必須になりにくい点が撮影シーンで効いてきます。
CameraLabs(Gordon Laing氏)は、X-T4が「美しい4K60 10-bitフッテージ」を撮れる点を強く評価しています。実際、解像だけでなく色の粘りが欲しい人ほど恩恵があり、短編作品やクライアントワークのサブ機としても成立しやすいです。
一方で、4K60pはクロップが入る条件があるため、広角で寄りたい人はレンズ選びが重要です。4K30pまでの“フル幅寄り”の画づくりと、60pの滑らかさのどちらを優先するかで、撮り方が変わってきます。
FHD240pは“万能ではない”が、得意な場面は明確
FHD240pは、動きの速い被写体をドラマチックに見せたいときに大きく役立ちます。水しぶき、ダンスの一瞬、スポーツのフォーム確認、髪の動きなど、速度情報そのものが表現になる被写体で効果が出ます。逆に、通常の記録映像として常用するものではなく、画質やノイズ、ディテールは低フレームレートより不利になりやすい点は理解しておきたいところです。
また、ハイスピード撮影はシャッタースピードや照明条件の影響を受けやすく、室内だと暗くなりやすいです。ここでもIBISが多少助けになりますが、被写体ブレは別なので、照明やレンズの明るさ、撮影距離などで対策するのが現実的です。
X-T4の動画は「幅が広い」こと自体が強みです。全部を完璧にこなすというより、1台で多くの案件・趣味に対応でき、必要に応じて設定で寄せられるカメラだと捉えると満足しやすいでしょう。
FUJIFILM X-T4のバッテリー・メディア・運用レビュー

撮影シーンで実用的に効くのが、バッテリーの持ちとメディア構成、そして給電手段です。X-T4はNP-W235採用でスタミナが改善し、SDデュアルスロットも両方UHS-II対応。さらにUSB-C給電まで揃うため、写真も動画も「途中で止まりにくい」方向に寄せられています。中古購入でも、この運用面の強さは価値が落ちにくい部分です。
NP-W235とUSB-C給電:長時間撮影で頼れる構成
FUJIFILM X-T4のCIPA撮影可能枚数が約500枚(条件で約600枚)というのは、X-T系の運用感を変える進化です。特に旅行で丸一日撮る、子どもの行事で長時間構える、といった場面で、交換回数が減るだけで撮影に集中しやすくなります。縦位置グリップを使うと最大約1700枚という公式目安もあり、長時間撮影では心強い選択肢になります。
USB-C給電に対応しているため、長回しのインタビューや定点記録ではモバイルバッテリー運用も組みやすくなります。熱や停止条件は撮影環境に左右されますが、「電源がネックで回せない」状況は減らせるでしょう。
デュアルUHS-IIの安心感:バックアップと振り分けが現実的
SDカード2枚運用は、写真のバックアップだけでなく、動画の同時記録(バックアップ)や、写真と動画をスロットで分ける運用にも効きます。仕事やイベント撮影だと、カードの不具合リスクはゼロにできないので、同時記録ができるだけで心理的負担がかなり減ります。
また、4K高ビットレート(最大400Mbps)を安定して記録するには、ビデオスピードクラスV60以上のSDカードが必要です。連写後の書き込み速度や余裕を重視する場合は、より高速なV90カードも候補になります。中古で本体を抑えて、メディアや予備バッテリーに投資する、という組み方もしやすいでしょう。
FUJIFILM X-T4と競合機の比較
FUJIFILM X-T4の立ち位置を掴むには、同じく“APS-Cの上位”にいる競合と、後継機を並べて見比べるのが近道です。ここでは動画・連写・運用の観点から各機種の特徴を整理します。どれが最強かではなく、撮影ジャンルと撮り方に対して、どの機種がストレスを減らすかで選ぶのが現実的です。
機種 | 立ち位置 |
|---|---|
FUJIFILM X-T4 | IBIS+4K60p 10bit+FHD240pの“ハイブリッド寄り”フラッグシップ。中古で価格と機能密度のバランスが取りやすい。 |
動体と望遠運用に強いAPS-C。AFの安心感と高倍率用途で選びやすいが、レンズ資産と運用コストで判断が分かれる。 | |
被写体認識AFと動画ワークフローが強い現代的APS-C。オートでの成功率を重視する人に向く。 | |
被写体検出AFと6.2K動画に対応した軽量な"ハイブリッド"モデル。身軽さとAF・動画性能で選びやすい。 |
Canon EOS R7:望遠・動体の比重が高い人は比較必須
Canon EOS R7は2022年6月発売で、野鳥やモータースポーツ、運動会の望遠撮影など、動体の成功率を上げたい層に向いているAPS-Cです。X-T4も連写は速いのですが、動体で最後に効いてくるのはAFの追従ロジックや、望遠域でのレンズ選択肢・手ブレの制御です。
もし「望遠が主目的」で、編集時間を減らしたいなら、EOS R7の方向性は合理的になりやすいでしょう。反対に、色作りや撮影体験、フィルムシミュレーションを含めた作品づくりが中心なら、X-T4の“楽しく続けやすい”価値が勝つこともあります。結局は、何を撮る日が一番多いかで決めるのが正解です。
また、動画でも動体を追う撮り方(子どもの競技、動物)をするなら、AFの性格差が作品の安定感に直結します。ここはスペック表より、撮影ジャンルの比率で判断するのが良いでしょう。2026年7月時点でのCanon公式サイトの価格は220,000円(税込)です。
Canon EOS R7の情報はこちらの記事でまとめています。
Sony α6700:オートの成功率と動画運用で選ぶなら強力
2023年7月発売のSony α6700は、被写体認識を軸にしたAFや、動画の運用面(プロファイル、周辺機器との親和性)で選ばれやすい機種です。2026年7月時点でのソニー公式サイトの価格は229,900円(税込)です。X-T4は“撮影者が決める余地”が大きく、そこが楽しさでもありますが、急ぎの現場や失敗できない場面では、オートで安定する設計が強みになります。
動画中心で、被写体がよく動く、撮り直しが難しい、編集の標準化をしたい、こうした条件が揃うほど、α6700の強みは分かりやすいでしょう。一方で、X-T4には4K60p 10bit内部記録やFHD240p、そしてフィルムシミュレーションの“仕上がりの速さ”があり、編集で色を追い込みすぎない運用なら今でも通用します。
どちらも優秀だからこそ、「撮影現場で何を自動化し、何を手動で追い込みたいか」を先に決めると選びやすくなります。
Sony α6700の情報はこちらの記事でまとめています。
FUJIFILM X-S20:軽さと新しいAF・動画機能を重視するなら有力
同じXマウントで比較するなら、2023年6月発売のX-S20も有力な選択肢です。X-T4と同じ有効約26.1MPのX-Trans CMOS 4を採用しながら、画像処理エンジンには新しいX-Processor 5を搭載。動物、鳥、車、バイク、飛行機、電車などを認識する被写体検出AFにも対応しており、カメラ側の自動認識を活用して撮りたい人に向いています。
ただし、X-S20は人気の高さから供給が追いつかず、これまでにも受注停止と再開を繰り返しており、購入を検討する際は在庫状況を事前に確認することをおすすめします。動画は6.2K30pと4K60pに対応し、ボディ内手ブレ補正も最大7.0段。バッテリーとメモリーカードを含む重量は約491gで、X-T4より軽く、旅行や日常の動画撮影で機材をコンパクトにまとめやすいのが利点です。バリアングルモニターや大きめのグリップを備えているため、自撮りやVlogにも対応しやすいでしょう。
一方で、X-S20のメカシャッター連写は最高約8コマ/秒で、SDカードスロットも1基です。X-T4はメカシャッターで最高15コマ/秒、デュアルUHS-IIスロット、約369万ドットのEVFを備えているため、動体撮影やバックアップ記録、ファインダーを使った撮影では優位性があります。軽さや被写体検出AF、6.2K動画を優先するならX-S20、操作ダイヤルや連写、デュアルスロットを重視するならX-T4と整理すると選びやすいでしょう。
FUJIFILM X-S20の情報はこちらの記事でまとめています。
FUJIFILM X-T4のレビュー比較まとめ
FUJIFILM X-T4は、26.1MPのAPS-C画質と富士フイルムらしい色づくりに加えて、IBIS・NP-W235・デュアルUHS-II・4K60p 10bit内部記録といった“運用を強くする要素”が揃ったハイブリッド機です。後継機のX-T5と比べると高画素ではありませんが、手持ち動画や撮影自由度の高さは今も魅力でしょう。静止画と動画を両方やる人、一本のボディで撮影ジャンルを横断したい人は、モニター方式の好みと中古コンディションを確認しつつ、X-T4を軸にシステムを組むと満足度が出やすいです。
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