FUJIFILM X-S20とX-T5を徹底比較 写真・動画・操作性の違いから自分に合う1台を選ぶ

FUJIFILM X-S20とX-T5を徹底比較 写真・動画・操作性の違いから自分に合う1台を選ぶ

X-S20とX-T5は、どちらも手ブレ補正や被写体検出AFなどを備えたXマウント機ですが、向いている撮影スタイルはかなり違います。写真も動画も軽快に撮りたいならX-S20、高解像の静止画やダイヤル操作を重視するならX-T5が候補になります。この記事では、画質・動画・操作感・携帯性・コストの違いを、実際の撮影でどう影響するかに置き換えて比較します。スペックの優劣だけでなく、自分の撮り方に合うのはどちらかを判断しやすいように整理しました。

みんカメ編集部
筆者
みんカメ編集部
みんなのカメラ編集部によるカメラに関する最新情報・レビューなどを毎日配信しています!ためになるプロのテクニックもご紹介。

この記事のサマリー

チェックアイコン

X-S20は約491gの軽量ボディ、バリアングルモニター、Vlogモードを備え、写真も動画も気軽に撮りたい人に向いています

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X-T5は約4020万画素センサー、最高1/180000秒の電子シャッター、物理ダイヤルを備え、静止画をじっくり撮りたい人に合うモデルです

チェックアイコン

自撮り・Vlog・縦動画を撮るなら、画面を前に向けられるX-S20のほうが扱いやすいです

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風景・建築・商品撮影などで細部まで残したい場合や、撮影後に大きくトリミングしたい場合はX-T5が有利です

チェックアイコン

迷ったら、動画で自分を撮る頻度、静止画でトリミングする量、長時間持ち歩くかどうかを基準に選ぶと分かりやすいでしょう

目次

FUJIFILM X-S20とX-T5はどちらを選ぶべきか|結論と迷いどころを先にほどく

FUJIFILM X-S20とX-T5を徹底比較 写真・動画・操作性の違いから自分に合う1台を選ぶ

X-S20X-T5は、どちらが上というより、向いている撮影スタイルが違うカメラです。動画や旅行スナップまで幅広く楽しみたい人にはX-S20が向いています。静止画の解像感、トリミング耐性、ダイヤル操作を重視するならX-T5のほうが選びやすいでしょう。

両機は同じFUJIFILM Xマウントなので、レンズ資産を共有できます。ただし、センサー、画素数、モニター機構、シャッター速度、カードスロットの構成が異なるため、使い心地は別物です。

https://www.minnacamera.com/products/c1680

https://www.minnacamera.com/products/c1712

2台の立ち位置:軽快なX-S20と、写真志向のX-T5

X-S20は、X-Trans CMOS 4センサーとX-Processor 5を組み合わせた約2610万画素のモデルです。バリアングルモニターやVlogモードを備えており、日常の写真、旅行、動画を1台でこなしたい人に合います。

一方のX-T5は、約4020万画素のX-Trans CMOS 5 HRセンサーを搭載したモデルです。メカシャッターは最高1/8000秒、電子シャッターは最高1/180000秒まで対応し、静止画をじっくり作り込む用途に向いています。3方向チルトモニターや物理ダイヤルも、写真撮影との相性がよいポイントです。

詳しいレビューは以下の記事で紹介しています。

比較するなら見るべき軸は5つ

X-S20とX-T5で迷うときは、単にどちらが高性能かではなく、自分の撮影で差が出やすい部分から考えるのが現実的です。見るべき軸は、次の5つです。

  1. 画素数とトリミング耐性
    約4020万画素が必要か、約2610万画素の扱いやすさを取るか。
  2. モニター機構
    自撮り・縦動画を撮るならバリアングル、縦位置の静止画を撮るなら3方向チルトが使いやすくなります。
  3. シャッター速度
    日中に明るい単焦点レンズを開放で使う機会が多いなら、X-T5の高速シャッターが有利です。
  4. 動画の撮りやすさ
    6.2K/30pや10bit記録は両機とも対応しますが、自分撮りやVlogではX-S20のほうが扱いやすい場面が多くなります。
  5. 運用コスト
    高画素のX-T5は、RAWデータやバックアップの容量が大きくなりやすいです。PCやストレージ環境も含めて考えると、選びやすくなります。

X-S20 vs X-T5の比較早見表

項目

X-S20

X-T5

比較ポイント

静止画の方向性

約2610万画素で扱いやすい

約4020万画素で細部の描写に強い

大型プリントやトリミング前提ならX-T5が有利

センサー

X-Trans CMOS 4

X-Trans CMOS 5 HR

解像重視ならX-T5、データの扱いやすさ重視ならX-S20

画像処理エンジン

X-Processor 5

X-Processor 5

処理エンジンは同世代

手ブレ補正

5軸・最大7.0段

5軸・最大7.0段

補正段数は同等

動画の取り回し

バリアングルとVlogモードで自撮りしやすい

高画質動画も撮れるが、自撮りは工夫が必要

動画を日常的に撮るならX-S20が扱いやすい

動画記録

6.2K/30p、4:2:2 10bit記録に対応

6.2K/30p、4:2:2 10bit記録に対応

画質スペックだけでなく、モニターや操作導線も見る

操作コンセプト

PASM系のモードダイヤル

シャッタースピード・ISOなどの物理ダイヤル

他社機からの乗り換えはX-S20、写真機らしい操作感ならX-T5

メカシャッター

最高1/4000秒

最高1/8000秒

明るい屋外で開放撮影をするならX-T5に余裕がある

電子シャッター

最高1/32000秒

最高1/180000秒

日中にF1.4前後を多用するならX-T5が便利

背面モニター

3.0型バリアングル式タッチパネル液晶

3.0型3方向チルト式タッチパネル液晶

自撮り・動画はX-S20、縦位置の静止画はX-T5

メモリーカード

SDカードスロット×1(UHS-II対応)

SDカードスロット×2(UHS-II対応)

バックアップ記録やRAW/JPEGの振り分けを重視するならX-T5

静止画の電池寿命

ノーマル:約750枚/エコノミー:約800枚

ノーマル:約580枚/エコノミー:約740枚

ノーマル同士ではX-S20、エコノミーでは差が小さくなる

撮影時重量

約491g

約557g

差は約66g。小型レンズと組み合わせるならX-S20が軽快

価格感

比較的手を出しやすい価格帯になりやすい

ボディ価格は高めになりやすい

差額をレンズや周辺機器に回すならX-S20が選びやすい

おすすめの人

写真も動画も気軽に撮りたい人

高解像の静止画をじっくり撮りたい人

モニター方式と画素数の必要性で決めると分かりやすい

どちらも基本性能は高いので、最後は「自分を撮るか」「大きくトリミングするか」「物理ダイヤルで撮りたいか」で判断すると選びやすくなります。

主要スペック比較|数字の差が撮影にどう影響するか

主要スペック比較|数字の差が撮影にどう影響するか

スペック表だけでは、実際の使い心地までは見えにくいです。こちらでは、撮影結果や運用に関わりやすい項目に絞って比較します。特に見ておきたいのは、画素数、モニター方式、シャッター速度、電池寿命、メモリーカードスロットです。

画素数はトリミングやデータ量に、モニター方式は撮影姿勢に、シャッター速度は明るい屋外での開放撮影に関わります。電池寿命やカードスロットも、旅行や長時間撮影では使い勝手を左右するポイントです。

主要スペック表:撮影スタイルと運用に関わる項目を中心に

項目

X-S20

X-T5

比較ポイント

センサー/有効画素

X-Trans CMOS 4/約2610万画素

X-Trans CMOS 5 HR/約4020万画素

トリミングや大きなプリントを重視するならX-T5、データの扱いやすさを重視するならX-S20

画像処理エンジン

X-Processor 5

X-Processor 5

処理エンジンは同世代

ボディ内手ブレ補正

5軸/最大7.0段

5軸/最大7.0段

補正段数は同等。高画素のX-T5では、ブレやピントの甘さが拡大時に目立ちやすい

メカシャッター速度

最高1/4000秒

最高1/8000秒

日中に明るいレンズを開放で使うならX-T5に余裕がある

電子シャッター速度

最高1/32000秒

最高1/180000秒

晴天下でF1.4前後を使う機会が多い人はX-T5を活かしやすい

背面モニター

3.0型バリアングル式タッチパネル液晶

3.0型3方向チルト式タッチパネル液晶

自撮りや動画はX-S20、縦位置の静止画はX-T5が使いやすい

静止画の電池寿命

ノーマル:約750枚/エコノミー:約800枚

ノーマル:約580枚/エコノミー:約740枚

ノーマル同士ではX-S20に余裕がある。エコノミーでは差が小さくなる

動画記録

6.2K/30p、4:2:2 10bit記録、F-Log2に対応

6.2K/30p、4:2:2 10bit記録、F-Log2に対応

動画スペックは近い。自撮りやVlogではX-S20のバリアングルが扱いやすい

メモリーカード

SDカードスロット×1(UHS-II対応)

SDカードスロット×2(UHS-II対応)

バックアップ記録やRAW/JPEGの振り分けを使いたいならX-T5が便利

撮影時重量

約491g

約557g

差は約66g。長時間の持ち歩きではX-S20の軽さを感じやすい

画素数とシャッター速度は、購入後に埋めにくい差になりやすい

X-T5の約4020万画素は、撮影後に一部を切り出したい場面や、細部の描写を重視する撮影で強みになります。風景の枝葉、建築の細かな線、商品の質感などを大きく見せたい場合は、高画素センサーのメリットを感じやすいでしょう。

ただし、画素数が増えるほどRAWデータや高画質JPEGの容量は大きくなり、保存・転送・現像の負担が増えます。SNS投稿やA4程度までのプリントが中心なら、約2610万画素のX-S20で十分に扱いやすく、撮影枚数が多い人にも向いています。

シャッター速度は、購入後に補いにくい違いのひとつです。X-T5はメカシャッターで最高1/8000秒、電子シャッターで最高1/180000秒まで対応します。晴れた屋外でF1.4前後の単焦点レンズを開放で使いたい人は、露出を調整しやすい場面が多くなります。

X-S20も電子シャッターで最高1/32000秒まで使えるため、日常撮影で大きく困る場面は多くありません。とはいえ、明るい時間帯に開放撮影をよく使うなら、X-T5のシャッター速度は選ぶ理由になります。

モニター方式と電池寿命は、撮影スタイルに直結する

X-S20のバリアングルモニターは、自撮り、Vlog、縦動画、ローアングル撮影と相性がよいです。画面を前に向けられるため、自分を入れた動画や家族との記録を撮るときに構図を確認しやすくなります。

X-T5の3方向チルトモニターは、カメラの後ろから構える静止画撮影に向いています。特に縦位置でローアングルやハイアングルを使う場合、画面を見ながら構図を作りやすいのが特徴です。スナップやポートレートで縦構図を多用する人には、X-T5のモニター方式が合いやすいでしょう。

電池寿命は、同じ条件で比較することが大切です。X-S20はノーマルで約750枚、エコノミーで約800枚。X-T5はノーマルで約580枚、エコノミーで約740枚です。ノーマル同士ではX-S20に余裕がありますが、エコノミーでは差が小さくなります。

旅行やイベントで長時間撮るなら、X-S20は予備バッテリーの本数を抑えやすいです。X-T5もエコノミー設定や予備バッテリーで対応できますが、高解像の静止画をじっくり撮るカメラとして考えると、バッテリー管理も含めて準備しておくと安心です。

静止画画質の比較|約4020万画素は誰に向いているか

(Via:FUJIFILM X-T5作例)

静止画の違いは、「画素数が多いほど画質がよい」と単純には言い切れません。大切なのは、必要な解像度、トリミングの頻度、ブレやピントへの許容度、データ管理のしやすさです。

X-T5は約4020万画素の高解像センサーを搭載しており、細部まで残したい撮影に向いています。X-S20は約2610万画素で、データの扱いやすさと撮影後の作業の軽さが魅力です。SNS中心なのか、プリントや商用撮影まで考えるのかで、選びやすい機種が変わります。

解像度とトリミング耐性:大きく出力するならX-T5が有利

X-T5の約4020万画素は、撮影後に一部を切り出したい場面で余裕があります。旅行先で立ち位置が限られるときや、動物・スポーツ撮影で被写体を大きく写しきれなかったときも、トリミングしやすいのが強みです。

風景の枝葉、建築の細かな線、商品の質感などを大きく見せたい場合も、X-T5の高画素センサーは相性がよいです。A2プリントや大きめの掲載画像を想定するなら、解像度の差を活かしやすいでしょう。

一方で、SNS投稿やL判〜A4程度のプリントが中心なら、X-S20の約2610万画素でも十分に使いやすいです。撮影枚数が多い人や、現像・書き出しを軽く済ませたい人には、X-S20のデータ量の少なさが扱いやすさにつながります。

低感度と露出の自由度:明るい場面ではX-T5に余裕がある

X-T5は静止画でISO64まで選べます。明るい屋外でシャッター速度や絞りの選択肢を広げたいときに便利です。たとえば、白い雲、金属、ガラスなど反射の強い被写体を撮るときは、露出を細かく調整できることが仕上がりに関わります。

ただし、ISO64は拡張感度です。選べる感度が低いからといって、常に階調や画質が有利になるわけではありません。白飛びを避けたい場面では、ヒストグラムやハイライト警告を見ながら露出を確認するのが確実です。

X-S20も静止画でISO80まで選べます。夜景や室内では、5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正を活かし、シャッター速度を調整しながらISOを抑える使い方ができます。軽快に撮りながら画質も整えたい人には、X-S20のバランスが合いやすいです。

静止画の扱いやすさ比較:ファイルサイズとPC負荷も考える

観点

X-S20

X-T5

比較ポイント

有効画素数

約2610万画素

約4020万画素

トリミングや大きなプリントを重視するならX-T5

データ量

比較的扱いやすい

大きくなりやすい

撮影枚数が多い人はX-S20のほうが管理しやすい

トリミング耐性

日常用途では十分

切り出しに強い

構図をあとから調整する機会が多いならX-T5

ピント・ブレの見え方

等倍確認にこだわりすぎなければ扱いやすい

拡大時に細かなブレやピントの甘さが見えやすい

高画素を活かすにはシャッター速度やレンズ選びも重要

向いている出力

SNS、Web、L判〜A4程度のプリント

大きめのプリント、商用カット、細部を見せたい写真

出力サイズを基準に考えると選びやすい

撮影後の作業

保存・転送・現像を軽くしやすい

保存容量やPC性能に余裕がほしい

RAW現像を多用するなら作業環境も確認したい

高画素機は、細部を残せる反面、撮影時のわずかなブレやピントの甘さも見えやすくなります。X-T5は5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正を搭載していますが、高解像を活かすには、シャッター速度、構え方、レンズ選びも大切です。気軽にたくさん撮って扱いやすさを重視するならX-S20、細部まで残して静止画を作り込みたいならX-T5が向いています。

動画性能の比較|スペックが近くても使いやすさは違う

動画性能の比較|スペックが近くても使いやすさは違う

X-S20とX-T5は、どちらも6.2K/30p、4:2:2 10bit記録、F-Log2に対応します。動画の基本スペックは近いですが、実際の撮影ではモニター方式や操作系の違いが使いやすさに表れます。

X-S20はバリアングルモニターとVlogモードを備えており、自撮りや日常動画を撮りやすい構成です。X-T5は静止画撮影を中心にした操作感が特徴で、写真をメインにしながら必要な場面で高画質動画も撮りたい人に合います。

解像度・10bit・ログ:動画画質はどちらも本格的に使える

X-S20は、6.2K/30pや4K/60p、4:2:2 10bit記録に対応します。日常の記録からVlog、簡単な作品づくりまで、1台で幅広く使いやすいモデルです。X-T5も6.2K/30p、4:2:2 10bit記録、F-Log2に対応します。静止画中心の人が、旅行や仕事の記録、短い映像制作までこなしたい場合にも対応しやすい性能です。

F-Log2は、編集時に色や明るさを調整しやすい記録方式です。ただし、撮影後のカラー編集が前提になるため、普段からすぐに見られる動画を作りたい人には、通常のフィルムシミュレーションや標準的な記録設定のほうが扱いやすい場面もあります。

モニターと自撮り適性:Vlogや縦動画ならX-S20が使いやすい

自分を撮る、話しながら撮る、縦動画を混ぜるといった使い方では、X-S20のバリアングルモニターが便利です。画面を前に向けられるため、構図、表情、明るさを確認しながら撮影できます。

X-T5の3方向チルトモニターは、カメラの後ろから構える静止画撮影に向いています。縦位置のローアングルやハイアングルでも構図を作りやすく、スナップやポートレートでは使いやすい方式です。

ただし、セルフ撮影では画面を正面に向けられないため、X-T5で自撮り動画を撮る場合は外部モニターなどを使う場面もあります。動画で自分を映す機会が多いなら、X-S20のほうが扱いやすいでしょう。

動画運用の比較:熱・電源・ストレージも見ておきたい

運用観点

X-S20

X-T5

比較ポイント

動画の始めやすさ

Vlogモードとバリアングルモニターで始めやすい

静止画操作を軸にしながら動画も撮れる

動画メインならX-S20が扱いやすい

セルフモニタリング

画面を前に向けられる

外部モニターが必要になる場面がある

自撮りやVlogではX-S20が有利

記録性能

6.2K/30p、4:2:2 10bit、F-Log2対応

6.2K/30p、4:2:2 10bit、F-Log2対応

画質スペックは近い

電池寿命(動画・実撮影)

6.2K:約85分/4K:約80分/Full HD:約95分

6.2K:約90分/4K:約80分/Full HD:約90分

実撮影では大きな差は出にくい

電池寿命(動画・連続撮影)

6.2K:約120分/4K:約110分/Full HD:約150分

6.2K:約130分/4K:約130分/Full HD:約150分

長回しではX-T5がやや長い設定もある

ストレージ消費

高画質設定では大容量カードが必要

高画質設定では大容量カードが必要

6.2Kや4K/60pを多用するなら保存先も準備したい

メモリーカード

SDカードスロット×1

SDカードスロット×2

バックアップ記録を重視するならX-T5

6.2Kや4K/60pを多用するなら、どちらの機種でもSDカード容量とバックアップ先の準備が必要です。動画は静止画以上にデータ量が増えやすく、撮影後の保存先や編集環境も使い勝手に関わります。

動画を日常的に撮るなら、X-S20のバリアングルモニターとVlogモードが便利です。静止画を中心にしつつ、必要なときに高画質動画も撮りたいなら、X-T5も十分に候補になります。

操作性・モニター機構の比較|PASM派か、ダイヤル派かで選び方が変わる

撮影時のテンポは、画質だけでなく操作系にも左右されます。X-S20はPASM系のモードダイヤルを採用しており、他社のミラーレスや一眼レフに慣れている人でも扱いやすい構成です。PASMとは、プログラムAE・絞り優先AE・シャッター優先AE・マニュアル露出を切り替える一般的な撮影モードのことです。

一方のX-T5は、シャッタースピードやISOを天面ダイヤルで確認・変更できる設計です。設定を目で見ながら操作したい人や、露出を自分で調整しながら撮る人には、X-T5のほうがしっくりくるでしょう。モニター機構も大きく異なるため、写真と動画のどちらを多く撮るかで使いやすさが変わります。

PASMダイヤルのX-S20:写真と動画を切り替えやすい

X-S20の良さは、撮影モードを切り替えてすぐに撮り始めやすいことです。家族行事ではオート寄りで撮る、室内ではISOオートと手ブレ補正を活かす、旅行先では動画モードに切り替える、といった使い方がしやすくなっています。

写真と動画を同じ日に混ぜて撮る人にとって、操作の分かりやすさは大きなメリットです。設定変更に時間を取られにくく、日常の記録や旅行スナップでもテンポよく撮影できます。Vlogモードを備えている点も、動画を気軽に始めたい人には扱いやすいポイントです。

ダイヤル操作のX-T5:露出を自分で調整したい人に向いている

X-T5は、シャッタースピードやISOを物理ダイヤルで操作するスタイルです。撮影前に設定を確認しやすく、意図した露出に素早く近づけられるのが魅力です。たとえば、夕景でシャッタースピードを少し遅くして雰囲気を残したいときや、ポートレートでISO感度を固定して明るさの変化を抑えたいときに、天面ダイヤルで直感的に操作できます。メニューを深く開かずに主要設定を変えられるため、慣れるほど撮影の流れを作りやすいカメラです。

モニターの違いが生む撮り方の向き不向き

撮影シーン

X-S20(バリアングル)

X-T5(3方向チルト)

比較ポイント

自撮り・話しながらの撮影

画面を前に向けられるため、構図や表情を確認しやすい

背面モニターを正面に向けられないため、外部モニターが必要になる場面がある

Vlogやセルフ撮影ではX-S20が使いやすい

縦位置のローアングル静止画

画面を横に開くため、構図確認に慣れが必要な場合がある

縦位置でも画面を見ながら構えやすい

縦構図の静止画を多用するならX-T5が便利

三脚での正面撮影

モニターを横に開いて角度を調整しやすい

撮影者がカメラの後ろにいる場合は確認しやすい

自分も画面に入る撮影ならX-S20が向いている

スナップ・ポートレート

自由な角度で確認できるが、画面が光軸から横にずれる

カメラの後ろから自然に構図を確認しやすい

静止画中心ならX-T5の3方向チルトが扱いやすい

モニター機構は、あとからアクセサリーで完全に補いにくい部分です。自分を画面に入れる動画や、縦動画を撮る機会があるなら、X-S20のバリアングルモニターが使いやすいでしょう。反対に、カメラの後ろから構える静止画撮影が中心なら、X-T5の3方向チルトモニターが自然に使えます。

シャッター・露出の自由度比較|明るい屋外で開放撮影するならX-T5に余裕がある

シャッター速度の差は、普段の撮影では意識しにくいものの、明るい屋外で明るい単焦点レンズを開放で使う場面では大きな違いになります。X-T5は電子シャッターで最高1/180000秒まで対応するため、日中でも絞りを開けたまま撮りやすいカメラです。

X-S20も電子シャッターで最高1/32000秒まで使えるため、日常撮影で大きく困る場面は多くありません。ただ、晴天下でF1.4前後のレンズをよく使う人は、X-T5のシャッター速度に魅力を感じやすいでしょう。

メカ1/8000秒と電子1/180000秒:X-T5は明るいレンズを使いやすい

X-T5はメカシャッターで最高1/8000秒、電子シャッターで最高1/180000秒まで対応します。晴れた日中にF1.4前後の単焦点レンズで背景を大きくぼかしたいときも、絞りを開けたまま露出を合わせやすくなります。

X-S20はメカシャッターが最高1/4000秒、電子シャッターが最高1/32000秒です。多くの撮影では十分ですが、強い日差しの下で開放撮影をしたい場合は、絞りを少し絞るか、減光フィルターであるNDフィルターを使う場面があります。

電子シャッターの使い分け:動体や照明環境では注意したい

電子シャッターは静かに撮れるうえ、非常に速いシャッター速度を選べる点が便利です。ただし、動く被写体では形がゆがむことがあり、LEDや蛍光灯の下では縞模様が写る場合もあります。

そのため、動きの速い被写体や人工照明の多い場所では、メカシャッターも選択肢に入れると安心です。X-T5の超高速電子シャッターは便利ですが、すべての場面で最適というわけではありません。X-S20でもX-T5でも、被写体や光の状況に合わせて使い分けることが大切です。

シャッター周りの差を撮影シーンで比較

よくある撮影

X-S20

X-T5

比較ポイント

晴天下のポートレート(開放)

状況によっては絞る、またはNDフィルターを使う場面がある

電子シャッターの高速設定で、開放のまま撮りやすい

F1.4前後を日中に多用するならX-T5が有利

室内・夜景(手持ち)

5軸・最大7.0段の手ブレ補正と扱いやすい画素数で撮りやすい

5軸・最大7.0段の手ブレ補正と高解像を両立できる

補正段数は同等。高画素を活かすならブレ対策も意識したい

スナップ(無音撮影)

電子シャッターで静かに撮影できる

電子シャッターの速度に余裕があり、明るい屋外にも対応しやすい

静音撮影ではどちらも使いやすいが、動体や人工光では注意が必要

明るい屋外での単焦点撮影

F1.4前後では露出調整に工夫が必要な場合がある

絞りを開けたまま撮れる場面が広い

開放の描写を重視するならX-T5を選ぶ理由になる

シャッター速度の差は、誰にとっても決定的な違いになるわけではありません。F2.8ズームを中心に使う人や、日中は少し絞って撮ることが多い人なら、X-S20でも不満は出にくいでしょう。

一方で、明るい単焦点レンズを開放で使う機会が多い人には、X-T5のメカ1/8000秒・電子1/180000秒がはっきりした判断材料になります。自分がよく使うレンズと、昼間に開放撮影をする頻度を基準にすると選びやすいです。

携帯性・バッテリーの比較|持ち歩きやすさならX-S20が扱いやすい

カメラは、持ち出す機会が多いほど撮影枚数も増えます。ボディの重量差は数字だけで見ると小さく感じますが、レンズを付けて長時間歩くと、手首や首への負担に表れます。

撮影時重量はX-S20が約491g、X-T5が約557gです。差は約66gなので大きな開きではありませんが、旅行やイベントのように一日中持ち歩く場面では、X-S20の軽さが扱いやすさにつながります。

電池寿命は、同じモード同士で比較することが大切です。静止画撮影可能枚数は、X-S20がノーマル約750枚・エコノミー約800枚、X-T5がノーマル約580枚・エコノミー約740枚です。ノーマル同士ではX-S20に余裕があり、エコノミーでは差が小さくなります。

重量と疲れ方:レンズ込みで体感差が出る

ボディ単体では約66gの差でも、標準ズームや中望遠ズームを付けると、持ち歩いたときの印象は変わります。朝から夜まで歩く旅行、子どもの行事、街歩きスナップのように、構えたり下げたりを繰り返す撮影では、少し軽いボディのほうが負担を抑えやすいです。

X-S20は小型軽量ボディなので、平日でもバッグに入れておきたい人や、写真と動画を気軽に撮りたい人に向いています。X-T5はX-S20より重くなりますが、そのぶん高解像センサーや物理ダイヤル、2基のSDカードスロットを備えています。携帯性だけでなく、どの機能を優先するかで選び方が変わります。

電池寿命の差は撮影枚数と予備バッテリーの本数に関わる

静止画の電池寿命は、X-S20がノーマル約750枚、X-T5がノーマル約580枚です。撮影枚数が多い日ほど、X-S20のほうが余裕を持って使いやすいでしょう。たとえば旅行で、午前中はスナップ、午後は観光地で連写、夜は動画も少し撮るような使い方では、電池残量を気にする場面が増えます。X-T5も予備バッテリーを用意すれば対応できますが、できるだけ荷物を増やしたくない人にはX-S20が合います。

一方で、X-T5はエコノミーモードで約740枚まで撮影できるため、設定を見直せば差は小さくなります。撮影スタイルに合わせて、ノーマルで使うのか、エコノミーで枚数を優先するのかも確認しておきたいところです。

携帯性と電池の差を一枚で把握する

項目

X-S20

X-T5

比較ポイント

撮影時重量

約491g

約557g

差は約66g。長時間の持ち歩きではX-S20が軽く感じやすい

本体サイズ

127.7×85.1×65.4mm

129.5×91×63.8mm

幅と奥行きは近いが、X-T5のほうが少し背が高い

静止画の電池寿命

ノーマル:約750枚/エコノミー:約800枚

ノーマル:約580枚/エコノミー:約740枚

ノーマル同士ではX-S20、エコノミーでは差が小さい

動画の実撮影電池寿命

6.2K:約85分/4K:約80分/Full HD:約95分

6.2K:約90分/4K:約80分/Full HD:約90分

動画では大きな差は出にくい

持ち歩きの方向性

軽快さを重視しやすい

操作系と高解像を重視しやすい

日常や旅行はX-S20、静止画をじっくり撮る日はX-T5

向く撮影日

長時間の旅、イベント、写真と動画を混ぜる日

作品撮り、風景散策、撮影目的が明確な日

撮影時間と荷物量で選ぶと判断しやすい

持ち歩きやすさは、撮影頻度に直結します。週末だけしっかり撮るのか、平日もバッグに入れておくのかで、X-S20の軽さに感じる価値は変わります。X-T5は、持ち出した日に高解像の静止画をしっかり残したい人に向いたカメラです。

価格・コストパフォーマンスの比較|ボディ価格だけでなく運用費も見る

価格は販売店や時期で変わるため、ここではボディ価格そのものより、購入後にかかる費用を中心に考えます。X-T5は高画素の静止画を扱える一方で、RAWデータや高画質JPEGの容量が大きくなりやすいカメラです。撮影枚数が多い人ほど、SDカード、外付けストレージ、PCの処理性能も見ておく必要があります。

X-S20は約2610万画素なので、X-T5よりデータ管理を軽くしやすいです。写真も動画も気軽に撮り、編集や保存をできるだけシンプルにしたい人には、扱いやすい選択肢になります。

初期コスト:差額をレンズや周辺機器へ回す考え方もある

ボディ間に価格差がある場合、その差額で単焦点レンズ、予備バッテリー、SDカード、マイク、三脚などをそろえる選び方もあります。特にXマウントはレンズの選び方で写りや使い勝手が大きく変わるため、ボディだけで予算を使い切らない考え方も現実的です。

X-S20は、ボディを抑えてレンズや周辺機器までそろえたい人に向いています。X-T5は、最初から高解像の静止画、大きめのプリント、商用カットなどを意識する人に合います。ボディに投資する理由がはっきりしているなら、X-T5を選ぶ意味は十分あります。

運用コスト:約4020万画素は保存容量と編集環境も考えたい

画素数が増えるほど、RAWデータや高画質JPEGの容量は大きくなります。撮影後の保存、バックアップ、転送、現像のプレビュー表示、書き出し時間にも影響します。X-T5の約4020万画素は、細部まで残したい撮影では魅力があります。ただし、1回の撮影で数百枚撮る人や、RAW現像を多用する人は、PCやストレージの余裕も確認しておきたいところです。

X-S20は約2610万画素で、同じ枚数を撮ってもデータ管理を軽くしやすいです。SNS投稿、Web掲載、A4程度までのプリントが中心なら、画素数と扱いやすさのバランスが取りやすいでしょう。

支出が増えやすいポイントの比較表

コスト要因

X-S20

X-T5

比較ポイント

静止画ストレージ

データ量を抑えやすい

高画素のため容量が増えやすい

RAWを多く撮るならX-T5は保存先の準備が重要

PC編集負荷

比較的軽い環境でも扱いやすい

現像や書き出しで負荷が大きくなりやすい

高画素RAWを快適に扱うならPC性能も見たい

動画ストレージ

6.2Kや4K/60pでは大容量カードが必要

6.2Kや4K/60pでは大容量カードが必要

動画ではどちらも保存容量に余裕が必要

メモリーカード

SDカードスロット×1

SDカードスロット×2

バックアップ記録や振り分け記録を使いたいならX-T5

周辺機器への予算配分

レンズや動画用品に回しやすい

ボディ側の性能を優先しやすい

最初に何をそろえるかで総額が変わる

X-T5は高解像の静止画を残せる反面、保存容量や編集環境に余裕がほしくなります。X-S20はデータ管理を軽くしやすい一方で、大きくトリミングしたい場面や、大判プリントで細部を見せたい場面ではX-T5に分があります。

用途別の選び方|静止画中心・動画中心・旅行・予算で結論を分ける

用途別の選び方|静止画中心・動画中心・旅行・予算で結論を分ける

最後は、よく撮るものから選ぶのが分かりやすいです。X-S20もX-T5も幅広く使えますが、得意な撮影スタイルは異なります。迷う場合は、モニター方式と画素数を基準にすると整理しやすくなります。自撮りや縦動画を撮るならバリアングルのX-S20、縦位置の静止画や高解像を重視するならX-T5が候補になります。

用途別おすすめ表

メイン用途

おすすめの機材

理由

静止画中心(風景・建築・商品など)

X-T5

約4020万画素で細部を残しやすく、トリミングにも余裕がある

動画中心(Vlog・自分撮り・縦動画)

X-S20

バリアングルモニターとVlogモードがあり、自分を撮る動画に向いている

旅行・日常(軽量重視、撮影量多め)

X-S20

約491gのボディと長めの静止画電池寿命で、持ち歩きやすい

予算重視(レンズや周辺機器もそろえたい)

X-S20

ボディ以外の機材に予算を回しやすく、写真と動画を幅広く始めやすい

高解像の作品づくり

X-T5

高画素センサー、物理ダイヤル、2基のSDカードスロットを活かしやすい

写真と動画を1台で気軽に撮る

X-S20

操作が分かりやすく、日常撮影から動画まで切り替えやすい

静止画中心でX-T5を選ぶなら高画素を活かす前提で考える

風景や建築を大きくプリントする、商品撮影で素材感を残す、撮影後にトリミングして構図を整える。こうした使い方が多いなら、X-T5の約4020万画素を活かしやすいです。

反対に、出力がSNS中心で、現像や書き出しを軽く済ませたい人は、約4020万画素のデータ量を負担に感じる可能性があります。1回の撮影でどれくらい撮るのか、RAW現像をどの程度行うのかを考えると、自分に合う機種が見えやすくなります。

動画中心でX-S20を選ぶなら撮りやすさを重視する

動画では、解像度や記録形式だけでなく、構図や露出を確認しながら安定して撮れるかも大切です。X-S20はバリアングルモニターを前に向けられるため、自分を入れた撮影で構図や表情を確認しやすくなります。

X-T5でも高画質な動画は撮れます。ただし、自撮りや手持ちVlogを多く撮るなら、モニター機構と操作導線の違いが使いやすさに表れます。継続して動画を撮りたい人には、X-S20のほうが合いやすいでしょう。

FUJIFILM X-S20とX-T5の比較まとめ

X-S20とX-T5は、向いている撮影スタイルが違うカメラです。写真も動画も軽快に撮りたい人や、自撮り・Vlog・旅行で使いやすさを重視する人にはX-S20が向いています。

一方、約4020万画素の解像感、最高1/180000秒の電子シャッター、物理ダイヤルを重視するならX-T5が候補になります。風景、建築、商品撮影など、静止画をじっくり撮りたい人に合うモデルです。迷ったら、動画で自分を撮るか、静止画で大きくトリミングするかを基準に選ぶと分かりやすいでしょう。


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