
単焦点レンズ取引の44.7%が「50mm前後」 2026年上半期の画角別シェア【みんなのカメラ調べ】








みんなのカメラの2026年上半期のフリマ取引から、単焦点レンズを画角別に集計しました。35mm判換算で40〜60mm相当の標準域が取引の44.7%を占め、単焦点レンズ取引の4割超が「50mm前後」に集中しています。一方、ポートレート向けとされる85mm相当は4.7%にとどまりました。
この記事のサマリー

35mm判換算で40〜60mm相当の標準域が取引の44.7%。単焦点レンズ取引の4割超が50mm前後の画角に集まった。

表記上のシェアは35mmが20.4%、50mmが18.2%。ただし表記35mmの65%はAPS-C用で、換算すると50mm前後にあたる。

画角帯の内訳は標準44.7%・広角17.3%・中望遠17.3%・超広角11.4%・望遠9.3%。標準が他の帯の2.5倍以上を占めた。

ポートレート向けとされる85mm相当は4.7%。中望遠帯の全体でも17.3%で、標準域とは開きがある。

平均取引価格は画角帯で大きく分かれ、広角48,524円に対し望遠は342,294円だった。
はじめに|「どのレンズが売れたか」ではなく「どの画角が選ばれたか」

これまでの取引ランキングでは、製品単位で順位を見てきました。今回は切り口を変え、単焦点レンズがどの画角に集まっているかを集計します。
単焦点レンズはズームのように焦点距離を変えられないため、装着するボディが決まれば基本となる画角も固定されます。そのため、レンズに記載された焦点距離だけでなく、自分のカメラで何mm相当になるかがレンズ選びの重要な基準になります。上半期に取引された単焦点を画角別に並べると、選ばれ方の偏りがはっきり出ました。
なお本記事では、APS-Cやマイクロフォーサーズ用のレンズも35mm判換算に直したうえで比較しています。理由は記事の途中で説明します。
本データについて
- データソース:みんなのカメラのフリマ取引データ
- データ期間:2026年1月1日〜2026年6月30日(6ヶ月間)
- 対象カテゴリ:交換レンズのうち単焦点レンズのみ。ズームレンズとカメラ本体は含みません
- 対象状態:新品・中古を問いません
- 画角の算出:製品名の焦点距離に、対応フォーマットの係数を掛けて35mm判換算に統一(APS-C×1.5または×1.6、マイクロフォーサーズ×2.0、フルサイズ×1.0)。換算値は小数第1位を四捨五入し、端数が出るものは「約○mm相当」と表記しています
- 引用について:「みんなのカメラ調べ」と出典明記の上で引用可能
なお、本データはみんなのカメラ上のフリマ取引に基づくものであり、日本のレンズ市場全体を代表するものではありません。みんなのカメラにおける取引傾向としてご覧ください。
【注目ポイント】画角の集計から見えた3つの傾向

注目1|標準域が取引の44.7%。単焦点レンズ取引の4割超が「50mm前後」に集まった
35mm判換算で画角帯に分けると、40〜60mm相当の標準域が44.7%を占めました。
画角帯(35mm判換算) | シェア | 取引製品数 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|
標準(40〜60mm相当) | 44.7% | 65製品 | 60,303円 |
広角(25〜39mm相当) | 17.3% | 41製品 | 48,524円 |
中望遠(61〜105mm相当) | 17.3% | 31製品 | 77,327円 |
超広角(24mm相当以下) | 11.4% | 29製品 | 64,644円 |
望遠(106mm相当以上) | 9.3% | 28製品 | 342,294円 |
標準域だけで4割を超え、2位の広角・中望遠(ともに17.3%)の2.5倍以上です。標準域は取引シェアだけでなく、取引された製品数でも最多でした。選ばれる本数が多いだけでなく、選択肢そのものも厚い帯だったことになります。
シェアが同じ広角と中望遠でも、製品数は41製品と31製品で差がありました。広角は多くの製品に取引が散り、中望遠は特定の製品に集まりやすい帯です。なお今回のデータから分かるのは、取引された単焦点の画角がどこに偏っていたかという構成比までで、購入者がどういう理由でその画角を選んだかまでは読み取れません。
換算値を細かく見ると、50mm相当が20.4%、約53mm相当が12.9%で、この2つだけで33.3%です。約53mm相当はAPS-C用の35mmレンズにあたります。
注目2|表記の「35mm」は、その65%が実は50mm前後だった
まず、換算せずに製品名の表記どおりに集計した結果を見ます。
表記の焦点距離 | シェア |
|---|---|
35mm | 20.4% |
50mm | 18.2% |
100mm | 5.8% |
20mm | 5.6% |
85mm | 4.7% |
24mm | 3.7% |
23mm | 3.4% |
90mm | 3.4% |
35mmが20.4%、50mmが18.2%で、この2つを合わせると38.6%です。表記だけを追うと、広角寄りの35mmと標準の50mmという別々の画角に、単焦点の4割近くが分かれて集まっているように見えます。

ところが、その35mmの中身を見ると様子が変わります。
表記35mm(シェア20.4%)の内訳 | 割合 | 35mm判換算 | 主な製品 |
|---|---|---|---|
APS-C用 | 65% | 約53mm相当 | フジノンレンズ XF35mmF1.4 R、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ほか |
フルサイズ用 | 35% | 35mm相当 | RF 35mm F1.8 マクロ IS STM、FE 35mm F1.8 SEL35F18F ほか |
表記35mmの65%はAPS-C用で、画角としては50mm前後にあたります。なかでもフジノンレンズ XF35mmF1.4 Rの1本だけで、表記35mmの55%を占めました。単焦点レンズ取引の全体で見てもフルサイズ用は64.2%で、残る35.8%はAPS-C(28.3%)とマイクロフォーサーズ(7.5%)です。
これを踏まえて35mm判換算に直すと、画角帯の構成比は次のように変わります。
表記のまま | 35mm判換算 | |
|---|---|---|
超広角(24mm以下) | 20.4% | 11.4% |
広角(25〜39mm) | 28.8% | 17.3% |
標準(40〜60mm) | 26.5% | 44.7% |
中望遠(61〜105mm) | 16.4% | 17.3% |
望遠(106mm以上) | 7.9% | 9.3% |
標準域は26.5%から44.7%へ増えました。表記のままでは35mmと50mmという別々の画角に見えていたものが、換算すると同じ場所に集まっていたことになります。
「35mmが人気」と読むと広角寄りの標準レンズを想像しますが、実際に多く取引されているのは、APS-C機に付けたときに50mm前後になるレンズでした。手元の35mmが35mmとして写るかどうかは、組み合わせるボディによって変わります。
注目3|ポートレート向けとされる85mm相当は4.7%
ポートレートの定番として挙げられる85mm相当は4.7%でした。中望遠帯全体では17.3%で、標準帯の44.7%を大きく下回ります。単一の換算焦点距離で見ると、50mm相当20.4%、約53mm相当12.9%に対しても85mm相当は少ない結果でした。
同じ中望遠帯では、100mm相当が5.8%で85mm相当を上回りました。100mm相当の86%はEF 100mm F2.8L マクロ IS USMで、ポートレート専用というよりマクロ用途の一本です。
中望遠帯はフルサイズ用が89%を占めており、APS-C用は7%にとどまります。標準域ではAPS-C用が39%を占めるのと対照的で、画角によって使われるフォーマットも分かれています。
画角帯別に見る単焦点レンズの特徴

ここからは5つの画角帯をシェアの大きい順に、その帯で特によく取引された3本とあわせて見ていきます。
標準(40〜60mm相当)|シェア44.7%
ブランド | 製品名 | フォーマット | 35mm判換算 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|---|
FUJIFILM | フジノンレンズ XF35mmF1.4 R | APS-C | 約53mm相当 | 66,496円 |
Canon | EF 50mm F1.8 STM | フルサイズ | 50mm相当 | 10,396円 |
SONY | FE 50mm F1.4 GM SEL50F14GM | フルサイズ | 50mm相当 | 142,436円 |
フォーマットはフルサイズ53%・APS-C 39%・マイクロフォーサーズ8%です。EF 50mm F1.8 STMのような1万円台の製品から、FE 50mm F1.4 GMのような14万円台の製品まで取引されており、同じ50mm前後でも価格帯には大きな幅があります。
広角(25〜39mm相当)|シェア17.3%
ブランド | 製品名 | フォーマット | 35mm判換算 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|---|
FUJIFILM | フジノンレンズ XF23mmF2.8 R WR ブラック | APS-C | 約35mm相当 | 48,646円 |
Canon | RF 35mm F1.8 マクロ IS STM | フルサイズ | 35mm相当 | 49,244円 |
SONY | E 20mm F2.8 SEL20F28 | APS-C | 30mm相当 | 23,824円 |
平均取引価格は48,524円で、5つの帯で最も低い水準です。APS-C用が40%を占め、5つの帯でAPS-Cの比率が最も高い帯でもありました。
中望遠(61〜105mm相当)|シェア17.3%
ブランド | 製品名 | フォーマット | 35mm判換算 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|---|
Canon | EF 100mm F2.8L マクロ IS USM | フルサイズ | 100mm相当 | 72,173円 |
SONY | FE 90mm F2.8 Macro G OSS SEL90M28G | フルサイズ | 90mm相当 | 64,631円 |
Nikon | NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S | フルサイズ | 105mm相当 | 88,404円 |
上位3本がいずれもマクロレンズです。フルサイズ用が89%を占め、5つの帯で最もフルサイズ寄りでした。
超広角(24mm相当以下)|シェア11.4%
ブランド | 製品名 | フォーマット | 35mm判換算 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|---|
SONY | E 11 mm F1.8 SEL11F18 | APS-C | 約17mm相当 | 44,806円 |
Nikon | NIKKOR Z 20mm f/1.8 S | フルサイズ | 20mm相当 | 104,595円 |
SONY | FE 20mm F1.8 G SEL20F18G | フルサイズ | 20mm相当 | 68,110円 |
シェアは11.4%で、5つの帯のうち下から2番目です。フルサイズ用が74%を占め、標準域や広角と比べるとAPS-C用の比率は低くなります。
望遠(106mm相当以上)|シェア9.3%
ブランド | 製品名 | フォーマット | 35mm判換算 | 平均取引価格 |
|---|---|---|---|---|
SONY | FE 300mm F2.8 GM OSS SEL300F28GM | フルサイズ | 300mm相当 | 711,285円 |
Canon | EF 600mm F4L IS II USM | フルサイズ | 600mm相当 | 770,374円 |
OLYMPUS | M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO | マイクロフォーサーズ | 600mm相当 | 244,395円 |
シェアは9.3%と最も小さい一方、平均取引価格は342,294円で、標準域(60,303円)の5.7倍です。単焦点の望遠は取引の本数こそ少ないものの、1本あたりの金額が大きい帯でした。
ブランド別の内訳
ブランド | シェア |
|---|---|
Canon | 25.1% |
FUJIFILM | 21.2% |
SONY | 18.4% |
Nikon | 18.1% |
Panasonic | 4.4% |
OLYMPUS | 3.9% |
SIGMA | 3.9% |
その他 | 5.0% |
その他にはTAMRON、OM SYSTEM、RICOH、COSINAなどが含まれます。
FUJIFILMは21.2%で2番目に高いシェアでした。同社のXシリーズ用レンズはAPS-Cフォーマットで、今回もXF35mmF1.4 RをはじめとするAPS-C用単焦点が多く取引されています。FUJIFILMのシェアが高いことは、表記焦点距離と35mm判換算で構成比が大きく変わる今回の結果を見るうえでも注目したいポイントです。
本記事の主なデータポイント(引用用)

記事・メディア掲載時には、「みんなのカメラ調べ」と明記の上で引用いただけます。
注目ポイント | データ |
|---|---|
最も選ばれた画角帯 | 標準(40〜60mm相当)が取引の44.7%。単焦点レンズ取引の4割超 |
画角帯の内訳 | 標準44.7%/広角17.3%/中望遠17.3%/超広角11.4%/望遠9.3% |
換算値の上位 | 50mm相当20.4%/約53mm相当12.9%(2つで33.3%) |
表記と換算のずれ | 標準域は表記のままだと26.5%、35mm判換算では44.7% |
表記35mmの中身 | シェア20.4%のうち65%がAPS-C用で、画角は50mm前後 |
85mm相当のシェア | 4.7%。中望遠帯全体でも17.3%にとどまる |
フォーマット内訳 | フルサイズ64.2%/APS-C 28.3%/マイクロフォーサーズ7.5% |
画角帯別の平均取引価格 | 広角48,524円/標準60,303円/超広角64,644円/中望遠77,327円/望遠342,294円 |
ブランド内訳 | Canon25.1%/FUJIFILM21.2%/SONY18.4%/Nikon18.1%/Panasonic4.4%/OLYMPUS3.9%/SIGMA3.9%/その他5.0% |
編集部コメント:表記のmmだけでは、選んでいる画角は分からない
単焦点レンズは焦点距離を変えられません。ただし、その一本が実際に何mm相当で写るかは、組み合わせるボディが決まって初めて確定します。
このずれは、レンズを探すときにも効いてきます。「50mmの単焦点がほしい」と考えて型番に50mmが入る製品だけを見ていくと、APS-C機で50mm前後になる35mm表記のレンズは候補から外れます。今回のデータで標準域の最上位に立ったのは、まさにその35mm表記の一本でした。同じ画角を狙っていても、探し方によって出会う製品が変わります。
単焦点を1本目に選ぶなら、表記のmmだけでなく、自分のボディでの換算値まで確認しておくと選び違いが減るはずです。
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