
Fujifilm X100シリーズ比較 X100・S・T・F・V・VIの違いと選び方解説






富士フイルムX100シリーズは、「35mm相当の単焦点レンズ+APS-Cセンサー+クラシックなボディ」という組み合わせで、長年スナップ好きの心をつかんできました。同じX100シリーズでも、初代X100からX100S / T / F / V、そして最新のX100VIまで世代が進むにつれて、センサー画素数やAF性能、動画機能などは大きく変化しています。X100シリーズを比較し自分に合う一台を整理しておくと、中古・新品ともに価格が高止まりしている今の市場でも、納得のいく選択がしやすくなります。
この記事のサマリー

X100シリーズは全モデル共通で23mm F2(35mm相当)の単焦点レンズとAPS-Cセンサーを採用し、スナップ向きの画角とコンパクトさを両立しています。

初代X100は約12MP、X100S / X100Tは約16MP、X100Fで約24MP、X100Vで約26MP、X100VIで約40MPへと段階的に高画素化し、トリミング耐性と細部描写が向上しました。

AF・操作性はX100Sで位相差AF、X100Tで電子シャッター、X100Fでジョイスティック、X100Vでチルト液晶、X100VIでIBISとAI被写体認識と、世代ごとに実用性が大きく進化しています。

X100VとX100VIはSNSをきっかけに需要が急増し、品薄や中古価格の高止まりが報告されています。一方で、中古市場ではX100FやX100Tといった一世代・二世代前のモデルを代替候補として検討するユーザーも増えています。

「写真メインで軽快なスナップ」が目的ならX100F / V、「静止画+動画+高画素」が欲しいならX100VI、「予算優先」ならX100S / Tという整理で選ぶと、自分の用途に合った一台を選びやすくなります。
X100シリーズの共通ポイントと「らしさ」を押さえる

X100シリーズ比較を始める前に、全モデルに共通する「核」の部分を整理しておくと、どの世代を選んでも変わらない部分と、世代によって変わる部分を切り分けやすくなります。レンズの焦点距離やセンサーサイズ、操作感といったベースの要素は、どの世代でも共通しているポイントです。
23mm F2レンズとAPS-Cセンサーという黄金バランス
X100シリーズは初代から最新のX100VIまで、一貫して23mm F2の単焦点レンズを搭載しています。フルサイズ換算で約35mm相当の画角になり、人の視野に近く「広すぎず狭すぎない」感覚で街スナップや旅行写真に使いやすい焦点距離です。全モデルAPS-Cサイズセンサーとの組み合わせで、スマートフォンよりも大きなボケ量と描写力を得られます。
初代〜X100Fまでは同一設計の23mm F2レンズ、X100V / X100VIでは高画素センサーに合わせて光学性能が見直された新設計レンズですが、どの世代でも「F2開放の明るさ+適度なボケ+35mm相当」という軸は変わりません。被写体との距離感がつかめると構図決めも直感的に行いやすく、単焦点一本で撮るリズムが自然に身についていきます。
ハイブリッドビューファインダーとリーフシャッターの独自性
X100シリーズの大きな特徴が、光学ファインダー(OVF)と電子ファインダー(EVF)を切り替えられるハイブリッドビューファインダーです。レンジファインダー風のOVFではフレーム外も見渡しながら構図を追え、EVFに切り替えれば露出やホワイトバランスの結果をリアルタイムで確認できます。この二つをレバー一つで行き来できるのはX100シリーズならではです。
シャッターは全世代でレンズ側に組み込まれたリーフシャッター方式を採用し、作動音が非常に静かなのもポイントです。ストリートスナップやカフェ内の撮影などでも周囲に配慮しやすく、フラッシュ同調速度も一般的なフォーカルプレーンシャッターより速いため、日中シンクロも使いやすい設計になっています。
X100シリーズが活きる撮影シーン
共通スペックを踏まえると、X100シリーズが特に活きるのは「持ち歩きスナップ」「旅写真」「日常のポートレート」といったシーンです。レンズ交換ができない代わりに、ボディとレンズの一体設計によるコンパクトさとバランスの良さがあり、肩から常にぶら下げておけるサイズと重量に収まっています。クラシックなデザインもあいまって、カメラを向けられる側の警戒心を和らげやすいという声もあります。
一方で、運動会など超望遠が必要な場面や、室内スポーツなど高感度+高速AFを極限まで求める状況では、望遠ズームを組み合わせられるXマウント機の方が有利です。X100シリーズは「35mm一本で世界を切り取る」ことを楽しむ人と相性が良く、構図力や観察力を鍛えたいスナップ派に向いたカメラと言えます。
X100シリーズ内の最新モデル X100VIのレビュー詳細はこちらの記事がおすすめ
Fujifilm X100シリーズ比較サマリ早見表
X100シリーズはどの世代も共通の魅力を持ちながら、実際には「性能の軸」「画質の方向性」「操作性」が大きく異なります。まずはシリーズ全体をざっくり掴むために、各モデルの立ち位置とおすすめユーザー像を一目で比較できる表を用意しました。この記事を読み進める前の“地図”として活用してみてください
モデル | 発売年月 | 立ち位置・特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
X100 | 2011年3月 | 約12MPセンサー・コントラストAFの初代。クラシックな質感と画作りが特徴だがレスポンスは控えめ。 | ゆっくり構図を作りたい人。初代の描写・操作感を求める人。 |
X100S | 2013年2月 | 約16MP+像面位相差AFで初代から大きく改善。雰囲気はそのままに実用性が向上。 | できるだけ安くX100シリーズに入門したい人。初代の遅さを避けたい人。 |
X100T | 2014年11月 | 電子シャッター・クラシッククローム対応。静音性と表現幅が向上した世代。 | サイレント撮影を使いたい人。渋い色味のスナップを撮りたい人。 |
X100F | 2017年2月 | 約24MP+ジョイスティック搭載。画質・AF・操作性のバランスが高く“現代的に使える”世代。 | 写真メインで扱いやすさを重視する人。中古で性能重視の1台を選びたい人。 |
X100V | 2020年2月 | 約26MP・新レンズ・チルト液晶・4K動画・防塵防滴(アダプター併用時)。スナップ性能の完成度が高い。 | スナップ中心で高画質・快適操作を求める人。チルト液晶や4K動画も欲しい人。 |
X100VI | 2024年2月 | 約40MP+IBIS+AI認識+6.2K/4K60p。シリーズ史上最強の総合性能を搭載。 | 静止画も動画も妥協したくない人。高画素や手ブレ補正を重視する人。 |
この比較を見ると、X100シリーズは単なる“世代違い”ではなく、それぞれが明確な性格と得意分野を持っていることが分かります。ここから先は、画質・AF・動画性能・操作性など、世代ごとにどのような進化があったのかを順番に掘り下げていきましょう。
センサーと画質の違いでX100シリーズを比較する

FujifilmのX100シリーズの比較でまず押さえておきたいのがセンサー周りです。初代から最新のX100VIまで、画素数とセンサー世代は着実に進化しています。ただし数字だけを追いかけるとオーバースペックになりがちなので、「自分の用途に必要な画質レベル」をイメージしながら見ていくのがポイントです。
解像度とセンサー世代の整理
画素数の推移をざっくり並べると「12MP → 16MP → 24MP → 26MP → 40MP」という流れになります。初代X100は約12MPのCMOSセンサー、X100S / X100Tは約16MPのX-Trans CMOS IIへ移行し、疑似色を抑えつつ解像感を高めた設計になりました。X100Fでは約24.3MPのX-Trans CMOS III、X100Vは約26.1MPのX-Trans CMOS 4、X100VIでは約40.2MPのX-Trans CMOS 5 HRへと高画素化が進んでいます。
モデル | 有効画素数 |
|---|---|
X100 | 約12MP |
X100S | 約16MP |
X100T | 約16MP |
X100F | 約24.3MP |
X100V | 約26.1MP |
X100VI | 約40.2MP |
画素数が増えるとトリミング耐性が高まり、大きなプリントや細部描写に有利になります。特に40MPのX100VIは、少し広めに撮ってあとから構図を追い込むスタイルと相性が良い一方で、ファイルサイズも増えるためPCスペックやストレージへの負荷も考える必要があります。SNS中心でA4プリントまでなら24〜26MPクラスでも十分というケースは多く、使い方に合わせて必要な解像度を考えるのが現実的です。
高感度性能とダイナミックレンジの違い
高感度耐性はセンサー世代と画像処理エンジンの組み合わせで変わります。初代X100やX100S / Tの段階でも常用ISO6400まで対応しており、適切な露出と現像前提なら実用範囲と評価されてきました。X100F以降は解像度を維持しながらノイズ処理もこなれ、RAW現像前提でISO12800を使う場面も増えています。X100Vでは常用ISO下限が160、X100VIでは125まで下がり、低感度側の余裕も広がりました。
ダイナミックレンジも世代アップとともに改善しており、白飛び・黒つぶれの耐性が徐々に向上しています。ハイライト側の粘りを最大限活かすにはRAW撮影+後処理が前提になりますが、JPEG撮って出し中心でもX100V / VI世代ではトーンカーブの調整幅が広くなり、コントラストの高いシーンで扱いやすくなっています。
自分に必要な画素数の目安を決める
画素数は「多ければ多いほど必ずしも良い」というものではありません。SNS用の写真やL判〜A4程度のプリントが中心なら、24MPクラスのX100Fでも十分余裕のある画質です。同じ24MPセンサー世代のX-T2などが、いまも実務で使われていることからも、24MP帯のポテンシャルは高いと言えます。
一方で、トリミング前提で構図を追い込みたい人や、大判プリント・商業用途などで細部まで描写したい人には、26MPのX100Vや40MPのX100VIが魅力的です。特にX100VIは40MP+最新プロセッサー+IBISの組み合わせにより、手持ちでも解像感を稼ぎやすくなっています。写真をどの程度拡大して使うかを具体的にイメージしながら、必要な画素数のラインを決めると選びやすくなります。
AF性能とレスポンスの進化をX100シリーズで比較
X100シリーズは「じっくりスナップ」の印象が強いですが、世代が進むごとにAF性能と全体のレスポンスは大きく改善されています。初代X100のAFに苦戦した経験がある人ほど、X100F以降の動作にはギャップを感じるはずです。AF方式と処理速度の観点から、各世代の違いを整理します。
モデル | AF方式・レスポンスの特徴 |
|---|---|
X100 | コントラストAFのみ。合焦速度はゆっくりで、動体は苦手。静物中心なら実用可だが、現代基準では遅い。 |
X100S | 像面位相差AFを初搭載(X-Trans CMOS II)。初代の弱点だったAF速度が大きく改善し、スナップでも扱いやすくなる。 |
X100T | X100S相当のセンサーだがAFアルゴリズムが進化。ハイブリッドAFの安定性が向上し、電子シャッターにより明るい日中でも開放F2を使いやすい。 |
X100F | AFポイント数が大幅増加(最大325点)。X-Processor Pro採用でAF速度と精度が向上。ジョイスティックによりポイント移動が高速に。 |
X100V | X-Trans CMOS 4+高速プロセッサーで425点AFに拡張。瞳AF・追従性能も向上し、動きものへの実用性が大幅アップ。連写との組み合わせで決定力が高い。 |
X100VI | X-Trans CMOS 5 HR+X-Processor 5によりAFアルゴリズムが新世代化。AI被写体認識で人・動物などの追従精度が強化。IBIS併用で低速シャッターでも成功率が高い。 |
こうして比べると、AF性能は“初代〜X100T”と“X100F以降”で大きく二分されることが分かります。特にX100VとX100VIは追従AF・瞳AFの実用度が高く、日常スナップでも“成功率”が一段階上がります。続くパートでは、この進化が実際の撮影でどう影響するかをさらに深掘りしていきます。
X100〜X100T:コントラストAFから位相差AFへ
初代X100はコントラストAFのみで、現在の基準から見ると合焦速度はゆったりしています。静物スナップなら問題ありませんが、動きのある被写体ではモタつきを感じる場面もあります。大きな転換点になったのがX100Sで、16.3MPのX-Trans CMOS IIに像面位相差AFが組み込まれ、ピント合わせが一気に俊敏になりました。
X100Tも同じセンサーとAFシステムを継承しつつアルゴリズムが改善され、ハイブリッドAFの精度が高まりました。また1/32000秒まで対応する電子シャッターが追加され、明るい日中でも開放F2を積極的に使いやすくなっています。街中でのスナップ中心であれば、X100S / T世代でも「AFが遅くて使いにくい」というレベルからは十分脱却しています。
X100F・X100V:AFポイント拡大と追従性能の向上
X100Fでは約24.3MPセンサーとX-Processor Proの組み合わせにより、AFポイント数が従来の49点から最大91点(細分化モードで最大325点)の選択が可能になりました。背面にはAFジョイスティックが追加され、ファインダーを覗きながら直感的にAFポイントを移動できるようになったことも実用面での大きな進化です。
X100VではセンサーがX-Trans CMOS 4になり、425点の像面位相差AFを活かした被写体追従性能がさらに向上しました。最新ボディと同等のAFアルゴリズムが搭載され、瞳AFの精度も上がっています。連写速度はメカシャッターで最大約11コマ/秒と余裕があり、「決定的瞬間を連写で拾う」撮り方とも合わせやすい設計です。人物スナップや子どもの撮影を想定するなら、X100FとX100Vの差は実感しやすい部分です。
X100VI:AI被写体認識とIBISの相乗効果
最新のX100VIでは、40.2MPのX-Trans CMOS 5 HRとX-Processor 5を採用し、AFアルゴリズム自体が新世代に刷新されています。人・動物などの被写体認識にディープラーニング技術が活用され、AFエリアの追従性がX100Vよりも粘り強くなっています。高精度な被写体検出と高画素センサーの組み合わせにより、多少構図がズレてもトリミングで補いやすいのが特徴です。
さらにシリーズ初のボディ内手ブレ補正(最大約6段分)を搭載したことで、1/30秒前後までシャッター速度を落としても歩留まりを確保しやすくなりました。夜の街スナップや室内撮影でもISO感度を抑えた撮影がしやすくなり、動画撮影時の手ブレも軽減されます。AF・IBIS・高画素をまとめて手に入れたい場合、X100VIはシリーズの中で最も総合力の高い一台です。
ボディデザイン・操作性・液晶の違い

X100シリーズはどの世代も見た目はよく似ていますが、ボタン配置やダイヤル、モニター構造には世代ごとの違いがあります。特にX100F以降は操作性の面で改善が大きく、日常的な使い勝手に直結するポイントです。
モデル | 操作性・ダイヤル/ボタン | 液晶モニター | 特徴・ポイント |
|---|---|---|---|
X100 | 十字キー中心。ジョイスティックなし。露出・シャッター・絞りの3物理ダイヤル構成。 | 固定式 | 初代らしいクラシック操作。物理感は強いが機動力は低め。 |
X100S | X100とほぼ同等。AFは改善したが操作系は旧設計のまま。 | 固定式 | X100の操作性を踏襲。現代的なポイント移動はやや不便。 |
X100T | 十字キー+改善されたUI。電子シャッター追加で明るい屋外も扱いやすい。 | 固定式 | サイレント性能アップ。クラシッククローム追加世代。 |
X100F | 初採用のAFジョイスティックで操作性が大きく向上。ISOダイヤル統合。 | 固定式 | 「操作性の壁」を越えた世代。AFポイント移動が高速に。 |
X100V | X100Fの操作性+さらに洗練。防塵防滴(アダプター+フィルター使用時)対応。 | 2軸チルト式 | 撮影の自由度が大幅向上。ロー/ハイアングルが簡単に。 |
X100VI | X100Vの操作性を継承。IBIS搭載でも持ちやすさ◎ | 2軸チルト式 | チルト+IBISで日常スナップがさらに安定。最新の快適性。 |
シリーズごとに見た目は大きく変わらないものの、操作系やモニター構造は実用性に大きく影響します。特にX100Fでジョイスティックが追加された点、X100V / VIでチルト液晶が搭載された点は、撮影スタイルの自由度を大きく変える進化です。次のパートでは、これらの違いが実際の撮影でどのように効いてくるのかをさらに掘り下げていきます
ダイヤル配置と操作系の違い
初代X100〜X100Tまでは、シャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤル、レンズの絞りリングという3つの物理ダイヤルが基本です。フィルムカメラに近い操作感で、シャッター速度と絞りをダイヤルの位置で一目で把握できる一方、AFポイントの変更などは十字キー操作が中心で、現在のミラーレスに慣れているとやや手数が多く感じる場面もあります。
X100Fではシャッタースピードダイヤル内にISOダイヤルが統合され、露出関連の設定をトップカバー上に集約しやすくなりました。加えて背面のAFジョイスティックにより、AFポイント移動が格段にスムーズになります。スナップ中にフレーミングを変えながらピント位置を素早く動かしたいなら、X100F以降の操作系が一つの分岐点になります。
背面モニターとチルト・タッチ操作
背面モニターも世代差が大きい部分です。X100Fまでは固定式モニターで、ローアングルやハイアングル撮影は感覚に頼る部分がありました。X100Vで初めて2軸チルト式モニターが採用され、腰の位置からのスナップやテーブルフォトが撮りやすくなり、その構造はX100VIにも受け継がれています。
タッチ操作への対応も、フォーカスポイント選択や再生時の操作性に影響します。X100V / X100VIではタッチAFやスワイプ操作が使えるため、スマートフォンのような感覚でピント位置や再生画像を扱えます。ファインダー中心の撮影スタイルでも、ローアングルで素早くピントを置きたいシーンではタッチ対応のメリットを感じやすいでしょう。
防塵防滴と携帯性のバランス
防塵防滴に関しては、X100VとX100VIが最も配慮された設計になっています。専用のアダプターリングと防護フィルターを装着することで、防塵防滴構造を確保できるよう設計されており、突然の小雨や海辺での撮影などでも安心感が増します。
重量面では世代による差は大きくありませんが、IBISを搭載したX100VIはわずかに重くなっています。それでもレンズ交換式のXシリーズに比べれば十分軽量で、「防塵防滴とIBISを優先するか」「少しでも軽さを優先して旧世代を選ぶか」という観点で、自分のスタイルに合うポイントを見極めると選びやすくなります。
動画性能・手ブレ補正・NDフィルターの比較
動画性能やNDフィルター、手ブレ補正まわりは、スナップ用途だけでなく旅撮影やVlog用途を考える人にとって重要なポイントです。X100シリーズは「静止画機」という印象を持たれがちですが、世代が進むにつれ動画周りの進化が大きく、X100V以降は実用性が一段上がっています。各世代での主な違いを一覧表で整理しました。
モデル | 動画性能 | NDフィルター | 手ブレ補正(IBIS) |
|---|---|---|---|
X100 | 720p(HD)まで | 約3段分 | ― |
X100S | 1080p(フルHD) | 約3段分 | ― |
X100T | 1080p(フルHD) | 約3段分 | ― |
X100F | 1080p(フルHD) | 約3段分 | ― |
X100V | DCI/UHD 4K30p、FHD120p | 約4段分 | ― |
X100VI | 6.2K30p・4K60p・10bit内部記録、F-Log2対応 | 約4段分 | 搭載(最大約6段) |
一覧で見ると、動画性能はX100Vで一度大きく伸び、最新のX100VIでは静止画機とは思えないレベルにまで到達していることが分かります。また全世代で内蔵されているNDフィルターはX100シリーズの大きな特徴で、日中の開放撮影やスローシャッター表現に有効です。手ブレ補正はX100VIで初めて搭載され、夜のスナップや手持ち動画の安定性が大きく向上しています。
動画スペックのざっくり比較
初代X100は720pまでの動画記録、X100S / X100T / X100FはフルHD(1080p)までの対応で、いずれも動画はあくまでオマケに近い位置づけでした。X100Fではセンサーと処理能力の向上により、暗所での画質やAFの安定性が改善していますが、本格的な映像制作を主目的とした設計ではありません。
大きな転換点がX100Vで、DCI/UHD 4K30p・フルHD120pに対応し、F-Logなどのフラットプロファイル記録や外部10bit出力にも対応しました。さらにX100VIでは6.2K30p・4K60p・10bit 4:2:2内部記録、F-Log / F-Log2といったスペックが加わり、単焦点コンパクトとしてはかなり本格的な動画機能を備えています。「写真メインだが旅行Vlogも高画質で残したい」といったニーズなら、X100V / VI世代を軸に検討する価値があります。
NDフィルターとIBISの使いどころ
X100シリーズの隠れた強みが内蔵NDフィルターです。初代X100の時点で約3段分のNDが搭載されており、日中でもF2開放やスローシャッターを使いやすくしてくれます。X100V / X100VIでは約4段分のNDとなり、真夏の晴天下でも開放F2を使ったボケ表現や、水の流れを滑らかに表現するスローシャッター撮影などで、より余裕が生まれています。
手ブレ補正はX100VIで初めてボディ内に搭載され、最大約6段分の補正効果とされています。暗い室内で1/10秒前後までシャッター速度を落としても、静物ならブレを抑えられるシーンが増え、夜スナップでもISO感度を抑えて撮影しやすくなります。動画撮影でもIBISの有無で歩き撮りの安定感は大きく変わるため、手持ち動画を多く撮るならX100VIを優先する意味は大きいでしょう。
「写真メイン+動画も少し」のラインを見極める
動画をどこまで重視するかで、X100シリーズの候補はかなり絞り込めます。静止画オンリーであれば、X100Fまでの世代でも写りに不満を感じる場面は多くありませんし、メニュー構成が比較的シンプルで迷いにくいという利点もあります。
一方で「旅行のVlogもきれいに残したい」「カラーグレーディングも試したい」という場合は、4K対応のX100V、さらに6.2K・4K60p・F-Log2対応まで踏み込めるX100VIが現実的な候補になります。x100シリーズ 比較をするときは、最初に「静止画だけ」か「静止画+動画」か、その比重を決めておくと機種を絞り込みやすくなります。
フィルムシミュレーションと色の違いを楽しむ
X100シリーズは世代ごとに搭載されるフィルムシミュレーションが増え、JPEG撮って出しの雰囲気や色の出方が大きく変わります。特にX100F以降はモノクロ表現のACROS、X100Vではクラシックネガ、X100VIではREALA ACEが加わり、表現の幅が一段と広がりました。各世代の特徴を分かりやすく比較できるよう、主要なカラー傾向と追加シミュレーションを一覧表にまとめました。
モデル | 主なフィルムシミュレーション | 特徴的な色傾向・ポイント |
|---|---|---|
X100 | PROVIA / Velvia / ASTIA、モノクロ | 初代はバリエーションが少なめだが、フィルムらしい素直な色。コントラストの強弱はシンプル。 |
X100S | PROVIA / Velvia / ASTIA、モノクロ | 基本は初代と同様。色の深みは増し、X-Trans CMOS IIの恩恵で階調が改善。 |
X100T | 既存+クラシッククローム | 落ち着いた彩度・深いトーンの“渋い色”が追加。スナップで人気が爆発した世代。 |
X100F | 既存+ACROS(モノクロ) | モノクロ表現が一気に向上。粒状感と階調の豊かさで“作品感”が出しやすい。 |
X100V | 既存+クラシックネガ | ネガフィルム的な退色トーン。看板・街の色・日常光景と相性が良い。スナップ向き。 |
X100VI | 既存+REALA ACE | 色再現性の高いニュートラルトーン。肌色から風景まで万能で、現代的で整った色。 |
こうして比べると、X100シリーズはセンサー性能だけでなく“色の進化”がはっきりしていることが分かります。特にX100Tでのクラシッククローム、X100FのACROS、X100Vのクラシックネガ、X100VIのREALA ACEは、それぞれの世代を象徴するシミュレーションです。撮影のスタイルや好みの色調に合わせて世代を選ぶのも、X100シリーズの楽しみ方のひとつです。
X100〜X100T:ベースとなるカラーとクラシッククローム
初代X100とX100Sは、PROVIA / Velvia / ASTIAといったクラシックなリバーサルフィルム系と、標準的なモノクロ系が中心です。すでにこの世代から色再現の評価は高かったものの、バリエーションは現在ほど多くありませんでした。X100Tになると「クラシッククローム」が追加され、彩度を抑えた渋いトーンがスナップ用の定番プリセットとして広く使われるようになります。
これらの世代でもホワイトバランス微調整やトーンカーブ設定と組み合わせれば、かなり幅広い色表現が可能です。ただしJPEGだけで多彩な表現を楽しみたい人や、モノクロ表現を重視する人にとっては、後述のX100F以降のフィルムシミュレーションがより魅力的になります。
X100F・X100V:ACROSとクラシックネガのインパクト
X100Fで追加された「ACROS」は、粒状感と階調の豊かさでモノクロ好きから高い支持を得ているフィルムシミュレーションです。暗部の粘りも強く、RAW現像なしでも完成度の高いモノクロ写真を量産しやすいプリセットと言えます。
X100Vでは「クラシックネガ」が加わり、ネガカラーフィルムを思わせる少し退色したようなトーンが楽しめます。街の看板や日常の光景を撮ると、記録写真が一段階「作品寄りのスナップ」に寄ってくれるのが特徴です。X100V世代のフィルムシミュレーションの充実は、X100シリーズ人気をさらに押し上げた要因の一つとされています。
X100VI:REALA ACEでさらに選択肢が拡大
最新のX100VIでは、Xシリーズとして初めて「REALA ACE」が搭載されました。高い色再現性とやや抑えめのコントラストを両立したシミュレーションで、ポートレートから風景まで幅広い被写体に合わせやすいニュートラル寄りの色調です。従来のフィルムシミュレーションと比べて、後処理耐性の高いベースを作りやすい点も特徴です。:contentReference[oaicite:17]{index=17}
合計20種類のフィルムシミュレーションを使い分けられるX100VIは、JPEG撮って出し派にとって非常に自由度の高いツールです。同じシーンをフィルムシミュレーション違いで撮り比べるだけでも学びが多く、「色遊び」がX100シリーズの楽しさをさらに広げてくれます。
用途別・予算別に見るX100シリーズの選び方
ここまでX100シリーズ比較をしてきた中で、最終的に気になるのは「自分はどのモデルを選ぶべきか」だと思います。最新のX100VIがスペック的に最も充実しているのは事実ですが、価格や入手性を考えると、あえて一世代・二世代前を選ぶ方が現実的なケースも少なくありません。用途と予算の組み合わせで整理してみます。
コスパを意識するならX100S / X100T / X100F
予算を抑えつつX100シリーズの世界に入りたい場合、中古のX100S / X100T / X100Fが候補になります。X100Sは16MPのX-Trans CMOS IIと位相差AFを備え、「初代の描写傾向を保ちつつAF弱点を改善したモデル」として長く支持されています。X100Tは電子シャッターとクラシッククロームの追加により、サイレント撮影と多彩な色表現が可能になった世代です。
より実用性を重視するならX100Fがバランスの良い選択肢です。約24.3MPセンサー、AFジョイスティック、改良されたAFシステムなど、現在でも「現役性能」と言えるスペックを備えつつ、X100V / X100VIよりも中古価格が抑えめな個体も多く出回っています。ACROSを使ったモノクロスナップを楽しみたい人にも適した一台です。
写真メインならX100V、全部欲しいならX100VI
「動画はそこまで重視しないが、写真性能と扱いやすさは妥協したくない」という場合、X100Vが有力候補になります。約26.1MPセンサー、新設計の23mm F2レンズ、チルト液晶、防塵防滴対応(アダプター+フィルター併用時)など、スナップシューターとしての完成度が高いモデルです。4K動画にも対応しますが、基本設計は静止画寄りで、「写真機としての完成形」に近い立ち位置と言えます。
一方、X100VIは40MPセンサー・IBIS・6.2K / 4K60p動画・REALA ACEなど、X100シリーズの最新技術を詰め込んだフラッグシップ的な存在です。静止画と動画の両方を高いレベルでこなしたい人や、トリミング耐性を最優先する人には最も適した一台です。そのぶん価格はシリーズ最高レベルで、為替や原材料高の影響もあり、初代X100から比べるとかなり高価なポジションになっている点は押さえておく必要があります。
市場動向と入手性も考慮しておきたい
X100VはTikTokなどSNSでのバズをきっかけに需要が急増し、2023年前後には新品がほぼ入手困難、中古価格が国内外で定価を大きく上回る状況が続きました。X100VIも発売直後から予約が集中し、多くの地域でバックオーダーが発生するなど、「欲しいタイミングで必ずすぐ買える」シリーズではないことは頭に入れておいた方が良いポイントです。
その一方で、中古市場ではX100FやX100Tをはじめとする旧世代モデルが継続的に流通しており、X100V / VIの価格や納期を踏まえて代替候補として検討するユーザーも増えています。最新機能にこだわるのか、それとも「X100らしい撮影体験」を重視するのか、自分のスタンスを明確にしたうえでモデルを選ぶと、納得感の高い買い方がしやすくなります。
Fujifilm X100シリーズ比較まとめ
富士フイルムX100シリーズは、どの世代を選んでも「23mm F2+APS-C+ハイブリッドファインダー」という核は共通しており、35mm一本で世界を切り取る楽しさを味わえるカメラです。一方で、センサー世代・AF性能・フィルムシミュレーション・動画機能・IBISの有無などは世代ごとに違いがはっきりしています。「軽快なスナップ」「高画素+トリミング」「静止画オンリー」「静止画+動画」といった自分の優先順位を整理しながらX100〜X100VIを比べると、自然と最適な一台が見えてきます。気になるモデルが決まったら、中古店やレンタルで実機を手に取り、ダイヤルの手触りやファインダーの見え方を確認するところから、一歩踏み出してみてください。
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