カメラの歴史を知ろう。最初のカメラから現代までの歴史をやさしく解説

カメラの歴史を知ろう。最初のカメラから現代までの歴史をやさしく解説

LUMIX DMC-G1 ボディ
LUMIX DMC-G1 ボディ
ファインダーを覗いて丁寧に撮る楽しさを教えてくれるレンズ交換式ボディ。発色は自然で肌色も破綻しにくく、街歩きや家族の記録が気持ちよく仕上がります。控えめなボケは品よくまとまり、風景でも空気感を損ないません。グリップは安定し、ダイヤル操作もわかりやすい。写真の基礎力を育てたい人にぴったり。シンプルな操作系は学びやすく、露出やホワイトバランスのコントロールで写真が変わる感覚を掴みやすいのが魅力。色乗りは落ち着きがあり、空や緑の階調もなだらか。携行性に優れ、散歩や通勤カバンにも忍ばせやすい。撮るたびに基礎体力がつく入門の良き相棒。
α7 ILCE-7 ボディ
α7 ILCE-7 ボディ
広い階調と落ち着いた色のりで、風景の空気感や被写体の質感をしっかり描けるボディです。ポートレートでは穏やかなボケが立体感を与え、スナップでは光と影のコントラストが心地よく決まります。堅実なAFは素直な挙動で扱いやすく、操作もシンプル。必要な設定に迷わず手が届きます。レンズを換えながら表現を探る楽しみが大きく、写真の基礎を丁寧に積み上げたい方に向きます。落ち着いたトーンで肌も風景も自然体にまとまり、後処理の追い込みも素直です。握りやすい形状でホールドが安定し、長時間の撮影でも気持ちよく向き合えます。初めての一台にも。
α9 III ILCE-9M3 ボディ
α9 III ILCE-9M3 ボディ
激しく動く被写体にも余裕をもって対応し、決定的な一瞬を確実に収めたい人に心強いモデル。追従性に優れたオートフォーカスと視認性の高いファインダーがリズムよく撮影を支えます。鮮やかさに頼りすぎない自然な発色と、滑らかなボケで背景をそっと整理。静かなシーンでも気兼ねなく使え、操作系は直感的で迷いません。カメラ任せでも破綻が少なく、微調整すればさらに狙いどおりのトーンに。長丁場でも安定したテンポで撮影できます。集中力を切らさない握りと配置で、視線や動きの流れに合わせて素早く狙いを切り替え可能。風景から人物、ステージまで守備範囲が広く、現場の空気をありのままに描き出します。

カメラの歴史は、「光をどうやって残すか」を考え続けてきた人間の長い物語です。最初はただの“光を映す箱”から始まり、銀板写真やフィルム、デジタルカメラ、そしてスマホやAIカメラへと発展してきました。この記事では、カメラのはじまりから現代の技術までをわかりやすく順番に紹介します。どんな発見や工夫が次の時代のカメラにつながっていったのかを、一緒に見ていきましょう。

Author
筆者
みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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「最初のカメラ」を3つの定義に分けて解説

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主な流れ:ピンホール → 銀板写真 → 乾板 → フィルム → 35mmライカ → 一眼レフ → オートフォーカス → デジタル → ミラーレス → スマホ → AIカメラ

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進化のポイントは「持ち運びやすさ」「写りのきれいさ」「撮ってすぐ見られるスピード」の3つ

「最初のカメラ」はどこから始まる?

カメラの最初には3つの「はじまり」があります。

  • ひとつは光を映すことができた最初(カメラ・オブスクラ)。
  • もうひとつは写真を残せるようになった最初(ニエプス/1826〜1827年)。
  • 最後が、誰でも撮れるようになった最初(Kodak No.1/1888年)。

これらを順にたどることで、今のカメラがどのようにできあがったかが見えてきます。

カメラの最初①:光を映す箱「カメラ・オブスクラ」の登場

カメラのはじまりは、写真を撮るための機械ではなく、「光を映すための箱」でした。“カメラ・オブスクラ”と呼ばれる装置がその原型です。暗い箱に小さな穴を開け、そこから光を通すと、外の景色が反対向きに映し出される─これがカメラの出発点です。

この現象を昔の人は観察したり、絵を描くときの参考に使ったりしていました。しかしこの時代には、映った像を残すことはできません。“見るためのカメラ”から、“残せるカメラ”へと進化するのは、まだ先のことでした。

「カメラ」という言葉の由来と最初の仕組み

「カメラ」という言葉は、ラテン語の「カメラ=部屋」に由来します。

最初のカメラは実際に“部屋そのもの”でした。壁に小さな穴を開けると、光がまっすぐ進む性質によって、外の景色が上下逆さまに映し出されます。この現象は、中国の思想家・墨子やギリシャのアリストテレスの記録にも書かれています。

当時は映し出された像を見ることしかできず、「写真を残す」という考え方も技術も存在していませんでした。やがて化学の発達によって光を紙や金属に定着させる方法が見つかり、本当の意味での“写真”が生まれます。

描くだけの道具から“残せる”道具へ

16〜18世紀になると、持ち運びができる小型のカメラ・オブスクラが登場します。画家たちはこの装置を使って風景を正確に描くための道具にしていました。

しかし映し出された像はすぐに消えてしまうため、「この光の像を残す方法はないだろうか」と考える人が現れます。この思いから、光を通す仕組み(光学)と、光で物質を変化させる技術(化学)を組み合わせる研究が始まりました。

この2つの分野がつながったことで、ようやく“写真を撮る”という発想が現実のものになっていきます。

カメラの最初②:ニエプスが撮った“世界で最初の写真”

1800年代のはじめ、フランスの発明家ニエプスが世界で初めて光を定着させることに成功します。これが「ヘリオグラフィ」と呼ばれる世界最古の写真です。

金属板に光で固まる物質を塗り、数時間もかけて露光して作られたもので、今でも現存しています。この成功が、のちの写真技術の出発点となりました。

その後、より短い時間で撮影できる方法が次々に開発されます。1839年、フランスのダゲールが「銀板写真」を発明し、続いてイギリスのタルボットが「カロタイプ」という紙のネガを使った技術を生み出しました。このカロタイプは、現代のフィルム写真のもとになったといわれています。

湿板と乾板:撮影がぐっと楽になった時代

1850年代に入ると、写真はさらにきれいに撮れるようになります。ガラス板に薬液を塗り、乾く前に撮影する「湿板写真」が登場したのです。ただし現像をすぐに行う必要があり、外で撮影するには「暗室」を持ち歩かなくてはいけませんでした。

1871年には、乾いたままでも感光できる「乾板」が登場します。これによって撮影と現像を分けて行えるようになり、持ち運びが格段に便利になりました。野外での撮影が現実的になり、写真は一気に身近なものになっていきます。

カメラの最初③:「押すだけ」で撮れる時代へ:Kodakの登場

Kodak

1888年、アメリカのジョージ・イーストマンが発売した「Kodak No.1」は、誰でも簡単に写真が撮れるカメラとして大人気になりました。「ボタンを押すだけ、あとはお任せ」というキャッチコピーが有名で、これが“写真を撮る文化”を広めるきっかけになります。

Kodak No.1はロール状のフィルムを使い、撮ったフィルムを工場に送ると現像してプリント写真を送り返してくれる仕組みでした。その手軽さから家族写真や旅行写真など、写真が一般の人たちの生活に入り込んでいきました。この時代のカメラこそ、「誰でも撮れるカメラの最初」といえます。

35mmカメラの革命:ライカが生んだスナップ時代

Leica I

ここからは最初のカメラが誕生した後の進化をみていきましょう。

1920年代になると、映画フィルムを応用した「35mmカメラ」が登場します。ドイツの技術者オスカー・バルナックが開発した「ライカ(Leica)」は、小さくて軽く、街の中でも気軽に撮れるカメラでした。
1925年に発売された「Leica I」は、現在のコンパクトカメラの原型になったとも言われています。

このカメラの登場によって、人々は日常の中の一瞬を切り取る“スナップ写真”を楽しむようになりました。ライカは「撮影をより自由にしたカメラ」として、カメラの歴史の中で特別な存在となっています。

一眼レフの時代:見たままを写せるカメラへ

1930年代後半になると、カメラの形が大きく変わります。

それまで主流だったレンジファインダー式カメラ(ピントを別の窓で合わせるタイプ)に代わって、ファインダーをのぞいたまま撮れる「一眼レフカメラ」が登場しました。

1936年の「Kine Exakta」は、35mmフィルムを使う世界初の一眼レフカメラとして知られています。さらに1948年のイタリア製「Rectaflex」では、ファインダーの見え方を自然にする「ペンタプリズム」という仕組みが加わりました。その翌年にはドイツの「Contax S」が登場し、一眼レフのスタイルが世界に広がっていきます。

Nikon Fが完成させた“プロの道具”

1959年、ニコンが発売した「Nikon F」は、一眼レフカメラの完成形と言われるモデルです。

交換できるファインダーやモータードライブ(連写用の仕組み)を搭載し、プロカメラマンたちに愛用されました。頑丈で信頼性が高く、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行ミッションでも使われたほどです。

この時代のカメラは「使う人が撮影を支配する」ことを重視しており、操作に慣れれば慣れるほど、思い通りの写真が撮れるようになるのが特徴でした。Nikon Fは交換ファインダーやモータードライブ等の統合で“35mmシステム”を成熟させ、NASAでも改造Fがアポロ15号やスカイラブで使用された記録があります。

自動化の始まり:露出とピントをカメラが判断

1960年代に入ると、撮影の難しさを減らすための“自動化”が始まります。露出(明るさ)をカメラが自動で測る「TTL測光」という仕組みを、1963年の「Topcon RE Super」が世界で初めて搭載しました。これにより、初心者でも適切な明るさで撮れるようになります。

そして1977年、コニカの「C35 AF」が登場。これは世界初のオートフォーカス(自動ピント合わせ)カメラです。1985年に発売されたミノルタ「α7000」は、ボディの中にモーターを内蔵し、“ピント合わせの自動化”を本格的に一般向けに広めました。

インスタント写真:撮ったその場で見られる楽しさ

「撮ったらすぐ見たい!」――そんな願いを叶えたのがインスタントカメラです。1948年、エドウィン・ランドが発明した「ポラロイド Model 95」は、撮影から約1分で白黒写真をプリントできました。

その後1972年に登場した「SX-70」は、カラーフィルムで撮影でき、折りたたみ式のデザインで大ヒットしました。この“すぐに結果が見える”体験は、後のデジタルカメラやスマホカメラのコンセプトにもつながっていきます。撮ってすぐ見られるインスタント写真は、ワークフローの即時性をもたらしました。1948年のLand Camera Model 95(白黒約1分)、1972年のSX‑70(インテグラル方式&折り畳みSLR)が大きな節目です。

デジタルの時代へ:写真がデータになる

1975年、コダックの技術者スティーブ・サッソンが世界初のデジタルカメラを開発しました。100×100ピクセルという低画質ながら、フィルムを使わずに撮影したデータをカセットテープに保存する仕組みでした。

1980年代になると、電子技術を応用したカメラが増え始めます。1988年の富士フイルム「Fujix DS-1P」は、世界で初めてメモリーカードに画像を保存できる“完全デジタルカメラ”として登場しました。1990年代前半にはApple「QuickTake」やCasio「QV-10」などが発売され、家庭にもデジタルカメラが広がっていきます。

プロの現場でもデジタルが主流に

Nikon D1

1999年に登場した「Nikon D1」は、プロの現場でも使える性能を持ったデジタル一眼レフカメラでした。撮ってすぐに確認でき、データをその日のうちに送信できるという利便性が評価され、報道・スポーツの現場を中心に一気に広まりました。

2003年の「Canon EOS 300D」は、10万円前後という価格で本格的なデジタル一眼を一般ユーザーに開放。そして2008年の「Nikon D90」は、デジタル一眼で初めて動画撮影機能を搭載しました。これにより、写真と映像の境界が次第に曖昧になっていきます。

ミラーレスの登場:小型で高性能な新時代

Sony α7

2008年、パナソニックの「LUMIX G1」が世界初のミラーレスカメラとして登場します。ミラーをなくすことで小型・軽量化を実現し、電子ビューファインダーで撮影結果をリアルタイムで確認できるようになりました。

2013年にはソニー「α7」が世界初のフルサイズ・ミラーレスカメラとして登場。2018年にはニコン「Nikon Zシリーズ」やキヤノン「Canon EOS Rシリーズ」も発売され、“ミラーレス時代”が一気に本格化していきます。

スマホカメラとAIが変えた撮影スタイル

1999年の京セラ「VP-210」は、携帯電話に初めてカメラを搭載したモデルです。翌年のシャープ「J-SH04」は、写真付きメールを送れる“世界初のカメラ付き携帯電話”として大ヒットしました。
そこからスマートフォンの時代に入り、カメラは日常の一部になっていきます。

2014年のGoogle「HDR+」や、2019年のApple「Deep Fusion」など、AIによる“計算写真”が登場。光の情報を合成してノイズを減らしたり、暗い場所でも明るく撮れたりするなど、ソフトウェアが写真の質を大きく高める時代が訪れました。

最新の進化:歪まないシャッターとAI認識

Sony α9 III

2023年、Sony α9 IIIは、世界で初めて“フルサイズのグローバルシャッター”を搭載しました。これにより、被写体の動きによる歪みを完全に防ぎ、どんな瞬間も正確に写せるようになりました。

さらにAIが被写体を自動で認識し、ピントを合わせ続ける技術もどんどん進化しています。カメラはもはや機械ではなく、「考える撮影パートナー」へと変わりつつあります。

最後に振り返る要点

最後にカメラの最初から現代までの流れのおさらいです。

“最初”の三つの顔

3つの観点による“最初”のカメラがあります。

"最初"の軸

主体

最初の光を映す箱

カメラ・オブスクラ

世界で最初の写真

ニエプス

誰でも撮れる最初

Kodak

最初から現代までの進化の流れ

ここまでの主な流れをまとめると「ピンホール → 銀板写真 → 乾板 → フィルム → 35mmライカ → 一眼レフ → オートフォーカス → デジタル → ミラーレス → スマホ → AIカメラ」という流れです。

こういった順序で技術の改善が撮影体験(携行性・再現性・即時性)の改善を伴って進行してきました。

まとめ

カメラの歴史をふり返ると、常に「もっと簡単に」「もっときれいに」「もっと自由に」という願いがありました。カメラ・オブスクラからライカ、一眼レフ、デジタル、そしてスマホやAIへ。一つひとつの進化が、次の時代の写真体験を作り出してきたのです。

今、私たちがスマホで撮る一枚も、何百年も続くこの長い歴史の延長線上にあります。光を記録するというシンプルな行為の中に、カメラのすべての物語がつまっています。


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ファインダーを覗いて丁寧に撮る楽しさを教えてくれるレンズ交換式ボディ。発色は自然で肌色も破綻しにくく、街歩きや家族の記録が気持ちよく仕上がります。控えめなボケは品よくまとまり、風景でも空気感を損ないません。グリップは安定し、ダイヤル操作もわかりやすい。写真の基礎力を育てたい人にぴったり。シンプルな操作系は学びやすく、露出やホワイトバランスのコントロールで写真が変わる感覚を掴みやすいのが魅力。色乗りは落ち着きがあり、空や緑の階調もなだらか。携行性に優れ、散歩や通勤カバンにも忍ばせやすい。撮るたびに基礎体力がつく入門の良き相棒。
α7 ILCE-7 ボディ
α7 ILCE-7 ボディ
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α9 III ILCE-9M3 ボディ
α9 III ILCE-9M3 ボディ
激しく動く被写体にも余裕をもって対応し、決定的な一瞬を確実に収めたい人に心強いモデル。追従性に優れたオートフォーカスと視認性の高いファインダーがリズムよく撮影を支えます。鮮やかさに頼りすぎない自然な発色と、滑らかなボケで背景をそっと整理。静かなシーンでも気兼ねなく使え、操作系は直感的で迷いません。カメラ任せでも破綻が少なく、微調整すればさらに狙いどおりのトーンに。長丁場でも安定したテンポで撮影できます。集中力を切らさない握りと配置で、視線や動きの流れに合わせて素早く狙いを切り替え可能。風景から人物、ステージまで守備範囲が広く、現場の空気をありのままに描き出します。

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