念珠の松庭園

念珠の松庭園は、数珠を思わせる玉状の刈込を持つ松を中心に、池と苔、石組が調和する端正な日本庭園。春は新緑、初夏はアヤメ、夏は深い緑陰、秋は紅葉、冬は霜や薄雪が被写体。縁側や園路から額縁構図で池と松を収め、標準〜望遠で枝ぶりや刈込の丸みを丁寧に追う。曇天は反射が和らぎ階調が豊かに出る。PLで水面を整え、石灯籠や飛び石を小さく添えると、庭のリズムが画面に生まれる。朝夕の斜光は葉先を縁取り、玉のような刈込が立体的に浮かび上がる。雨上がりは苔が艶を帯び、露の粒が微かな光を返す。静寂を尊び、通路を塞がない位置でゆっくり構図を探すと、時間の流れまで写し取れる。