京王百草園

京王百草園は、多摩丘陵の斜面に梅・ツツジ・モミジが四季をつくる里山庭園。早春の梅は枝ぶりが主役で、逆光に透ける花弁が柔らかい。新緑は竹林と小径、秋は紅葉のトンネルが見どころ。園路のS字を導線に広角で空間を大きく取り、標準〜中望遠で茅葺きの庵や石段、手水鉢のディテールを丁寧に。朝夕の斜光や薄曇りを選ぶと階調が豊かになり、遠景の多摩の街並みも上品に添えられる。梅の最盛期は望遠で枝と空の抜けを慎重に選び、背景に人影を小さくシルエットで添えると賑わいが上品に伝わる。雨上がりは苔と敷石の艶が増し、色飽和を避けてややアンダーで。秋は斜面の紅葉を対角線に配し、多摩丘陵の遠景を柔らかく重ねると物語性が増す。