佐多直忠氏庭園

佐多直忠氏庭園は、知覧武家屋敷群に残る名園の一つで、築山と白砂、刈込みが層状の遠景を表現。座敷からの正面構図が基本ですが、斜めから石の配置と砂紋を対角線に使うと画が締まります。曇天や朝夕の柔らかな光で撮ると、石の肌理と苔の色が美しく、季節の差し色が映える庭。参観時は三脚マナーに配慮して静かに。梅雨の雨粒が白砂に濃淡を刻むと、庭の呼吸が見えてきます。紅葉期は刈込みの緑と苔の黄緑、モミジの朱の三色構成が美しく、望遠で色面だけを切り取れば抽象度の高い表現に。室内の柱や障子を額縁に、静かな時間を丁寧に。