萬福寺桃山式庭園

宮崎県国富町の萬福寺桃山式庭園（楽山園）は、数百年を生きた紅梅の老木を中央に据え、吉野の石や京都の白川砂、北山杉を配して作庭された枯山水の小庭園です。書院から庭を眺めると、白砂と苔むした築山、石組みの奥に鰐塚山が借景として浮かび上がり、一幅の日本画のような構図に。二月中旬、紅梅が咲き誇る頃には、枝ぶりと花の色が白砂に落とす影も美しく、曇天の日ほど柔らかなトーンで撮影できます。広角で書院ごと切り取るカットと、中望遠で紅梅と石組みだけに寄るカットを撮り分ければ、桃山の気配を今に伝える静かな庭の表情を丁寧に写し出せます。