国見岳

九州山地の国見岳は標高1739m、熊本と宮崎の県境に立つ深山のピークで、祖母傾連山や阿蘇、九重方面まで連なる大パノラマが圧巻です。ブナやミズナラの原生林を抜ける稜線は、残雪期には白い斜面と黒い樹影が美しいコントラストを生み、夏はガスが尾根を越えて劇的な光景に。秋は紅葉した谷筋の色の帯が遠くまで走り、望遠で稜線のレイヤーを重ねれば重厚な山岳風景が描けます。夕暮れには西側の稜線が赤く縁取られ、雲海に浮かぶ峰々を広角で豪快に捉えれば、山塊全体のスケールがより伝わります。夜は満天の星と稜線のシルエットが重なり、長秒露光でヘッドライトの軌跡を写し込めば、人の気配まで含めたドラマチックな一枚になります。