冠山

冠山は日向市東郷町のシンボル的なピークで、標高はおよそ440m。整備された登山道を登り切ると、東郷盆地の田畑と日向灘側の山なみが大きく開け、春は山桜と新緑、秋は紅葉が斜面を染める。山頂の小広いスペースを前景に、広角で空の量感と谷の広がりを入れると、素朴ながら伸びやかな画になる。朝は谷霧が薄く漂い、夕方は盆地に灯る集落の明かりが点々と浮かぶので、露出をやや抑え気味にしてハイライトを守りつつ、じっくり空の色変化を追いかけたい。冬は空気が澄み、条件が良ければ遠く耳川流域の山々まで見通せるので、望遠でレイヤーを重ねれば山深さを強く印象付けられる。