旧日立航空機株式会社変電所

旧日立航空機株式会社変電所は、戦災で黒く焼け焦げたコンクリート壁と砲弾痕がそのまま残る、東京では珍しい工場遺構です。窓枠だけが残った開口部から空を見上げると、崩れた壁のシルエットがグラフィックな抜けを作ります。夕方の逆光で壁面をシルエットにすると、凹凸が力強い影となって浮かび上がり、モノクロ表現との相性も抜群。平和学習の場としての重みも画面に刻めます。周囲の芝生や遊具との対比も強烈で、平和な公園の風景の中にぽつんと残る巨大な箱が存在感を放ちます。草むらからローアングルで見上げれば、ひび割れたコンクリートと青空がぶつかり合い、工場遺構ならではの荒々しさと静けさが共存する一枚になります。