円月橋 (小石川後楽園)

小石川後楽園の円月橋は石材の質感も魅力で、近づいて望遠でアーチの一部と水面だけを切り取ると抽象画のようなカットになります。欄干の丸みや苔のついた縁石も被写体にしやすく、縦位置にすると線のリズムがより強調されます。周囲のモミジや苔を前ボケに使えば柔らかなトーンに、逆光では水面のきらめきが玉ボケになって画面を軽くしてくれます。人物を一人だけ小さく歩かせるとスケール感が生まれ、スナップ的にも楽しめる橋です。遠景だけでなく、足元の石や苔、参拝者の動きも少し入れておくと、あとで写真を並べたときに場所の記憶が立体的によみがえり、撮影記録としても作品としても使いやすくなります。