笠間稲荷神社東京別社

商店街に面した笠間稲荷神社東京別社は、コンパクトな境内に朱の鳥居と社殿、奉納旗がぎゅっと詰まった“街の稲荷”。鳥居越しにビルやアーケードの看板がちらりと見える構図は、都会と神域の距離感を表現するのにぴったり。曇天や夕方は朱色が転びすぎず、提灯に灯が入る時間帯はブルーアワーとのコントラストが美しい。中望遠で狐像や稲穂の意匠を切り取り、背景を大きくぼかせば、雑多な情報が整理されて祈りの気配だけが残る。雨上がりの路面反射も“商店街の稲荷スナップ”に欠かせない要素だ。本社の笠間稲荷とセットで撮影旅を組めば、“地方の本宮と都会の別社”の対比シリーズになり、作品としての広がりも生まれる。