専福寺

住宅街に溶け込む都会の寺は、静けさと生活感の距離が撮りどころ。山門と路地の抜けを広角で押さえ、標準で本堂を端正にまとめるだけで“街の余白”が写る。中望遠では石仏や墓石の欠け、仏具の金属光、奉納札の文字を丁寧に拾うと渋く決まる。春の新緑は背景整理に効き、梅雨の雨上がりは石が黒く締まって階調が深い。朝の掃き清められた石畳は影が柔らかく、モノクロでも強い。夕方〜ブルーアワーは街灯の暖色が入って情緒が増し、参拝者の後ろ姿を点景にすると“祈りの温度”が残る。最後に塀の直線を引きで押さえると締まる。雨の日の傘を点景に入れると、都会の温度がさらに伝わる。