王子神社（王子権現）

駅近の都心なのに境内は意外と静かで、短い参道が“引き算の構図”に向く。広角で鳥居と空、背景に街の気配を少し残しつつ社殿へ視線を誘導し、標準〜中望遠で狛犬や注連縄、絵馬の筆跡を拾うと下町の温度が写る。朝は人が少なく対称構図が決まりやすい。夕方は木々の影が伸び、ブルーアワーは灯りが柔らかい。雨上がりの石畳は黒が締まり、反射を前景に置くと一気にドラマが出る。都電や街並みを背景に薄く入れると“王子らしさ”が写真に乗る。春の新緑や秋の黄葉は背景整理に効き、35〜50mmで余白を残すと都会の静けさが際立つ。