回向院(墨田区両国)

両国らしく相撲ゆかりの空気と慰霊の静けさが同居し、石碑や供養塔、境内の反復する線が渋い被写体。昼は人の流れを点景にして“今”を入れ、夕方は斜光で刻字と石の凹凸が立ち上がります。標準で門前の街と境内をつなげ、望遠で力塚や石の粒感、線香の煙、手向けの花を切り取ると物語が濃い。雨上がりは石が締まり、夜は街灯で陰影が深くなってモノクロも映えます。ブルーアワーは背景が落ち、石の形だけが浮く瞬間が狙い目です。祭事や相撲の気配がある日は、あえて人を入れて“賑わいの中の慰霊”を狙うと深みが出ます。背景が散るときは85mmで圧縮すると整理しやすい。