大村街道

海と山の間を縫う旧街道で、緩い坂や石垣、道標が点在し、歩くだけで自然に導線が生まれる。春は若葉が柔らかなレフ板、梅雨は濡れた路面が黒く締まり、石の刻みが浮く。秋は落ち葉が前景のテクスチャ、冬は空気が澄んで影が長い。広角でカーブを消失点へ導き、標準〜中望遠で境界石や格子戸の擦れ、苔の粒を丁寧に。車が通る区間は長秒でライトを流すと“道の時間”が残る。朝霧と夕方の斜光は必撮、水平と垂直を整えると端正に決まる。看板や電線が気になるときは低い位置から空を切り、道幅のリズムだけを残す。雨後は水たまりの反射、夜は街灯の橙で映画っぽくなる。