相良のアイラトビカズラ

相良のアイラトビカズラは、日本では熊本県山鹿市菊鹿町だけに自生するとされるマメ科のつる性植物で、樹齢千年ともいわれる古木が国の特別天然記念物に指定されています。5月になると暗い紅紫色の花がブドウの房のように垂れ下がり、一輪一輪は大型の蝶のような独特の形。薄暗い社叢の中でスポットライトのように花だけに光が当たる時間帯を狙えば、その妖しいシルエットが際立ちます。望遠で房を切り取ると背景が深い闇に落ち、マクロで花弁の質感を追えば、ほのかに香る甘い匂いまで伝わるような一枚に。希少な被写体なので、枝に触れず参道から静かに撮影したい場所です。