Milvus 1.4/50 ZF.2

風景では遠景の空気の層を緻密に積み上げ、静かな佇まいの中に密度と奥行きを生み、微妙な霞の階調も破綻しない。ボケはなめらかで前景処理がしやすく、画面全体の流れが落ち着いて決まり、手前から遠くまで視線が自然に導かれる、奥行きの流れがよく見える。コントラストは落ち着き、色は濃すぎない方向で整って、ピントの芯にはコクが宿り、質感表現が滋味深くまとまる。周辺まで均質で端の草木や岩肌も破綻しにくく、大きな画面でも画の張りが保て、プリントの見栄えも良い。リングの重さは安定感があり微調整が効き、風が止む一瞬や光が変わる刹那にも迷わず最適点へ確かに導ける