
D610のレビュー比較まとめ。デュアルSDと6コマ/秒連写が魅力





Nikon D610は、有効約2426万画素のフルサイズセンサーを搭載し、最高約6コマ/秒の連写とSDカードのデュアルスロットに対応した一眼レフです。光学ファインダーを使った静止画撮影では、約900コマの撮影可能コマ数や、通常よりシャッター音を抑えながら連写できるQc(静音連続撮影)などが強みです。一方、現在のミラーレスカメラと比べると、動体撮影やスマートフォンとの連携、ローアングル撮影などでは使いにくさがあります。この記事では、D610の画質やAF、連写、操作性などを確認しながら、どのような撮影に向いているのか、中古で購入する場合に確認したいポイントまで詳しく紹介します。
この記事のサマリー

D610は有効約2426万画素のフルサイズセンサー、最高約6コマ/秒の連写、SDカードのデュアルスロットを備える

39点AFの測距範囲は中央寄りで、背面モニターは固定式。Wi-Fiやカメラ内手ブレ補正は非搭載で、動画もフルHD 30pまで

D610は基本性能の多くをD600から引き継ぎながら、新しいシャッター機構を採用

最高約3コマ/秒のQc(静音連続撮影)に加え、デュアルSDではバックアップ記録やRAW・JPEGの振り分けが可能

Wi-Fi・GPSならCanon EOS 6D、高解像度ならNikon D800、51点AF・チルト式モニター・Wi-FiならNikon D750が比較候補
D610のレビュー要点

D610は、有効約2426万画素のフルサイズセンサーを搭載し、風景やポートレート、暗い場所での撮影まで幅広く対応できる一眼レフです。最高約6コマ/秒の連写やSDカードのデュアルスロットにも対応しており、静止画撮影に必要な基本性能が充実しています。
一方、39点AFの測距範囲は中央寄りで、背面モニターは固定式です。Wi-Fiも本体に内蔵していないため、動く被写体を画面周辺で捉える撮影やローアングル撮影、撮影した写真をすぐにスマートフォンへ転送したい用途では不便があります。ここでは、D610がどのような人や撮影シーンに向いているのか、主な長所と短所を確認します。
おすすめな人
D610は、風景やポートレートを中心に、高画質な静止画を撮影したい人におすすめです。有効約2426万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、RAWで撮影して明るさや色を調整する使い方にも対応できます。また、フルサイズセンサーを生かして、背景を大きくぼかしたポートレートを撮りたい人にも適しています。
最高約6コマ/秒の連写とSDカードのデュアルスロットを備えているため、式典や発表会、ブライダル撮影などにも活用できます。2枚のSDカードへ同じ写真を記録するバックアップ記録を設定すれば、片方のカードにトラブルが発生した場合にデータを失うリスクを抑えられます。
また、光学ファインダーを使って撮影したい人にもD610は候補になります。内蔵Wi-Fiや可動式モニターなどの機能はありませんが、ファインダーを中心に静止画を撮影する用途では、現在でも必要な基本機能を備えています。中古で購入する場合は、価格だけでなくシャッターやSDカードスロット、センサーなどの状態も確認して選びましょう。
不向きな人
D610は、スポーツや野鳥など、画面内を大きく移動する被写体を追い続ける撮影が多い人にはあまり向いていません。AFは39点に対応していますが、測距点が画面中央付近に集中しているため、画面周辺の被写体に直接AFポイントを合わせにくいのが弱点です。被写体を画面の端に配置した構図で動きを追いたい人には、より広い範囲にAFポイントを配置した機種のほうが撮影しやすいでしょう。
撮影した写真をすぐにスマートフォンへ転送したい人にも不向きです。D610はWi-Fiを内蔵しておらず、スマートフォンとの無線接続には別売のワイヤレスモバイルアダプター WU-1bを使用します。ただし、WU-1bはすでに生産を終了しており、ニコン純正の現行代替アダプターはありません。現在は、SDカードをカメラから取り出し、スマートフォン対応のSDカードリーダーを使って写真を取り込む方法が利用しやすいでしょう。
また、動画を中心に撮影する人にもおすすめしにくい機種です。動画はフルHDで最大30pとなり、フルHD 60pや4K撮影には対応していません。背面モニターも固定式で、カメラ内手ブレ補正も搭載していないため、ローアングルやハイアングルからの動画撮影、手持ちでの動画撮影を重視する場合は、より新しい機種のほうが適しています。
要素別レビュー早見表
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
画質(RAW/JPEG) | 有効約2426万画素のフルサイズセンサーを搭載。風景やポートレートなど幅広い撮影に対応する一方、解像度を重視する用途では約3630万画素のD800が有利。 |
高感度 | 常用ISO 100〜6400に対応。暗い場所ではISO感度を上げてシャッター速度を確保できるが、ISO感度を上げるほどノイズは増えるため、画質とのバランスを見ながら設定する必要がある。 |
AF(位相差) | 39点AFを搭載し、中央9点はクロスタイプに対応。測距点は画面中央付近に集中しているため、画面周辺の被写体へ直接AFポイントを合わせたい撮影には不向き。 |
連写 | 最高約6コマ/秒に対応。さらにQc(静音連続撮影)では最高約3コマ/秒で撮影でき、シャッター音を抑えたい場面で使い分けられる。 |
操作性 | ボタンとダイヤルを使って主要な撮影設定を変更できる。背面モニターは固定式で、タッチ操作には非対応。 |
動画 | フルHDは最大30p、1280×720では最大60pに対応。外部マイク入力やヘッドホン出力、HDMI出力を備える一方、フルHD 60pや4K撮影には非対応。 |
記録メディア | SDカードのデュアルスロットを搭載。同じデータのバックアップ記録や、RAWとJPEGを別々のカードへ記録する使い方ができる。 |
バッテリー | EN-EL15を使用し、CIPA規格に準拠した撮影可能コマ数は約900コマ。静止画を長時間撮影する用途でもバッテリー交換の回数を抑えやすい。 |
携帯性 | バッテリーとSDカードを含む重量は約850g(ボディーキャップを除く)。本体のみでは約760g。現在のフルサイズミラーレスと比べると軽量とはいえず、レンズを含めた持ち運びやすさを重視する場合は注意が必要。 |
早見表の通り、D610は有効約2426万画素のフルサイズセンサーに加え、最高約6コマ/秒の連写やSDカードのデュアルスロットを備えており、静止画を中心に撮影する人に適した一眼レフです。一方、AF測距点の広さやスマートフォンとの連携、4K動画などを重視する場合は、D750などのより新しい一眼レフやミラーレスカメラのほうが適しています。
D610の基本情報
D610は、2013年10月に発表されたニコンのフルサイズ(FXフォーマット)一眼レフです。現在は中古での購入が中心となっています。D600をベースにシャッター機構を変更し、最高約6コマ/秒の連写と最高約3コマ/秒のQc(静音連続撮影)に対応しました。また、オートホワイトバランスの精度も改善されています。
発売状況とD600からの主な変更点
D610の基本性能の多くはD600を引き継いでいますが、シャッター機構が変更され、連写性能や静音撮影などが改良されています。
D600では、撮影した画像に複数の黒い粒状の像が写り込む現象が一部のユーザーから報告されました。ニコンは、カメラ内部の細粉や外部から侵入したゴミがローパスフィルター上に付着することで発生すると説明し、点検や清掃などの対応を行っていました。
その後に登場したD610では、新しいシャッター機構を採用しています。高速連続撮影はD600の最高約5.5コマ/秒から最高約6コマ/秒へ向上し、新たに最高約3コマ/秒のQc(静音連続撮影)が追加されました。オートホワイトバランスの精度も改善されています。
一方、有効約2426万画素のフルサイズセンサーや39点AFなど、撮影性能の中心となる仕様はD600と共通しています。そのため、D610はD600から全面的に設計を変更したモデルではなく、基本性能を引き継ぎながらシャッター機構や連写性能などを改良したモデルと考えると分かりやすいでしょう。
主なスペック要点
D610の画質や撮影性能に関わる主な仕様は、以下の通りです。
項目 | 主な仕様 |
|---|---|
センサー | 35.9×24.0mm CMOSセンサー(FXフォーマット)、有効約2426万画素 |
ISO感度 | ISO 100〜6400、ISO 50相当までの減感、ISO 25600相当までの増感に対応 |
AF | 39点AF、中央9点はクロスタイプセンサー |
連写 | 最高約6コマ/秒、Qc(静音連続撮影)は最高約3コマ/秒 |
動画 | 1920×1080:30p/25p/24p、1280×720:60p/50p |
手ブレ補正 | カメラ内手ブレ補正なし。VR(手ブレ補正)対応レンズ装着時はレンズ側で補正 |
ファインダー | ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー、視野率約100% |
モニター | 3.2型、約92万ドット、固定式、タッチ操作非対応 |
記録メディア | SDカード×2、UHS-I対応 |
バッテリー | EN-EL15、撮影可能コマ数約900コマ(CIPA規格準拠) |
D610のデザインと操作性のレビュー

D610は、バッテリーとSDカードを含み、ボディーキャップを除いた重量が約850gのフルサイズ一眼レフです。本体のみでは約760gです。グリップを備え、主要な撮影設定はボタンと前後のコマンドダイヤルを使って変更できます。光学ファインダーを中心に撮影する場合は、メニュー画面を開かずに変更できる設定が多い点が特徴です。
一方、3.2型の背面モニターは固定式で、角度を変えることはできません。そのため、ライブビューを使ったローアングルやハイアングル撮影では、チルト式やバリアングル式モニターを搭載した機種より構図を確認しにくくなります。
握りやすさとボタンレイアウト:ファインダー撮影で設定を変更しやすい
D610は前後のコマンドダイヤルと複数の専用ボタンを備えており、露出補正やISO感度、AFモードなどの撮影設定を変更できます。タッチ操作を前提としていないため、光学ファインダーを中心に撮影しながらボタンやダイヤルで設定を変更したい人に適しています。
また、光学ファインダーはレンズを通った光をミラーとプリズムを介して直接確認する仕組みのため、EVF(電子ビューファインダー)のような表示遅延はありません。一方、撮影前に露出やホワイトバランスなどをファインダー上で反映して確認することはできません。撮影結果を事前に確認しながら撮りたい場合は、EVFを搭載したミラーレスカメラのほうが使いやすいでしょう。
固定式モニターとWi-Fi非搭載の注意点
D610の背面モニターは固定式のため、画面の角度を変えることはできません。ローアングルで花や動物を撮影する場合や、三脚を低い位置に設置してライブビューを使用する場合は、撮影者自身が画面を確認できる位置まで姿勢を下げる必要があります。また、モニターを撮影者側へ向けられないため、自撮りやVlogのように自分で構図を確認しながら撮影する用途にも不向きです。
また、D610はWi-Fiを内蔵しておらず、スマートフォンとの無線接続には別売のワイヤレスモバイルアダプター WU-1bを使用します。ただし、WU-1bはすでに生産を終了しており、ニコン純正の現行代替アダプターはありません。現在は、SDカードをカメラから取り出し、スマートフォン対応のSDカードリーダーを使って写真を取り込む方法が利用しやすいでしょう。そのため、撮影直後に写真をスマートフォンへ転送してSNSなどで共有したい場合は、Wi-Fiを内蔵した機種のほうが使いやすいでしょう。
一方、SDカードからパソコンへ写真を取り込み、RAW現像や写真管理を行う使い方が中心であれば、Wi-Fi非搭載による影響は比較的小さくなります。
D610の画質レビュー

D610は、有効約2426万画素のフルサイズセンサーを搭載しています。風景の細かな描写から、背景をぼかしたポートレート、ISO感度を上げる必要がある暗所撮影まで幅広く対応できます。
約3630万画素のD800などと比べると解像度は低いため、大幅なトリミングや大判プリントで細部の描写を重視する用途ではD800が有利です。一方、D610は1枚あたりのデータ量を抑えやすく、RAWで多くの写真を撮影・現像する場合にも扱いやすい画素数です。
風景撮影で活かせるダイナミックレンジ
朝夕の風景や逆光では、明るい空と暗い地面の輝度差が大きくなり、白飛びや黒つぶれが発生しやすくなります。D610はRAWで撮影することで、JPEGよりも明るさや階調を幅広く調整できます。
例えば夕景では、空の白飛びを抑えるように撮影し、RAW現像時に暗く写った地面のシャドー(暗部)を明るく調整する方法があります。明暗差の大きい風景を撮影し、撮影後に明るさや色を細かく調整したい人には、RAW撮影を活用しやすいカメラです。
ただし、RAWで撮影すれば白飛びや黒つぶれを必ず補正できるわけではありません。完全に白飛びした部分などは後から復元できないため、明暗差が大きい場面ではヒストグラムなどを確認しながら露出を決めることが重要です。
高感度撮影:ISO感度を上げてシャッター速度を確保
D610の常用ISO感度はISO 100〜6400で、ISO 25600相当までの増感にも対応しています。暗い室内や夕方以降の撮影では、ISO感度を上げることで速いシャッター速度を設定しやすくなり、手ブレや被写体ブレを抑えることができます。
例えば、室内で人物を撮影するときは、まず被写体の動きを止められるシャッター速度を確保し、適正な明るさが得られない場合にISO感度を上げる方法があります。ただし、ISO感度を高くするほどノイズが増え、細部の描写も低下しやすくなるため、必要以上にISO感度を上げないことが重要です。
Imaging Resourceの実写レビューでも、D610は高ISO感度でのノイズが比較的少なく、細部の描写も良好と評価されています。暗所でISO感度を上げる必要がある場面でも画質を保ちやすい点は、D610の強みの一つです。
また、D610はカメラ内手ブレ補正を搭載していません。VR(手ブレ補正)対応レンズを使用すれば手ブレを抑えられますが、人物など被写体自体の動きによるブレは補正できません。そのため、暗所で動く被写体を撮影するときは、手ブレ補正だけに頼らず、シャッター速度を確保するためにISO感度を調整する必要があります。
D610のAF性能と連写のレビュー
D610は39点AFを搭載し、そのうち中央9点はクロスタイプセンサーに対応しています。また、最高約6コマ/秒の連続撮影が可能で、人物の表情や動く被写体を連続して撮影できます。
一方、AF測距点は画面中央付近に集中しているため、画面周辺に配置した被写体へ直接AFポイントを合わせる撮影には不向きです。中央付近のAFポイントを使う撮影では対応しやすいものの、被写体を画面内で追いながら構図を変えるスポーツや野鳥撮影では、より広い範囲にAFポイントを配置した機種のほうが使いやすいでしょう。
39点AF:測距点の配置は中央寄り
D610は39点のAF測距点を搭載し、そのうち中央9点はクロスタイプセンサーに対応しています。人物やスナップなど、画面中央付近に被写体を配置して撮影する場合は、複数のAFポイントを使い分けてピントを合わせられます。
一方、AF測距点は画面中央付近に集中しているため、画面の端に配置した被写体へ直接AFポイントを合わせることはできません。被写体を画面周辺に配置する場合は、中央付近でピントを合わせてから構図を変更する方法もありますが、F値が小さく被写界深度(ピントが合って見える範囲)が浅い場合は、構図を変えることでピント位置がずれる可能性があります。
特に、人物の瞳へ正確にピントを合わせたい撮影や、スポーツなどで被写体が画面内を大きく移動する撮影では、より広い範囲にAFポイントを配置した機種のほうが撮影しやすいでしょう。
最高約6コマ/秒とQc静音連写:動く被写体やイベント撮影に対応
D610は最高約6コマ/秒の連続撮影に対応しています。走る子どもやスポーツなどの動く被写体だけでなく、ポートレートで表情が変化する瞬間を連続して撮影したい場合にも活用できます。
また、D610には最高約3コマ/秒で撮影できるQc(静音連続撮影)が搭載されています。通常の連続撮影よりもカメラの動作音を抑えながら連写できるため、式典やスピーチなど、シャッター音をできるだけ抑えたい場面で使い分けられます。ただし、無音で撮影できる機能ではないため、シャッター音が禁止されている場所では使用できません。
CameraLabsも、D600からD610への主な変更点として、連写速度が最高約5.5コマ/秒から最高約6コマ/秒へ向上したことと、Qcによる最高約3コマ/秒の静音連続撮影が追加されたことを挙げています。D600と基本性能の多くを共有するD610にとって、連写性能と静音撮影は主な改良点の一つです。
D610の動画性能のレビュー

D610の動画撮影はフルHD(1920×1080)で最大30pに対応し、フルHD 60pや4K撮影には対応していません。そのため、高解像度の4K動画や60pによる滑らかな映像を重視する場合は、より新しい機種のほうが適しています。
一方、外部マイク入力とヘッドホン出力を備えているため、外部マイクを使った録音や、撮影中の音声モニタリングが可能です。HDMI出力にも対応しており、写真を中心に撮影しながら、インタビューやイベントなどの動画も記録したい場合に利用できます。
フルHDは最大30p、60p撮影はHDに限定
D610は、フルHD(1920×1080)で30p/25p/24p、HD(1280×720)で60p/50pの動画撮影に対応しています。フルHDでは60pを選択できないため、動きの速いスポーツなどを60pで滑らかに記録したい場合は、解像度を1280×720まで下げる必要があります。また、4K動画には対応していません。
動画撮影時のライブビューAFにはコントラストAF(映像のコントラストを検出してピントを合わせる方式)を使用します。現在のミラーレスカメラで広く使われている像面位相差AFとは仕組みが異なり、動く被写体へ連続してピントを合わせる動画撮影を重視する場合は、より新しいAFシステムを搭載した機種のほうが適しています。
Imaging Resourceも、D610がフルHD 60pには対応せず、60pで撮影できるのは1280×720までである点を挙げています。一方で、外部マイク入力やヘッドホン出力、HDMI出力など、動画撮影に利用できる接続端子を備えている点も特徴です。
外部マイクとヘッドホンを使った動画撮影
D610は外部マイク入力とヘッドホン出力を備えています。外部マイクを接続して録音できるほか、ヘッドホンを使って撮影中の音声を確認できるため、インタビューや発表会など、映像とあわせて音声も記録したい撮影に活用できます。
また、HDMI端子を備えており、映像を外部機器へ出力できます。外部モニターを使用して、カメラの背面モニターより大きな画面で映像を確認しながら撮影することも可能です。
一方、D610はカメラ内手ブレ補正を搭載していません。手持ちで動画を撮影する場合はVR(手ブレ補正)対応レンズを使用する方法があります。また、カメラを固定して撮影する場合は、三脚や一脚を使用することでカメラの揺れを抑えられます。
D610は4KやフルHD 60pには対応していませんが、外部マイク入力、ヘッドホン出力、HDMI出力を備えています。そのため、動画の解像度やフレームレートよりも、外部マイクを使った録音や撮影中の音声確認を重視する用途で活用できます。
D610の記録メディアとバッテリーのレビュー
D610はSDカードのデュアルスロットを搭載し、同じデータのバックアップ記録や、RAWとJPEGを別々のカードへ記録する使い方に対応しています。また、EN-EL15使用時の撮影可能コマ数はCIPA規格で約900コマとなっており、静止画を長時間撮影する場合でもバッテリー交換の回数を抑えやすい仕様です。
一方、Wi-Fiは本体に内蔵されておらず、USB充電やUSB給電にも対応していません。撮影した写真をスマートフォンへすぐに転送したい場合や、モバイルバッテリーを使って充電・給電しながら撮影したい場合は、現在のミラーレスカメラより機能が限られます。
デュアルSD:バックアップ記録やRAW・JPEGの振り分けに対応
D610はSDカードスロットを2基搭載しています。2枚のSDカードに同じ写真を記録するバックアップ記録に対応しており、片方のカードにトラブルが発生した場合でも、もう一方のカードに同じデータを残せます。イベントや式典など、撮影データを失いたくない場面で活用できる機能です。
また、RAWとJPEGを別々のSDカードへ記録することもできます。例えば、カード1にRAW、カード2にJPEGを記録すれば、RAW現像に使用するデータと、そのまま確認・共有しやすいJPEGを分けて管理できます。
このほか、1枚目のSDカードの空き容量がなくなったあと、自動的に2枚目へ記録を続ける順次記録にも対応しています。撮影目的に応じて記録方法を選べる点が、D610のデュアルSDスロットのメリットです。
約900コマ撮影できるバッテリー:長時間の静止画撮影に対応
D610はEN-EL15を使用し、CIPA規格に準拠した撮影可能コマ数は約900コマです。旅行やイベントなどで静止画を多く撮影する場合でも、バッテリー交換の回数を抑えやすくなっています。
一眼レフは光学ファインダーで撮影する場合、ミラーレスカメラのEVF(電子ビューファインダー)のようにファインダー表示のために電力を使い続ける必要がありません。D610も光学ファインダーを中心に静止画を撮影することで、約900コマという撮影可能コマ数を生かせます。
一方、D610はカメラ本体でのUSB充電やUSB給電には対応していません。予備バッテリーを充電する場合は対応するバッテリーチャージャーが必要です。また、動画やライブビューを長時間使用する場合は静止画撮影とは消費電力が異なるため、長時間撮影では予備バッテリーを用意しておくとよいでしょう。
D610と競合機の比較
D610を中古で検討する場合、同時期に発売されたCanon EOS 6Dのほか、ニコンの高画素モデルであるD800、D610より後に登場したD750が比較候補になります。
EOS 6Dは携帯性やWi-Fi・GPS、D800は約3630万画素の高解像度、D750は51点AFやチルト式モニター、内蔵Wi-Fiなどが特徴です。ここでは、画質やAF、連写、操作性などを比較し、D610を含めた4機種がそれぞれどのような撮影に向いているのかを確認します。
機種 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
Nikon D610 | 有効約2426万画素、最高約6コマ/秒、39点AF、デュアルSD | 静止画を中心に、連写やバックアップ記録も重視する人 |
Canon EOS 6D | 有効約2020万画素、内蔵Wi-Fi・GPS、本体約680g | 携帯性やスマートフォンへの無線転送、位置情報の記録を重視する人 |
Nikon D800 | 有効約3630万画素、51点AF、デュアルスロット(CF+SD) | 風景や商品撮影などで解像度を重視する人 |
Nikon D750 | 有効約2432万画素、51点AF、最高約6.5コマ/秒、チルト式モニター、内蔵Wi-Fi | AF性能や撮影アングルの自由度、スマートフォンとの連携まで重視する人 |
Canon EOS 6D:Wi-Fi・GPSならEOS 6D、連写・デュアルSDならD610
Canon EOS 6Dは、有効約2020万画素のフルサイズセンサーを搭載し、Wi-FiとGPSを本体に内蔵しています。撮影した写真をスマートフォンへ無線転送したい場合や、撮影地点の位置情報を写真に記録したい場合はEOS 6Dが適しています。
一方、D610は有効約2426万画素で、連写速度は最高約6コマ/秒です。EOS 6Dの最高約4.5コマ/秒より速く、SDカードのデュアルスロットにも対応しています。人物の表情や動く被写体を連続して撮影したい場合や、2枚のSDカードへ同じ写真を記録してバックアップを残したい場合はD610が有利です。
また、EOS 6Dは中央のAFポイントが低照度時のピント合わせに配慮された仕様となっており、DPReviewでも低照度でのAF性能が特徴として挙げられています。ただし、AF測距点は11点で、D610は39点です。
そのため、Wi-Fi・GPSや暗い場所での中央AFを重視するならEOS 6D、連写速度やAF測距点数、デュアルSDを重視するならD610が選びやすいでしょう。
Nikon D800:解像度ならD800、連写ならD610
Nikon D800は有効約3630万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、有効約2426万画素のD610より高解像です。風景や商品撮影など、細部の描写を重視する場合や、撮影後に大きくトリミングする場合はD800が適しています。
AFもD800は51点、D610は39点となっており、測距点数ではD800が上回ります。一方、連写速度はD800がFXフォーマット時に最高約4コマ/秒なのに対し、D610は最高約6コマ/秒です。人物の表情や動く被写体を連続して撮影したい場合はD610が有利です。
また、D800は画素数が多いため、同じ記録形式や画質設定で比較するとD610より1枚あたりのファイルサイズが大きくなる傾向があります。多くの写真を撮影する場合は、メモリーカードの容量やパソコンでの保存・現像に必要なストレージ容量も考慮する必要があります。
そのため、風景や商品撮影などで解像度を重視するならD800、最高約6コマ/秒の連写やデータ量を抑えやすい約2426万画素を重視するならD610が選びやすいでしょう。
Nikon D750:AF・チルト式モニター・Wi-FiならD750
Nikon D750は有効約2432万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、画素数はD610の有効約2426万画素と大きく変わりません。一方、AFはD610の39点に対してD750は51点となっており、連写速度もD610の最高約6コマ/秒に対してD750は最高約6.5コマ/秒です。
D750はチルト式モニターを搭載しているため、ローアングルやハイアングルでライブビューを使う場合は、固定式モニターのD610より構図を確認しやすくなっています。また、Wi-Fiを内蔵しているため、対応するスマートフォンへ写真を無線転送できます。動画もD610のフルHD 30pに対し、D750はフルHD 60pに対応しています。
一方、D610もSDカードのデュアルスロットと最高約6コマ/秒の連写に対応しており、静止画を中心に撮影するための基本機能を備えています。そのため、中古価格と個体の状態を比較し、チルト式モニターや内蔵Wi-Fi、51点AF、フルHD 60pを必要としない場合はD610も候補になります。
AF性能やライブビュー撮影、スマートフォンとの連携、動画性能を重視するならD750、これらの機能を必要とせず、中古価格を抑えてフルサイズ一眼レフを選びたい場合はD610が選びやすいでしょう。
D610のレビュー比較まとめ
D610は、有効約2426万画素のフルサイズセンサー、最高約6コマ/秒の連写、SDカードのデュアルスロットを備えた一眼レフです。風景やポートレートを中心に撮影したい人に加え、バックアップ記録を利用しながらイベントや式典などを撮影したい人にも適しています。
一方、39点AFの測距範囲は中央寄りで、背面モニターは固定式です。また、Wi-Fiを内蔵しておらず、動画もフルHD 30pまでとなっています。そのため、画面の広い範囲で動く被写体を追いたい人や、ローアングル・ハイアングル撮影、スマートフォンへの無線転送、フルHD 60pや4K動画を重視する人は、D750やより新しい機種も比較したほうがよいでしょう。
現在は中古での購入が中心となるため、価格だけでなく、シャッターやボタン・ダイヤル、SDカードスロットが正常に動作するか、センサーに目立つ汚れがないかなど、個体の状態を確認することも重要です。D610は、静止画を中心に撮影し、チルト式モニターや内蔵Wi-Fi、4K動画などを必要としない人にとって、現在でも検討できるフルサイズ一眼レフです。
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