
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sレビュー|マクロ的に使える?近接性能を解説





Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、開放F1.8から高い解像性能を備え、スナップや旅行、家族写真、動画まで幅広く使えるS-Lineの35mm単焦点レンズです。最短撮影距離は撮像面から0.25m、最大撮影倍率は0.19倍。マクロレンズではないものの、花や雑貨、料理が並ぶテーブルなどに近づき、周囲の様子とともに写せます。ただし、昆虫や宝飾品の細部を画面いっぱいに収める等倍撮影には対応していません。本記事では、画質やボケ、AF、操作性に加え、どの程度までマクロ的に使えるのか、専用マクロレンズやほかの35mm単焦点との違いを紹介します。
この記事のサマリー

開放F1.8から中心部の解像力が高く、絞ると周辺部まで細部を残しやすい

最短撮影距離0.25m・最大撮影倍率0.19倍で、花や雑貨、テーブル周りの近接撮影に対応

等倍撮影には対応していないため、小さな被写体の拡大にはマクロレンズが必要

STMとマルチフォーカス方式を採用し、静止画と動画のどちらでもAF駆動音が目立ちにくい

純正35mm F1.4・F1.2より軽く、等倍撮影を重視する場合はNIKKOR Z MC 50mm f/2.8が比較候補
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのレビュー要点

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、人物や身近な物だけでなく、街並みや室内の様子も構図に取り入れやすい35mm単焦点レンズです。開放からの解像性能、静かなAF、身近な被写体へ近づける撮影距離を備え、静止画と動画の両方に対応します。
購入前に確認したいのは、等倍撮影ができないこと、純正の小型単焦点より鏡筒が大きいこと、F1.4やF1.2ほど被写界深度を浅くできない点です。ここでは、どのような撮影者に向くのかを整理します。
おすすめな人
人物と背景の関係を見せるスナップや、旅行先の街並み、家族の日常を1本で撮りたい人に向いています。
35mmは50mmより広い範囲を写せるため、後ろへ下がりにくい室内や狭い路地でも構図を作りやすい画角です。また、同じ大きさで人物を写す場合は超広角より撮影距離を取りやすく、顔や手足の遠近感が強調されにくいでしょう。
なお、開放F1.8を使えば、室内や夕方でも光を取り込みながら背景をぼかせます。花や雑貨へ近づいた場面では、主役を目立たせつつ、撮影場所の様子も残せるでしょう。
静止画と動画を同じレンズで撮りたい人にも候補となります。AF機構の動作音とフォーカスブリージングに配慮されており、人物から手元へピントを移す映像にも取り入れやすい設計です。
不向きな人
昆虫の複眼、宝飾品の加工、商品の刻印などを画面いっぱいに写したい人には向きません。最大撮影倍率は0.19倍なので、細部を拡大するには等倍撮影に対応したマクロレンズが必要です。
また、人物の背景をできるだけ大きくぼかしたい場合は、F1.4やF1.2の35mm単焦点も比較対象になります。同じ撮影距離と構図では、開放F値が小さいレンズほど被写界深度を浅くできます。被写界深度とは、写真の中でピントが合って見える前後の範囲です。
薄く小さなレンズを探している人にも、約73mm×86mmの鏡筒は大きく感じられる場合があります。携帯性を優先するなら、NIKKOR Z 40mm f/2などの小型単焦点も候補に入ります。
要素別レビュー早見表

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの画質、近接性能、動画性能を一覧にまとめました。各項目の詳しい内容は、後半のセクションで解説します。
要素 | 要点 |
|---|---|
解像力 | 開放F1.8から中心部の細部を描きやすく、絞ると周辺部まで描写がそろいやすい |
ボケ味 | 9枚の円形絞りを採用。被写体へ近づくことで背景を大きくぼかせる |
逆光耐性 | ナノクリスタルコートを採用し、フレアやゴーストを抑える構成 |
色収差・点像 | EDレンズと非球面レンズにより、輪郭の色づきや周辺部の点光源の変形を抑えている |
AF | STMとマルチフォーカス方式を採用し、静かなAF駆動とピント精度に配慮 |
動画 | AF機構の動作音と、ピント移動時の画角変化を抑える設計 |
近接撮影 | 最短撮影距離0.25m・最大撮影倍率0.19倍。花や雑貨には近づけるが、等倍撮影はできない |
携帯性 | 重量は約370g。純正の35mm F1.4および35mm F1.2 Sより軽い |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正は非搭載。使用するボディの補正機能を確認したい |
価格 | ニコンダイレクト販売価格は125,400円(税込) |
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは近接撮影にどこまで使える?

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、製品名に「MC」や「Micro」が付かない一般撮影用の単焦点レンズです。ただし、最短撮影距離0.25m、最大撮影倍率0.19倍に対応しており、花や雑貨などの身近な被写体へ近づいて撮影できます。
最大撮影倍率とは、被写体がカメラのセンサー上にどの程度の大きさで写るかを表す数値です。0.19倍の場合、被写体は実物の約19%の大きさでセンサー上に記録されます。昆虫や宝飾品の細部を拡大するマクロ撮影には倍率が足りませんが、被写体全体と背景を一緒に見せる撮影には活用できます。
約19×13cmの範囲を画面いっぱいに写せる
最大撮影倍率0.19倍で写せる範囲を具体的に把握すると、撮影に向く被写体を判断しやすくなります。
FXフォーマットで最短撮影距離まで近づいた場合、概算では約19×13cmの範囲が画面全体に収まります。文庫本やスマートフォン、小さめの皿、片手に載る雑貨などを想像すると、写せる大きさが分かりやすいでしょう。
なお、最短撮影距離の0.25mは、レンズ先端から被写体までの距離ではありません。カメラ内部の撮像面から被写体までを測った数値です。
花や雑貨は背景を含めて撮りやすい
35mmの画角を近接撮影に使うと、主役だけでなく周囲の場所や状況も構図へ取り入れられます。
花の場合は、一輪全体や数輪のまとまりを、背景の葉や景色とともに写す撮影に向いています。花びらの模様や水滴だけをさらに大きく見せるには、撮影後のトリミングかマクロレンズが必要です。
また、カップ、文房具、眼鏡、アクセサリーを身に着けた手元なども撮りやすい大きさになります。商品だけを切り抜いたように見せるより、机や室内の雰囲気を含めた写真と相性のよい画角です。
ただし、アクセサリー単体を画面いっぱいに収めたり、刻印を読める大きさまで拡大したりする用途には適しません。その場合は、最大撮影倍率1.0倍に対応するマクロレンズを選びましょう。
料理はテーブル全体を見せる撮り方に向く
料理撮影では、一皿を大きく写すのか、食卓全体の様子を伝えるのかによって、適した焦点距離が変わります。
35mmで料理へ近づくと、手前と奥の大きさの差が強く出やすくなります。そのため、皿の形や盛り付けを整えて見せる商品写真より、料理、食器、飲み物、店内の様子を一緒に写す撮影に向いています。
たとえば、料理を囲む人の手まで構図に入れれば、食事中の様子を写真で伝えられます。反対に、一皿だけを自然な形で大きく写したい場合は、50mm前後から中望遠のレンズを使い、少し離れて撮影する方法が適しています。
さらに、食材の断面や表面の質感まで拡大したい場合は、標準から中望遠域のマクロレンズが候補です。
撮影目的に合わせてレンズを選ぶ
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sとマクロレンズでは、得意とする被写体の大きさや構図が異なります。撮影したい内容を基準に選び分けましょう。
撮影したい内容 | 適したレンズ |
|---|---|
花全体と背景を一緒に写す | NIKKOR Z 35mm f/1.8 S |
料理とテーブルの様子を収める | NIKKOR Z 35mm f/1.8 S |
雑貨を使っている場面を写す | NIKKOR Z 35mm f/1.8 S |
昆虫の複眼や小花の細部を拡大する | マクロレンズ |
宝飾品や時計の加工を大きく写す | マクロレンズ |
商品の刻印や素材の質感を記録する | マクロレンズ |
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの基本情報

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、2018年9月28日に発売されたS-Lineの広角単焦点レンズです。Zマウント初期からラインアップされており、FX・DXの両フォーマットで使用できます。
焦点距離は35mmで、FXボディでは背景を含めたスナップや風景撮影に取り入れやすい画角です。DXボディへ装着すると、35mm判換算で約52.5mm相当となり、標準レンズに近い範囲を写せます。
主なスペック
レンズ構成や近接性能、サイズなど、購入前に確認したい主な仕様を表にまとめました。
項目 | 値 |
|---|---|
マウント | ニコン Zマウント |
対応フォーマット | FX・DX |
焦点距離 | 35mm |
DX装着時の画角 | 35mm判換算約52.5mm相当 |
開放F値 | f/1.8 |
最小絞り | f/16 |
レンズ構成 | 9群11枚 |
特殊レンズ | EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚 |
コーティング | ナノクリスタルコート |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、RF(リアフォーカス)方式 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 撮像面から0.25m |
最大撮影倍率 | 0.19倍 |
フィルター径 | 62mm |
サイズ | 約73mm×86mm |
重量 | 約370g |
レンズ内手ブレ補正 | 非搭載 |
防塵・防滴 | 防塵・防滴に配慮した設計 |
付属品 | 62mmスプリング式レンズキャップLC-62B、裏ぶたLF-N1、バヨネットフードHB-89、レンズケースCL-C1 |
価格 | 125,400円(税込) |
※価格は、2026年7月30日時点の公式通販サイトでの販売価格です。
レンズ内手ブレ補正は非搭載
手持ち撮影を考えている場合は、組み合わせるカメラにボディ内手ブレ補正が搭載されているか確認しましょう。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sには、レンズ内手ブレ補正がありません。ボディ内手ブレ補正を備えたZシリーズと組み合わせれば、カメラ側の補正機能を利用できます。
ただし、ボディ内手ブレ補正を搭載していない機種では、静止画撮影時にレンズ側・ボディ側の手ブレ補正を使用できません。暗い場所でシャッタースピードが遅くなる場合は、ISO感度を上げる、脇を締めて構える、カメラを安定した台に置くなど、撮影環境に合わせて対応しましょう。三脚を使う際は、撮影場所のルールも確認してください。
DXボディでは約52.5mm相当になる
同じレンズでも、FXボディとDXボディでは写る範囲が異なります。使用するカメラに合わせて、撮影距離や構図を考える必要があります。
DXフォーマットのZボディへ装着した場合、画角は35mm判換算で約52.5mm相当です。FX使用時より写る範囲が狭くなり、人物や雑貨など、主役を中心に構図をまとめやすくなります。
また、花や小物に近づく撮影では、背景に入る範囲を抑えやすい点も特徴です。ただし、最大撮影倍率そのものは0.19倍から変わらないため、DXボディに装着してもマクロレンズと同じ大きさで記録できるわけではありません。
室内で複数人を撮る場合や、自分へカメラを向ける動画では、約52.5mm相当の画角が狭く感じられることもあります。広い範囲を写したいときは、より焦点距離の短いDX対応レンズも比較しましょう。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのデザインと操作性

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、コントロールリングとA/M切り換えスイッチを中心としたシンプルな操作系です。距離表示窓、独立した絞りリング、ファンクションボタンは搭載されていません。
操作箇所が少ないため、静止画と動画のどちらでも基本操作を覚えやすい構成です。ただし、レンズ側のボタンから機能を直接呼び出したい人には、物足りなく感じられる可能性があります。
操作部はA/M切り換えスイッチとコントロールリングが中心
鏡筒の操作部は、AFとMFを切り換えるA/Mスイッチと、幅の広いコントロールリングで構成されています。
A/Mスイッチを切り換えれば、カメラのメニューを開かずにAFとMFを変更できます。また、MFを使う場合は、コントロールリングを回してピント位置を調整可能です。
距離表示窓はないため、被写体までのおおよその距離はカメラの画面やファインダーで確認します。星空などでピント位置を固定したい場合は、撮影前に拡大表示を使って合わせましょう。
コントロールリングに撮影機能を割り当てられる
コントロールリングには、マニュアルフォーカスのほか、絞り値、露出補正、ISO感度などを設定できます。
静止画で露出補正を割り当てると、ファインダーをのぞいたまま写真の明るさを変更できます。動画では絞り値を設定することで、カメラ本体のダイヤルへ手を移さずに操作できるでしょう。
ただし、カメラを構えた際にリングへ触れると、設定値が意図せず変わる場合があります。誤操作が気になるときは、割り当てを解除するか、変更頻度の低い項目を設定してください。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの画質レビュー

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、開放F1.8から中心部の細部を描きやすく、絞ると周辺部まで描写がそろうS-Lineレンズです。街並みや建築、近距離の被写体、夜景に含まれる点光源など、撮影条件ごとの特徴を見ていきます。
開放F1.8から中心部の細部を描きやすい
開放時の描写は、暗所撮影や背景をぼかした写真を撮る人にとって重要な項目です。
F1.8では、中心部にある文字や髪、衣服の質感を細かく描きやすく、ピントを合わせた部分を背景から分けて見せられます。暗い室内や夜のスナップでは、光を多く取り込める点も特徴です。
数段絞ると周辺部まで描写がそろいやすくなり、建物や平面的な被写体を画面全体に収める撮影にも向きます。適した絞り値は撮影距離や被写体の奥行きによって変わるため、ピントの範囲を確認しながら調整しましょう。
DPReviewは本レンズについて、幅広い絞り値と撮影距離で良好な画質が得られる、シャープで補正の行き届いた35mm単焦点と評価しています(DPReview)。
近距離でもピント面の細部を捉えやすい
近接撮影では、最短撮影距離だけでなく、ピント面の輪郭や模様をどこまで残せるかも確認したいところです。
本レンズのマルチフォーカス方式は、2組のAF駆動用ユニットで複数のフォーカス群を制御し、近距離を含む幅広い撮影距離で収差を抑えます。花びらや雑貨の表面へピントを合わせた場合も、細かな模様を捉えやすい構成です。
ただし、被写体へ近づくほど被写界深度は浅くなります。奥行きのある花や立体的な商品を撮る場合は、絞りを調整するか、撮影距離を少し広げてください。
色収差と点光源の変形を抑えた構成
明暗差の大きな場面では色収差、夜景では画面周辺の点光源の変形が目立つことがあります。
レンズ構成にはEDレンズ2枚と非球面レンズ3枚を採用。EDレンズは、逆光の枝や金属、白い服などの輪郭に紫や緑の色が付いて見える現象を抑えます。
非球面レンズは、画面周辺の点光源が羽根を広げたようににじむサジタルコマフレアなどを補正するための構成です。街灯やイルミネーションを含む夜景でも、画面端の光源が大きく崩れにくくなっています。
収差の見え方は、絞り値や光源の位置、撮影距離によって変化します。夜景や星空では撮影画像を拡大し、画面周辺まで確認しましょう。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのボケ味・逆光耐性

35mmは、被写体だけでなく周囲の場所や状況も構図に残しやすい焦点距離です。背景のぼけ方は撮影距離によって変わり、逆光時の描写にはナノクリスタルコートが関係します。
撮影距離によってボケの大きさが変わる
背景のぼけ方は、絞り値に加えて、被写体までの距離や背景との間隔によって決まります。
開放F1.8で花や雑貨へ近づくと、背景を大きくぼかせます。さらに、被写体と背景の距離を広く取れば、主役を周囲から目立たせた構図を作れるでしょう。
全身の人物を離れた位置から撮影する場合は、背景の建物や木々の形が残ります。より大きなボケを求めるなら、被写体を背景から離すか、F1.4やF1.2の35mm単焦点も検討してください。
9枚の円形絞りで玉ボケの角が目立ちにくい
玉ボケの形は、絞り羽根の枚数や形状、画面内の位置によって変化します。
本レンズは9枚の円形絞りを採用しており、街灯やイルミネーションをぼかした際に、絞り羽根の角が目立ちにくい構成です。
ただし、玉ボケが常に円形になるわけではありません。画面周辺では楕円形に見える場合があり、絞り値や撮影距離によっても輪郭が変わります。
ナノクリスタルコートでフレアやゴーストを抑える
逆光撮影では、画面全体が白っぽくなるフレアや、光源の形が映り込むゴーストが発生する場合があります。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sはナノクリスタルコートを採用し、夕日や街灯などの強い光が画面内外にある場面で、フレアとゴーストを抑える設計です。逆光時のコントラスト低下にも配慮されています。
光源の位置や角度によっては、コーティングを採用したレンズでもフレアやゴーストが写ります。レンズフードを装着し、カメラの向きを少しずつ変えながら確認しましょう。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 SのAF・動画性能レビュー

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、静かなAF駆動と、ピント移動時の画角変化を抑える設計を採用しています。静止画だけでなく、音声を同時に収録する動画にも取り入れやすいレンズです。
静かな場所でもAF機構の動作音が目立ちにくい
家族写真や式典、インタビューでは、ピント合わせの音が周囲や収録音へ入りにくいことが求められます。
AF駆動にはSTM(ステッピングモーター)を採用。ピント位置を細かく制御しながら、AF機構と絞り機構の動作音を抑える構成となっています。
AFの速度や被写体認識の精度は、装着するカメラ、AF設定、撮影環境によって変わります。レンズ単体で決まる性能ではないため、使用するボディとの組み合わせも確認してください。
カメラの内蔵マイクで収録する場合も、AF機構の動作音が目立ちにくい設計です。周囲の小さな音まで収めたい場面では、外部マイクも選択肢になります。
フォーカスブリージングに配慮
動画でピント位置を変える際は、画角がどの程度変化するかも確認が必要です。
フォーカスブリージングとは、ピントを合わせる位置によって画角が変わって見える現象を指します。NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、この変化を抑えるよう設計されています。
DPReviewの検証でも、ピント移動に伴う画角変化は小さく、通常の動画では問題になりにくいと評価されました(DPReview)。
ただし、見え方は撮影距離やピントを移動する範囲によって異なります。近くの手元から遠くの背景までピントを送る場合は、収録前に構図の変化を確認しましょう。
人物から手元の映像まで1本で撮影できる
35mmの画角は、人物と背景を同時に見せるインタビューや、室内の様子を伝える映像に向いています。
さらに、最短撮影距離0.25mまで近づけるため、人物を撮ったあとに、料理や道具、作業風景などのBロールへ移れます。Bロールとは、人物が話している映像に重ねる補足映像のことです。
なお、本レンズにレンズ内手ブレ補正はありません。手持ち動画の揺れ方は、使用するボディの補正機能、電子補正の設定、カメラの構え方によって変わります。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの携帯性と価格

Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、約73mm×86mm、約370gです。薄型の単焦点レンズではありませんが、純正の35mm F1.4やF1.2 Sより軽く、旅行や街歩きにも持ち出せる重量に収まっています。
フルサイズのZボディでは、左手で鏡筒を支えると安定した姿勢で構えられます。小型のDXボディへ装着する場合は、ボディに対するレンズの長さや重さを確認しておきたいところです。
ニコンダイレクト販売価格は、2026年7月30日時点で125,400円(税込)です。価格を比較する際は、S-Lineとしての解像性能、ナノクリスタルコート、マルチフォーカス方式、動画撮影への配慮も判断材料になります。
同じ35mmには、より明るいF1.4やF1.2のレンズもあります。各製品の価格、重量、撮影倍率は、次の比較表で確認してください。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sと比較候補をチェック
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sを検討する際は、同じ画角の35mm f/1.4と35mm f/1.2 Sが主な比較候補です。近接撮影を重視する場合は、焦点距離50mmのNIKKOR Z MC 50mm f/2.8も対象に加わります。
35mm単焦点3本は、開放F値、ボケの傾向、重量、価格を中心に比べます。MC 50mm f/2.8については、等倍撮影が必要かどうかを基準に考えましょう。
レンズ | 比較区分 | 開放F値 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 重量 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
基準レンズ | F1.8 | 0.25m | 0.19倍 | 約370g | 125,400円(税込) | |
同焦点距離の比較候補 | F1.4 | 0.27m | 0.18倍 | 約415g | 104,500円(税込) | |
同焦点距離の大口径候補 | F1.2 | 0.3m | 0.2倍 | 約1,060g | 437,800円(税込) | |
マクロ用途の代替候補 | F2.8※ | 0.16m | 1.0倍 | 約260g | 93,500円(税込) |
※NIKKOR Z MC 50mm f/2.8の最大絞りは無限遠でF2.8、最短撮影距離0.16mではF5.6です。
※価格は、2026年7月30日時点の公式通販サイトでの販売価格です。
35mm単焦点3本の最大撮影倍率は0.18~0.2倍で、近接性能に大きな差はありません。対して、MC 50mm f/2.8は最大撮影倍率1.0倍に対応し、小さな被写体の細部を画面いっぱいに写せます。
NIKKOR Z 35mm f/1.4:F1.4の明るさとボケを求めるなら
NIKKOR Z 35mm f/1.4は、人物や日常のスナップで、F1.4の明るさと柔らかな背景を取り入れたい人に向くレンズです。
同じ撮影距離と構図では、F1.8 Sより被写界深度を浅くできます。また、公式販売価格はF1.8 Sより20,900円低く設定されています。
重量はF1.8 Sより約45g重く、最大撮影倍率も0.18倍です。そのため、携帯性や近接撮影より、F1.4の描写を選ぶ製品と考えられます。
PetaPixelが掲載したニコンの説明では、35mm f/1.4はボケと価格・サイズ・重量のバランスを重視し、35mm f/1.8 Sは開放時から画面端までの解像性能を追求したレンズとされています(PetaPixel)。
人物や日常の場面で背景を柔らかく見せたい場合は35mm f/1.4、風景や建築で画面周辺の細部を重視するなら35mm f/1.8 Sが候補です。
NIKKOR Z 35mm f/1.2 S:F1.2の描写を優先するなら
NIKKOR Z 35mm f/1.2 Sは、35mmの画角でF1.2の浅い被写界深度を使いたい人に向けたS-Lineレンズです。
F1.8やF1.4より背景を大きくぼかしやすく、11枚の円形絞りを採用しています。人物や物を周囲から目立たせた写真、夜間の点光源を取り入れた作品などが主な用途です。
重量は約1,060g、全長は約150mmで、F1.8 Sとは持ち運びやすさが大きく異なります。フィルター径も82mmなので、F1.8 S用の62mmフィルターは共用できません。
最大撮影倍率は0.2倍とF1.8 Sに近いため、近接撮影を目的に選ぶレンズではありません。日常的な携帯性を重視するならF1.8 S、サイズと重量よりF1.2の描写を優先するならF1.2 Sが選択肢になります。
マクロ撮影を重視するならNIKKOR Z MC 50mm f/2.8
小さな被写体の細部を拡大したい場合は、35mm単焦点とは用途の異なるNIKKOR Z MC 50mm f/2.8を比較します。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sと同じニコンZマウントなので、対応するZシリーズのボディへアダプターなしで装着できます。FXとDXの両フォーマットで使える点も共通です。
最大撮影倍率は1.0倍で、昆虫、アクセサリー、時計、料理の細部、商品の刻印などを大きく写せます。ニコンでは、等倍撮影に対応するこの種のレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいます。
焦点距離は50mmのため、35mmより写る範囲が狭くなります。また、最大絞りは無限遠でF2.8、最短撮影距離ではF5.6です。暗い室内でのスナップや、背景を広めに入れる撮影では、35mm f/1.8 Sのほうが使いやすい場面もあります。
普段のスナップや旅行を中心に、ときどき花や雑貨へ近づくなら35mm f/1.8 Sが候補です。接写そのものを主な目的にする場合は、MC 50mm f/2.8が適しています。
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのレビューまとめ
Nikon NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは、開放F1.8からの解像性能、色収差や点光源の変形を抑えた描写、静かなAFを備える35mm単焦点レンズです。最短撮影距離0.25m・最大撮影倍率0.19倍に対応し、花や雑貨、料理が並ぶテーブル、手元の作業などへ近づいて撮影できます。35mmの画角で周囲の様子も構図に入れられるため、被写体と撮影場所の関係を伝えたい場面に向くでしょう。ただし、昆虫の複眼や宝飾品の加工、商品の刻印などを画面いっぱいに写すには倍率が足りません。等倍撮影が必要なら、NIKKOR Z MC 50mm f/2.8などのマイクロレンズが候補となります。同じ35mmでは、F1.4より約45g軽く、画面周辺の描写を重視した設計です。F1.2 Sはさらに大きなボケを作れますが、重量は約1,060gあります。日常スナップ、旅行、家族写真、風景、動画を1本で撮りながら、身近な被写体にも近づきたい人は35mm f/1.8 Sを、接写を中心に撮る人は最大撮影倍率1.0倍のレンズを比較しましょう。
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