
【2026年版】SONY α9 ILCE-9レビュー比較まとめ 20コマ/秒連写・AF・画質・動画性能を詳しく解説






初代α9(ILCE-9)は、フルサイズの積層型CMOSセンサーを採用し、電子シャッターで最高約20コマ/秒の連写とブラックアウトフリー撮影を実現したミラーレスカメラです。広いAFエリアと静音・無振動の高速連写を特長とする一方、メカシャッターの連写速度は最高約5コマ/秒にとどまります。電子シャッターの最高約20コマ/秒は、圧縮RAWまたはJPEGで撮影する場合の数値です。非圧縮RAWでは最高約12コマ/秒となり、AF-C使用時の連写速度は装着するレンズや撮影設定によって変わります。この記事では、レビューを踏まえながら、デザインや操作性、AF・連写性能、電子シャッター、画質、動画、EVF、バッテリーなどを取り上げ、初代α9の特徴とや注意点、競合機の比較などを紹介します。
この記事のサマリー

電子シャッターで最高約20コマ/秒の連写に対応し、ブラックアウトフリー表示で動く被写体を追いやすいです

693点の像面位相差AFが撮影範囲の約93%をカバーし、スポーツやイベントなどの動体撮影に対応します

有効約24.2MPは連写データを扱いやすい一方、大幅なトリミングでは高画素機のほうが有利です

4K 30pやフルHD 120pに対応するものの、S-Logや10bit記録には非対応で動画機能には世代差があります

電子シャッターでは人工照明による横縞や高速被写体の変形に注意が必要で、発売当時の競合機との違いも紹介します
SONYα9 ILCE-9 のレビュー要点

(Via:、PetaPixel)
初代α9の価値は、積層型CMOSの高速読み出しを前提に「電子シャッターで動体を撮る」体験を完成させた点にあります。いっぽうで、照明環境の影響や世代差による機能面のギャップもあるため、得意な現場を具体的に想像して選ぶのが近道です。
おすすめな人
スポーツやダンス、走り回る子どもなど、被写体が急に動く状況で“連写しながら追い続けたい”人に合います。電子シャッターの20コマ/秒は、決定的瞬間の前後を厚く残せるため、1カットの成功率だけでなく選べる表情の幅も増えやすいでしょう。
音を立てにくい式典や挙式でも強く、PetaPixelは静音撮影や瞳AFなどを挙げて「ウェディング用途で最高クラス」と評しています。無音に近い撮影はマナー面の安心につながり、集中が必要な競技でも撮影の心理的ハードルを下げてくれます。
不向きな人
風景や商品撮影で、トリミング前提の超高解像を求める人には優先度が下がります。24.2MPはA3〜A2級のプリントなら十分な場面が多い一方、42MP級の“切っても残る”強さとは方向性が違います。細部の描き込みを最優先するなら、同社の高解像系や最新世代のセンサーを検討する余地があります。
また、屋内競技やステージ照明のようにフリッカー(照明の周期的な明滅)が問題になりやすい現場では、電子シャッター運用が難しいことがあります。メカシャッター連写が最高約5コマ/秒のため、照明条件しだいでは“α9の強みを封じられる”可能性を織り込んでおきたいところです。
要素別レビュー早見表
初代α9は、AF性能、高速連写、静音撮影を重視したプロ向けモデルです。現在の機種と比べると操作性や動画機能に古さはありますが、電子シャッターを中心に使う撮影では、今でも十分な性能を備えています。
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
AF | 像面位相差AF693点で撮影範囲の約93%をカバー。被写体が画面中央から外れてもAFを合わせやすく、本体ソフトウェアの更新後は人物・動物の瞳AFやリアルタイムトラッキングも利用できる |
連写 | 電子シャッターでは最高約20コマ/秒で、連写中もファインダー像が暗転しない。非圧縮RAWでは最高約12コマ/秒、メカシャッターでは最高約5コマ/秒となる |
電子シャッター | シャッター音と振動を抑えて撮影できる一方、LED照明下では横縞が写る場合がある。高速で動く被写体では形が傾いたり曲がったりする可能性があり、フラッシュも使用できない |
画質・解像度 | 有効約24.2MPで、連写した写真の保存や編集を行いやすい。大幅なトリミングや細部を重視した大判印刷では、高画素機のほうが適している |
高感度 | ISO6400までノイズが目立ちにくく、ISO12800や25600も用途によっては使用できる。画質の許容範囲は露出や出力サイズによって変わる |
動画 | 4K 30pとフルHD 120pの内部記録に対応。ピクチャープロファイルやS-Log、10bit記録には対応していない |
EVF・表示 | 約369万ドットのEVFを搭載し、表示速度は60fpsと120fpsから選択可能。電子シャッターでの連写中も被写体の動きを見続けやすい |
メディア | SDカードスロットを2基搭載しているが、UHS-II対応は片側のみ。大量に連写する場合は、カードの書き込み速度と記録先の設定に注意が必要 |
バッテリー | NP-FZ100を使用。CIPA基準ではEVF使用時約480枚、背面モニター使用時約650枚で、長時間の撮影では予備バッテリーを用意したい |
SONY α9 ILCE-9の基本情報

α9(ILCE-9)は2017年に登場した、スポーツや報道、イベント撮影を主な用途とするフルサイズミラーレスカメラです。すでに生産を完了しており、2026年8月時点では中古品が主な入手方法となっています。
有効約24.2MPの積層型CMOSセンサーを搭載し、電子シャッターではAF・AE追従で最高約20コマ/秒の連写が可能です。693点の像面位相差AFとブラックアウトフリー表示を組み合わせ、動く被写体を追いながら撮影できることが大きな特徴です。主な仕様は以下のとおりです。
主なスペック
項目 | 値 |
|---|---|
センサー | 35mmフルサイズ積層型Exmor RS CMOSセンサー(有効約24.2MP) |
ISO感度・メカシャッター | 常用ISO100~51200、拡張ISO50~204800 |
ISO感度・電子シャッター | 常用ISO100~25600、拡張下限ISO50 |
AF | ファストハイブリッドAF、像面位相差AF693点、撮影範囲の約93%をカバー |
連写・電子シャッター | 最高約20コマ/秒、AF・AE追従、ブラックアウトフリー。非圧縮RAWでは最高約12コマ/秒 |
連写・メカシャッター | 最高約5コマ/秒 |
動画 | 4K 30p、フルHD 120p、XAVC S内部記録 |
動画の色記録 | ピクチャープロファイル、S-Log、10bit記録には非対応。HDMI出力は4:2:2 8bit |
手ブレ補正 | ボディ内5軸手ブレ補正、補正効果最大5.0段 |
EVF | 約369万ドットOLED、倍率約0.78倍、60fps/120fps表示 |
背面モニター | 3.0型、約144万ドット、チルト式、タッチパネル対応 |
メディア | SDカードスロット×2、UHS-II対応は片側のみ |
電子シャッターの最高約20コマ/秒は、圧縮RAWまたはJPEGで撮影する場合の数値です。AF-C使用時の連写速度は、装着するレンズや撮影設定によって異なります。また、電子シャッターではフラッシュを使用できないため、ストロボ撮影を行う場合はメカシャッターへ切り替える必要があります。
α9 II・α9 IIIとの違い
α9 IIは、有効約24.2MPの積層型CMOSセンサーや電子シャッターでの最高約20コマ/秒連写を引き継ぎながら、メカシャッターの連写速度を最高約10コマ/秒へ引き上げた後継機です。2基のSDカードスロットがどちらもUHS-IIに対応し、有線LANやWi-Fiの通信速度、グリップ、ボタン配置なども見直されています。
CameraLabsのレビューでも、画素数や電子シャッターの連写速度、AF、連続撮影可能枚数は初代α9と大きく変わらない一方、メカシャッター、カードスロット、通信機能、グリップなどが改良され、業務での使いやすさが高まったと評価しています。
α9 IIIは、撮像面を一度に読み出すグローバルシャッター方式のセンサーを採用しています。AF・AE追従で最高約120コマ/秒の連写に対応し、従来の電子シャッターで発生することがあった被写体の変形や、人工照明下の横縞を抑えられる点が初代α9やα9 IIとの大きな違いです。
CameraLabsのレビューでは、α9 IIIのグローバルシャッターと最高約120コマ/秒を評価する一方、多くの撮影では初代α9やα9 IIでも十分な速度があると述べています。電子シャッターによる変形や人工照明の横縞が撮影上の問題になる場合はα9 IIIが適していますが、最高約20コマ/秒の連写とブラックアウトフリー撮影を重視する場合、初代α9にも現在使える性能が残されています。
SONY α9 ILCE-9のデザインと操作性のレビュー

初代α9は、AF-ONボタンやジョイスティック、ドライブモードとフォーカスモードの専用ダイヤルを備えています。大型の一眼レフフラッグシップ機ほどボディが大きくないため、移動しながらスポーツやイベントを撮影する場面でも扱いやすいサイズです。
CameraLabsのレビューでも、AFジョイスティックや専用ダイヤル、AF-ONボタンが追加され、従来のソニー機より操作しやすくなったと評価しています。一方、タッチパネルで操作できる範囲が限られている点は短所として挙げられました。
AF-ONとジョイスティックでAF位置を変えやすい
AF-ONボタンとジョイスティックは右手の親指で操作でき、ファインダーをのぞいたままAF位置を変更できます。例えばサッカーで複数の選手が重なった場面でも、ジョイスティックでAF枠を動かし、狙った選手にピントを合わせてから連写へ移れます。
人物撮影では、瞳AFやAFエリアに関する機能をカスタムキーへ割り当てられます。本体ソフトウェアVer.5.00以降では、シャッターボタンの半押しやAF-ONボタンを押している間も瞳AFを利用できるため、人物の動きに合わせて撮影を続けやすくなりました。
ただし、多くの機能をカスタムキーへ登録すると、ボタンの役割が分かりにくくなる場合があります。最初はAFエリアや被写体追尾など、使用頻度の高い機能に絞って割り当てると操作を覚えやすいでしょう。
タッチ操作は撮影時のAFが中心
背面モニターではタッチフォーカスを利用でき、本体ソフトウェアVer.5.00以降ではタッチトラッキングにも対応します。画面上の被写体に触れると、その被写体を追いながらピントを合わせられる機能です。
一方、メニューやFnメニューはタッチ操作に対応していません。スマートフォンのように画面だけで設定を変更することはできないため、撮影中によく使う項目はマイメニューやFnメニューへ登録しておくと、ボタン操作の回数を減らせます。
近年のソニー機で採用されているタッチ対応メニューに慣れていると、初代α9の操作を古く感じるかもしれません。撮影に関するボタンやダイヤルは充実していますが、自分の撮影方法に合わせて設定を整えるまでには、ある程度の慣れが必要です。
SONY α9 ILCE-9のAF性能・連写のレビュー
初代α9は、693点の像面位相差AFと、電子シャッターによる最高約20コマ/秒の連写に対応しています。AFエリアが撮影範囲の約93%をカバーしているため、被写体が画面中央から外れてもピントを合わせながら追い続けやすいカメラです。
Photography Blogのレビューでも、スポーツやアクション、イベント撮影に適したモデルと評価しています。最高約20コマ/秒で圧縮RAWを最大約241枚、JPEGを最大約362枚連続撮影できることや、連写中にファインダー像が暗転しない点が高く評価されました。
693点AFで画面の広い範囲をカバー
AFエリアが画面の広い範囲に配置されているため、被写体を中央へ移してからピントを合わせる操作を減らせます。例えば陸上競技のコーナーで選手が画面の外側へ移動しても、その位置に近いAF枠を使って追い続けられます。
ただし、AFポイントが多くても、カメラが撮影者の狙った被写体を必ず選ぶわけではありません。背景に観客や看板が多い場面では、ワイドAFに任せるだけでなく、ゾーンやフレキシブルスポットなど、状況に合ったAFエリアを選ぶ必要があります。
本体ソフトウェアVer.5.00以降では、被写体の色や模様、距離、顔、瞳などの情報を使うリアルタイムトラッキングも利用できます。人物や動物を追いながら撮影する場合は、中古個体の本体ソフトウェアが更新されているかも見ておきたいところです。
最高約20コマ/秒で一連の動きを細かく残せる
最高約20コマ/秒の連写では、短時間に変化する被写体の動きを細かく記録できます。バスケットボールのレイアップなら、踏み切りからボールを放す瞬間、着地までを連続して撮影でき、その中から表情や姿勢のよい写真を選べます。野鳥撮影でも、羽の開き方が異なる複数の写真を残しやすいでしょう。
ただし、最高約20コマ/秒で撮影するには、電子シャッターで圧縮RAWまたはJPEGを使用する必要があります。非圧縮RAWでは最高約12コマ/秒となり、AF-C使用時の連写速度も装着するレンズによって異なります。
長く連写した後は、メモリーカードへの書き込みに時間がかかる場合があります。初代α9にはSDカードスロットが2基ありますが、UHS-IIに対応するのは片側のみです。連写を多用する場合は、書き込み速度の速いカードをUHS-II対応スロットに入れ、RAWの記録先もあらかじめ設定しておくとよいでしょう。
SONY α9 ILCE-9の電子シャッター・静音性のレビュー
初代α9は、電子シャッターを高速連写の中心に据えたカメラです。撮影音とシャッター動作による振動を抑えながら、最高約20コマ/秒の連写とブラックアウトフリー撮影を行えます。
PetaPixelでは、静音撮影、瞳AF、EVF、最高約20コマ/秒の連写などを挙げ、ウェディング撮影での使いやすさを高く評価しています。発売当時のレビューではありますが、挙式や式典で役立つ機能がそろっていることが分かります。
静かな会場で撮影音を抑えられる
挙式の指輪交換や式典のスピーチなどでは、シャッター音が周囲の妨げになる場合があります。電子シャッターなら撮影音を出さずに撮影できるため、静けさが求められる場面でも使いやすくなります。
シャッター動作による振動が発生しない点も特徴です。望遠レンズを使う撮影や、三脚に固定して静止した被写体を撮る場合は、シャッター動作が原因となる細かなブレを避けられます。ただし、被写体自体が動くことで発生するブレは防げません。
電子シャッターを選択している間は、フラッシュを使用できない点にも注意が必要です。披露宴や暗い会場でストロボを使う場合はメカシャッターへ切り替える必要があり、その際の連写速度は最高約5コマ/秒になります。
高速被写体の変形と照明による横縞に注意
初代α9の電子シャッターは、従来の機種より高速にセンサーを読み出すことで、動く被写体の変形を抑えています。ただし、撮像面全体を同時に読み出すグローバルシャッターではありません。
バットやゴルフクラブのように高速で動く被写体を撮ると、ローリングシャッター歪みによって形が傾いたり曲がったりする場合があります。道具や商品の形を正確に写す必要がある撮影では、事前に試し撮りを行うか、メカシャッターを使用するほうが適しています。
LED照明を使用した体育館やステージでは、写真に明暗の横縞が写ることもあります。電子シャッターで縞が出る場合は、シャッター速度を変更するか、メカシャッターへ切り替える必要があります。
ただし、初代α9のメカシャッター連写は最高約5コマ/秒です。人工照明下で高速連写を使う機会が多い場合は、メカシャッターで最高約10コマ/秒に対応するα9 IIや、グローバルシャッターを搭載するα9 IIIも比較対象になります。
SONY α9 ILCE-9の画質評価(高感度・ダイナミックレンジ)

(Via:Imaging Resource作例)
初代α9は、有効約24.2MPのフルサイズ積層型CMOSセンサーを搭載しています。高画素機ほどトリミングの余裕はありませんが、スポーツやイベント撮影では十分な解像度があり、連写後の保存や編集を行いやすい画素数です。
Imaging Resourceのレビューでは、初代α9の画質とダイナミックレンジを高く評価しています。露出が暗くなった部分から細部を引き出しやすく、明るい空の階調も調整できたとしており、RAW現像で明暗を整えやすいことが分かります。
24.2MPの解像力とトリミング耐性
スポーツや報道では、撮影枚数が多くなりやすいため、写真1枚あたりのデータ量も扱いやすさに関わります。24.2MPは、高画素機よりファイル容量を抑えやすく、連写したRAWデータの保存や現像に必要な負担も比較的少なめです。
一方、遠くの野鳥を撮影後に大きく切り出す場合や、細部を残したまま大判印刷したい場合は、より高画素なカメラが有利です。必要な解像度は、トリミング量や印刷サイズ、鑑賞距離によって変わります。
写真の鮮明さは画素数だけで決まるものではありません。レンズの性能やピントの精度、シャッター速度にも左右されます。電子シャッターではシャッター動作による振動を避けられますが、動く被写体を止めて写すには、被写体の速さに合ったシャッター速度が必要です。
高感度画質は出力サイズに合わせて判断する
Imaging Resourceのプリント評価では、ISO800まで30×40インチ(約76×102cm)、ISO6400で13×19インチ(約33×48cm)の高品質なプリントが可能としています。ISO12800では8×10インチ(約20×25cm)、ISO25600と51200では5×7インチ(約13×18cm)が目安とされました。撮影条件や現像方法によって結果は変わりますが、ISO感度が高くなるほど、出力サイズを小さくする必要があることが分かります。
Web掲載や小さなプリントであれば、ISO12800以上を使用できる場面もあります。ただし、暗部のノイズや細部の低下が目立ちやすくなるため、常に同じ画質が得られるわけではありません。
電子シャッター使用時の常用感度はISO100~25600です。メカシャッターでは常用ISO100~51200、拡張設定でISO204800まで選べます。暗い場所で高速連写と静音撮影を行う場合は、電子シャッターのISO上限も考慮する必要があります。
SONY α9 ILCE-9の動画性能のレビュー
初代α9は静止画撮影を中心に設計されたモデルですが、4K 30pの内部記録とフルHD 120pにも対応しています。現在の動画向けカメラほど記録方式は豊富ではないものの、イベントやスポーツを動画でも残したい場合に利用できます。
Photography Blogのレビューでも、フルサイズ領域の約20MP分の情報を読み出し、6K相当のデータから4K映像を生成する点を評価しています。画素を間引かずに読み出すため、細部を残した映像を記録できることが特徴です。
全画素読み出しによる4K 30p記録
4K動画は最大30p、ビットレートは最大100Mbpsです。フルサイズ領域では全画素読み出しを行い、4Kへ縮小して記録するため、風景や建物、衣装などの細かな部分を表現しやすくなっています。
一方、ピクチャープロファイルは搭載されておらず、S-Logにも対応していません。HDMI出力も4:2:2 8bitのため、10bit記録を前提とした本格的なカラーグレーディングには不向きです。撮影時の色を生かし、編集では明るさや色味を軽く整える使い方が適しています。
フルHD 120pでスローモーション撮影ができる
フルHDでは120pの通常記録に対応しています。スポーツのフォームやダンスなどを撮影し、編集ソフトでスローモーションにすると、動きを細かく確認できます。
S&Qモードでは、撮影した映像をカメラ内でスローモーションまたはクイックモーションとして記録可能です。ただし、S&Qモードでは音声が記録されません。会話や周囲の音も残したい場合は、通常のフルHD 120pで撮影してから編集で速度を変更します。
内部記録は1クリップ約29分までです。長時間のイベントでは、録画を再開してクリップを分ける必要があります。撮影情報を表示しないクリーンHDMI出力にも対応しているため、対応する外部レコーダーを使った収録も可能です。
SONY α9 ILCE-9のEVF・モニター表示のレビュー
初代α9のEVFは約369万ドットで、表示速度を60fpsと120fpsから選択できます。電子シャッターによる高速連写中もファインダー像が暗転しにくく、動く被写体の位置を確認しながら撮影を続けられます。
TechRadarのレビューでも、約369万ドットの解像度と120fps表示による見やすさを評価しています。最高約20コマ/秒で連写しても表示が途切れないため、従来の一眼レフとは異なる撮影感覚が得られるとしています。
120fps表示で動く被写体を確認しやすい
被写体の動きが速い場面では、EVFの表示速度が追いやすさに関わります。例えばテニスのサーブからラリーへ移る場面でも、連写中にファインダー像が大きく途切れないため、選手の位置を確認しながらカメラを動かせます。
表示速度は通常の60fpsと、高速な120fpsから選択可能です。スポーツや野鳥など動きの速い被写体には120fps、動きの少ない被写体には60fpsと、撮影内容に合わせて変更できます。
ブラックアウトフリー表示は電子シャッターで連写するときに利用できる機能です。メカシャッター撮影では同じ表示にならないため、シャッター方式による違いを理解しておく必要があります。
チルト式モニターで撮影位置を変えやすい
背面には、約144万ドットの3.0型チルト式モニターを搭載しています。カメラを低い位置に構えるローアングル撮影や、頭上へ持ち上げるハイアングル撮影でも画面を確認できます。
人の多いイベントでは、前方の観客を避けるためにカメラを高く構え、モニターを見ながら構図を調整できます。タッチフォーカスに加え、本体ソフトウェアVer.5.00以降ではタッチトラッキングも利用可能です。
ただし、メニューやFnメニューはタッチ操作に対応していません。再生や設定変更まで画面だけで操作できる近年の機種と比べると、タッチ機能は限定的です。
SONY α9 ILCE-9のバッテリー・メディアのレビュー

初代α9にはNP-FZ100バッテリーが採用されています。CIPA基準の撮影可能枚数は、EVF使用時が約480枚、背面モニター使用時が約650枚です。実際の撮影可能枚数は、連写回数や画像確認、通信機能、動画撮影などによって変わります。
TechRadarのレビューでは、一眼レフのフラッグシップ機より撮影可能枚数は少ないものの、ミラーレスカメラとしてはバッテリー性能が大きく改善されたと評価しています。
長時間の撮影では予備バッテリーを用意する
短い時間に多くの写真を撮る連写では、CIPA基準を超える枚数を撮影できる場合があります。一方、ファインダーを長時間表示したり、撮影画像を頻繁に確認したりすると、バッテリーの消耗は早くなります。
イベントやスポーツを一日撮影する場合は、予備バッテリーを用意したほうがよいでしょう。別売りの縦位置グリップを使用するとバッテリーを2本装着でき、縦位置撮影用のシャッターボタンや操作ダイヤルも追加されます。
寒い場所ではバッテリー性能が低下しやすいため、予備は衣服の内側など温度が下がりにくい場所で保管します。動画を長時間撮影する場合も、静止画だけの日より多めに準備しておきたいところです。
UHS-II対応は片側のカードスロットのみ
SDカードスロットは2基あり、写真の同時記録やRAWとJPEGの振り分けに対応します。ただし、UHS-II対応はスロット1のみで、スロット2はUHS-Iまでです。
Imaging Resourceのレビューでは、RAWとJPEGを2枚のカードへ分けて記録した場合、1枚のUHS-IIカードへ記録したときより、連写後の書き込み完了までに時間がかかったと報告しています。同レビューのテストでは、バッファーが一杯になった後の書き込みが、1枚使用時の約30秒から2枚使用時には1分近くまで延びました。カードや記録設定によって結果は変わりますが、2枚同時記録では遅い側の速度が影響することが分かります。
連写を多用する場合は、書き込み速度の速いUHS-IIカードをスロット1へ入れ、RAWの記録先に設定する方法があります。バックアップを優先する撮影では2枚同時記録、書き込み速度を優先する場面ではUHS-IIカード1枚への記録など、撮影内容に応じて設定を変更するとよいでしょう。
SONY α9 ILCE-9と発売当時の競合機を比較
初代α9の発売当時は、Canon EOS-1D X Mark IIやNikon D5といったプロ向け一眼レフが、スポーツや報道撮影で広く使われていました。また、ソニーには高画素と高速連写を両立したAマウント機のα99 IIもありました。
初代α9は、こうした機種とは異なり、電子シャッターによる最高約20コマ/秒の連写とブラックアウトフリー表示を採用しています。比較する際は、単純な連写速度だけでなく、電子シャッターを使う撮影環境や、使用するレンズのマウントも確認する必要があります。
機種 | 主な特徴 |
|---|---|
SONY α9 ILCE-9 | 電子シャッターで最高約20コマ/秒のブラックアウトフリー連写に対応。静音撮影が可能だが、メカシャッターの連写は最高約5コマ/秒 |
Canon EOS-1D X Mark II | 光学ファインダーを搭載し、ファインダー撮影では最高約14コマ/秒のメカシャッター連写に対応。縦位置グリップ一体型のプロ向け一眼レフ |
Nikon D5 | 有効20.8MPのセンサーと光学ファインダーを搭載し、AF・AE追従で最高約12コマ/秒の連写に対応するプロ向け一眼レフ |
SONY α99 II | 有効約42.4MPのセンサーを搭載し、AF・AE追従で最高約12コマ/秒の連写に対応。Aマウントレンズを使用する高画素モデル |
各機種の連写速度は撮影モードや設定によって異なります。初代α9の最高約20コマ/秒は電子シャッターで圧縮RAWまたはJPEGを使用する場合の数値で、非圧縮RAWでは最高約12コマ/秒です。
EOS-1D X Mark II・Nikon D5との違い

EOS-1D X Mark IIとNikon D5は、光学ファインダーを見ながらメカシャッターで高速連写できる一眼レフです。光学ファインダーには映像表示による遅延がなく、EOS-1D X Mark IIは最高約14コマ/秒、Nikon D5は最高約12コマ/秒で撮影できます。
初代α9は、電子シャッターで最高約20コマ/秒の静音撮影ができ、連写中もファインダー像が暗転しない点が異なります。挙式や舞台など撮影音を抑えたい場面や、被写体の位置を見続けながら撮影したいスポーツでは、α9の特徴を生かせます。
Imaging Resourceのレビューでも、初代α9はEOS-1D X Mark IIやNikon D5と比較できるプロ向けカメラとして評価されています。特に高速連写、AF性能、ブラックアウトフリー表示を挙げ、プロ向け一眼レフに対抗できる性能を備えているとまとめています。
一方、LED照明を使った体育館やステージでは、α9の電子シャッターで横縞が写る場合があります。バットやラケットなどの高速で動く被写体も、ローリングシャッターによって形が傾いたり曲がったりする可能性があります。
このような場面でα9をメカシャッターへ切り替えると、連写速度は最高約5コマ/秒です。電子シャッター特有の横縞や変形を避けながら高速連写したい場合は、メカシャッターで最高約12~14コマ/秒に対応するEOS-1D X Mark IIやNikon D5のほうが使いやすい場面もあります。
α99 IIとの違い

α99 IIは、有効約42.4MPのセンサーと最高約12コマ/秒の連写に対応したAマウント機です。初代α9より画素数が多いため、撮影後に大きくトリミングする場合や、細部まで残したい撮影ではα99 IIが有利です。
一方、初代α9は電子シャッターで最高約20コマ/秒の連写に対応し、画面の約93%をカバーする693点の像面位相差AFとブラックアウトフリー表示を備えています。画素数ではα99 IIが上回りますが、高速で動く被写体を連写しながら追う撮影では、α9の特徴が生かしやすくなります。
Digital Camera Worldのレビューでも、解像度は42.4MPのα99 IIが上回る一方、初代α9は最高約20コマ/秒の連写、連続撮影可能枚数、693点AFを高く評価しています。高画素を重視するならα99 II、高速連写や動体撮影を重視するなら初代α9と、用途によって選択が分かれます。
SONY α9 ILCE-9のレビューまとめ
初代α9(ILCE-9)は、電子シャッター20コマ/秒とブラックアウトフリー表示、広いAFカバーを武器に、スポーツやイベントの“撮り逃し”を減らすことに特化したフルサイズ機です。いっぽうで、メカ連写5コマ/秒、照明フリッカーやローリング歪みといった電子シャッター特有の課題、操作/UIの世代差は割り切りが必要になります。静音・高速連写が活きる現場が多いなら今でも満足度は高く、屋内競技や最新ワークフロー重視ならα9 IIやα9 IIIまで含めて、撮影条件から最短ルートで選ぶのがおすすめです。
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