向井康二のカメラ愛が止まらない!α7R IVからライカM3まで愛用カメラ完全ガイド

向井康二のカメラ愛が止まらない!α7R IVからライカM3まで愛用カメラ完全ガイド

こんにちは。カメラを楽しむメディア「みんなのカメラ」の編集部です。Snow Man随一の“フォトボーイ”向井康二さんは、幼い頃に手にした一眼レフを皮切りに、レンズ越しの世界に魅せられてきました。以来「一日一写」を自らに課し、今日もステージや日常のかけらをフィルムとセンサーに刻み続けています。本稿では、彼が信頼を寄せる愛機ラインナップ、ステージ裏で磨かれた撮影メソッド、そして写真家として飛躍する現在地を、プロカメラマンの視点で徹底解剖。向井さんがシャッターに込める物語を追いながら、読者のあなたを“向井康二カメラ沼”へご案内します。

この記事のサマリー

Snow Manの“フォトボーイ”向井康二さんが魅せる、デジタルとフィルムを横断する唯一無二のカメラ観。

α7R IVで切り取るステージの疾走感から、ライカM3が描く粒子感あふれる世界まで愛機を一挙紹介。

『AERA』連載で磨かれたポートレート術と街角スナップの“引き算”テクをプロ視点で深掘り。

CM撮影現場でも光る「撮られる側×撮る側」二刀流センスを実例入りで徹底検証。

写真集・写真展が待ち遠しくなる――“次の一枚”に込める向井さんの情熱と未来図を追った。

向井康二の愛用カメラコレクション

向井康二の愛用カメラ

幼いころの“お年玉一括投資”で手に入れた一眼レフから始まり、いまや自宅の壁一面にズラリと並ぶ愛機はデジタル・フィルム合わせて100台近く。ボディもレンズも「使ってこそ道具」というポリシーのもと、すべて現役で稼働している。ここでは、なかでも出動回数の多い“主力セット”をプロの目線で解説しよう。

最新のデジタルカメラ ― α7R IV

向井さんがステージ撮影やポートレートに欠かせないと語るのがソニー α7R IV(ILCE-7RM4A)

  • 6,100万画素フルサイズの超高精細センサーは、衣装の細かな刺繍や汗の粒まで鮮鋭に描写。
  • 秒間約10コマの高速連写とAF/AE追従のおかげで、Snow Manのダンスの頂点を逃さない。
  • 愛用レンズは FE 24-70 mm F2.8 GM IIFE 85 mm F1.4 GM。特に85 mmは「背景を溶かしつつ、瞳だけをビシッと残せる」と絶賛する。

「α7R IVは“ライブの鼓動”を拾ってくれる相棒」と、撮影後に必ずセンサークリーニングを欠かさない几帳面さもプロ顔負けだ。

プロ仕様のスポーツカメラ ― Nikon D6+120-300 mm F2.8E

雑誌『AERA』の連載で“瞬間凍結”の課題に挑んだ際、向井さんが持ち出したのがNikon D6AF-S NIKKOR 120-300 mm F2.8E FL ED SR VR

  • ボディとレンズを合わせると 総額約124万円。連載担当編集者が「編集部史上最高額機材」と青ざめた逸話は有名。
  • 14コマ/秒のメカシャッター–4.5 EV対応の1053点クロスAF が薄暗い屋内競技場でも選手の瞳を捉え続ける。
  • F2.8通しの超望遠ズームは「視界に入るノイズを一気に刈り込み、被写体だけを引き寄せてくれる」と語り、実際にバスケット選手の“空中戦”を圧巻の解像で切り取った。

高重量セットのため、撮影前には必ずジムで体幹トレを行うというストイックさも、向井康二という“被写体兼フォトグラファー”の奥深さを物語っている。

フィルムカメラへの情熱 ― “粒子で語る時間旅行”

向井康二のフィルムカメラ

デジタルで最先端を走りつつも、向井康二さんの心臓部にはいつもフィルムの鼓動が鳴っている。奈良の実家を掘り返すと40台超のフィルム機がごろごろ、さらに祖父の遺愛機を合わせればコレクションはほぼ100台――まるで私設カメラ博物館だ。

憧憬と実戦を兼ねる一本 ― Leica M3

  • 製造年:1954-1966年。古い個体ほど真鍮の地肌がのぞき「真鍮エイジング」が美しい。
  • 中古相場:約20万円(状態次第で+α)。“写り”より“存在”で人を魅了するレンジファインダーの王。
  • 向井さんは巻き上げレバーを親指で送り、シャッター音を「金属と空気がぶつかるいい匂い」と表現。
  • 現像待ちの“もどかしさ”こそが醍醐味。「撮った瞬間じゃなく、ネガを光に透かす瞬間に物語が立ち上がる」と語り、雑誌企画で“フィルム沼”宣言をしたのは有名な一幕だ。

ラフに連れ歩く現代の相棒 ― FUJIFILM X-Proシリーズ

  • X-Pro3X-Pro2などを気分で使い分け。OVF/EVFを切り替えられるレンジファインダースタイルが“撮る前の余韻”を残してくれる。
  • 中古相場:5万円台~ と手を伸ばしやすく、向井さんは「ファンにも“同じ目線”で写し合おう」と勧める。
  • クラシックネガやASTIAなどフィルムシミュレーションを駆使し、昼の路地撮影では“粒状感+淡い彩度”、夜は“濃密シャドー”とレシピを即興で変えるのが流儀。
  • ストラップは敢えて細身のレザーを選択。「身体の動きと一緒にカメラが呼吸する」感覚を大切にしている。

プロ評: フィルムとデジタルの境界を自在に行き来しながら、“待つ時間”と“即時性”の両方を作品に織り込む――その手つきは、もう完全に写真家のそれだ。

向井康二の撮影スタイル ― “自然体×エモーショナル”の二重奏

向井康二の撮影スタイル

被写体とカメラの間に余白をつくり、その瞬間にそっと感情をすべり込ませる――これが向井康二流。“作り込まず、でもドラマは逃さない”。スタジオでも路上でも、まずは雑談で心の距離をゼロにし、シャッター音が響く頃には被写体のガードがすっかり外れている。

ポートレートの名手 ― メランコリックな余韻で“芯”を射抜く

  • Snow Manのメンバー撮影では、互いの呼吸を知り尽くす利点を活かし「カメラを意識させない」間合いで表情を捉える。
  • 『non-no』特別版表紙で、なにわ男子・道枝駿佑を“Photo Boy”名義で撮影。編集部は「憂いの残る光が道枝の目に溶け込んだ」と評し、即完売の立役者に。
  • 彼がこだわるのは “瞳の奥1cm”のピント。絞り値はF1.4~2.0で浅く攻め、背景を溶かしつつ感情の揺らぎだけを残す。

「撮影後に『寂しいけど温かい』と言われたら勝ち」と語るその作風は、アイドル写真の常識を軽やかに裏切る。

日常スナップ ― “何でもない”に魔法をかける眼差し

  • 少年時代に奈良の夕焼けや野良猫を追いかけたクセが抜けず、今も 街灯1本の陰影交差点の人待ち3秒にシャッターを切る。
  • 雑誌連載では舞台裏でのオフショットを担当。メンバーの笑い皺やスタッフの汗まで“その場の温度”ごと写し取り、誌面に立体感を与えた。
  • 機材は軽快に:富士フイルム X-Pro+35 mm F1.4 を首から下げ、「被写体は歩いてくる」を信条にスナップする。

プロ評:自然光を掴む嗅覚と、感情のピークを読む間合い――向井さんのレンズは、平凡な日常をたった0.001秒で“物語”へ昇華させる。

写真家としての躍動 ― レンズ越しに広がる“第二のステージ”

向井康二の写真家としての活躍

雑誌連載で火が付いた才能

2020年、老舗誌『アサヒカメラ』が創刊94年目にして初めて男性アイドルを表紙に迎えた――それが向井康二だ。連載企画「向井康二 巨匠と撮る白熱レッスン」では、毎号世界的フォトグラファーと撮影現場に立ち、講評を受けるガチンコ形式。

「被写体を“見る”のではなく“感じろ”」という巨匠の檄に、向井さんは無言でシャッターを切り返した。
この対話と実践の往復が、彼の“写真家スイッチ”を一気に押し上げる起爆剤となった。

『AERA』で磨いた現場力

『アサヒカメラ』休刊後は週刊誌『AERA』に舞台を移し、新連載「向井康二が学ぶ 白熱カメラレッスン」を2024年まで継続。

  • ポートレート/自撮り/スポーツ/ファッション/風景――毎月ジャンルを横断し、読者投稿の添削までこなす“二刀流”スタイル。
  • 編集部いわく「構図と感情の落とし込みが回を追うごとに鋭くなり、今やページをめくると“向井カット”がひと目で分かる」とのこと。

CMフィールドでも“シャッター音”が主役

2024年、化粧品ブランド「ちふれ」のキャンペーンでは、モデル兼カメラマンとして抜擢。

  • 商品の質感を際立たせるため、背景はアイスグレーのペーパーバックのみ。
  • ライティングはストロボ1灯+レフ板で極限までシンプルにし、「コスメが放つ自然なツヤを嘘なく写したかった」と語る。

結果、SNSでは「広告なのにドキュメンタリーの空気がある」と評判を呼び、ブランド公式Xのエンゲージメントは前期比250%超を記録した。

まとめ ― “一枚一物語”主義が拓くこれから

デジタルからフィルムまで自在に操り、ポートレートの微細な心情も、街角スナップの刹那も同じ熱量で切り取る向井康二さん。雑誌連載での実戦経験とCM現場でのディレクション力は、すでにプロカメラマンの領域に達している。

「写真は“撮る”んじゃなく“残す”――その人が生きた証を未来に届ける作業」と本人は語る。

2025年以降は写真集の刊行やギャラリー展示に向けて準備中との情報も。アイドル活動と並走する“写真家・向井康二”の物語は、まだ序章に過ぎない。これから訪れるシャッターチャンスを、私たちも一緒に見届けたい。