
【リーク】PENTAX K-1にEVFは必要?Leica M EV1で再燃したファインダー論争


PENTAXのフルサイズ旗艦K-1が登場したのは2016年。あれから約10年、撮影スタイルもユーザー層も、そして“ファインダーに求めるもの”も変わりました。そんなタイミングでPentax Forumsで面白いテーマで投稿された内容が、「K-1 EVF(EVF搭載のK-1)を買う?」という挑発的な問い。きっかけはLeicaがレンジファインダーを捨ててEVFを内蔵したM「M EV1」を打ち出したことです。では、PENTAXも同じ方向へ舵を切るべきなのか。結論から言えば、単純な追随は危険。でも、ここには“次の一手”のヒントが詰まっています。
この記事のサマリー

Leica M EV1が示したのは“EVFの便利さ”だが、PENTAXがK-1をEVF化すると比較軸がAF勝負に変わり、強みを失いかねない。

「K-1 EVF」はロマンとして魅力的でも、PENTAXの勝ち筋はミラーレス競争に入ることではなく、OVF体験の独自価値を磨き続けることにある。

リコーのカメラ事業が追い風の今こそ、流行の仕様を追うよりブルーオーシャンで刺さる製品と体験を深掘りする戦略が効く。
K-1は「古い」のか?2016年の革命と、2026年の現実

K-1は2016年に登場し、当時としては“実用的な価格で本気のフルサイズ”を突きつけた存在でした。
ただ、2025年末の視点で見ると、K-1は「悪くなった」のではなく、市場の主戦場が変わったことは大きいです。いま売り場で最も強い言語は、AF性能、動画、連写、そして被写体認識です。光学ファインダーの「見え」や操作の気持ちよさは、刺さる人には深く刺さる反面、新規層に届きにくい。実際、リコーの担当者が「若い世代にDSLRの魅力を伝える難しさ」を語ったと報じられています。
それでもリコーのカメラ事業は“勝っている”――数字が示す追い風
面白いのは、悲観一色ではない点です。リコーの四半期レポートでは、その他セグメント売上が189億円(前年同期比+12.9%)で、新製品の寄与もあってカメラ事業が好調だと説明されています。GR IVの投入や、モノクロ専用機GR IV Monochromeの開発発表など、刺さるところへ刺す動きも続いています。GR IV Monochromeは2026年春予定と公式に示されています。
Leica M EV1とは何か―「レンジファインダーの象徴」を外したM
Leica M EV1は、一言で言うと“EVF内蔵のM”です。Leica自身も「統合EVFを搭載した初のM」と位置づけ、576万ドット級のEVF、フォーカスピーキングや拡大などのフォーカスアシストを強調しています。 M11-Pをベースにレンジファインダー機構を省き、EVFへ置き換えたモデルとして説明され、メーカー販売価格は1,397,000円(税込)です。
ここが重要です。LeicaにとってM EV1は、「AFでミラーレスに勝つため」の商品というより、Mマウント資産を生かすための“見え方の選択肢”に近い。超広角や望遠、近接域でのピント合わせのしやすさを、EVFで補う。Leicaが“レンジファインダーの伝統”を守りながら、入口だけ広げようとしているーそんな読み方もできます。
「庶民のLeica」戦略はたしかに強い―だからこそ、次の真似は危ない
K-1にEVFを載せた瞬間、比較対象はこうなります。「光学ファインダーが好きな人向けのK-1」ではなく、“フルサイズEVF機として、AFがどれだけ強いか”の勝負に引きずり込まれる。
いまフルサイズのエントリー〜ミドルで象徴的なのが、例えばCanon EOS R8。Canon公式の説明でも、被写体検出は人・動物に加えて“乗り物”が対象で、車・バイク・列車・飛行機などをトラッキング対象に含む旨が明記されています。さらにNikon Z5IIは、Nikon自身が「被写体検出つき3Dトラッキング」を前面に出し、レビューでも“上位スポーツ機系のAF運用”が語られています。
ここにK-1 EVFを置いたらどうなるか。たとえ画質が良くても、「AFで負ける」一点が見出しになり、レビューの結論は厳しくなる。Pentax Forumsの記事が警戒するのは、まさにこの地雷です。
では、EVFは“悪”なのか?本当は、PENTAXユーザーほどEVFの恩恵も知っている
ここからは読者目線の話をします。EVFが強いのは、AFだけではありません。
- 露出プレビューで撮る前に仕上がりの方向性が読める
- 拡大・ピーキングでMFがやりやすい(特に大口径・近接)
- 超広角や望遠、外付けファインダーが必要だった領域でも“レンズを通して見られる”
LeicaがM EV1で押しているのも、まさにこの利点です。つまり、K-1ユーザーがEVFを欲しがる動機は理解できる。問題は、PENTAXがそれを“旗艦の顔”としてやるべきかどうかです。
PENTAXの勝ち筋は「EVF搭載」より「OVFの価値を増やす」こと
PENTAXはブランドとして、光学ファインダーを含むSLR体験を“価値”として言語化してきました。公式ページでも「SLR写真の未来」へのコミットを明確にしています。
この立ち位置は、良くも悪くも“唯一”です。だからこそ、PENTAXが勝てるのはレッドオーシャンではなくブルーオーシャンという整理には説得力があります。
ここから先は推測(編集部の妄想)
EVFを“内蔵して全面転換”ではなく、次のような落とし所はあり得ます。
- OVFを主役のまま、ライブビューの使い勝手(MF支援や表示)を徹底的に磨く
- 「必要な人だけ」向けに、外付けEVF的なソリューションを用意する(マウントやホットシュー周りの発想転換)
- あるいは、OVFを維持しつつ“見え”の情報量を増やす(表示系の工夫)
こうすれば、「PENTAXはPENTAXのまま」EVFの恩恵を取り込める可能性がある。少なくとも、AF至上主義の土俵で殴り合うより現実的です。
結論―K-1 EVFはロマンだ。だがPENTAXの未来は“ファインダー戦争の外側”にある
LeicaがM EV1を出したのは、レンジファインダー文化を捨てるためではなく、入口を増やすため。一方でPENTAXがK-1をEVF化すると、それは“入口を増やす”より先に、「ミラーレスAFと戦え」という審判を呼び込む危険がある。Pentax Forumsの記事が「青い海に留まれ」と結ぶのは、その構造を見抜いているからでしょう。
K-1 EVFは、夢がある。だから語りたくなる。でも、PENTAXが今いちばん大切にすべきは、夢を“商品”にすることより、夢を見たくなる体験(OVFの体験価値)をさらに研ぎ澄ますことだと、編集長としては結論づけます。
Pentax K‑1 Mark IIIの最新情報をチェック
Pentax K‑1 シリーズの後継機として話題が出ているK‑1 Mark IIIのスペック・価格・競合比較については、こちらの記事で詳しくまとめています。
最新情報を随時更新中!ぜひチェックしてみてください!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
撮影テクから最新ギア情報まで、“次のステップ”を後押しするネタをみんなのカメラSNS公式アカウント(X /Threads /Instagram /TikTok /YouTube )で毎日発信中。
あなたの作品がタイムラインに流れる日を、編集部一同楽しみにしています📷✨
みんなのカメラのアプリでは、最新のリーク情報や人気商品の予約・在庫情報をプッシュ通知でお届け!無料ダウンロードはこちら!





.webp?fm=webp&q=75&w=640)

