
カメラのクリーニング完全ガイド|お手入れ術と点検方法
レンズを交換するたびにホコリが気になったり、写真に謎の黒い点が写り込んでヒヤッとした経験はないでしょうか。カメラのクリーニングは地味な作業に見えますが、写りと故障リスクを大きく左右する大事なケアです。この記事ではどこまで自分でカメラ クリーニングをして良いのか、プロに任せるタイミングはいつかの基準も含め、ボディ・レンズ・センサーそれぞれの具体的な手入れ方法をまとめました。最新のミラーレス事情やクリーニング用品のトレンドも交えながら、今日から取り入れやすい現実的なステップだけを厳選してお届けします。
この記事のサマリー

カメラ クリーニングは「写り」と「故障リスク」を同時に守る重要なメンテナンスで、外装・レンズ・センサーの3レイヤーを意識することがポイントです。

ブロアー・クロス・ブラシを中心に、目的別の専用ツールを揃えることで安全にカメラのクリーニングが行えます。

ボディ外装やレンズの掃除は初心者でも十分対応可能で、正しい手順を踏めば短時間で習慣化できます。

センサーのクリーニングは「ブロアーまで自分で・湿式は慎重に・不安ならプロに任せる」という線引きを意識すると安心です。

プロのクリーニングサービスや最新の防塵機能をうまく組み合わせれば、年単位で快適な撮影環境を維持できます。
カメラのクリーニングが必要な理由と基本スタンス

ちゃんと写っているし、とくにカメラのクリーニングはしていないという声は意外と多いです。ただ、ホコリや皮脂は少しずつ蓄積し、ある日突然「黒い点が大量に写っている」「ダイヤルが渋い」といった形でトラブルになります。まずはカメラのクリーニングで守れるものと、自分でやる範囲・プロに任せる範囲を整理しておきましょう。
カメラのクリーニングで守れるのは写りと信頼性
レンズ前玉に付いた指紋は、逆光時のフレアやコントラスト低下の原因になります。センサーにホコリが乗ると、絞り込んだときに黒い点としてはっきり写り込むようになり、レタッチで消す手間が毎回増えてしまいます。カメラのクリーニングは、こうした「画質のじわじわした悪化」を未然に止める役割を担っています。
もう一つの大きなポイントが信頼性です。ボディ外装に付いた砂埃がダイヤルの隙間に入り込むと、クリック感が曖昧になったり誤作動の原因になったりします。端子カバー周りに汚れがたまると、防塵防滴性能にも影響が出ることがあります。撮影中にトラブルが起きてから慌てるより、軽いうちに落としておいたほうが結果的にコスパが良いと言えるでしょう。
さらに、こまめなカメラ クリーニングは中古買取価格にも影響します。外装がキレイでレンズ内にカビが少ない個体は、それだけで評価が一段階上がります。撮影のためだけでなく、資産価値を守るという意味でも、日頃のひと手間が効いてきます。
どこまで自分でやって、どこからプロに任せるか
カメラのクリーニングと聞くと、「センサーを自分で触るのは怖い」「壊したらどうしよう」と構えてしまいがちです。実際には、外装・レンズ・ファインダーまわりは、正しい道具さえ使えば初心者でも安全にケアできます。一方でセンサークリーニング、とくに湿式での拭き取りはリスクもあるため、慎重な線引きが大切です。
目安としては「ブロアーで飛ばすところまでを自分で、それでも残る頑固な汚れはプロに任せる」という考え方が現実的です。自動センサークリーニング機能やブロアーを併用すれば、多くのホコリは自宅で対応できるようになります。カメラのクリーニングを段階的に分けることで、「全部自分でやるか、何も触らないか」の二択から抜け出せます。
逆に、レンズ内に明らかなカビが見える、センサー上にベッタリとしたシミがある、シャッターの動きに違和感があるといった場合は、自己流で何とかしようとせず早めに専門店へ相談したほうが安全です。自分でできることとプロに頼るべきラインを知っておくだけで、カメラの寿命はぐっと伸びていきます。
カメラのクリーニングに必要な道具をそろえる
安全にカメラのクリーニングを行うには、家庭用のティッシュや綿棒だけでは心もとないです。ホコリを飛ばす道具、拭き取るためのクロス、センサー クリーニングに使う専用品など、用途ごとに揃えておくと作業がスムーズになります。ここでは最低限持っておきたいアイテムと、あると安心なプラスワンを整理します。
カメラクリーニングの必需品早見表
道具カテゴリ | 必要な理由 | 選ぶポイント | 初心者の優先度 |
|---|---|---|---|
ブロアー | ホコリを“触らずに”飛ばし、傷を防ぐ | ゴム製・風量が強すぎない・ノズルが細すぎない | 最優先(★★★★★) |
マイクロファイバークロス | レンズ・液晶・外装の皮脂や汚れを安全に拭ける | 毛羽立ちが少ない・複数枚で用途分け | ★★★★★ |
カメラ用ブラシ | 隙間に入り込んだホコリを掃き出せる | 毛先が柔らかい・コシがあり過ぎない | ★★★★☆ |
センサー用スワブ | センサー全面を均一に拭ける | センサーサイズに合う幅・未開封の清潔なもの | ★★★☆☆(慎重に) |
クリーニング液 | 指紋・油膜など拭き跡になりやすい汚れの除去 | レンズ用/センサー用を間違えない・少量で使用 | ★★★☆☆ |
無水エタノール | センサー湿式清掃で拭きムラを抑える | 高純度・気化しやすいタイプ | ★★☆☆☆(中級者向け) |
防湿ケース/シリカゲル | レンズのカビ予防・長期保管に必須 | 湿度40〜50%台をキープできるもの | ★★★★★(必須級) |
まず揃えたいブロアー・クロス・ブラシ
一番出番が多いのがブロアーです。ゴム製のポンプを押して空気を送り出すシンプルな道具ですが、ホコリを「触らずに」飛ばせる点が非常に重要です。カメラ クリーニングの基本は、いきなり拭かずにブロアーで粗いゴミを落とすこと。これだけでレンズの細かい傷をかなり防げます。
次に用意したいのがマイクロファイバークロスです。メガネ拭きに似た素材で、柔らかく毛羽立ちが少ないものを選ぶと安心です。レンズフィルターや液晶画面、ボディ外装まで、カメラのクリーニング全般に使えます。安価なものを何枚か用意し、レンズ用・ボディ用と用途を分けると汚れの移りを防げます。
細かい隙間のホコリにはカメラ用ブラシが便利です。植毛タイプの柔らかいブラシで、ダイヤル周りやホットシューの段差に溜まった埃を軽く掃き出してからブロアーで飛ばすと効果的です。メイク用の上質なブラシを転用する人もいるほどで、ポイントは「コシがありつつ毛先が硬すぎない」ことになります。
センサー用スワブやクリーニング液は慎重に選ぶ
センサー クリーニングまで視野に入れるなら、専用スワブとクリーニング液も候補に入ってきます。センサーサイズに合わせて幅が決まっているスワブは、一往復で全面を拭けるため力加減を一定にしやすく、個人でも扱いやすい道具です。フルサイズ用とAPS-C用があるので、自分のカメラに合った規格かどうかを必ず確認しましょう。
クリーニング液は「レンズ用」「センサー用」「無水エタノール」など種類がありますが、どれをどこへ使うかを混同しないことが重要です。レンズ用液をレンズ面以外に使うと、コーティングに影響が出ることもあります。センサー用は揮発性が高く、拭き跡が残りにくいタイプを選びます。
保管環境も道具のひとつと考えると、シリカゲルと防湿ケースも外せません。レンズにとって一番の敵はホコリよりもカビという現実があります。カメラのクリーニングにどれだけ気を使っても、湿度が高い場所に放置すれば簡単にカビが発生します。撮影から戻ったらブロアーと簡単な拭き取りをして、防湿庫や密閉ケースに戻すところまでをひとセットにしておくと、長期的なトラブルを避けやすくなります。
ボディ外装・マウント周りのカメラ クリーニング手順
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まず手を付けやすいのがボディ外装とマウント周りのカメラのクリーニングです。ここが汚れていると雑に扱われているカメラという印象になりがちですし、ダイヤルやボタンの隙間にゴミが入り込むと操作性にも影響します。手順を決めて、数分で終わるルーティンにしてしまうのがおすすめです。
外装のホコリと皮脂を落とす手順
最初にやるべきことは、とにかくホコリを飛ばすことです。レンズを付けたまま、もしくはボディキャップを装着した状態でカメラ全体にブロアーをかけます。上から下に向かって風を送り、ホットシューやモードダイヤル周りなど凹凸の多い部分も忘れずに吹き飛ばしましょう。
次にブラシの出番です。ファインダー周りやグリップの溝など、クロスでは拭きにくい場所のホコリをやさしく掃き出します。強くこするのではなく、表面をなでる程度で十分です。その後、マイクロファイバークロスで全体を拭き上げます。指がよく触れるシャッターボタン周りや背面ダイヤルは、皮脂が残りやすいので丁寧に拭きましょう。
液晶画面は特に傷付きやすい部分です。ホコリが残ったままゴシゴシ拭くと、細かいスリ傷が一気に増えます。必ずブロアー→クロスの順で、力を入れすぎずに円を描くように拭きます。保護フィルムを貼っている場合でも同様です。これだけでボディ全体の印象がかなり変わり、カメラ クリーニングの効果を一番実感しやすい箇所と言えます。
マウントと端子部のケアでトラブルを防ぐ
レンズを取り外した状態で気になるのがマウント周りの汚れです。ここに砂や金属粉が残っていると、レンズ着脱時に内部へ運ばれ、センサー汚れの原因になってしまいます。まずボディを下向きに持ち、ブロアーでマウントの縁や開口部をしっかり吹きます。
頑固な汚れがある場合は、ホコリの出にくい紙(キムワイプなど)に少量の無水エタノールを含ませ、マウントの金属面を一周するように拭きます。電子接点の部分は傷つきやすいため、強くこすらず軽くなでる程度にとどめるのがポイントです。乾いたら改めてブロアーで残りかすを飛ばします。
側面の端子カバー周辺も見落とされがちなポイントです。HDMIやUSB端子の周りにゴミが溜まると、ケーブルの抜き差しで内部に押し込んでしまうことがあります。カバーを開けてブロアーとブラシで軽く掃除しておけば、接触不良のリスクも減ります。こんな小さな積み重ねが、カメラのクリーニング全体のクオリティを底上げしてくれます。
レンズのクリーニングとカビ予防
レンズは写りを左右する心臓部です。前玉の指紋やホコリ、後玉の汚れ、内部のカビなど、トラブルの種類もさまざまあります。正しいレンズ クリーニングを身につければ、画質の安定だけでなく中古市場での評価も変わってきます。
前玉・後玉を傷付けないレンズ クリーニングのコツ
レンズを拭くときは、いきなりクロスを当てるのではなく、まずブロアーで砂や大きなゴミを吹き飛ばします。ここを省略すると、砂粒をレンズ面で引きずってしまい、細かい傷の原因になります。特に海辺や砂浜で使ったあとなどは、念入りにブロアーをかける習慣をつけましょう。
そのうえで、レンズ専用のクリーニングペーパーやクロスに少量のクリーニング液を含ませ、中心から外側に向かって円を描くように拭いていきます。液を付けすぎると輪染みが残りやすいので、「ペーパーが少し湿ったかな」と感じる程度にとどめるのがコツです。前玉を拭いたペーパーで後玉を拭くのは避け、後玉専用に新しいペーパーを使うと清潔さを保てます。
後玉はセンサーに近いぶん、わずかな汚れでも写りへの影響が出やすい部分です。レンズ交換時にうっかり触れてしまうことも多いので、カメラ クリーニングのタイミングで必ずチェックしておきたいポイントです。作業中にペーパーの角が鏡筒内に引っかからないよう、動かす方向に気をつけながらゆっくりと拭き取りましょう。
カビを防ぐ保管環境と日常メンテナンス
レンズにとって最大の敵はカビです。一度内部にカビが生えると、分解清掃や交換が必要になり、修理費はあっという間に1万円を超えてしまいます。カビ予防の要は「湿度管理」と「長期放置しないこと」です。撮影から戻ったら、カメラのクリーニングと同時にレンズの表面もさっと拭き、防湿庫や密閉ケースに戻す流れを作りましょう。
防湿庫を持っていない場合は、衣装ケースなどの密閉容器に乾燥剤を入れるだけでも効果があります。乾燥剤は定期的に交換し、ケース内に湿気がこもらないようにします。レンズをぎゅうぎゅうに詰め込まず、少し隙間をあけて立てて保管すると空気の流れも良くなります。
時々は防湿庫からレンズを取り出して、ピントリングやズームリングを回してあげることも大切です。機械は動かしてあげたほうが調子を保ちやすく、鏡筒内部のグリスも行き渡ります。カメラ クリーニングのタイミングで「今日はこの2本だけでも動かしておこう」と決めておけば、自然とメンテナンスの密度も上がっていきます。
イメージセンサーのクリーニング基礎

写真に黒いポツポツが現れ始めたら、いよいよイメージセンサーのクリーニングを考えるタイミングです。とはいえ、いきなりセンサーを触るのはハードルが高く感じるはずです。まずは本当にセンサー汚れなのかを確認し、自動クリーニング機能とブロアーでどこまで改善できるかを把握しておきましょう。
写真でセンサー汚れをチェックする簡単な方法
センサー汚れかどうかを見分けるには、テスト撮影が一番確実です。白い壁やノート、曇り空などディテールの少ない面をフレームいっぱいに入れ、絞りをF16〜F22くらいまで絞って撮影します。ピントはあえて外し、手ブレしないギリギリのシャッター速度を選びます。
撮った写真をパソコンで拡大して見ると、黒い点や糸くずのような形が見えることがあります。絞り値を開いて撮ったカットと見比べて、絞るほどハッキリ出てくるならセンサー上のゴミと考えていいでしょう。画面の同じ位置に常に現れる点は、レンズではなくカメラ側の問題である可能性が高いです。
このテストを撮影前後に行っておけば、「今日は一度もレンズ交換をしていないのに突然ゴミが増えた」などの異常にも気付きやすくなります。カメラ クリーニングの計画を立てるうえで、状況を可視化することはとても重要です。
自動クリーニングとブロアーでできる対策
多くのデジタル一眼やミラーレスカメラには、自動センサークリーニング機能が搭載されています。電源オン/オフのタイミングやメニューから任意に選択できる「センサークリーニング」を数回実行するだけで、軽いホコリはかなり落ちることがあります。まずはこれを試して状態を確認するのが、安全かつ手軽な第一歩です。
それでも残るホコリに対しては、ブロアーを使った乾式クリーニングに進みます。ミラーレス機の場合は電源を切ってレンズを外すと、センサーがそのまま見える構造が多いです。ボディを下向きにしながら、ブロアーの先端をセンサーにぶつけないよう距離を保って風を送り、付着した埃を下に落とすイメージで作業します。
一眼レフの場合は「ミラーアップによるクリーニングモード」を利用し、バッテリー残量を十分に確保してから行います。自動クリーニング+ブロアーの組み合わせで解消できる汚れも多く、「湿式クリーニングはどうしても取れない場合の最後の一手」と考えておくと心理的な負担も減るはずです。
センサー湿式クリーニングを自分で行うときのステップ
ブロアーでも取れないシミのような汚れが残る場合、センサー クリーニング用スワブと液体を使った湿式クリーニングが必要になります。リスクを伴う作業なので、不安な場合はプロに任せたほうが間違いありません。それでも自分で挑戦したい場合に備えて、最低限守りたい準備と手順を整理しておきます。
区分 | 重要ポイント | やるべきこと | 注意点 |
|---|---|---|---|
作業前の環境準備 | ホコリを増やさず、安全に作業できる状態を作る | 室内・無風・清潔なテーブルで作業/柔らかいマットを敷く | 窓際・埃っぽい環境はNG |
身体・カメラの準備 | 失敗リスクを減らす小さな準備が重要 | 手を洗う・油分を落とす/バッテリー満充電/電源OFFを確認 | ミラーアップ中の電源切れは重大リスク |
スワブと液の準備 | 道具の適合性が仕上がりを左右 | 未開封スワブを使用/センサーサイズに合った幅を選ぶ/液は1〜2滴 | つけすぎるとムラ・シミの原因に |
拭き取りの基本動作 | 最小の力で一往復ずつ丁寧に | 端から端へ一定速度で滑らせる/表裏で2回だけ拭く | 同じ面でこすらない・押し付けない |
確認と撤収 | 無駄に繰り返さず、仕上がりを冷静に判断 | テスト撮影でゴミの写り確認/問題なければ終了 | 細かいゴミを完璧に消そうとしない |
プロに切り替える判断基準 | 無理をしないことが長期的には最良 | 不安・違和感・シミ汚れが取れない時点で中断 | 早期に任せるほど修理リスクが下がる |
準備と安全チェックで失敗リスクを減らす
まずは作業環境を整えます。風の強い窓際ではなく、ホコリの少ない室内で行うのが理想です。テーブルに柔らかいマットやタオルを敷き、その上にカメラを置けばうっかり倒しても傷付きにくくなります。手は事前に洗い、ハンドクリームなどの油分も控えておきましょう。
次にバッテリー残量を確認します。一眼レフでミラーアップを行う場合、作業中に電源が落ちるとシャッター幕が閉じてスワブと干渉する危険があります。残量はフルに近い状態にしておき、念のため予備バッテリーも近くに置いておくと安心です。ミラーレスでも、清掃中に電源が入らないようスイッチ位置を確認しておきます。
センサー用スワブは必ず未開封のものを使い、サイズがカメラのセンサーと合っているかを事前に確認します。クリーニング液はスワブ先端に1〜2滴だけ垂らし、滴がたれるほど多く付けないように注意します。準備段階で「無理だな」と感じた場合は、その時点で作業を中断し、カメラ店やメーカーに相談したほうが賢明です。
実際のセンサー クリーニング手順と確認方法
ミラーレスの場合は電源オフでレンズを外し、センサーが見える状態にします。一眼レフの場合は清掃用メニューからミラーアップを実行し、指示に従ってレンズを外します。ボディをしっかり固定し、スワブをセンサー端の手前にそっと当てたら、一定の速度で端から端まで滑らせます。
片方向に一回拭いたら、スワブを反転させて未使用側で反対方向にもう一度拭きます。同じ面で何度もこするのは避け、強く押し付けないようにするのが大切です。拭き終わったらスワブは再利用せず、そのまま破棄します。最後に電源を切ってミラーを元に戻し、テスト撮影でゴミの写り込みが消えているかを確認します。
完璧を目指して何度も繰り返すと、かえって傷や拭きムラのリスクが高まります。数カ所の小さなゴミが残る程度なら、実際の撮影で問題になるかを見極めるのも大事な判断です。少しでも不安を感じた時点で作業を打ち切り、プロサービスにスイッチする柔軟さを持っておくと、カメラ クリーニングとの付き合い方がぐっとラクになります。
プロのカメラクリーニングサービスを活用する

自分でできるカメラのクリーニングには限界があります。とくにセンサーのシミやレンズ内部のカビ、ファインダー内のゴミなどは個人での対応が難しく、下手に触ると修理費が跳ね上がることもあります。そんなとき心強いのがメーカーサービスやカメラ専門店のクリーニングメニューです。
メーカーサービスと量販店クリーニングの違い
メーカーのサービスセンターでは、自社機種に精通した技術者が専用治具とマニュアルに沿ってクリーニングを行います。センサークリーニングに加え、各部の点検やファームウェア更新を同時に行ってくれるコースもあり、年に一度の「健康診断」として利用するユーザーも多いです。郵送受付が基本なので、数日〜1週間ほどカメラを預ける前提になります。
一方、カメラのキタムラなどの量販店では、店頭でのセンサー クリーニングサービスを提供している店舗が増えています。予約不要で持ち込み当日中に受け取れるケースが多く、料金も1台数千円前後と利用しやすい水準です。メーカーよりも手軽に「とりあえずゴミを何とかしたい」ニーズに応えてくれます。
どちらを選ぶかは、求めるレベルとスケジュール次第です。しっかり点検も兼ねたいならメーカー、急ぎでカメラ クリーニングを済ませたいなら量販店という使い分けが現実的でしょう。いずれにせよ、自分での湿式クリーニングに不安がある場合は、早い段階でプロにバトンを渡すことが結果的に安上がりなことも多いです。
料金・頻度の目安と上手な付き合い方
一般的なセンサークリーニングの料金は、レンズ交換式カメラ1台あたり3,000円前後が目安です。ボディ外装やレンズ表面のクリーニングがセットになっているコースもあり、複数台持ちならまとめて依頼したほうがお得になることもあります。プロに任せるときは、事前に「どこまでのクリーニングを含むのか」を確認しておくと安心です。
頻度としては、通常使用であれば半年〜1年に一度くらいがひとつの目安になります。風景撮影で頻繁にレンズ交換を行う人や、砂埃の多い現場・海辺での撮影が多い人は、もう少し短いスパンでの利用を検討しても良いでしょう。大きな撮影旅行の前後に合わせて、定期的にカメラのクリーニングをプロに依頼するスタイルもおすすめです。
セルフメンテナンスとプロサービスを組み合わせれば、「日常の軽い汚れは自分で、重大な部分はプロで」というバランスが取れます。カメラ クリーニングをコストではなく「保険」と考えると、安心して撮影に集中できる環境を作りやすくなります。
日々の撮影でできる汚れ予防テクニック
カメラのクリーニングは「汚れてから頑張る」よりも、「汚れが付きにくい使い方」を覚えるほうがラクです。撮影中のちょっとした工夫で、センサー汚れやレンズのトラブルは意外なほど減らすことができます。毎回の撮影に取り入れやすい予防テクニックをまとめます。
予防カテゴリ | 目的 | 実践ポイント | 効果 |
|---|---|---|---|
レンズ交換時のホコリ対策 | センサー・マウント内部への侵入を防ぐ | ・マウントを下向きにする・風の方向を避ける(身体やバッグで風よけ)・新レンズを先に準備し素早く交換・取り外したレンズはすぐリアキャップ→軽くブロアー | センサー汚れの発生頻度を大幅に減らす |
交換自体を減らす工夫 | 露出環境での汚れリスクを下げる | ・夜景/イベントではズーム1本で対応・撮影意図が許す範囲で交換回数を抑える | リスク要因そのものを排除できる |
撮影後30秒ルーティン | 汚れを翌日に持ち越さず蓄積を防ぐ | ・ブロアーで外装とレンズ表面を軽くケア・指紋だけクロスで拭き取る・防湿庫に戻す前に全体を一瞥して「受けたダメージ」を把握 | 長期的に汚れ・カビ・故障を予防 |
状況確認と軽い点検習慣 | 隠れダメージの早期発見 | ・砂浜帰りは三脚の石突やバッグ底も確認・雨天撮影後はストラップや金具の濡れを確認 | トラブルの深刻化を防ぎ寿命を伸ばす |
感覚の育成(継続効果) | 自分の機材の“いつも”を知る | ・毎回のケアで汚れ具合の変化を把握・ホコリの多い日/少ない日の違いを体感 | カメラの状態変化に敏感になり、異常に早く気付ける |
レンズ交換時にホコリを入れないコツ
レンズ交換はホコリが入りやすい瞬間です。まず、レンズを外すときはカメラのマウントを下向きにし、地面側からのホコリが入りにくい姿勢を意識します。風の強い屋外や砂埃の舞う場所では、できるだけ風下を避け、身体やバッグで風よけを作るだけでもかなり違います。
交換の手順を「外すレンズを先に緩め、新しいレンズを準備してから一気に付け替える」と決めておけば、マウントが露出している時間を短くできます。取り外したレンズの後玉にはすぐにリアキャップを装着し、バッグにしまう前に軽くブロアーをかけておくと安心です。
夜景撮影やイベントなど、レンズ交換の余裕がない場面では、ズームレンジの広いレンズを一本だけ使う選択もあります。「どうしてもこの画角が必要」という場面以外は、無理に交換せず撮影を続ける判断も、結果的にカメラのクリーニング頻度を下げてくれます。
撮影後ルーティンでカメラを清潔に保つ
撮影から帰ったあと、カードを抜いてデータをコピーしたら、そのままカメラバッグに戻してしまう人も多いはずです。そこで30秒だけ「撮影後ルーティン」としてカメラ クリーニングを組み込むと、長期的な汚れ方がまったく変わってきます。ボディの外装とレンズ表面に軽くブロアーをかけ、目立つ指紋だけクロスで拭き取るだけでも十分です。
そのあと、防湿庫や密閉ケースに戻す前に、カメラの状態を一瞥します。砂浜で使ったなら三脚の石突まで確認する、雨に降られたならストラップの濡れ具合も見る、といった具合に「現場で受けたダメージ」をその日のうちに把握します。次の撮影の直前に気付くより、早めに対処したほうがダメージも小さくて済みます。
このルーティンを習慣にすると、「今日は結構ホコリが多かったな」「思ったよりレンズが汚れていないな」といった感覚も育っていきます。カメラのクリーニングが義務ではなく、撮影を締めくくる儀式のように感じられるようになれば、自然と愛機との付き合い方が変わってくるはずです。
最新カメラの防塵機能とクリーニング用品トレンド

ここ数年で、カメラ側の防塵・防滴機能やクリーニング用品のラインナップもかなり変わってきました。ミラーレス機の普及によってセンサーが前面に近づいたぶん、メーカーもユーザーも「どうホコリと付き合うか」を真剣に考える必要が出てきています。最近のトレンドを押さえておくと、カメラ クリーニングの考え方もアップデートしやすくなります。
シャッター幕閉鎖やダストリダクション機能の活用
最新のフルサイズミラーレスには、電源オフ時にシャッター幕を閉じてセンサーを物理的に覆う機能を持つ機種が増えています。レンズ交換中にセンサーがむき出しにならないため、ホコリ付着のリスクを減らす狙いです。一方でシャッター幕自体は繊細なパーツなので、頻繁に触れる可能性がある撮影スタイルでは設定をオフにするユーザーもいます。
また、従来からある超音波振動によるダストリダクション機能も進化しており、電源オン/オフ時の自動クリーニングでかなりのホコリを落とせるようになってきました。メーカーによって強さや回数は異なりますが、メニューから任意で追加実行できる機種もあり、「まずは自動で落とせるだけ落とす」というスタイルが現実的になっています。
これらの機能を過信する必要はありませんが、活用すれば日常のカメラのクリーニング頻度を下げられるのは確かです。自分のカメラにどんな防塵機能があるかを取扱説明書や公式サイトで一度確認し、最適な設定にしておくとよいでしょう。
電動ブロアーやセンサーキットなど用品の進化
クリーニング用品側も多様化しています。手動ブロアーに加え、USB充電式の電動ブロアーが登場し、一定の風量でまんべんなくホコリを飛ばせるようになりました。撮影現場に持ち込むにはやや荷物が増えますが、自宅でのカメラ クリーニングでは頼もしい存在です。
センサー用スワブも、フルサイズ・APS-Cだけでなく中判サイズに対応したものや、あらかじめ適量のクリーニング液が染み込ませてあるタイプなど選択肢が広がっています。初めての人向けに、ブロアー・スワブ・液・手袋がセットになったキットも販売されており、「何を買えば良いか分からない」状態から抜け出しやすくなりました。
市場全体としては、「必要なところだけをピンポイントでケアする」方向に進んでいる印象があります。自分の撮影スタイルと予算に合わせて、どのレベルのカメラ クリーニング用品を揃えるかを考えてみると、無駄なく快適な撮影環境を作りやすくなるでしょう。
カメラのクリーニングまとめ
カメラのクリーニングは、難しいテクニックよりも「正しい道具」と「軽い習慣」がものを言います。外装とレンズは撮影後の数分でケアし、センサーは自動クリーニングとブロアーまでを基本ラインに。不安な湿式クリーニングやレンズ内部のカビは、迷わずプロへ任せてしまう割り切りも大切です。
今日からできる一歩としては、まずブロアーとクロスを手元に用意し、撮影の締めに30秒だけカメラのクリーニングを行ってみてください。汚れ方の変化が実感できるようになったころには、愛機への愛着も今まで以上に深まっているはずです。安心して撮影に集中できるよう、あなたなりのメンテナンスルーティンを作っていきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
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