
ニコンZ50IIとZ50を徹底比較 Z50IIとZ50比較で迷わない選び方


ニコンのDXミラーレスで"Z50II"と"Z50"のどちらを選ぶべきか?と悩む声をよく耳にします。どちらも有効約2090万画素のセンサーを搭載し、スペック表だけを見るとたしかに差が分かりづらいです。そこで今回はZ50とZ50II比較のポイントを、AF・動画・操作性・重量・価格まで実際の使用シーンに落とし込みながら整理しました。「自分の撮り方ならどっちがちょうどいいのか」がはっきり見えるように、良いところも割り切りポイントも包み隠さずお伝えします。
この記事のサマリー

Z50IIはEXPEED 7と被写体認識AF・4K60pなど最新機能を搭載したDX上位モデル

Z50は軽さと価格が魅力で、静止画中心なら今でも十分に戦える性能

両機とも20.9MP DXセンサーで画質ベースはほぼ同等、差が出るのはAF・動画・操作性

Z50IIとZ50の比較では「動体撮影・動画重視ならZ50II」「軽量・低予算重視ならZ50」が目安

レンズ選びや撮影シーン別に見ると、自分にフィットする一台が自然と浮かび上がる
Z50IIとZ50比較の全体像|まず押さえたい違いと共通点

Z50IIとZ50はどちらもニコンZマウントを採用したDX(APS-C)機で、画素数や基本感度レンジなどはほぼ共通です。センサーは有効約2090万画素のDXフォーマットCMOSで、ISO100〜51200の常用感度に対応しており、画質面の土台は同レベルと考えて大きな問題はありません。
Nikon Z50IIのレビュー詳細はこちらの記事でまとめています。
主なスペック差をざっくり比較
まずはZ50IIとZ50のスペック表レベルでの明確な差を抑えましよう。下の表に、撮影時に効いてくる項目だけを抜き出して整理しました。細かな数字はあとで掘り下げますが、「Z50IIは何が増えて、Z50は何が軽いのか」を一度俯瞰しておくと、このあとの内容も理解しやすくなります。
項目 | Nikon Z50II | Nikon Z50 |
|---|---|---|
センサー | 20.9MP DX CMOS(同等) | 20.9MP DX CMOS |
画像処理エンジン | EXPEED 7 | EXPEED 6 |
AF | 209点ハイブリッドAF+9種類の被写体認識 | 209点ハイブリッドAF(瞳AFあり) |
連写 | 約11コマ/秒(メカ)、最大30コマ/秒(電子) | 約11コマ/秒 |
動画 | 4K60p(クロップ)/4K30pオーバーサンプリング、N-Log・HLG対応 | 4K30pまで |
背面モニター | 3.2型 バリアングル | 3.2型 180°下開きチルト |
メモリーカード | SD UHS-II対応 | SD UHS-I |
ボディ質量 | 約550g(バッテリー・カード込) | 約450g(バッテリー・カード込) |
USB端子 | USB-C(PD対応) | Micro USB |
ボディ内手ブレ補正 | なし | なし |
スペックを並べると、Z50IIはAFや動画まわり、カード性能、モニターといった「使い勝手」に関わる部分がかなり強化されていることが分かります。
どんな人がZ50II向きか
Z50IIを選ぶ決め手になりやすいのは、動きのある被写体と動画撮影です。被写体認識AFは人物・動物だけでなく、車・バイク・列車・飛行機など9種類に対応しており、EXPEED 7と組み合わせることで追従性能が大きく向上しています。
さらに、4K60pやN-Log/HLG、長時間録画といった動画機能が充実しているため、VlogやYouTube用のコンテンツ制作まで視野に入る方には心強い存在です。今後も数年単位で使い倒したい、最新世代のAFや動画機能を体験したいというなら、z50 z50ii 比較ではZ50IIが本命候補になるでしょう。
どんな人がZ50向きか
対してZ50の魅力は、軽さと価格です。ボディが約450gとZ50IIより約100g軽く、バッグに入れて持ち歩くときのストレスが明確に変わります。
中古市場ではボディが6〜7万円前後のことも多く、予算を抑えつつ「ちゃんとしたカメラ」を始めたい方には非常に現実的な選択肢です。静止画中心で、主に家族や風景、日常スナップを撮るのであれば、Z50でも困る場面は意外と多くありません。軽快さを最優先したい場合、Z50は今でも十分に魅力を保っています。
【決定版】Z50II vs Z50比較早見表
まずは忙しい人はここだけ見ればokな比較サマリです。以降は各観点でのZ50IIとZ50の詳細な比較をみていきます。
観点 | Z50II | Z50 | 選び方のポイント |
|---|---|---|---|
センサー・画質 | 同じ20.9MP DXセンサーを採用。解像力・ダイナミックレンジのベースはZ50とほぼ同等。 | 20.9MP DXフォーマットCMOSセンサー。A4〜A3プリントやWeb用途なら十分な解像度。 | 画素数とセンサーサイズによる画質差はほぼゼロ。どちらを選んでも「画素が足りないから損」ということはあまりないです。 |
画像処理エンジン | EXPEED 7。Z9/Z8/Z6IIIなどと同世代で、AF・被写体認識・ノイズ処理・動画機能まで幅広く強化。 | EXPEED 6。AFや高感度ノイズ処理は一世代前だが、静止画中心なら実用上大きな不満は出にくい。 | JPEG撮って出しのキレやAFの賢さ、動画機能の幅まで重視するならZ50II。RAW現像前提ならZ50でも十分戦えます。 |
AF性能 | 同じ209点だが、9種類の被写体認識(人・動物・車・バイク・自転車・列車・飛行機など)と3Dトラッキングに対応。深層学習ベースで追従性能が大幅向上。 | 209点ハイブリッドAF(像面位相差+コントラスト)。顔・瞳検出AF対応(主に人物)。動体は「標準的なエントリーDXレベル」。 | 子どもの運動会、スポーツ、鳥・鉄道撮影など「動きもの」をちゃんと撮りたいならZ50II。家族スナップや風景中心ならZ50でも現役です。 |
連写性能/プリキャプチャ | メカ約11コマ/秒に加え、電子シャッターで最大30コマ/秒。さらにプレリリースキャプチャでシャッター半押し中の約1秒前から記録可能。 | メカシャッターで最大約11コマ/秒。バッファもそこそこだが、プレリリースキャプチャ機能はなし。 | 「ジャンプの頂点」「バットがボールに当たった瞬間」などを確実に拾いたいならZ50II。普通の連写で足りる撮り方ならZ50でも十分です。 |
動画性能 | 4K60p(DX内でさらにクロップ)、4K30pは5.6Kオーバーサンプリング。N-Log・HLG・10bit H.265・ハイレゾズーム・長時間記録(条件次第で2時間超)・ヘッドホン端子など動画寄り機能が充実。 | 4K30p(センサー全幅)、FHDは120pまで対応。1クリップ約30分まで。ログやHLG、10bit記録には非対応で「記録動画向き」。 | Vlog・配信・作品寄り動画までやりたいならZ50II一択。家族の記録動画や旅行ムービーがメインならZ50でも不満は出にくいでしょう。 |
EVF・モニター | 同じ2.36MドットEVFだが、最大約1000nitまで明るくでき視認性向上。3.2型バリアングル液晶で横開き・前向きOK、縦位置・ロー/ハイアングル・三脚自撮りも快適。 | 0.39型約236万ドットEVF。3.2型チルト液晶(上90°/下180°)。自撮りは下開きで対応。強い日差しの屋外ではEVF輝度が物足りない場面も。 | 自撮り・Vlog・縦動画・三脚撮影が多いならバリアングルのZ50II。軽さ優先で、下開き自撮りで十分ならZ50でも問題なし。 |
手ブレ補正(IBIS) | 同じくIBIS非搭載。DX 16-50mm VRや18-140mm VRなどレンズ側VR+電子手ブレ補正(動画)でカバー。 | ボディ内手ブレ補正なし。対応レンズのVRと高感度を組み合わせて運用するスタイル。 | どちらもIBISはないので、「手ブレ補正だけで選ぶ」なら他機種も検討した方がいいです。DX前提ならレンズVR+シャッター速度を意識すれば実用上困る場面はそこまで多くありません。 |
記録メディア | シングルSDスロット(UHS-II対応)。高速カード使用時は連写後の復帰が早く、4K60pや30fps連写にも余裕を持って対応。 | シングルSDスロット(UHS-I対応)。カードコストは安いが、RAW連写や4K動画では書き込み待ちが出やすい。 | コスト重視ならZ50+UHS-IでOK。動体連写や4K動画をガンガン回したいならUHS-II対応のZ50IIが快適です。 |
操作性/ボディ設計 | 約127×96.8×66.5mm/約550g。グリップが深くなり、大きめの望遠レンズでもホールドしやすい。Z上位機に近いダイヤル配置、USB-C PD給電/充電、マイク&ヘッドホン端子、前面RECランプなど、操作性と動画向き装備が充実。ただしCIPAバッテリーはEVF約230枚・背面約250枚と短め。 | 約126.5×93.5×60mm/約450g(バッテリー・カード込)。コンパクトで軽く、モードダイヤル中心のシンプル操作。Micro USB端子、ヘッドホン端子なし。CIPAバッテリーはEVF約280枚・背面約320枚と、カタログ上はやや余裕あり。 | 「とにかく軽い一眼が欲しい」「バッグに放り込みやすいサイズがいい」ならZ50。多少重くてもグリップ・USB-C・ヘッドホン端子など“今どき仕様”を重視するならZ50II。 |
価格帯(2025年時点) | 新品ボディ単体が145,200円(税込)。16-50 VRキットは16万円台、ダブルズームキットは18〜20万円前後。 | 新品流通は縮小傾向で、中古ボディは概ね7万円前後、中古ダブルズームキットで10万円前後が目安。 | 初期投資を抑えたいなら中古Z50が圧倒的に有利。長く使う前提で最新世代のAF・動画・操作性に投資するならZ50IIに予算を乗せるイメージ。 |
総合評価 | 同じ20.9MPセンサーをベースに、EXPEED 7・被写体認識AF・4K60p・UHS-II・USB-Cなどを盛り込んだ“DXの本命”オールラウンダー。写真も動画も1台でこなしたい入門〜中級ユーザー向け。 | 「軽さ×価格×静止画性能」に振ったDXエントリー〜中級機。家族写真・旅行・日常スナップ中心なら今でも十分実戦級。 | 出番の8割が静止画で、軽さとコスパ重視ならZ50。動体と動画もちゃんと撮りたい「ハイブリッド入門機」として選ぶならZ50II。 |
画質・センサー・画像処理|同じ20.9MPでもどこまで違う?
Z50IIとZ50比較で真っ先に気になるのが画質ですが、結論から言うと「ベースの解像力や高感度耐性はほぼ同等」です。両モデルとも有効約2090万画素のDXフォーマットセンサーを採用しており、画素数もセンサーサイズも変わりません。
センサーと解像度は同じでも描写は微妙に変わる
センサー自体はZ50とZ50IIで共通とされており、解像力やダイナミックレンジの土台は同じです。同じ条件で撮影したRAWデータを比較しても、情報量はほぼ同等と考えて問題ありません。
一方で、JPEG撮って出しになると話が変わります。Z50IIは画像処理エンジンがEXPEED 7となり、ノイズリダクションや色調整のアルゴリズムが最新世代になっています。シャドー部のざらつき方や肌色の階調、空のグラデーションなど、細部の描写傾向が少しずつ洗練されています。
高感度ISOとノイズの傾向
常用ISO感度はどちらもISO100〜51200で、スペック上の上限値は同一です。ただし、EXPEED 7になったZ50IIは高感度側でのノイズ処理が強化されており、同じISO6400〜12800あたりでもディテールの残り方やカラーノイズの出方が抑えられています。
一方で、RAWで撮って自分で現像するスタイルなら、どちらも同じセンサーなので追い込める余地はほぼ同じと言えます。撮って出し重視かRAW現像前提かによって、体感の差は変わってくるでしょう。
JPEG撮って出しとRAW現像の使い分け
Z50IIは「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」やクラウド経由のイメージングレシピなど、カメラ内で絵作りを完結させるための機能が充実しています。プリセットの色味を呼び出して、そのままSNSに載せても成立しやすい画づくりがしやすくなりました。
逆に、RAW現像で細かく追い込みたい派から見ると、両機の差はそこまで大きくありません。センサーが同じである以上、階調情報のベースは共通だからです。撮影後のワークフローをどう組むかで、どちらを選ぶかの軸も変わってきます。
AF性能と被写体認識|動きもの撮影で差が出るポイント

Z50IIとZ50比較で一番インパクトが大きいのはAF性能です。どちらも209点のハイブリッドAFで、画面の広い範囲をカバーしているのは共通ですが、Z50IIはEXPEED 7と組み合わさることで被写体認識の種類と追従精度が大きく向上しています。
Z50のAF:人物・静物中心ならまだまだ十分
Z50のAFは209点の像面位相差+コントラストAFで、人物向けには瞳AFにも対応しています。日中のスナップや家族写真、ポートレートなど、比較的ゆっくりした動きの被写体であればピント精度に大きな不満は出ません。
一方で、サッカーやバスケットのような激しいスポーツ、鳥や鉄道など高速で動く被写体になると、追従がワンテンポ遅れたり、背景に抜けてしまう場面はどうしても増えます。動体撮影をメインに考えるかどうかが、Z50を選ぶかどうかの分かれ目になってきます。
Z50IIの被写体認識AF:9種類のターゲットを自動で掴む
Z50IIは同じ209点AFでも、ディープラーニングベースの被写体認識が加わることで、体感が別物に近いレベルになっています。人物・動物に加え、鳥・車・バイク・自転車・列車・飛行機など9種類の被写体をカメラ側が自動判別してくれるため、フレーム内に被写体を入れてシャッター半押しするだけで、適切なポイントにピントが合いやすくなりました。
さらに、3Dトラッキング的な動作も取り入れられており、一度掴んだ被写体をフレーム内でしつこく追い続けてくれます。動きがランダムな子どもやペット、サーキットを走る車など、Z50世代では歩留まりが読みづらかったシーンでも、Z50IIなら安心感が増します。
動きもの撮影で感じるリアルな差
運動会やスポーツ観戦を想像してみてください。Z50でAF-C+ワイドエリアを使うと、タイミングを合わせればきちんと決定的瞬間は残せますが、連写したカットの中にはピントが甘いコマもそれなりに混ざります。
Z50IIだと、被写体認識と追従性能が効いてくるおかげで、同じシーンでも「歩留まりそのもの」が変わります。すべてのカットが完璧というわけではありませんが、同じ枚数を撮った場合に使える写真の割合が目に見えて増えるイメージです。「子どもの運動会で失敗したくない」「鳥や鉄道など動体撮影に本気で取り組みたい」というニーズなら、z50 z50ii 比較ではAFの差だけでZ50IIを選ぶ価値が十分あると言っていいでしょう。
連写性能・バッファ・メモリーカード|撮り逃し防止のポイント
AF性能と並んで動体撮影に効いてくるのが連写性能とバッファ、そしてメモリーカード周りです。Z50とZ50IIはいずれも最大約11コマ/秒の連写に対応しますが、Z50IIは電子シャッター使用時に最大30コマ/秒+プレリリースキャプチャにも対応しており、「一瞬をどこまで保険をかけて残せるか」に差が出ます。
連写コマ速そのものはほぼ同等
メカシャッターでの連写速度はZ50・Z50IIともに最大約11コマ/秒で、スペック上は同等です。実際に使ってみても、メカ連写のみを前提とするなら体感差はほとんどありません。運動会で短いバーストを切る程度であれば、どちらも十分な速度を持っています。
違いが出るのは、Z50IIが「電子シャッター30コマ/秒」と「プレリリースキャプチャ」に対応している点です。シャッターボタンを押し込む前の約1秒分を記録しておけるので、打球の瞬間やジャンプの頂点など、反応してからでは間に合わない動きにも対応しやすくなります。
UHS-II対応とバッファの余裕
Z50IIはメモリーカードがUHS-II対応になりました。Z50はUHS-Iまでなので、連写時にバッファが詰まると書き込み待ちが長く、その間シャッターが切れないストレスが出やすい設計でした。
UHS-IIカードを使えば、連写後の書き込み時間が短くなり、次のチャンスに備えるまでの復帰が早くなります。特にRAW+JPEGで撮る人や、長めのバーストを多用する人にとっては、体感がかなり変わる部分です。
スポーツやイベント撮影での実用イメージ
スポーツイベントや発表会を前提に考えると、Z50でも「ここぞ」というタイミングだけを狙って短く連写するなら十分戦えます。ただ、予測が難しいシーンや、決定的瞬間がどこで来るかわからないシチュエーションでは、どうしても連写時間を長めに引っ張りがちです。
その点、Z50IIはプレリリースキャプチャとUHS-IIカードのおかげで、ある程度ラフにシャッターを押しっぱなしにしても破綻しづらくなっています。「とにかく撮り逃しだけは避けたい」というスタイルなら、z50 z50ii 比較ではZ50IIの方が気持ちよく撮影を続けられるはずです。
ファインダー・背面モニター・操作性|見やすさと扱いやすさの違い
撮影のしやすさを左右するのはスペックだけではありません。EVFの見やすさや背面モニターの可動方式、ボタン配置やグリップ形状など「触り心地」も、Z50IIとZ50の比較で見逃せないポイントです。どちらも0.39型・約236万ドットの有機ELファインダーと3.2型モニターを備えていますが、その使い勝手は微妙に違います。
EVFの視認性と明るさ
スペック上の解像度や倍率は、Z50とZ50IIでほぼ共通です。0.39インチ・約236万ドットの有機ELパネルで、倍率も35mm換算で約0.68倍相当とされています。
違いが出るのは明るさ調整の幅です。Z50IIは最大輝度がZ50の約2倍となる1000ニット相当に引き上げられており、晴天の屋外でもファインダー像が白っぽくなりにくく、シャドー部のディテールを確認しやすくなっています。また、EXPEED 7の処理能力により表示の追従や被写体認識枠の動きもスムーズです。
チルト液晶とバリアングル液晶の違い
Z50は180°下方向に開くチルト式モニターを採用しており、自撮りモードではモニターを下に倒して構図を確認するスタイルになります。三脚なしでの手持ち自撮りなら問題ありませんが、三脚を使うとモニターが脚と干渉してしまい、前方から画面を確認できないという弱点がありました。
Z50IIは横開きのバリアングル式を採用しています。モニターを横に開いてから回転させれば、三脚使用時でもしっかり自分の顔や構図をチェックできますし、縦位置撮影やローアングル・ハイアングルでも自由度が大きく向上します。Vlog用途や縦動画撮影が増えている今、バリアングルの恩恵は大きいでしょう。
ボタンレイアウトとグリップの握り心地
Z50IIは外観デザインも見直され、上位機のZ6IIIやZfに近いレイアウトへと整理されています。前後ダイヤルやファンクションボタンの配置が整理されているため、露出補正やISO変更といった操作をファインダーを覗いたまま直感的に行いやすくなっています。
グリップも一回り深くなり、重めのズームレンズを付けたときのバランスが良くなりました。その代わりボディ重量は増えていますが、長時間の撮影での疲れ方を考えると、握りやすさの向上は大きなメリットです。
動画性能とVlog適性|4K60pとログ撮影の意味
動画まわりの強化も、Z50IIがZ50に対して大きくリードしているポイントです。Z50IIとZ50の動画機能比較では、4K60p対応・ログ撮影・長時間記録の3つを押さえておくと、自分にとってどこまで必要か判断しやすくなります。
Z50の動画機能:4K30pまでなら十分実用的
Z50は4K UHD(3840×2160)の30pまで対応し、フルHDでは120pのスローモーション撮影もできます。センサー全幅を活かした4K記録が可能で、画質自体は良好です。
家族の記録動画や旅行Vlog、ちょっとした商品紹介程度であれば、Z50でも大きな不満は出にくいでしょう。問題になりやすいのは、長回しとグレーディング耐性です。Z50は1クリップあたり約30分の制限があり、インタビューやイベント全編を通しで録るような用途には向きません。カラーグレーディング向けのN-Logや10bit記録にも対応していないので、編集で映像を作り込みたい人には物足りなさが残ります。
Z50IIの4K60p・ログ撮影・長時間記録
Z50IIは4K60p(DX内でさらにクロップあり)に対応し、4K30pではセンサー全幅からの約5.6Kオーバーサンプリングで高精細な映像が得られます。N-LogやHLGによる10bit記録にも対応しており、編集ソフト側で色やコントラストを追い込みやすくなりました。
記録時間も大幅に伸びており、フルHD 24/25pでは約2時間超、4KでもZ50より長めの連続撮影が可能です。前面にはRECランプも備わっているため、自分撮りでも「録れているかどうか」をひと目で確認できます。Vlogやオンライン配信を視野に入れるなら、Z50IIのほうが明らかに余裕のある設計です。
Vlog・ライブ配信での使い勝手
Vlog目線で見ると、バリアングルモニター・USB-C給電・長時間録画・高輝度EVFという組み合わせは、Z50IIに明確なアドバンテージを与えています。USB-C経由で電源供給しながら配信したり収録できるため、バッテリー残量をそこまで気にせず撮影を続けられます。
一方、Z50は簡易的なVlogや短時間の配信であれば対応可能ですが、配信時間が長くなってくるとバッテリーと録画制限の両方が足かせになりやすいです。軽さを優先して「たまに動画も撮る」程度ならZ50でも十分ですが、本格的に動画も楽しみたいならZ50IIを選んだ方が後悔は少ないでしょう。
サイズ・重量・バッテリー|携行性とスタミナを比較する

Z50IIは機能強化の代償として、ボディサイズと重量が増しています。Z50IIとZ50の比較においては、この「重さの違い」をどう捉えるかが意外と重要です。さらに、どちらも同じEN-EL25系のバッテリーを使いますが、CIPA基準の撮影可能枚数やUSB給電周りにも差があります。
ボディサイズと重量の違い
サイズはZ50が約127×94×60mm、Z50IIが約127×96.8×66.5mmと、Z50IIのほうが高さと奥行き方向にやや大きくなっています。
重量はZ50がバッテリー・メモリーカード込みで約450g、Z50IIが同条件で約550gと、その差は約100gです。数字だけ見ると些細に見えるかもしれませんが、実際に首から提げて1日歩くと疲れ方はそれなりに変わります。
キットズームを組み合わせた合計質量でも、Z50が約585g、Z50IIが約685gと、やはり100g前後の差があります。「少しでも軽い方がいい」「旅行用サブ機として気軽に持ち歩きたい」という視点なら、Z50の軽快さは今でも大きな武器です。
バッテリー持ちとUSB給電
バッテリーはいずれもEN-EL25系を採用していますが、Z50IIではEN-EL25aが標準になっています(従来のEN-EL25も使用可能)。CIPA基準の撮影可能枚数はZ50IIのほうがやや少なく、EVF使用で約230枚、モニター使用で約250枚とされています。
一方、Z50はEVF使用で約280枚、モニター使用で約320枚と公称されています。どちらにせよ、「1日じっくり撮るなら予備バッテリー1〜2本は欲しい」というラインです。Z50がMicro USBなのに対し、Z50IIはUSB-C PD対応で、モバイルバッテリーからの給電・充電運用がしやすくなっています。
旅行・日常スナップでの持ち歩き感
旅行用のカメラとして考えると、「軽さ」か「安心感」かで評価が分かれます。Z50は軽量コンパクトで、街歩きのバッグに入れても負担が少なく、観光中に常に首から提げていても苦になりません。
Z50IIは重くなった分、グリップの安定感や操作性が向上しているため、長時間構えていてもホールドしやすく、重いレンズを付けたときのバランスが良くなっています。「一眼らしい握り心地」を求める人にはこちらが向きます。
価格・コスパ・レンズ構成|トータル費用でZ50IIとZ50比較
カメラ選びではボディだけでなく、「どんなレンズを組み合わせられるか」「トータルでいくらかかるか」も大切です。Z50IIとZ50の比較では、新品価格・中古相場・DXレンズラインナップの3点を押さえておくと、無理のない予算計画が立てやすくなります。
新品価格と中古相場の目安
2025年時点での相場を見ると、Z50IIボディ単体価格は145,200円(税込)、16-50mm標準ズームキットは16万円台後半、18-140mmキットやダブルズームキットは20万円弱が目安です(いずれも税込)。
一方Z50はすでに生産終了となっており、新品よりも中古の流通が中心になりつつあります。中古ボディはおおよそ6〜7万円程度、ダブルズームキットでも10万円前後で見つかることが多く、予算を抑えたいユーザーには現実的な選択肢です。
単純に価格だけで比べると、Z50IIはZ50より5〜7万円ほど高くなるイメージです。この差額を「AF・動画・操作性・長期運用への保険」として納得できるかどうかが、コスパ判断のポイントになります。
キットレンズの選び方とおすすめ構成
Z50IIには、ボディ単体のほかに16-50mm VRキット、18-140mm VRキット、ダブルズームキットといったバリエーションがあります。日常使いなら16-50mmキット、旅行や運動会まで幅広くカバーしたいなら18-140mmやダブルズームが便利です。
Z50の中古キットにもほぼ同じ構成が揃っているため、レンズの選択肢は基本的に共通と考えて構いません。いずれもDX専用のコンパクトなズームレンズで、ボディとのバランスも良好です。
これから増えるDXレンズとの相性
DX用Zレンズはフルサイズ用に比べるとまだ少ないものの、標準ズーム・望遠ズーム・軽量単焦点はひと通り揃っています。さらに2025年にはDXユーザー向けに16-50mm f/2.8やDXマクロなどの新レンズも発表され、Z50IIを含むAPS-Cボディのレンズ選びは着実にしやすくなってきています。
Z50・Z50IIいずれを選んでも、将来的にDX用レンズを買い足していく楽しみは十分あります。フルサイズ用のZレンズも問題なく装着できるため、「いずれフルサイズにステップアップしたい」という人にとっても、投資が無駄になりにくいマウントです。
撮影シーン別:Z50IIとZ50どちらが向いている?
スペックをいくら眺めても、最終的には「自分が何を撮るか」で答えは変わります。Z50IIとZ50の比較を実際のシーンに当てはめると、選びやすさが一気に変わるはずです。ここでは代表的な3パターンに分けて、それぞれどちらが向いているか整理してみましょう。
家族・子ども・ペット撮影メインの場合
小さな子どもやペットは予測不能な動きをします。走り出したり急に振り向いたりするので、AFと連写の性能がものを言います。この用途では、被写体認識AFとプレリリースキャプチャを備えたZ50IIが有利です。
瞳や顔にしっかり食いつき、フレーム内を動き回ってもAF枠が追い続けてくれるため、「全部ブレていた」という結果になりにくくなります。家族の一瞬の笑顔を確実に残したいというニーズなら、多少予算を上乗せしてもZ50IIを選ぶ価値があります。
旅行・スナップ・日常記録が中心の場合
旅行用や街歩きスナップが中心なら、重さとサイズ感が効いてきます。1日中持ち歩くことを考えると、Z50の軽さは大きなメリットです。サブバッグにも放り込みやすく、旅先で「今日は重いからやめておこう」と感じにくいのは大きいでしょう。
Z50IIはやや重くなったものの、グリップの安定感とEVFの見やすさ、USB-C給電などの安心感も得られます。長期旅行でホテルに戻ってからの充電運用や、夜景・室内撮影なども視野に入れるなら、Z50IIのほうがストレスは少なくなります。
趣味から一歩踏み込んだ作品撮りを狙う場合
写真・動画を趣味としてしっかり伸ばしていきたいという視点で見ると、Z50IIのほうが「伸びしろ」は大きくなります。被写体認識AFや4K60p、N-Log/HLG、フレキシブルカラーピクチャーコントロールなど、作品づくりに踏み込んだ機能が揃っているためです。
一方、Z50もRAWで撮ってじっくり現像するスタイルなら作品レベルの写真が撮れます。制約がある分、光や構図に意識が向きやすく、「思考の練習機」として優れている側面もあります。将来フルサイズへのステップアップを視野に入れつつ、今からAFや動画機能も含めて最新の操作体系に慣れておきたいならZ50II。まずは静止画中心でじっくり基礎を固めたいならZ50、と考えると、自分の将来像に合った選び方がしやすくなるでしょう。
Z50IIとZ50の比較まとめ
Z50IIとZ50は、同じ20.9MP DXセンサーを共有しつつも、AF・動画・操作性・カード周り・電源周りなど「使い勝手」に差がある兄弟機です。被写体認識AFや4K60p、UHS-II対応、バリアングルモニターなど、最新世代の機能を幅広く取り込み、これ1台で写真も動画も長く楽しみたい人にはZ50IIが心強い相棒になってくれます。一方で、Z50は軽さと価格のバランスが魅力で、静止画中心の入門機として今でも十分現役で、用途次第ではベストな落とし所となるでしょう。
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