
ソニーがα7R Vとα7 IV向けに大型ファームウェアを公開


ソニーはフルサイズミラーレスカメラ「α7R V(ILCE-7RM5)」と「α7 IV(ILCE-7M4)」向けに、新しいファームウェアを同時公開しました。α7R VはVer.4.0、α7 IVはVer.6.0となり、どちらもユーザーインターフェースの見やすさからAF・動画・ネットワーク連携まで幅広く強化される、かなり大きめのアップデートです。縦位置撮影が多いユーザーや、FTP連携を使っているプロ・ハイアマにとっては、ワークフロー全体が一段引き上げられる内容と言って良さそうです。
この記事のサマリー

α7R Vとα7 IVに、大規模なUI・AF・動画・ネットワーク改善を含む大型アップデートが同時公開。

縦位置表示の最適化、AFエリア拡張、クリップ管理、FTPワークフロー強化など、日常撮影から現場運用まで実用性が大きく向上。

特に縦位置撮影・動画収録・速報業務のユーザーには恩恵が大きい内容です。
α7R V Ver.4.0の主なアップデート内容

■ 撮影画面・AFエリアの強化
α7R V向けVer.4.0では、まず撮影画面とAFまわりの使い勝手が大きく見直されています。縦位置と横位置で撮影情報のレイアウトが自動的に最適化されるようになり、縦構図でファインダーを覗く場面でも情報が読みやすくなりました。フォーカスエリアには、従来のスポットより大きい「スポット:XL」と、ユーザーが形やサイズを自由に決められるカスタムフォーカスエリア(Custom1〜3)が追加され、追尾AF側にも同じ構成のエリアが用意されています。スポーツや野鳥撮影のように「この範囲だけをしっかり追わせたい」というシーンで、AFエリア設計の自由度がかなり上がります。
■ 構図補助・表示まわりの改善
構図用の補助機能としては、新たに「黄金比グリッド」が追加されました。従来の三分割グリッドよりも、よりクラシックで安定したバランスを狙いたいときに活用できる選択肢です。また、メニュー画面を拡大表示するオプションも加わり、屋外の強い日差しの下や、細かな設定を追い込むときでも項目が視認しやすくなりました。
■ 動画・再生機能のアップデート
動画・再生まわりでは、現場でのチェックとラフ編集を意識した改善が多く盛り込まれています。録画中・再生中のどちらからでも、撮影したクリップに「OK/NG/KEEP」といったフラグを付けられるようになり、あとで編集するときに使うカットと捨てカットをカメラ側で仕分けしやすくなりました。同時記録や自動リレー記録を利用している場合には、記録中に2枚のメモリーカードそれぞれの残容量をまとめて確認できるようになり、長時間収録でもメディア切れを予測しやすくなっています。さらに複数条件を組み合わせて再生対象を絞り込むフィルター機能や、再生時のAF-ON/AEL/削除ボタンへのカスタムキー割り当てにも対応し、「撮ったあと」を効率良く裁くための仕組みが整ってきました。
■ ワークフロー・メタデータ機能の強化
ワークフロー面では、複数のIPTCプリセットをカメラにインポートして切り替えられるようになったほか、ソニーの「Camera Authenticity Solution」によるデジタル署名にも対応します。これは撮影時点で静止画や動画ファイルに改ざん検出用の署名情報を書き込む仕組みで、報道やコマーシャル案件などでコンテンツの真正性を証明したい場面に向けた機能です(別途ライセンス契約や地域制限あり)。加えて、ボリュームフォト向けのライセンス機能にも対応し、大量の画像をカメラ側でタグ付け・トリミングしてさばく用途まで視野に入れたアップデートになっています。
α7 IV Ver.6.0の主なアップデート内容
■ UI・AFエリアのアップデート
α7 IV向けのVer.6.0も、基本的な方向性はα7R Vと同じです。縦位置/横位置ごとの撮影情報レイアウト最適化や、スポット:XL+Custom1〜3のフォーカスエリア追加、黄金比グリッド、メニュー拡大表示といったUI面の強化は共通で、AFエリア設計の自由度と画面の見やすさが一気に現行世代並みに近づきます。
■ 動画・再生機能の強化
動画・再生機能も同様に、クリップごとのOK/NG/KEEPフラグ付け、2スロットの残容量表示、リレー記録のシームレス再生、再生フィルターや再生時カスタムキーの拡張などが加わっています。そのうえでα7 IV独自のポイントとしては、動画記録中に常時オーディオレベルメーターを表示できるようになった点が挙げられます。外部レコーダーを使わずボディ内収録するケースでは、音量のクリップや録り逃しを避けやすくなり、YouTube撮影やイベント撮影の安心感が一段増す改善です。
■ ワークフロー・メタデータ機能の改善
こちらもIPTCプリセットの切り替え、Camera Authenticity Solutionによる動画ファイルへの署名、ボリュームフォト向けライセンスなど、ワークフローを意識した機能が追加されています。初期のファームウェアから一気にVer.6.0に上げる場合は、これまでのEye AF精度向上やタッチシャッター追加、Wi-Fi安定性改善といった過去アップデート分もまとめて取り込めるため、「久しぶりにアップデートするα7 IVユーザー」にとっては変化を大きく感じられるはずです。
FTP・ネットワークまわりのワークフロー改善
両機種共通で、FTP関連の機能も強化されています。カード記録中でもFTP転送のスケジュールを設定できるようになり、現場で撮りながらバックグラウンドでデータを送る運用がしやすくなりました。さらに、プロテクトをかけた静止画・動画を自動的にFTP転送キューへ入れたり、FTPで送ったファイルを自動的にプロテクトしたりといった設定も可能になっています。試合速報や報道現場のように「とりあえずこの1枚を最優先で送りたい」という場面では、転送中に優先画像を指定できる機能も役立ちます。
また、スマホ/タブレット向けの「Monitor & Control」アプリとの連携では、フォーカスマップ表示に対応しました。これにより、外部モニター代わりにタブレットを使いながら、ピントの山や被写界深度を視覚的に確認する運用もしやすくなっています。
アップデート時の注意点とおすすめユーザー
今回のアップデートでは、セキュリティ強化の流れを受けて古いWi-Fi暗号化方式(WEPや初期のWPA)やIPsecベースのセキュリティ機能が廃止され、WPA2/WPA3とAccess Authenticationの利用が推奨されています。スタジオや職場の無線LAN環境が古いままの場合、アップデート後に接続できなくなる可能性があるため、環境の見直しも含めて準備しておくと安心です。また、ネットワーク設定や一部のカスタムキー、My Menuの項目は更新時に初期化されるケースがあるため、自分の設定をメモしてから作業に入るのがおすすめです。
まとめ
総じて、α7R V/α7 IVともにすでに完成度の高いボディですが、今回のファームウェアでUIのこなれ具合やプロ向けワークフロー連携はさらに磨きがかかった印象です。縦位置でのポートレート撮影が多い人、スポーツやイベントでFTP転送を使う人、動画と静止画を混在させた現場で動く人ほど、恩恵を強く感じられるアップデートになっています。該当ユーザーは、仕事や撮影スケジュールの合間を見てアップデートしておく価値は十分にあるはずです。
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