
SONY α7R Vが最新Ver.4.00公開|AF領域拡張・FTP強化・電子署名対応まで一挙追加


ソニーの高画素機α7R V(ILCE-7RM5)向けに、本体ソフトウェア Ver.4.00が公開されました。今回のアップデートは、AFエリア設定や表示まわりの強化、動画・再生機能の拡張、FTP転送やセキュリティ仕様の見直しなど、実際の現場運用に直結する変更が多い大型アップデートです。
この記事のサマリー

ソニーα7R Vに大型アップデートVer.4.00登場。AFエリア強化とFTP・セキュリティ刷新で現場運用が大きく進化

スポットAF XLやカスタムAFエリア、黄金分割グリッドなど撮影UIが大幅強化されたα7R V向け最新ファームウェア

FTP自動転送・優先転送や電子署名対応で、報道・商業ワークフローを意識したVer.4.00アップデートがα7R Vに提供開始
アップデート前に確認したい設定リセット

Ver.4.00への更新にあたって注意したいのが、一部設定が初期化される点です。モニター反転表示やネットワークストリーミング、クラウド接続、アクセス認証といったネットワーク関連の設定に加え、カスタムキーの「フォーカスエリア切換」「スマートフォン転送」、マイメニューの「バージョン」「タッチ感度」「タッチパネル設定」などがリセット対象になります。
これらは設定の保存/読込でバックアップしていても、Ver.4.00以降のボディには引き継がれない項目となるため、アップデート前にスクリーンショットやメモで控えておくのがおすすめです。
AFエリア強化と黄金分割グリッドで撮影が快適に
撮影まわりでは、AFエリアと表示機能が大きく強化されています。スポットAFには一回り大きな「スポット:XL」が追加され、被写体の動きが読みにくい場面でもピントを追いやすくなりました。さらに独自形状のエリアを登録できる「カスタム1〜3」が新設され、それらを使ったトラッキングAF(トラッキング:カスタム1〜3)や「トラッキング:スポット XL」にも対応します。これにより、撮影ジャンルごとにAFエリアを最適化したいプロユーザーにも応えられる構成になりました。
フレーミング支援としては、新たに「黄金分割」グリッドが追加されたほか、撮影情報表示レイアウトが縦位置・横位置の両方に対応しました。さらにメニュー画面自体を拡大表示できるようになり、屋外の強い日差しの下でも文字情報が読み取りやすくなっています。こうした細かなUI改善は、長時間の撮影現場でじわじわ効いてくる部分です。
動画・再生機能の拡張で選別作業を効率化
動画ユーザー向けには、クリップごとに「OK/NG/KEEP」の3種類のフラグを付けられる機能が追加されました。現場で仮セレクションをしておき、編集担当に「OKカットだけ渡す」といった運用がしやすくなります。また、同時記録やリレー記録時に両スロットの残量を同時表示できるようになり、残り記録時間の把握が容易になりました。
再生面では、カードをまたいだリレー再生に対応し、レーティングなど複数条件を組み合わせて再生対象を絞り込めるようになっています。さらに再生中のAF-ON・AEL・削除ボタンにもカスタムキー設定が行えるようになり、チェック・削除・レーティングといった「撮った後の作業」をカメラ側でかなり効率化できるようになりました。
IPTCプリセットと電子署名でプロワークフローを後押し
報道・商業用途を意識した改良として、複数のIPTCプリセットを登録・切り替えできるようになりました。スポーツ、ブライダル、広告撮影など、現場ごとにメタデータを切り替えるユーザーにとっては大きな時短要素になります。
加えて、「真正性カメラソリューション」に対応する電子署名書き込み機能(静止画・動画)も新たにサポート。これは有償ライセンスが必要で提供地域も限定されますが、改ざん防止やオリジナル証明が求められる現場には重要な一歩といえます。
FTP転送の自動化・優先転送で速報性アップ
ネットワークとFTPまわりも大幅に強化されています。メディアへの書き込み中でもFTP転送予約が行えるようになり、シャッターを止めずに送信キューを積んでいく運用が可能になりました。さらに、プロテクトした静止画・動画を自動的にFTP転送予約する機能や、転送済みファイルに自動プロテクトをかける機能も追加されており、重要カットの扱いをミスしにくくなっています。
また、FTP転送時に特定の画像を優先的に送る「優先転送」に対応したことで、速報性が求められるスポーツや報道現場での運用がしやすくなりました。モバイルアプリ「Monitor & Control」側では、フォーカスマップ表示にも対応し、小規模チームでの動画撮影でもピント状況をタブレット上で直感的に把握できるようになっています。
セキュリティ仕様の見直しと不具合修正
一方で、セキュリティ仕様もアップデートされ、「IPsec」やWi‑Fiの「WPA」「WEP」といった旧来の方式への対応は終了しました。今後は、より強度の高い「アクセス認証」を有効にしたうえで、WPA2またはWPA3での接続が前提となります。古いルーターやネットワーク環境を使っている場合は、アップデート前に対応状況を確認しておく必要があります。
不具合修正としては、フォーカスブラケットでピントが無限遠まで届かない場合があった問題や、ロスレス圧縮RAW+露出ブラケット+ホワイトバランス固定の条件で色再現が変化することがあった問題が改善されています。そのほか動作安定性も向上しており、仕事でα7R Vを酷使しているユーザーほど恩恵を感じやすい内容です。
まとめ:現場運用を底上げする「入れておきたい」アップデート
今回のVer.4.00は、スペック表の数字が増えるタイプのアップデートではありませんが、AF挙動、再生・選別、メタデータ、FTP転送、セキュリティなど、プロワークフローの「実際に困っていた場所」にじわっと効いてくる改善が多く含まれています。設定リセットの影響とネットワーク環境だけ事前に確認したうえで、α7R Vをメインで使っている方は、早めに適用しておく価値の高いアップデートだと言えそうです。
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