ラセイタタマアジサイ

ラセイタタマアジサイは、伊豆諸島に自生するタマアジサイの変種で、八丈島三原山や八丈富士の中腹など、霧や雲が流れる森の中で見られる落葉低木です。蕾は名の通り丸い玉状で、8月ごろに淡い青紫の小花を咲かせます。ザラついた大きな葉と丸い蕾の対比がユニークで、マクロで葉脈や蕾の質感に寄れば、山の湿った空気まで伝わる一枚になります。自生地では苔むした倒木やシダと組み合わせやすく、林床の暗さに浮かぶ蕾や装飾花を選んで背景を整理すると、青い玉が森の闇にぽっと灯ったような印象的な写真になります。霧の日にはコントラストがやわらぎ、しっとりとした八丈島らしい空気感が強く写ります。