
【2026年版】Panasonic LUMIX GH7レビュー比較まとめ AF・動画性能・手ブレ補正・競合機との違いを解説




LUMIX GH7は、マイクロフォーサーズ(MFT)のGHシリーズで初めて像面位相差AFを搭載した、動画機能重視のハイブリッドカメラです。Apple ProRes RAWの内部記録、センサー全域を使う5.8Kオープンゲート撮影、記録できる明暗差を広げるダイナミックレンジブースト、別売アダプターを使った32bitフロート録音に対応しています。一方、ボディはMFT機としては大きく、動画関連の設定項目も豊富です。写真を中心に軽快に持ち歩けるカメラを探している人は、機能を持て余す可能性があります。この記事ではレビューを含め、向いている人、活用しやすい撮影シーン、競合機との違いを詳しく紹介します。
この記事のサマリー

Panasonic LUMIX GH7は、GHシリーズで初めて像面位相差AFを搭載し、人物や動物、乗り物を追いながら撮影しやすくなった動画機能重視のカメラです

Apple ProRes RAWの内部記録、5.8Kオープンゲート、4K120p、冷却ファンを備え、縦横両方の動画制作や長時間収録に対応します

最大7.5段のボディ内手ブレ補正と動画向け電子補正により手持ち撮影にも対応しますが、電子補正を強くすると画角が狭くなる点には注意が必要です

CFexpress Type B、SDメモリーカード、外付けSSDを使い分けられ、別売のDMW-XLR2を装着すれば32bitフロート録音も利用できます

約805gとMFT機としては大きく設定項目も多いため、写真を軽快に楽しむ人より、動画の撮影から編集まで本格的に取り組む人に向いています
Panasonic LUMIX GH7のレビュー要点

(Via:Digital Camera World)
おすすめな人
LUMIX GH7はインタビュー、イベント、ブライダル、舞台収録など、長時間の連続撮影が必要な人に向いています。内蔵ファンによる放熱構造を備えており、推奨使用温度内のCinema4K/4K 60p以下では、バッテリーと記録メディアの容量が続く範囲で時間制限なく記録できます。
ただし、Cinema4Kを超える解像度、VFR/HFRを使ったハイスピード撮影、ProRes記録には温度による制限があります。すべての記録モードで無制限になるわけではないため、長時間収録では使用する設定を事前に確認しておきましょう。
縦動画と横動画を同じ素材から制作する場合は、5.8Kオープンゲートも便利です。撮像範囲を広く残せるため、撮影後に16:9の横動画や9:16の縦動画へ切り出せます。撮影時に縦横それぞれの構図を作り直す手間を減らせるでしょう。
AFでは、GHシリーズで初めて像面位相差AFを採用しました。人物、動物、車、バイク、列車、飛行機などを認識でき、動画撮影中も被写体を追いやすくなっています。
Digital Camera WorldのGareth Bevan氏も、位相差AFの搭載をGH6からの大幅な性能向上と評価しています。人物の顔や瞳を追う精度が上がり、複数の被写体が動く場面でも追従が安定したと述べています。
不向きな人
旅行スナップや日常の記録など、静止画を中心に軽快に撮りたい人には、ボディサイズや多機能さが負担になる場合があります。写真を中心に使うなら、より小型のMFT機や静止画向けに設計されたモデルも比較したほうが選びやすいでしょう。
背景を大きくぼかしたポートレートを重視する人にも注意が必要です。マイクロフォーサーズでも明るいレンズを使えば背景をぼかせますが、同じ画角と撮影距離ではフルサイズより背景のボケが小さくなる傾向があります。ボケを最優先する場合は、APS-Cやフルサイズ機も比較候補です。
Amateur Photographerのレビューでは、GH7のAFや手ブレ補正、操作性を高く評価する一方、ボディがやや大きいことや、大型センサー機に比べてダイナミックレンジで不利になる場面があることを注意点に挙げています。
また、センサー出力が60fpsを超える動画モードでは、ダイナミックレンジブーストが作動しません。V-Log撮影時のラチチュード(記録できる明暗差の広さ)は、60fps以下では13+ストップ、61fps以上では12+ストップです。
4K120pやFHD240pを頻繁に使う場合は、明るい部分が白く飛ばないように露出を調整したり、必要に応じて照明を使ったりする必要があります。通常速度の動画とハイスピード撮影では、明暗差への対応力が同じではありません。
要素別レビュー早見表
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
コンセプト | 静止画にも対応していますが、中心となるのは動画撮影です。内部RAW記録、オープンゲート撮影、音声機能など、動画制作向けの機能が充実しています。 |
画質(静止画) | 有効約2520万画素で、風景や商品撮影にも使える解像力があります。ハイレゾモードにも対応しますが、複数の画像を合成するため、動く被写体では合成のずれが出ることがあります。 |
AF性能 | 像面位相差AFと被写体認識により、人物、動物、乗り物を追いやすくなりました。GH6よりも動く被写体を撮影しやすくなっています。 |
連写性能 | 電子シャッターでは、AFSまたはMF時に最大75コマ/秒、AFC時に最大60コマ/秒で撮影できます。プリ連写にも対応し、動き出す直前の瞬間も残せます。 |
動画性能 | Apple ProRes RAWの内部記録、5.8Kオープンゲート、4K120p、FHD240pに対応。Cinema4K/4K 60p以下は時間制限なく記録できますが、高解像度、VFR/HFR、ProRes記録には温度制限があります。 |
手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正を搭載しています。動画の電子補正を強くすると画角が狭くなったり、動かし方によっては画面端に不自然なゆがみが出たりすることがあります。 |
操作性・拡張性 | チルトとフリーアングルの両方に対応したモニター、CFexpress Type BとSDのデュアルスロット、外部SSD記録、フルサイズHDMI端子を備えています。設定項目は多めです。 |
携帯性 | バッテリーとSDメモリーカードを含む重量は約805gです。小型軽量よりも、長時間撮影時の安定性や放熱性能を重視しています。 |
価格・コスト | 動画機能をどの程度使うかによって、価格に対する評価が分かれます。CFexpressカードやSSDなどの周辺機材も含めて検討しましょう。 |
Panasonic LUMIX GH7の基本情報

GH7は、GH6で採用された冷却ファンや操作系を引き継ぎながら、センサー、AF、動画の記録形式を更新したモデルです。静止画と動画の両方に対応していますが、機能の多くは動画制作を想定したものとなっています。
発売日とGH6からの主な変更点
LUMIX GH7は、2024年7月26日に発売されました。新たに有効約2520万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用し、GHシリーズで初めて像面位相差AFを搭載しています。人物や動物を追いながら撮影する場面では、GH6よりAFを任せやすくなりました。
動画では、Apple ProRes RAWをカメラ内部に記録できるようになったことが大きな変更点です。外部レコーダーを使わずにRAW動画を残せるため、機材を増やしにくい少人数の撮影でも取り入れやすくなっています。ただし、記録モードによって使用できるメディアが異なり、4K以上のProRes記録ではSDメモリーカードを使用できません。
DPReviewも、GH7について、優れた動画画質と豊富な動画支援機能を備えた、完成度の高い動画向けカメラと評価しています。特に、内部ProRes RAW記録と位相差AFは、GH6から買い替える理由になりやすい変更点です。
外部SSDへの直接記録、撮影データをクラウドへ送信できるFrame.io Camera to Cloud、色をカメラ内で反映できるリアルタイムLUTにも対応しています。撮影後のデータコピーや編集準備にかかる手間を減らせる点も、GH7の特徴です。
主なスペック
購入前に確認しておきたい主な仕様をまとめました。
項目 | 仕様 |
|---|---|
センサー | 4/3型 裏面照射型CMOSセンサー、有効約2520万画素 |
ISO感度 | 静止画:ISO100~25600、拡張ISO50 |
AF | 像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた方式。人物、動物、車、バイク、列車、飛行機の認識に対応 |
連写 | 電子シャッター使用時、AFS/MFで最大75コマ/秒、AFCで最大60コマ/秒。プリ連写対応 |
動画 | 5.8K 30pオープンゲート、4K120p、FHD240p、Apple ProRes RAW内部記録 |
手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正、最大7.5段。CIPA規格に基づく指定レンズ・指定焦点距離での測定値 |
EVF | 約368万ドットの有機ELライブビューファインダー |
モニター | 3.0型、約184万ドット、チルトフリーアングル式タッチパネル |
記録メディア | スロット1:CFexpress Type B、スロット2:SDメモリーカード(UHS-II、V90対応) |
外部記録・出力 | USB-C接続による外部SSD記録、フルサイズHDMI出力 |
ダイナミックレンジ | V-Log時、センサー出力60fps以下で13+ストップ。61fps以上ではダイナミックレンジブーストが作動せず12+ストップ |
重量 | 約805g(本体、バッテリー、SDメモリーカード1枚を含む) |
Panasonic LUMIX GH7のデザインと操作性レビュー
GH7は深いグリップを備えた一眼カメラらしいデザインで、マイクロフォーサーズ機としては大きめです。携帯性を最優先した設計ではありませんが、長時間の手持ち撮影や、外付けSSD、マイクなどを取り付けた動画撮影では構えやすさにつながります。
深いグリップで安定して構えやすい
GH7は、バッテリーとSDメモリーカードを含めて約805gです。小型のマイクロフォーサーズ機と比べると重さはありますが、グリップが深く、大きめのズームレンズを装着したときも安定して持ちやすい形状です。
ePHOTOzineでも、GH7について「大きくしっかりとしたボディだが、手になじみやすい」と評価しています。ボタンの配置についても高く評価しており、ホワイトバランス、ISO感度、露出補正を専用ボタンから変更しやすい点を挙げています。
首から下げて長時間持ち歩く用途では重さを感じやすいものの、動画撮影ではある程度の重量があることで構えが安定しやすくなります。カメラを左右や上下へゆっくり動かす撮影でも、動きを一定に保ちやすいでしょう。
ケーブル接続時も動かしやすい背面モニター
背面モニターには、上下に角度を変えられるチルト機構と、横方向に開くフリーアングル機構が組み合わされています。HDMIケーブルやUSB-Cケーブルを接続しているときも、端子との干渉を避けながら画面の向きを調整できます。外部モニターを使用する場合でも、背面画面でメニュー操作やピントの確認をしやすい構造です。
一方、動画に関する設定項目は多く、購入直後は目的の項目を探すのに時間がかかることがあります。リアルタイムLUTの切り替え、AFで認識する被写体、手ブレ補正、動画の記録形式など、よく使う機能をカスタムボタンへ登録しておくと、撮影中の設定変更がしやすくなります。
Panasonic LUMIX GH7の画質レビューとダイナミックレンジ

(Via:Amateur Photographer作例)
GH7は、有効約2520万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載しています。低いISO感度では細部まで写しやすく、風景や建築、料理、商品撮影などにも使用できます。ダイナミックレンジブーストによって、明るい部分と暗い部分が混在する場面でも階調を残しやすい点が特徴です。
約2520万画素の解像力とハイレゾモード
通常撮影でも十分な解像力があり、細かな模様や質感を重視する被写体に対応できます。さらに、センサーを動かしながら複数枚を撮影して合成するハイレゾモードでは、最大約1億画素の画像をカメラ内で生成できます。
GH7のハイレゾモードは三脚撮影だけでなく、手持ち撮影にも対応しています。三脚を使用できない場所でも高解像度の画像を撮影できますが、複数枚の画像を合成する仕組みのため、動いている人物や風に揺れる植物では合成のずれが出ることがあります。
Amateur Photographerでは、低いISO感度では、約2400万〜2600万画素のAPS-C機やフルサイズ機に匹敵する細部を写せると評価しています。また、手持ちと三脚の両方でハイレゾモードを試し、どちらも安定した結果を得られたと述べています。
ただし、高いISO感度で撮影した場合や、暗い部分を撮影後に大きく明るくする場合は、APS-C機やフルサイズ機との差が現れやすくなります。背景を大きくぼかしたい場合も、使用するレンズや撮影距離を考えて撮影する必要があります。
ダイナミックレンジブーストの特徴と制限
ダイナミックレンジブーストは、明るい部分を残すための画像と、暗い部分のノイズを抑えるための画像を合成する機能です。明暗差が大きい場面でも、白飛びや黒つぶれを抑えた映像を記録しやすくなります。
静止画では、特にRAWデータの暗い部分に階調を残しやすくなります。動画では、色や明るさを撮影後に調整するV-Log撮影時に、最大13+ストップのダイナミックレンジを記録できます。逆光の人物や、明るい屋外と暗い室内が同時に写る場面などで使いやすい機能です。
ただし、センサー出力が61fps以上になるHFR/VFR撮影では、ダイナミックレンジブーストは作動しません。4K120pやFHD240pなどのハイスピード撮影では、V-Log撮影時のラチチュードは12+ストップになります。
ハイスピード撮影を頻繁に使う場合は、画面内の明るい部分が白く飛ばないように露出を調整し、必要に応じて照明で明暗差を小さくすることが大切です。通常速度の動画とハイスピード撮影では、記録できる明暗差が同じではない点を理解しておきましょう。
Panasonic LUMIX GH7のAF性能と連写レビュー
GH7の大きな変更点のひとつが、GHシリーズで初めて採用された像面位相差AFです。被写体までの距離を測りながらピントを合わせるため、人物や動物などが前後に動く場面でも追従しやすくなりました。高速連写やプリ連写にも対応しており、スポーツや野鳥の撮影にも活用できます。
像面位相差AFで動く被写体を追いやすい
被写体認識は、人物、動物、車、バイク、列車、飛行機に対応しています。人物や動物では瞳、車やバイクでは車体の前部や運転者のヘルメットなど、優先してピントを合わせる部分も設定可能です。
運動会で走る子どもや室内を動き回るペット、被写体の前を別の人や物が横切る場面でも、従来のコントラストAFよりピントの位置が安定しやすくなっています。ただし、被写体と背景の色や明るさが近い場面では認識しにくいこともあるため、AFエリアを狭めて被写体の位置を指定するとよいでしょう。
CameraLabsでも、車やバイクでは車体前部やヘルメット、列車や飛行機では全体または前部を指定できる点を詳しく紹介しています。実写テストでは、人物が前後に動いた後で静止しても、顔と瞳を認識したままピントを維持できたと評価しています。
なお、動画のフレームレートが60pを超える場合は被写体認識を使用できません。4K120pではコンティニュアスAFを利用できますが、通常のAFエリアを被写体に合わせて撮影する必要があります。FHD200p・240pではコンティニュアスAFも使用できず、基本的に撮影開始前にピントを合わせる方式となります。
高速連写とプリ連写で動き出す瞬間を残せる
電子シャッターでは、ピントを1コマ目に固定するAFSまたはMF時に最大75コマ/秒、撮影中もピントを合わせ続けるAFC時に最大60コマ/秒の連写が可能です。飛び立つ鳥やジャンプの頂点、短時間で変化する表情などを連続して記録できます。
プリ連写では、シャッターボタンを全押しする前の画像も一時的に記録します。鳥が飛び立つ時刻を正確に予測できない場面でも、動き始めた瞬間を残しやすい機能です。CameraLabsのテストでも、鳥が飛び立ってからシャッターを全押しした場面で、離陸前の画像まで記録できたと報告されています。
ただし、電子シャッターによる高速連写では、動く被写体が傾いて写るローリングシャッター歪みや、人工照明の明るさにむらが出るフリッカーが発生する場合があります。被写体の動きを止められるシャッター速度を選び、室内スポーツでは照明による写りへの影響も確認しておきましょう。野鳥を撮る場合は、被写体と枝や建物が重ならない場所を選ぶと、AFが背景へ移りにくくなります。
Panasonic LUMIX GH7の動画性能レビュー

(Via:TechRadar)
GH7は、高解像度や高フレームレートだけでなく、撮影後の編集まで考えた動画機能を備えています。Apple ProRes RAWの内部記録、5.8Kオープンゲート、内蔵ファンを利用した長時間収録などに対応しており、外部機器を減らした撮影にも使いやすいカメラです。
Apple ProRes RAWをカメラ内部に記録できる
GH7は、Apple ProRes RAWおよびProRes RAW HQをCFexpress Type Bカードや外付けSSDへ記録できます。外部レコーダーを接続せずにRAW動画を撮影できるため、少人数での撮影や、機材を大きくしにくい場所でも使用しやすくなっています。
ProRes RAWは、撮影後にホワイトバランスや露出を調整しやすい記録形式です。店内で複数の種類の照明が混在する場面や、窓から強い光が入る室内など、撮り直しが難しい撮影で編集の選択肢を残せます。ただし、レンズ補正やノイズ処理などを編集ソフト側で行う必要があるため、通常の動画より編集作業が増える点には注意が必要です。
TechRadarも、同価格帯の多くのカメラはRAW動画の記録に外部レコーダーが必要なのに対し、GH7は5.7KのProRes RAW HQを内部記録できる点を高く評価しています。
一方、5.7K 29.97pのProRes RAW HQは約4.2Gbpsとデータ量が大きくなります。記録時間に合った容量のCFexpressカードやSSDに加え、ProRes RAWに対応する編集ソフトと十分な保存容量を用意しておきましょう。
5.8Kオープンゲートと長時間収録に対応
5.8Kオープンゲートでは、4:3の撮像範囲を広く使って動画を記録します。撮影後に16:9の横動画、9:16の縦動画、横に長いシネマスコープ風の画面へ切り出せるため、YouTubeとショート動画の両方を同じ素材から制作する場合に便利です。
CameraLabsも、同じ5.8Kオープンゲートの映像から横向きと縦向きの構図を作成し、マイクロフォーサーズの4:3画面は、3:2のAPS-Cやフルサイズより縦方向を広く記録できる点を評価しています。
GH7は内蔵ファンを搭載しており、推奨使用温度内ではCinema4K/4K 60p以下を時間制限なく内部記録できます。実際の収録時間は、バッテリーと記録メディアの残量によって決まります。インタビューや舞台、講演会など、途中で録画を止めにくい撮影に適した設計です。
ただし、5.8KなどCinema4Kを超える解像度、VFR/HFRを使ったハイスピード撮影、ProRes記録には温度による制限があります。すべての記録形式を無制限に撮影できるわけではありません。長時間撮影の前には、使用する解像度やフレームレート、メディアの必要容量を確認しておきましょう。
外付けSSDを使用すれば、大容量の動画を記録しやすくなります。ただし、SSDを接続するとUSB-C端子を使用するため、同じ端子から給電できません。長時間撮影では、予備バッテリーや対応する外部電源も含めて準備する必要があります。CameraLabsのテストでは、USB給電と512GBのメモリーカードを使った4K30p撮影が、容量を使い切るまで約7時間半続き、過熱警告は表示されなかったと報告されています。
Panasonic LUMIX GH7の手ブレ補正と手持ち撮影レビュー
GH7は5軸ボディ内手ブレ補正に加え、動画向けのアクティブI.S.と電子手ブレ補正を搭載しています。三脚やジンバルを使いにくい取材、旅行、Vlogなどでも、手持ちで撮影しやすいカメラです。
静止画と動画の両方で手ブレを抑えやすい
ボディ内手ブレ補正の効果は最大7.5段です。ただし、これはCIPA規格に基づき、指定されたレンズと焦点距離で測定された数値です。すべてのレンズや撮影条件で同じ補正効果を得られるわけではありません。
静止画では、室内や夕方などの暗い場面でシャッター速度を遅くしても、手ブレを抑えやすくなります。ISO感度を必要以上に上げずに撮影できる場面が増えるでしょう。望遠域では、対応レンズの光学式手ブレ補正とボディ内手ブレ補正を連動させるDual I.S. 2も利用できます。
動画では、立ち止まって構える撮影や、ゆっくり歩きながら被写体を追う場面で手ブレ補正を活用できます。CameraLabsでは、レンズ内手ブレ補正を持たない35mm判換算150mm相当のレンズでも、ボディ内手ブレ補正を使うことで映像が大幅に安定したと評価しています。歩き撮りでは、ボディ内手ブレ補正、レンズ内手ブレ補正、電子手ブレ補正の「強」を組み合わせ、上下の揺れを抑えた映像を撮影できたと述べています。
電子手ブレ補正を強くすると画角が狭くなる
動画の電子手ブレ補正には「標準」と「強」があります。標準では焦点距離が約1.10倍、強では約1.25倍に相当する範囲まで画角が狭くなります。たとえば12mmのレンズで「強」を使用した場合、約15mm相当の画角になる計算です。室内撮影や自撮りでは必要な範囲が入りきらないことがあるため、撮影前に画角を確認しましょう。
GH7には、歩き撮りで発生しやすい画面周辺の不自然なゆがみを抑える「動画周辺歪み補正」も搭載されています。ただし、フレームレートや記録解像度によっては利用できません。急にカメラを振る撮影では、補正が追いつかず画面端に揺れが残る場合もあります。
CameraLabsのテストでは、4K120pで電子手ブレ補正を「強」にすると、スローモーション再生時に細かな揺れが目立つことがあったと報告されています。ハイスピード撮影では「標準」にするか、ボディ内手ブレ補正だけを使うなど、撮影内容に合わせて設定を変更したほうがよいでしょう。
Panasonic LUMIX GH7の記録メディア・音声・ワークフローレビュー

(Via:Amateur Photographer)
GH7は、CFexpress Type Bカード、SDメモリーカード、外付けSSDから記録先を選べます。別売のXLRマイクロホンアダプターを使った32bitフロート録音にも対応しており、映像と音声をカメラ内でまとめて記録できる点が特徴です。
CFexpress、SD、外付けSSDを使い分けられる
GH7は、スロット1にCFexpress Type Bカード、スロット2にUHS-IIおよびビデオスピードクラスV90対応のSDメモリーカードを採用しています。高ビットレートのProRes RAWやProRes 422を記録する場合は、主にCFexpress Type Bカードまたは外付けSSDを使用します。4K以上のProResはSDメモリーカードへ記録できませんが、FHDのProResはSDにも記録可能です。
低ビットレートのプロキシ動画をSDメモリーカードへ記録しながら、元の動画をCFexpress Type Bカードや外付けSSDへ保存することもできます。データ量の軽いプロキシ動画を先に編集へ使用し、仕上げの段階で元の動画へ置き換えられるため、大容量の映像を扱うときに編集を進めやすくなります。ただし、記録形式によってはプロキシ記録を利用できません。
外付けSSDはUSB-C端子へ直接接続します。容量の大きな動画を記録しやすく、撮影後はSSDをパソコンへ接続してデータを移せるため、カードリーダーを使わずに編集を始められます。Panasonicが動作確認した、容量2TB以下のUSB Type-C対応SSDの使用が推奨されています。
ただし、SSDを接続するとUSB-C端子が埋まるため、USB-Cからカメラへ直接給電することはできません。また、SSDはカメラのバッテリーから電力を受け取るため、通常よりバッテリーの消耗が早くなります。長時間撮影では、予備バッテリーまたは別売のACアダプターとDCカプラーを用意しておきましょう。
CameraLabsのレビューでは、1TBの外付けSSDを接続したところ、4K30pで約14時間の記録可能時間が表示されたと報告されています。一方、USB-C端子がSSDで使われるため、長時間収録にはダミーバッテリーなど別系統の電源が必要になる点も指摘しています。
別売アダプターで32bitフロート録音に対応
別売のXLRマイクロホンアダプターDMW-XLR2を装着すると、32bitフロート形式で音声を記録できます。通常の16bitや24bit録音より広い音量範囲を記録できるため、撮影中に細かな録音レベルを調整する手間を減らせます。大きな音と小さな音が混在するインタビュー、イベント、舞台などで使いやすい機能です。
ただし、GH7本体だけでは32bitフロート録音を利用できません。DMW-XLR2と、撮影内容に合ったXLRマイクを別途用意する必要があります。また、マイク自体の許容入力を超えて発生した歪みや、風切り音、周囲の雑音を自動で取り除く機能ではありません。
CameraLabsでは、32bitフロート音声が動画ファイル内に直接記録される点を評価しています。外部レコーダーで別の音声ファイルを作成する方法と異なり、編集時に映像と音声を同期する作業が不要になるためです。一方、32bitフロート録音には別売アダプターが必要であり、GH7本体だけの機能ではない点にも注意が必要だと述べています。
Panasonic LUMIX GH7と競合機の比較
GH7の主な比較対象は、動画撮影に特化したAPS-C機、静止画と動画の両方に強いAPS-C機、同じマイクロフォーサーズの静止画向けモデルです。価格やセンサーサイズだけでなく、内部RAW記録、オープンゲート撮影、静止画機能、長時間収録のうち、どの機能が必要かを整理すると選びやすくなります。
機種 | 主な特徴 |
|---|---|
Panasonic LUMIX GH7 | 静止画と動画の両方に対応した、動画機能重視のマイクロフォーサーズ機。Apple ProRes RAWの内部記録、5.8Kオープンゲート、別売アダプターによる32bitフロート録音に対応しています。 |
Sony FX30 | APS-Cサイズのセンサーを搭載したCinema Lineの動画向けモデル。6K相当の情報から生成する4K映像、4K120p、S-Log3、冷却ファンなどを備えています。ファインダーはなく、静止画機能は限定的です。 |
FUJIFILM X-H2S | 積層型APS-Cセンサーを搭載した高速ハイブリッド機。最大40コマ/秒の連写、6.2K 30p、4K120pに対応し、静止画と動画の両方を重視する人に向いています。 |
Panasonic LUMIX G9PROII | GH7と同世代の約2520万画素センサーと像面位相差AFを搭載した、静止画重視のマイクロフォーサーズ機。高速連写や被写体認識を使った動体撮影に強いモデルです。 |
Trusted Reviewsのレビューでも、GH7は豊富な動画記録モード、優れた手ブレ補正、GH6から改善されたAFを備えたモデルと評価されています。一方、カメラ本体が大きく、動画機能をあまり使わない人には過剰になる可能性も指摘されています。
Sony FX30:動画向けの操作性と小型ボディを重視する人に向く
Sony FX30は、動画撮影を前提としたCinema Lineの操作体系を採用しています。6K相当の情報を使った4K記録、4K120p、S-Log3、冷却ファンなどを備えており、静止画をほとんど撮らない場合は有力な選択肢となるでしょう。
カメラ本体にはファインダーがなく、静止画撮影時に使える機能も一般的なミラーレスカメラより限られています。一方で、小型のボディはジンバルやドローンに取り付けやすく、XLRハンドルユニット同梱モデルを選べる点も動画撮影では便利です。
GH7は、カメラ内部へのProRes RAW記録、5.8Kオープンゲート、静止画用ファインダー、別売アダプターによる32bitフロート録音に対応しています。縦動画と横動画を同じ素材から制作する場合や、外部レコーダーを使わずにRAW動画を残したい場合は、GH7のほうが目的に合いやすいでしょう。
FX30は動画撮影に必要な機能へ絞った構成、GH7は静止画にも対応しながら動画の記録形式や音声機能を広げた構成です。どちらが適しているかは、静止画を撮るか、内部RAWやオープンゲートを使うかによって変わります。
FUJIFILM X-H2SとLUMIX G9PROII:静止画をどの程度重視するかで選ぶ
FUJIFILM X-H2Sは、積層型APS-Cセンサーによる高速読み出しと最大40コマ/秒の連写を特徴とするハイブリッド機です。スポーツや野鳥などの静止画を撮りながら、6.2K 30pや4K120pの動画も使用したい人に向いています。
同じ画角と絞り値で撮影した場合、APS-CのX-H2SはマイクロフォーサーズのGH7より背景をぼかしやすくなります。一方、GH7は内部ProRes RAW、5.8Kオープンゲート、冷却ファン、32bitフロート録音など、動画の記録や音声に関する機能が豊富です。
Panasonic LUMIX G9PROIIは、GH7と同世代のセンサーや像面位相差AFを備えていますが、設計は静止画撮影を重視しています。冷却ファンや内部ProRes RAW、32bitフロート録音を必要とせず、写真を中心に動画も撮影したい場合は比較しやすいモデルです。
フルサイズも含めて検討する場合は、Panasonic LUMIX S5IIに加え、部分積層型センサーを搭載した現行のLUMIX S1IIも比較対象になります。背景のぼかしや高感度撮影を重視するならフルサイズ、望遠レンズを含むシステム全体の大きさや動画機能を重視するならGH7を検討するとよいでしょう。
詳しいレビューは以下の記事で紹介しています。
Panasonic LUMIX GH7のレビューまとめ
Panasonic LUMIX GH7は、像面位相差AF、Apple ProRes RAWの内部記録、5.8Kオープンゲート、冷却ファン、別売アダプターによる32bitフロート録音を備えた、動画機能重視のハイブリッドカメラです。
縦動画と横動画を同じ素材から制作したい人や、外部レコーダーを使わずにRAW動画を記録したい人、インタビューや舞台を長時間撮影したい人に向いています。一方、約805gと大きめで設定項目も多いため、写真を中心に軽快に持ち歩きたい人は、ほかのモデルも比較するとよいでしょう。
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