
FUJIFILM GFX100Sのレビュー比較まとめ 大判プリントや作品制作に向く高画素中判





FUJIFILMのGFX100Sは、約1億200万画素のラージフォーマット(約44×33mm)センサーとボディ内手ブレ補正を、約900gのボディに詰め込んだミラーレスカメラです。風景・作品撮り・広告向けのディテールや階調では今も魅力な一方で、AF追従や連写、動画のフレームレートにはやや不満が出る可能性もあります。この記事では複数メディアの実機レビューなどを踏まえ、どんな人に向いているのか、どんな人には不向きなのかを解説。競合カメラとの比較も紹介します。
この記事のサマリー

GFX100Sは「102MPの階調と解像」を手持ち運用まで引き上げた名機。風景・商業・ポートレートの“作品品質”を最優先する人におすすめ

連写はメカシャッター時で最大約5.0コマ/秒、電子シャッター時で最大約2.9コマ/秒。AFは人物撮影では実用的な場面も多いものの最新フルサイズ上位機ほど万能ではない

EVFは3.69Mドットで必要十分。ただし緻密なMF確認や快適さを求める人は後継GFX100S IIの方がおすすめ

設定にもよるものの102MP機だけに1枚あたりのデータは重くなりがち。PC性能、作業用ストレージ、バックアップ容量も要確認

後継機のGFX100S IIや、競合のSony α7R VI、Canon EOS R5 Mark IIとも徹底比較
GFX100Sのレビュー要点

FUJIFILMのGFX100Sは「最高クラスの静止画画質を、スタジオ専用機にしない」ことに成功したカメラです。CameraLabsは、GFX100Sは1万ドル未満で102MPのラージフォーマット画質を狙える点を高く評価しています。単なる高画素機ではなく、フルサイズ機とは異なる階調(明るさや色の変化のなめらかさ)や質感を重視する人向けのカメラといえます。
ただし、画質を重視したカメラだけに、連写やAFの速さは最新フルサイズ機ほど得意ではありません。さらに102MPの高画素を生かすには、手ブレやピントのズレ、RAWデータの大きさにも注意が必要です。まずは、おすすめな人・不向きな人を見ていきましょう。
おすすめな人
GFX100Sは、大判プリントや広告撮影、作品制作など、細部の描写や階調表現を重視する人におすすめです。風景では木々の葉の重なりや岩肌の質感、朝夕の繊細な色の変化まで残しやすく、RAW現像でも仕上げの幅を広く取れます。
ポートレートでも、肌のトーンをなめらかに描きつつ、衣装や髪の質感を自然に表現しやすいカメラです。ボディ内手ブレ補正も備えているため、屋外ロケなど三脚を使いづらい撮影でも、画質を重視しながら動きやすさを確保したい人に向いています。
不向きな人
GFX100Sは、スポーツや野鳥など、素早く動く被写体を連写で追い続けたい人にはあまり向いていません。連写速度は最大約5コマ/秒で、バッファにも余裕があるタイプではないため、たくさん撮って後からベストカットを選ぶ撮影では不満が出やすいでしょう。
また、撮って出しやSNS投稿が中心の人にも、102MPの高画素は持て余しやすい場合があります。最終的にスマホ表示や小さなプリントで見ることが多いなら、画質面のメリットよりもRAWデータの重さやPC負荷のほうが気になりやすいカメラです。
要素別レビュー早見表
GFX100Sは画質面で非常に高い評価を受けている一方、連写性能やデータ量など、用途によって評価が分かれるポイントもあります。まずは以下の表で、自分の撮影スタイルに合うかをどうかをチェックしてみてください。
要素 | 評価まとめ |
|---|---|
静止画画質(解像・階調) | 102MPラージフォーマットの情報量が圧倒的。大判プリントやトリミング耐性で強い。 |
高感度・ダイナミックレンジ | シャドウの持ち上げ耐性が高く、暗所でも階調が残りやすい。ベースISO付近で特に高い画質を得やすい。 |
手ブレ補正(IBIS) | 超高画素の手持ち撮影を成立させる要。静物・風景・人物で歩留まりが上がる。 |
AF(人物・静物) | 旧世代GFXより大幅改善。人物の顔/瞳でも実用的だが、最新フルサイズほど万能ではない。 |
連写・バッファ | メカシャッター時で最大約5.0コマ/秒、電子シャッター時で最大約2.9コマ/秒。短いバーストなら便利だが、長回しの連続決定打には向きにくい。 |
EVF/モニター | EVFは3.69Mドットで必要十分。三方向チルトは縦位置ローアングルにも強い。 |
動画 | 4K30pの10bitやログに対応し画は良いが、ハイフレームレートやAF追従重視だと物足りない。 |
データ量・現像負荷 | RAWが重くPC性能・ストレージ計画が重要。撮影枚数が多い人ほど負担を感じやすい。 |
2026年の販売状況 | 公式製品ページでは販売終了 |
表からも分かるように、GFX100Sは「画質を最優先する人」に向けたカメラです。連写や動画、ワークフローの軽さでは最新のフルサイズ機に譲る部分もありますが、解像力や階調表現を重視する撮影では、現在でも十分な魅力を持っています。
GFX100Sの基本情報
GFX100Sは、フラッグシップのGFX100で評価された約1億200万画素ラージフォーマットセンサーを、より持ち出しやすいボディに搭載したモデルです。2021年に登場した約44×33mmの102MPセンサー搭載ミラーレスでもあり、持ち出せるサイズ感と手ブレ補正を両立した点が大きな特徴でした。
記録メディアがSDデュアルであること、EVFが3.69Mドットであることなど、コストとサイズの制約から割り切った部分もありますが、静止画の“芯”は今も強いままです。
主なスペック要点
GFX100Sは「高画素中判」というイメージが先行しがちですが、実際には手ブレ補正やAF、動画機能まで含めてバランス良くまとめられています。まずは主要スペックから、本機の立ち位置を整理してみましょう。
項目 | 値 |
|---|---|
センサー | 43.8×32.9mm CMOS(約102MP) |
画像処理エンジン | X-Processor 4 |
ISO(常用) | ISO 100–12800 |
AF | 像面位相差+コントラストのハイブリッドAF(最大425点) |
連写 | メカシャッター時で最大約5.0コマ/秒、電子シャッター時で最大約2.9コマ/秒 |
動画 | DCI/UHD 4K 30p、H.265 4:2:0 10bit内部記録、HDMI 4:2:2 10bit出力に対応 |
手ブレ補正 | ボディ内5軸(最大約6段分) |
EVF | 0.5型 OLED 約3.69Mドット |
モニター | 3.2型 約2.36Mドット タッチ、三方向チルト |
メディア | SD×2(UHS-II対応) |
重量 | 約900g(バッテリー・カード込) |
注目すべきは、約1億200万画素のラージフォーマットセンサーとボディ内手ブレ補正を、このサイズ感に収めている点です。一方で、連写速度やEVF解像度などは最新機種と比べると控えめなため、どの性能を重視するかで評価が分かれるカメラでもあります。
後継機種との比較(GFX100S IIとの違い)
後継のGFX100S IIは、操作性が強化されています。センサーは同じく約102MPクラスでも世代が新しく、プロセッサ更新やAFの被写体認識、手ブレ補正段数、EVF解像度などで撮影時のストレスを減らす方向です。一方で、三脚を立てて風景を丁寧に撮るようなスタイルでは、出てくる画そのものは大きく変わりにくい、という見立てもあります。Dominey Photographyも、用途によっては旧型の価値が残る点を強調しています。
GFX100Sのデザインと操作性のレビュー

GFX100Sのボディは、ラージフォーマットとしては持ち運びやすいサイズ感ながら、上面サブモニターや深めのグリップで使いやすくまとめています。ダイヤルやボタンの配置も良く、撮影テンポも落としづらいでしょう。
なおGFX100Sは、従来の富士フイルム機に多いシャッタースピードダイヤル式ではなく、PASMダイヤルを採用しています。Xシリーズの操作感に慣れた人は最初に少し違和感があるかもしれませんが、他社フルサイズ機から乗り換える人には扱いやすく、現場でも迷いにくい操作系です。
PASMとカスタム設定:現場で迷いにくい作り
GFX100Sはカスタムの自由度が高く、複数ジャンルを同日に撮る人には特に便利です。たとえば「屋外ポートレート」「室内セレモニー」「夜景スナップ」のように条件が変わる現場でも、露出やAFモード、フィルムシミュレーション(色再現プリセット)をまとめて呼び出せるため、撮影のリズムが崩れにくいでしょう。
PetaPixelは、GFX100Sのカスタム設定を使えば、撮影シーンに合わせて好みの設定へすぐ切り替えられる点を評価しています。102MPの高画素機では、設定の違いが仕上がりに表れやすいため、撮影シーンごとに設定を保存しておける機能は、現場での操作ミスを減らす助けになります。
EVFと三方向チルト:構図作りは快適、精細感は控えめ
EVF(電子ビューファインダー)は約3.69Mドットで、数値だけ見ると最新高級機より控えめです。ただし、露出や構図の確認、拡大表示によるピントチェックには十分使えます。通常の撮影で大きな不満が出る場面は少ない一方、厳密なMFや細かなピント面の確認をEVF中心で行う人にとっては物足りなくなるケースもあります。
また、背面モニターの三方向チルト(角度調整できる背面モニター)は、縦位置のローアングルや、段差のある場所での構図作りに便利です。風景で三脚高を下げたとき、ポートレートで目線より少し下から自然に撮りたいときなどに役立つでしょう。
GFX100Sの画質レビュー
GFX100Sの魅力は、102MPという画素数の多さだけではありません。フルサイズより大きなセンサーにより明暗や色の変化をなめらかに描きやすく、RAW現像でも細かく調整しやすいデータが得られます。
その一方で、高画素機だけにピントのズレや手ブレも目立ちやすくなります。GFX100Sの画質をしっかり生かすには、シャッター速度の選び方、AFとMFの使い分け、レンズ選びまで意識することが大切です。
解像力と階調:102MPは「切り出し耐性」以上の価値
102MPの利点は、単にトリミングに強いだけではありません。たとえば風景の遠景では、木の枝や建物の窓など細かな部分まで描き分けやすくなります。そのため、現像で明暗差や色を調整しても、細部の質感を保ちやすいのが強みです。また、広告用途の物撮りでも、素材の微細な凹凸や、金属のハイライトの粘りが表現しやすくなります。
Michael Clarkのレビューでも、GFX100Sの画質は大きく評価されています。特に102MPの解像力だけでなく、色や階調の出方、細部までしっかり残る描写力が印象的だとされており、大判プリントや作品制作で力を発揮するカメラだと分かります。極端に拡大して見る用途だけでなく、写真全体の質感や仕上がりを高めたい人に向いた一台です。
高感度とRAW耐性:暗部の階調を残しやすい
GFX100Sは、暗所ならどんな場面でもノイズを抑えられるカメラというわけではありません。ただし、ラージフォーマットセンサーの余裕により、暗部を明るく補正したときにも色が崩れにくく、ざらつきが目立ちにくい場面があります。
夜の街並みや薄明の風景、室内の自然光ポートレートなど、露出判断が難しいシーンでもRAW現像で調整しやすいのは大きな強みです。暗部の情報を残しながら仕上げたい撮影では、GFX100Sらしい粘りを感じやすいでしょう。
TechRadarは、非常に高いISOでもディテールとダイナミックレンジを保ちやすい点をセンサーサイズの優位として述べています。実際の撮影時は可能なら低めのISOを選びつつ、どうしてもシャッター速度が必要な場面だけ上げる、というバランスが扱いやすいでしょう。
GFX100SのAF性能のレビュー

via:PetaPixel(作例)
GFX100SのAFは、中判カメラとして見ると十分に高速で、人物撮影やイベント撮影でも任せられる場面が多くあります。顔・瞳検出も使えるため、ポートレートでは構図作りに集中しやすいでしょう。
ただしスポーツや野鳥のように動きの速い被写体を安定して追い続ける性能は、最新のフルサイズ上位機に譲ります。また、AF設定によって使い勝手が変わるため、初期設定のまま使うよりも、撮影ジャンルに合わせて調整したほうが安定しやすいカメラです。
旧GFXからの進化:低照度と追従が現実的になった
初期の50MP世代GFXと比べると、AFの進化は分かりやすいポイントです。像面位相差AFを備えたことでピントの掴みが速くなり、被写体を画面の端に配置する構図でもAFを使いやすくなりました。ポートレートやウェディングのように人物を中心に撮る場面では、顔・瞳検出を活用することで、構図や表情に集中しやすくなっています。
Imaging Resourceのレビューでも、初期の50MP世代GFXと比べたAF速度や精度の向上が紹介されています。特に、被写体追従や低照度・低コントラスト時の粘りが改善されており、中判カメラでも人物やゆるやかに動く被写体を狙いやすくなった点は、GFX100Sの大きな進化と言えるでしょう。
AF設定の調整で安定感は上がるが、動体撮影は得意分野ではない
人物撮影では、AF-C(動く被写体を追い続けるAFモード)の反応や顔・瞳検出の使い方を撮影スタイルに合わせて調整すると、より安定して使いやすくなります。なお被写体がこちらに近づいてくるのか、横方向に動くのか、途中で遮るものが入りやすいのかによって、適したAF設定は変わります。よく使う設定を登録しておけば、現場でも迷わず切り替えやすくなります。
ただし、子どもの全力疾走や鳥の飛翔のように、動きが速く方向転換も多い被写体では歩留まりが下がりやすいです。GFX100Sは102MPの高画素データを最大約5コマ/秒で撮るカメラなので、高速連写や強力な追従AFを前提にしたフルサイズ上位機とは、得意な撮影が異なります。
GFX100Sの手ブレ補正(IBIS)レビュー
GFX100Sを「持ち出せる中判」として成立させている大きな要素が、ボディ内手ブレ補正です。102MPの高画素機では、わずかな手ブレも拡大時に目立ちやすいため、手持ち撮影で画質を安定させるうえで重要な機能になります。
もちろん、三脚を使える場面ではより確実に高画質を狙えます。ただ、屋外ロケや旅行、三脚を立てにくい場所でも高精細な描写を狙いやすくなる点は、GFX100Sの大きな魅力です。
IBISが効くシーン:風景・建築・ポートレートで差が出る
風景で、曇天や日陰でシャッター速度が落ちたときに、ISOを上げずに撮影できることは大きなメリットです。建築でも、屋内の自然光でディテールを残したいとき、手持ちでの成功率が上がります。ポートレートでも、モデルが大きく動かない状況なら背景の質感を含めて高精細に残しやすいでしょう。
Photography Lifeのレビューでも、GFX100SのIBISは高く評価されています。約1億200万画素のカメラでは、わずかな手ブレでも解像感の低下として見えやすいため、ボディ内手ブレ補正は画質を安定させるうえで重要な機能です。GFX100Sは最大6段分の補正効果を備えており、GFレンズとの組み合わせでも手持ち撮影の安心感を高めています。特に風景や建築、ポートレートなど、低ISOで細部まで残したい撮影では、三脚なしでも成功カットを増やしやすいでしょう。
IBISの注意点:被写体ブレとピントの浅さは防げない
ボディ内手ブレ補正が強力でも、被写体そのものの動きまでは止められません。特に暗所の人物撮影では、カメラブレは抑えられていても、表情や手の動きがわずかに流れることがあります。また、撮影距離や焦点距離によってはピントの合う範囲が浅くなり、被写体の少しの前後動でもピントが外れやすくなります。
低速シャッターを使う場面では、被写体が止まる瞬間を待つ、短い連写で数枚押さえる、構えを安定させるといった基本も重要です。IBISは102MPの高画素を手持ちで生かしやすくする機能ですが、被写体ブレやピントのズレまで補正するものではない点は理解しておきたいところです。
GFX100Sの連写・レスポンスとワークフローのレビュー

via:PetaPixel(作例)
GFX100Sは、決定的な瞬間をまったく狙えないカメラではありません。ただし、最大約5コマ/秒の連写性能や102MP RAWのデータ量を考えると、動き続ける被写体を長く追いながら撮る用途には向きにくいカメラです。
また、撮影後の現像やバックアップにも時間と容量が必要になります。GFX100Sを快適に使うには、撮影時のテンポだけでなく、PC性能やストレージ環境まで含めて考えておくことが大切です。
5コマ/秒の使いどころ:短い連写で決定的な表情を押さえる
GFX100Sの連写は最大約5コマ/秒ですが、使いどころを絞れば十分に役立ちます。たとえばウェディングシーンで指輪交換や視線が合う瞬間だけ短く連写する、ポートレートで表情の変化を数枚押さえる、といった使い方はしやすいでしょう。
一方で、RAW連写を長く続けるとバッファや書き込み速度の制約を受けやすくなります。TechRadarも、GFX100SはRAW連写時にバッファが尽きやすい点に触れています。普段は単写を基本にしながら、必要な場面だけ短く連写する使い方が、GFX100Sには合っています。
RAWデータとPC負荷:保存・現像環境まで含めて考えたい
GFX100Sは102MPの高画素機だけに、RAWデータの容量も大きくなります。撮影枚数が増えるほど、現像ソフトのプレビュー生成や書き出し、バックアップに時間がかかりやすく、PC性能やストレージ容量の影響を受けやすいともいえます。
Momentのレビューでも、優れた画質の一方で、データ量の大きさや編集環境への負荷が指摘されています。快適に使うには、高速な外付けSSDを用意する、撮影後に不要カットを早めに整理する、必要に応じてRAW圧縮やJPEG併用を使うなど、撮影後の流れまで含めて準備しておくと安心です。
GFX100Sの動画性能レビュー
GFX100Sは静止画重視のカメラですが、動画機能も十分に充実しています。4K 30pの10bit記録やF-Log/HLGに対応し、外部レコーダーを使った本格的な収録も可能です。ラージフォーマットならではのなめらかなトーンや奥行き感を、映像でも生かせます。
一方で、4K 60p以上の記録や強力な動画AFを重視する用途では、最新の動画向けフルサイズ機に譲る部分があります。作品撮りの一部として映像も残したい人には魅力的ですが、動画をメインに長時間・高頻度で撮る人は、用途との相性を確認しておきたいカメラです。
動画画質:4K30p 10bitとログで作品撮りにも対応
GFX100Sは静止画重視のカメラながら、動画画質も見どころがあります。4K 30pの10bit記録やF-Log/HLGに対応しており、露出や色を丁寧に作り込めば、ラージフォーマットらしいなめらかなトーンを映像でも生かせます。自然光の室内、夕景のポートレートムービー、商品や質感を見せるカットなど、動きが激しくないシーンでは高品位な映像を狙いやすいでしょう。
また、ログ収録を使えば、ハイライトやシャドウの階調を残しながら後処理で色を整えやすくなります。静止画と動画で色の方向性をそろえたい人や、作品撮りの一部として動画も残したい人には魅力的な仕様です。
動画の弱点:4K60p以上や高速AF重視には向きにくい
一方で、GFX100Sは動画専用機のようなスピード性能を備えたカメラではありません。TechRadarも、GFX100Sの動画は4K30pまでで、スローモーション向けのハイスピード撮影には対応しない点を指摘しています。
運動会やスポーツ、歩き撮りのVlogなど、被写体やカメラが大きく動く撮影では、フレームレートやAF追従性能に物足りなさを感じる可能性があります。GFX100Sの動画は、あくまで「ラージフォーマットの画を生かして必要な映像も撮る」ための機能と考えると、強みと弱点を整理しやすいでしょう。
GFX100Sと競合機の比較
GFX100Sを検討する際に比較対象となりやすいのが、同じ富士フイルムのGFX100S IIと、高画素・高性能なフルサイズ機です。それぞれ重視しているポイントが異なるため、単純なスペック比較ではなく、自分の撮影スタイルに合うかどうかで判断することが重要です。
機種 | 立ち位置 |
|---|---|
FUJIFILM GFX100S | 102MPラージフォーマットとIBISを備えた画質重視モデル。連写やAFは控えめだが、風景・作品撮りで強い。 |
FUJIFILM GFX100S II | GFX100Sの後継機。画質の方向性は近く、AF・IBIS・EVFを強化し、手持ち撮影で使いやすい。 |
Sony α7R VI | 約6680万画素の高画素フルサイズ機。認識AF、最大約30コマ/秒連写、8K/30p・4K/120p動画が強み。 |
Canon EOS R5 Mark II | 約4500万画素の総合力モデル。AF・連写・8K/60p RAW動画に強く、動体や動画案件にも対応しやすい。 |
GFX100S II:AF・IBIS・EVFを強化した正統後継機
GFX100S IIは、GFX100Sの画質面の魅力を引き継ぎながら、AF、手ブレ補正、EVFなどを強化した後継機です。手持ちで人物を撮る機会が多い人や、イベント撮影でピント精度や見やすさを重視する人には、使いやすさの向上を感じやすいでしょう。
一方で、三脚を使った風景撮影やスタジオでの物撮りが中心なら、GFX100Sでも十分に満足できる可能性があります。画質そのものを重視するのか、AFや操作性まで含めた快適さを重視するのかで、選び方が変わります。
Sony α7R VI:高画素フルサイズの機動力と認識AFで勝負
Sony α7R VIは、約6680万画素のフルサイズ積層型センサーを搭載した高画素機です。GFX100Sほどのセンサーサイズや画素数はありませんが、電子シャッターで最大約30コマ/秒、メカシャッターで最大約10コマ/秒の連写に対応し、人物・動物・鳥・乗り物などの被写体認識も充実しています。風景や商品撮影だけでなく、イベントや動体も1台で撮りたい人には扱いやすい選択肢です。
動画も8K30pや4K120pに対応しており、静止画と動画を高い水準で両立したい人に向きます。一方で、階調や大判出力を最優先するなら、GFX100Sのラージフォーマットと102MPの強みは今も明確です。
Canon EOS R5 Mark II:連写・AF・動画まで含めた総合力が強み
Canon EOS R5 Mark IIは、約4500万画素のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを搭載したハイエンド機です。画素数ではGFX100Sに及びませんが、電子シャッターで最大約30コマ/秒、メカシャッター/電子先幕で最大約12コマ/秒の連写に対応し、動体撮影では大きな強みがあります。イベント、スポーツ、ウェディングなど、撮り逃しを減らしたい現場ではGFX100Sより安心感があります。
動画も8K60p RAW内部記録やCanon Log 2/3に対応し、ハイブリッド撮影向きです。大判プリントや作品制作で階調と解像を優先するならGFX100S、AF・連写・動画まで含めた現場対応力を重視するならEOS R5 Mark IIが選びやすいでしょう。
FUJIFILM GFX100Sのレビュー比較まとめ
FUJIFILM GFX100Sは、102MPラージフォーマットの高い解像力と豊かな階調表現を、持ち出しやすいボディにまとめた一台です。風景、商業撮影、作品制作のように最終的な画質を重視する撮影では、今でも十分に魅力があります。
一方で、動体を追い続ける連写性能や、動画のハイフレームレート、撮影後の軽快なワークフローを重視する場合は、最新のフルサイズ機や後継機のほうが扱いやすい場面もあります。速さや万能性よりも、1枚ごとの描写力を重視する人にとって、GFX100Sは現在でも検討する価値のあるカメラといえるでしょう。
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