キヤノン「55mm F1.8」光学系が特許公開、RFレンズ競争は動くか

キヤノン「55mm F1.8」光学系が特許公開、RFレンズ競争は動くか

キヤノンが公開した特許出願P2026059152に、55mm F1.8を含む複数の明るい単焦点レンズ設計が盛り込まれました。特許は製品化を約束するものではない一方、インナーフォーカスで収差変動を抑えるという課題設定は、RFマウントの次世代レンズ像を読み解く手がかりになります。

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この記事のサマリー

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特許出願P2026059152は「光学系および撮像装置」で、55mm F1.8など複数の光学設計例が含まれます

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狙いは小型化と、インナーフォーカス時の収差変動を抑えることに置かれています

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特許の数値例には85mm級と読める設計もあり、設計原理を複数焦点距離へ展開する意図がうかがえます

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一方でサードパーティのRF AFレンズ参入(Vistilen)が報じられ、純正・社外の両面で動きが出ています

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現時点で発売日や製品仕様は確定できず、公式発表待ちの論点が多いのが実情です

特許P2026059152で「確定していること」と注意点

まず押さえたいのは、今回話題になっているのは“製品発表”ではなく“特許公開”だという点です。公開された文書から読み取れるのは、キヤノンが検討している光学設計の方向性であり、レンズ名や発売時期までを断定する材料にはなりません。それでも、課題設定や実施例のパラメータは、将来のRF単焦点の設計思想を推測するヒントになります。

公報から読み取れる基本情報(事実)

今回の特許掲載の公開番号はP2026059152、公開日は4月7日、出願日は2024年9月26日、出願人はキヤノン株式会社です。発明の名称は「光学系および撮像装置」とされ、単一製品の仕様書というより、複数の設計例を含む技術出願の体裁です。

「55mm F1.8=新レンズ確定」ではない

特許公開は、製品化の確定ではありません。さらに、同一出願に複数の焦点距離・F値の実施例が載るケースでは、すべてがそのまま製品になるとは限らず、一部のみが採用されることもあります。したがって「RF 55mm F1.8が出る」と短絡するより、「小型で、内焦でも収差変化を抑える設計をキヤノンが重視している」と読み替えるほうが安全でしょう。

項目

公開公報で確認できたこと

公開番号

P2026059152

公開日

4月7日

出願日

2024年9月26日

発明の名称

光学系および撮像装置

技術的課題(要旨)

小型で収差変動を抑えたフォーカシングが可能な光学系

今回の実施例

実施例6:焦点距離55.08mm/F値1.85/全長78.50mm/バックフォーカス14.00mm

その他の実施例

焦点距離82.50mm/F値1.85/全長97.83mm/バックフォーカス15.33mm(実施例1として提示)

55mm F1.8の“狙い”として見える、インナーフォーカスと収差変動

特許文献の読みどころは、個々の数字そのものよりも「何を解こうとしているか」です。今回の課題設定は、インナーフォーカス(内焦)を前提に、小型化しつつ、ピント位置で画質が揺れにくい光学系を目指すというもの。ミラーレスで動画比率が上がった現在、この狙いは静止画・動画の両方で効いてきます。

インナーフォーカスが求められる理由:サイズと使い勝手

インナーフォーカスは、ピント合わせで全長が伸びにくく、重量バランスも崩れにくい方式です。撮影テンポが上がりやすいスナップや、ジンバル運用の動画では特に恩恵が大きく、機材全体の取り回しに直結します。前玉側が大きく動かない設計なら、フィルター干渉の心配も減らせるため、実運用でのストレスが小さくなります。

内焦の弱点になりがちな「収差変動」を抑える意義

一方で内焦は、フォーカス群の移動で球面収差やコマ収差などが変動しやすい、という課題が語られがちです。開放付近での描写を重視するf1.8クラスでは、ピント位置の違いで“ボケの輪郭”や“周辺の流れ”が変わったと感じることもあります。特許が正面から「収差変動を抑える」ことを掲げている点は、明るい単焦点をより万能に寄せたい意図として読み取れます。

実施例の数値が示すもの:85mm級も含む「設計原理の横展開」

実施例1の代表値は焦点距離82.50mm・F値1.85などで、一般的な感覚では85mm F1.8クラスを想起させます。ここで重要なのは「55mm F1.8だけの話ではなく、55mm~中望遠域まで同じ考え方で展開できる設計枠組み」を示している可能性がある点です。焦点距離違いの単焦点を、シリーズとして一貫した思想で作れるなら、ラインアップ形成の速度や一貫性にも影響します。

バックフォーカス値から見える“ミラーレス前提”の設計

実施例にバックフォーカス15.33mmといった数値が出てくる点も興味深いところです。RFマウントの制約を意識した設計検討が進んでいる、と解釈する余地があります。ただし、この値だけで「RF用レンズ確定」とは言えません。マウント違いの検討や、試作段階の最適化で値が変わることもあり得るため、あくまで“設計上の到達点の一例”として見るのが適切でしょう。

55mmという焦点距離の立ち位置:50mmと85mmの間を埋める

55mmは50mmよりわずかにタイトで、85mmほど圧縮感が強くない中間的な画角です。室内のポートレートで背景を少し整理したいが、距離が取れない場面では50mmより扱いやすいことがあります。逆に街中のスナップでは、50mmほど「写る範囲が広すぎない」ため、主題を強調しやすいと感じる人もいるでしょう。F1.8の明るさと組み合わされば、携帯性と表現力の両立を狙う標準単焦点として成立します。

サードパーティ参入の噂:Vistilen報道が意味するRFの変化

純正側の技術蓄積と並行して、RFマウントを巡るもう一つの動きがサードパーティです。海外のカメラ情報サイトCanon Rumorsは、Vistilenという新ブランドがRF向けオートフォーカスレンズを複数投入する可能性を報じています。現時点ではメーカー公式の製品発表や仕様表は未確認で、話は“計画があるとされる”段階に留まります。

焦点距離候補に「55mm F1.8」「85mm F1.8」など

報道で挙げられている候補には、50mm F1.8、55mm F1.8、85mm F1.8、85mm F1.4といった、王道の単焦点レンジが含まれます。もし実現すれば、RFボディ側の選択肢は変わらなくても、レンズの価格帯や性格が広がる可能性があります。一方で、AFの互換やボディ側補正との連携はレンズ品質の中核なので、実機が出るまでは過度な期待を置きすぎないほうがよいでしょう。

Meikeのリブランド説は“推測”の域を出ない

同記事内では、VistilenがMeikeのリブランドに見える、という推測も触れられています。型番ラインアップの重複が根拠として挙げられているものの、統合や改名を示す公式アナウンスは確認されていません。話題としては面白い一方、ここを前提に「中身は同じ」と決めつけると読み違えにつながります。現段階では、あくまで“そう見える”という論点として受け止めるのが無難です。

Canon 55mm F1.8の特許情報まとめ

特許出願P2026059152の公開によって、キヤノンが内焦での小型化と収差変動の抑制を重要テーマとしていることが読み取れます。ただし特許は製品発表ではなく、55mm F1.8がそのままRFレンズとして登場するとは限りません。並行してVistilenのRF AFレンズ参入が報じられており、純正の技術動向と社外の参入機運が同時に進む局面に入っています。次に確認したいのは、キヤノンの公式発表で“どの焦点距離を、どんな位置づけで出すのか”、そしてサードパーティ側が“互換性と品質”をどこまで詰めてくるか、という2点でしょう。


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