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Canonの85mm F1.4関連特許が公開:小型インナーフォーカス設計
キヤノンが公開した特許出願(公開番号P2026059152)に、85mm F1.4を含む複数のレンズ実施例が掲載されました。焦点距離だけを見ると新レンズ発表のようにも見えますが、あくまで光学設計の技術公開です。インナーフォーカスで小型化しつつ、ピント位置での収差変動を抑える狙いが読み取れます。
この記事のサマリー

特許P2026059152が公開され、85mm F1.4など複数の実施例が確認できます

主題は「小型」と「収差変動の抑制」を両立するインナーフォーカス光学系です

55mm/85mm/135mmの複数実施例が載っており、同種の課題設定を複数焦点距離で検討していることがうかがえます

RF向けサードパーティ拡大の話題もあり、知財の押さえ方としても注目です
公開された特許P2026059152で何が分かった?
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今回の話題の中心は、キヤノンが公開した特許出願「光学系および撮像装置」です。確認できるのは、レンズの“商品名”ではなく、フォーカス方式や収差の扱いを含む光学設計の考え方です。実施例に85mm F1.4が含まれる点は目を引きますが、キヤノンにはすでにRF85mm F1.4 L VCMがあります。今回の特許で注目したいのは、新しい“85mm F1.4の存在”というより、他サイズ含む小型化と収差変動の抑制を狙う光学設計の方向性です。
特許情報は、公開時点のニュースというより「出願時点の技術」を一定期間後に公開する仕組みです。そのため、公開日だけで直近の新製品を断定しにくい一方、メーカーがどこに開発リソースを割いていたかを読み解く材料にはなります。
特許の基本情報(確定している範囲)
公開番号はP2026059152で、公開日は4月7日、出願日は2024年9月26日とされています。出願人はキヤノン株式会社で、発明名称は「光学系および撮像装置」です。ここまでは文書に明記されている、動かない事実として押さえられます。
重要なのは、特許公開は「権利化の途中段階」であり、レンズの発売告知とは別物だという点です。権利として成立するかはこの後の審査次第で、成立しても製品化されないこともあります。逆に、製品に入っている技術が後から特許として見えてくるケースもあります。
実施例に挙がった焦点距離とF値
実施例として、85mm F1.8、85mm F1.4、135mm F2.0、55mm F1.8の組み合わせが掲載されている点が注目点です。85mmだけでなく、標準寄りの55mmと、より望遠の135mmまで並べているため、単発の設計というより「同じ方針で複数レンジに適用」する意図が読み取れます。
また、実施例1には焦点距離82.50、像高21.64といった数値が示されており、像高の値からはフルサイズ相当のイメージサークルを想定した設計の可能性が高そうです。ただし、この数値だけで製品の外形や重量、AF方式まで確定することはできません。
項目 | 現時点の確認状況 |
|---|---|
公開番号 | P2026059152 |
公開日 | 4月7日 |
出願日 | 2024年9月26日 |
発明名称 | 光学系および撮像装置 |
技術課題(文書記載) | 小型で、収差変動を抑えたフォーカシングが可能な光学系 |
技術の肝はインナーフォーカス+収差変動の抑制
特許で繰り返し焦点になっているのが、インナーフォーカス(レンズ内部の一部の群を動かしてピント合わせする方式)を採用しつつ、ピント位置によって画質が揺れやすいポイントを抑えることです。大口径の中望遠は、近距離と遠距離で写りの雰囲気が変わりやすく、ここを詰める価値が大きい領域でもあります。
インナーフォーカスは、外装が伸びにくい設計にしやすく、フィルター枠が回転しないなどのメリットもあります。動画撮影でジンバルに載せる運用や、花・小物を寄って撮る場面では、レンズの動きやバランスが変わりにくいことが扱いやすさにつながります。一方で、内部の群移動が増えるほど設計は難しくなり、収差の変化をどう抑えるかが腕の見せ所になります。
「収差変動」が問題になるのはどんな場面?
収差は、色にじみや像の流れ、ピント面の平坦さなど、解像感に直結するズレの総称です。これがピント位置(特に近距離)で変化すると、同じ絞りでも「中心は良いのに周辺が急に甘い」「ピント前後のボケが不自然に見える」といった違和感が出やすくなります。
85mm F1.4のような大口径では、開放付近で被写界深度が浅く、ピントの合う位置がシビアです。瞳AFの精度が上がるほど、レンズ側の“合焦位置での写りの安定”も目立ちやすくなるため、収差変動の抑制は静止画・動画のどちらにも効いてくるテーマでしょう。
小型化と両立させる難しさ
小型化は、単に鏡筒を短くする話ではありません。フォーカス群の移動量、群配置、補正のためのレンズ構成などが絡み、サイズを詰めるほど光学的な自由度は減りがちです。そこで「インナーフォーカスのメリットを保ったまま、収差変動を抑える」という課題設定が効いてきます。
特許公開=新レンズ確定ではない:読み方のコツ
85mm F1.4という文字が目に入ると、どうしても「新レンズが出るのでは」と期待が高まります。ただ、出願公開は制度上、出願から一定期間後に公開される性質があり、公開日がそのまま開発の最新地点とは限りません。むしろ、2024年9月の出願時点で“この方向を押さえておきたかった”と読むのが自然です。
また、特許に載る実施例は、製品候補そのものというより「技術の適用範囲を広く取るための例示」になっていることもあります。55mmから135mmまで並ぶのは、設計思想を中核に据えて複数の焦点距離へ展開できることを示す狙いとも考えられますが、どれがいつ商品化されるかは別問題です。
マウントやシリーズは文書からは特定できない
リサーチ結果の範囲では、どのマウント向けのレンズなのかは明記されていません。一般論としては現行ミラーレス向けの研究開発が中心になりやすいものの、この特許だけでRFと断定するのは避けるべきです。
同じく、Lレンズ相当の上位ラインか、より手に取りやすいクラスかも断言できません。光学設計の方向性が示された段階なので、今後の別特許や、公式発表での“線”になって初めて輪郭が見えてきます。
公開から製品化までの距離感
特許がそのまま製品仕様になるとは限らず、量産時にはコストや歩留まり、部材の確保、AF駆動ユニットの選定など、別の制約で落としどころが変わります。逆に言えば、特許で課題として掲げた「小型」と「収差変動の抑制」は、今後のレンズ設計でも繰り返し重要になるテーマでしょう。
ユーザー側としては、発売時期を当てに行くよりも、将来の85mmクラスで“近距離の写りの安定”や“フォーカス時の画質の揺れにくさ”がどこまで改善してくるか、という視点で見ておくと情報を追いやすくなります。
サードパーティ動向も含め、なぜ今この特許が注目される?
85mm F1.4はポートレートの定番ど真ん中で、純正・サードパーティを問わず競争が起きやすい焦点距離です。RFマウント周辺でも、AF対応レンズの参入が話題になりやすく、純正側が技術の幅を押さえておく意味は大きいと考えられます。そうした文脈と重なるため、今回の特許公開も注目を集めています。
サードパーティのRF参入については、海外のCanon RumorsがVistilenに言及しています。個別メーカーの計画は確定情報と未確認情報が混ざりやすい領域ですが、少なくとも「RF用AFレンズが増えていく流れ」が意識されているのは確かでしょう。
知財の押さえ方としての“複数焦点距離”
85mm単体ではなく、55mmや135mmまで実施例に含める構成は、技術の適用範囲を広く取るうえで合理的です。仮に今後、85mmだけを製品化しない判断になっても、別焦点距離のレンズ設計に活かせる余地が残ります。
ユーザー目線でも、単に「85mm F1.4が出るか」より、「同じ設計思想の単焦点が増えるか」という見方ができるのが面白いところです。ポートレートの2本目として55mmと85mmを揃える、あるいは85mmと135mmで撮り分ける、といった組み合わせに波及する可能性があります。
撮影者が次に注目したいポイント
特許の課題設定から想像しやすいのは、近距離での描写の安定、フォーカスに伴う写りの変化(ボケの形や色にじみの変化)が抑えられる方向性です。動画ユーザーなら、ピント移動時に画面の雰囲気が変わりにくいか、静止画ユーザーなら、寄ったポートレートや小物撮影で開放から使いやすいかが気になるところでしょう。
一方で、AF駆動方式、鏡筒サイズ、フィルター径、手ブレ補正の有無といった“商品としての骨格”は、この特許だけでは判断できません。続報が出るとすれば、追加の特許や、公式発表のタイミングで初めて具体化するはずです。
Canonの85mm F1.4に関する特許情報まとめ
キヤノンの特許出願P2026059152の公開により、85mm F1.4を含む複数焦点距離のレンズ実施例と、「小型」「収差変動の抑制」を両立するインナーフォーカス光学系という課題設定が確認できました。とはいえ、特許公開は新レンズの正式発表ではなく、発売時期やマウントを断定できる段階ではありません。今後は追加特許の動きや公式の製品発表と照らし合わせつつ、85mmクラスの近距離描写やフォーカス時の安定性がどう進化するかに注目したいところです。
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