魚眼レンズとは?一眼からスマホ・iPhoneまで、撮り方と加工で“曲がる世界”を味方にする完全ガイド

魚眼レンズとは?一眼からスマホ・iPhoneまで、撮り方と加工で“曲がる世界”を味方にする完全ガイド

魚眼レンズとは、ビルの縦線や地平線などの直線が弧を描くぐらいの広い範囲を一枚の写真に収める特殊なレンズです。超広角の画角と独特の投影方式により、肉眼とは違う空間の見え方を写真に取り込めるのが特徴です。ただし使いこなすのには難しい側面もあります。たとえば画面の端では人物が伸びて見えやすく、スマホの外付けレンズでは四隅が黒く欠けるケラレや片ボケが起きる場合があります。この記事では、スマホやiPhoneで魚眼レンズを上手に使う方法、一眼・ミラーレスの選び方、歪みを補正する・活かす現像を紹介します。

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みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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魚眼レンズは広い範囲を一枚の写真に収められる特殊なレンズのこと

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広角レンズは広く自然に見せたいときに、魚眼レンズは世界を曲げて見せたいときに使う

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魚眼レンズをスマホやiPhoneで使うときは外付けレンズとアプリの2つの選択肢がある

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一眼・ミラーレスの魚眼レンズを選ぶときはズームか単焦点か、AFかMFかを選択する

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魚眼・超広角・360カメラはシーンで使い分ける

目次

魚眼レンズとは?180°が写真に起こすこと

魚眼レンズとは?180°が写真に起こすこと

魚眼レンズとは、直線が曲がるような超広角な画角写真が撮れるレンズです。広い範囲を写すだけでなく、空間の形や遠近感を強調しやすいのが特徴です。魚眼レンズを使うと、非常に広い範囲を一枚で写せるため、狭い室内や被写体に近づけない場面でも空間全体を表現できます。また、直線が大きく曲がる写りによって、スピード感や臨場感、非日常的なインパクトを強調できるのも魅力です。

広角レンズとの違いは?使い分け方法は?

広角レンズとは、人の目で見るよりも広い範囲を一枚の写真に写せるレンズです。風景や建物、室内などを自然な形で広く記録でき、空間の広がりを伝えたい場面に向いています。

そのため、広角レンズと魚眼レンズの違いは、「どれだけ広く写すか」だけでなく、写し方そのものが違う点にあります。広角レンズは、建物の柱や水平線などの直線をできるだけ直線のまま写すことが基本です。一方の魚眼レンズは、最初から直線を守ることを捨てて、とにかく広い視野角(180°前後)を効率よく写すためのレンズです。目的が“広く自然に”なら広角、“世界を曲げても広く”なら魚眼、という切り分けが一番わかりやすいでしょう。

「直線が曲がる」は欠点ではなく、設計思想

一般的な超広角の普通のレンズは、基本的に直線を直線のまま写す発想です。ただ、画角が広くなるほど周辺の引き伸ばしが強くなり、人物や建物が端で大きく変形して見えることがあります。一方の魚眼レンズは、直線をそのまま保つことより、広い視野角を写すことを優先しています。その結果、直線が弧を描きやすく、直線保持系の超広角と比べて周辺の見え方が大きく変わります。この歪みがあることで、狭い室内でも奥行きや広がりを強調できます。魚眼の“曲がり”は欠点ではなく強い表現手段のひとつなのです。

180°の読み方はひとつじゃない

魚眼レンズの「180°」は、縦・横・対角のどこで180°なのかで意味が変わります。レンズの仕様表では、水平/垂直/対角の画角が別々に示されることがあります。たとえばCanon EF8-15mm F4Lでは、焦点距離により画角が変化します。(具体的には、8mm側で水平・垂直とも180°、15mm側では水平142°・垂直91°46’・対角175°30’といった具合に方向ごとの差が明記されています。Nikon 8-15mmでも、FXで8mm時は縦横180°(円周)、15mm付近で対角180°(15mmでは175°)となっています)

購入前に見るべきは「どの焦点距離で、どの方向が何度か」。ここが分かると、レンズ選びと写真撮影がスムーズになります。

魚眼レンズの種類:対角魚眼・円周魚眼

魚眼レンズは、画面いっぱいに写す「対角魚眼」と丸く写す「円周魚眼」に大きく分かれます。基本的には対角は汎用性が高く、円周はデザイン性が高いと覚えると整理しやすいでしょう。

対角魚眼は「フレーム全体で曲げる」タイプ

対角魚眼は、画像が四隅まで満たされるのが特徴です。人物や建築を入れやすく、SNSで見かける“魚眼っぽい写真”の多くはこのタイプです。また、端に置いた被写体が伸びやすいのも対角魚眼の特徴です。人を入れるなら中心付近に寄せるだけで、見え方が安定しやすくなります。

円周魚眼は「丸い世を作れる界を作れる」タイプ

円周魚眼は、画像が円形になり周囲が黒く抜けます。縦横180°前後の広い範囲を一枚に収められるのが特徴で、製品によっては「全周190°」のように180°を超える表記も見られます。丸いフレームを活かして、ポスター的なデザインや“のぞき窓”表現に向きます。画面の外周が自然にフレームになるため、主題の置き方で印象が大きく変わります。

魚眼レンズで映える被写体:狭い室内も、広い空も

魚眼レンズで映える被写体:狭い室内も、広い空も

魚眼レンズは「ただ広い」以上に、空間の“形”を強調できるのが強みです。撮影距離と配置次第で、被写体の立体感や奥行きの出方が大きく変わります。近年はミラーレス向けにも魚眼ズームが登場しています。たとえばキヤノンはRFマウント用の「RF7-14mm F2.8-3.5 L Fisheye STM」を発表し、全周190°や対角180°などの画角と、スポーツ・星景・VRなどの用途を掲げています。

建築・室内は「曲がり」をデザインにする

狭い部屋や車内、店内のように後ろに下がれない場所で、魚レンズは有効です。壁や天井のラインを弧にすると、空間の広がりを誇張できます。コツは、主役にしたいラインを画面中央付近に置くこと。中心は見え方が比較的安定し、周辺ほど曲がりが強くなります。なお、人物を端に置くと手足が伸びて見えやすいので注意が必要です。コミカルな仕上がりが狙いなら有効ですが、自然な人物写真を狙う場合は中心寄せが無難です。

星空・スポーツ・Vlogは「臨場感」が主役

魚眼レンズは広い空を一気に取り込めるため、星景で空の面積を確保しやすいレンズです。星景用途を想定した魚眼ズームや、開放F値が明るい魚眼レンズが良いでしょう。スポーツやスケート、BMXのような近距離アクションでは、被写体に寄ってスピード感を強調できます。Vlogでも、背景を含めて状況が伝わるのが利点です。

魚眼レンズ×スマホ:外付けレンズとアプリ加工

魚眼レンズをスマホで試す場合、「外付けレンズ」と「アプリ加工」が選択肢になります。外付けは撮影時に光学的な魚眼表現を得やすい一方、スマホケースやカメラ位置との相性が悪いと、上手くいきません。一度試してみたいだけなのであれば、アプリ加工もひとつの選択です。

クリップ式は手軽。でも「ケラレ」と位置ズレが最大の敵

スマホ用の魚眼レンズは、クリップで挟むタイプが多く、製品によっては180°〜200°前後の広角をうたうものも見られます。ただし実際の見え方は、スマホ側のレンズ位置・厚み・ケースの段差で変わります。少しズレるだけで黒いケラレ(写真や映像の四隅が暗くなったり、黒く欠けて写ってしまう現象のこと)が出たり、片側だけボケたりします。装着後に「グリッド線」を表示して中心合わせを行うと、ズレが減りやすくなります。

アプリ加工は「いつでも・再現性高く」魚眼っぽくできる

アプリの魚眼加工は、撮影後にフィルターとして当てる方法だけでなく、リアルタイムで加工表示しながら撮影できるタイプもあります。また、アプリには魚眼フィルターのほか、歪みを逆向きにかける“逆魚眼”系のフィルターが用意されていることもあります。背景の曲線を整えたいときの補助として使うことも一考です。

魚眼レンズ×iPhone:超広角との違いと、後付けレンズの選び方

iPhoneは超広角(0.5x)を標準搭載するモデルが増え、広い写真は撮りやすくなりました。ただ、超広角=魚眼レンズではありません。iPhoneで魚眼のような写真を撮影したいなら、「iPhoneの超広角を活かす」のか「外付けで魚眼表現に寄せる」のかを先に決めると、機材選びがスムーズになります。

iPhoneの超広角は“120°”。魚眼の“180°”とは別カテゴリ

AppleのiPhone 17 Proは、超広角が13mm、視野角120°。画角は広いものの、一般的な魚眼レンズが180°前後であることから別カテゴリです。iPhoneの超広角では、モデルによって「レンズ補正」などの補正処理も前提になっています。直線をできるだけ自然に見せたい用途では、この方向性が扱いやすい場合があります。一方で、端に人を置くと伸びる“広角っぽさ”は出ます。“曲げたい”のか“広く撮りたい”のかで選び分けましょう。

外付けレンズは「1xに付ける」が基本。0.5xはケラレが出やすい

外付けレンズは、基本的に1x(メイン)カメラに装着するのが基本です。1xはセンサー性能が高く、外付けレンズとの相性も良いため、0.5xに比べてケラレや周辺の画質低下が起きにくくなります。また、歪みの出方が予測しやすく、人物や被写体を中央に置けば失敗が少ないのもメリットです。撮影後にトリミングや補正もしやすく、魚眼の迫力を活かしつつ実用的な仕上がりを狙えます。

一眼・ミラーレスの魚眼レンズ選び:ズームか単焦点か、AFかMFか

一眼・ミラーレスの魚眼レンズ選び:ズームか単焦点か、AFかMFか

一眼で魚眼レンズを選ぶときは、“表現の幅”をズームに任せるか、“軽さと割り切り”で単焦点にするかが分岐点です。動画用途ならAFかMFかも効いてきます。近年はミラーレス向けにも魚眼ズームが登場し、APS-C向けの超広角魚眼(MF)も選択肢が増えています。用途に合わせて、画角・最短撮影距離・操作性を軸に選ぶのが現実的です。

ズーム魚眼は「円周⇄対角」を一本で遊べる

代表例として、ズーム域で全周(円周)と対角を撮り分けられる魚眼ズームがあります。例えばCanon EF8-15mm F4Lは、8mm側で円周魚眼、15mm側で対角魚眼を狙える設計として知られています。RFマウントでは、RF7-14mm F2.8-3.5 L Fisheye STMが全周190°と対角180°をうたい、ズームで画づくりを変えられるタイプとして位置付けられています。ズーム魚眼は撮影現場での対応力が魅力です。引けない場所で「もう少し入れたい/抑えたい」をレンズ交換なしで調整できます。

単焦点魚眼は軽快。MFでも戦える理由がある

単焦点は小型・軽量で、価格も抑えやすい傾向があります。MF専用の超広角魚眼でも、焦点距離が短いことで被写界深度を確保しやすいでしょう。たとえば、APS-C向けの7Artisans 6mm F2は画角220°です。極端な画角は構図の自由度が高い一方、写り込み管理が難しくなるため、意図的な配置が重要になります。星景なら明るさ(F値)と周辺の色収差耐性、動画ならフォーカス操作感もチェック。スペック表と作例の両方で判断すると外しにくくなります。

失敗しない撮り方:距離と水平を制す

魚眼レンズは画角が広いぶん、写り込みの管理が重要です。よくあるのが、足元の影、三脚、腕、天井の照明などが入ること。気づかないまま余計な情報が増えてしまうこともあるでしょう。そして、もうひとつのポイントが「水平」です。少し傾けただけでも地平線が大きく曲がるため、意図して曲げるのか、水平を整えるのかを決めて撮ると失敗が減ります。

寄るほど面白い:最短撮影距離を味方にする

魚眼の誇張は、被写体との距離で決まります。近づけば近づくほど主役が大きく、背景が奥へ押し込まれるため、立体感が強くなります。魚眼ズームの中には最短撮影距離が短い製品があり、例えばCanon EF8-15mmは0.15m、Nikon 8-15mmは0.16mが仕様として示されています。近距離で撮るほど、魚眼らしさが分かりやすく出ます。

同じ撮影距離と絞りで比べると、焦点距離が短いほど被写界深度は深くなりやすい傾向があります。MFでもピントの許容範囲を取りやすい場面があるため、被写体との距離と絞りを意識して調整しましょう。

水平線を「真ん中に通す」と破綻しにくい

地平線や床の境目を画面の中心付近に置くと、曲がり方が安定しやすい傾向にあります。建築で柱を見せたいなら縦線を中心寄せにする、人の顔を入れるなら顔を中心に寄せる、といった配置だけで見え方が整います。逆に上下へ外すほど、カーブが強くなり“魚眼らしさ”が増えます。好みで使い分けてみると良いでしょう。また、傾けるのもテクニックです。意図的に傾けて曲線を強調し、躍動感に振ることもできます。

魚眼レンズ 加工:歪み補正と“逆魚眼”の二刀流

魚眼レンズでの撮影は撮って出しでも成立しますが、加工で表現の選択肢が増えます。歪みを補正して建築向けに整えたり、歪みをあえて残してポップな印象を強めたりと、目的に合わせた仕上げが可能です。魚眼レンズ加工は「補正が正解」という話ではなく、用途に合わせて補正量を決めるのが良いでしょう。SNS向けなら歪みを残す、記録用途なら整える、という考え方をするのもおすすめです。

Lightroom/Camera Rawは「レンズ補正+ジオメトリ」が基本

Lightroom系では、レンズプロファイルで歪みや周辺光量を補正し、必要に応じて垂直・水平の調整で形を整える流れが基本です。レンズプロファイルは、メタデータ(EXIF)から自動適用される場合もありますが、手動選択が必要なケースもあります。まずはプロファイル補正で歪みや周辺光量のベースを整え、必要に応じて手動で微調整すると破綻しにくくなります。なお、iPhoneではモデルによって超広角に「レンズ補正」が技術仕様として記載されています。スマホでも歪みを抑える補正処理が前提になっている例があります。

Photoshopは「曲線の救済」が強い

直線をできるだけ自然に戻したいなら、Photoshopの広角補正系の機能を軸に考えると整理しやすいです。特定のラインを指定して補正できるため、建築の通したい線に合わせやすくなります。仕上げで遠近感を整えるなら、パースの調整も候補です。建築の垂直を立てる、床の傾きを抑える、といった詰めに向きます。なお、加工で“魚眼を消す”ほど画角は狭くなります。その前提で、撮影時に少し余白を多めに取っておくと、後処理がきれいに決まりやすくなります。

魚眼・超広角・360カメラをどう使い分ける?

魚眼・超広角・360カメラをどう使い分ける?

魚眼レンズには強い個性がありますが、どんな時にでも使えるわけではありません。超広角や360カメラと比べると、得意分野が見えてきます。360カメラは背中合わせの2眼レンズで周囲を撮影し、スティッチングして360°画像を作る方式が一般的です。レンズ構成として魚眼を採用する例が多くあります。

超広角は「現実に近い見え方にできる」

超広角レンズは、「広く写しつつ、現実に近い見え方を保ちたい」場面に向いています。建築写真や風景、旅行スナップ、不動産撮影などでは、壁や柱、地平線といった直線をできるだけ直線のまま写せることが重要です。超広角は画角が広くても直線投影設計が基本のため、あとから見たときに違和感が少なく、記録性や実用性が高いのが強みです。

魚眼は「現実とは違う見え方にできる」

魚眼レンズは、「現実とは違う見え方を積極的に使いたい」場合に適しています。星空やVlog、スケート・BMXなどの撮影では、被写体に近づいても背景を広く取り込める点が魅力です。魚眼レンズは記録よりも表現重視で、「曲がること自体が正解」なレンズと言えます。

360カメラは「あとから見せ方を決められる」

360カメラは、「あとから見せ方を決めたい」用途に強い機材です。全方向を同時に撮影できるため、撮影時に構図を厳密に決める必要がありません。旅行の記録、Vlog、イベント記録、VR用途では、撮影後に視点や画角を切り出せる自由度が大きなメリットです。その反面、1カットあたりの解像感や写真表現の細かい作り込みは、一眼+レンズに比べると制約があります。

魚眼・超広角・360カメラのそれぞれの強み

魚眼・超広角・360カメラのそれぞれの強みとおすすめの用途をまとめました。

選択肢

特徴

ハマる用途

魚眼レンズ

180°前後(製品により差)の誇張と臨場感

アクション、狭い室内、作品づくり

超広角(直線系)

建築に強い、破綻しにくい

風景、建築、不動産、旅行

360カメラ

後から画角を決められる

旅行、Vlog、VR、記録

自然で広い記録なら超広角、非日常的な迫力や演出なら魚眼、自由度と没入感を重視するなら360カメラ。何を「見せたいか」「いつ決めたいか」を基準に選ぶのが、最も失敗しない使い分けです。

魚眼レンズのまとめ

魚眼レンズとは、直線が弧を描く投影を利用して超広角の世界を写すレンズです。対角魚眼と円周魚眼の違い、そして画角表記が「水平/垂直/対角」で変わる点を押さえると、買い方も撮り方も迷いにくくなります。また、魚眼レンズで撮影した写真の加工は、歪みを補正して使うだけでなく、歪みをあえて残して表現にする選択肢もあります。撮影時に余白を少し多めに取り、LightroomやPhotoshopで仕上げ方を選ぶと対応力が上がります。

魚眼レンズをスマホやiPhoneにつけたいなら、外付けなら装着ズレとケラレ対策が重要です。まずは「曲げたいのか、広く撮りたいのか」を決め、アプリも選択肢に入れてみましょう。


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