黒つぶれの原因と対策!ヒストグラムで見抜く撮り方とRAW現像の直し方

黒つぶれの原因と対策!ヒストグラムで見抜く撮り方とRAW現像の直し方

黒つぶれは、影の部分が真っ黒に潰れてディテールが消えてしまう現象です。露出不足だけでなく、逆光などの強い明暗差や、測光の影響でも起こります。原因を見極められれば、撮影時の露出補正や測光の切り替えで抑えられる場面は少なくありません。さらにRAWで撮っておけば、現像で暗部を持ち上げられるケースもあります。この記事では、ヒストグラムと警告表示での確認方法から、光の足し算やHDRの使い分け、RAW現像の基本手順、スマホHDRの特徴まで、黒つぶれを減らすためのポイントをまとめて解説します。

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みんカメ編集部
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この記事のサマリー

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黒つぶれ対策の第一歩は起きているかを撮影直後に見抜くことで、背面モニターの印象に頼らずヒストグラムと警告表示で暗部の状態を確認。

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ヒストグラムは左端が暗部なので、左端に張り付くと階調が失われている可能性が高く、ローキー表現との違いは見せたい部分まで黒一色になっていないかで判断。

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同じ黒つぶれに見えても、RAWに階調が残っていれば現像で戻しやすく、撮影直後に拡大して輪郭や模様が残っているかを見て、直せる/直しにくいを切り分け。

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逆光・夜景・室内など明暗差の大きい場面では、露出補正や測光で主役の明るさを優先し、必要ならレフ板やライトで影に光を回す、風景ならブラケット合成・HDR・ハーフNDで明暗差を減らす。

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JPEGよりRAW/HEIFは補正に強い反面、シャドウを上げすぎるとノイズが出るのでISOを含む露出設計が重要。

目次

黒つぶれを「見える化」する:ヒストグラムと警告表示

黒つぶれの原因と対策 ヒストグラムで見抜く撮り方とRAW現像の直し方

黒つぶれ対策は、まず「実際に起きているかどうか」を把握します。背面モニターの見た目だけだと、屋外では暗部が潰れて見えやすく判断が難しいことがあります。そこで役立つのがヒストグラムと警告表示です。数値と表示で確認できると、撮り直しが可能な場面での露出調整がスムーズになります。

ヒストグラムの左端が張り付くと黒つぶれが起きている可能性がある

ヒストグラムは写真の明るさ分布を横軸で示すグラフで、左ほど暗く右ほど明るいことを表します。グラフが左端に張り付くと、暗部が0付近まで落ちて階調が失われている可能性があります。

ただし、左に寄っている=失敗とは限りません。ローキー表現では、暗部が多い画づくりが狙いになることもあります。注意したいのは、見せたい被写体まで黒一色になっているケースです。

RGB別ヒストグラムを出せる機種なら、チャンネルごとの偏りも参考になります。暗部を大きく持ち上げると色ノイズが出やすいため、チャンネルの切れ方が判断材料になることがあります。

木陰がベタっと沈む、黒い服が一枚の黒に見えるなど、そのようなときはヒストグラムの左端が切れていないか確認します。切れているなら、露出補正や光の足し算を検討しましょう。動画ではゼブラや波形モニターが使える場合もあります。

撮影直後のチェックで戻せる黒つぶれと戻せない黒つぶれを分ける

同じように見える黒つぶれでも、RAWデータに情報が残っている場合と、暗部が完全にクリップしている場合があります。撮影直後に画像を拡大し、暗部に輪郭や模様が残っているかを確認しましょう。

暗部がほぼ黒一色で、拡大しても形や質感が確認できない場合は注意が必要です。0付近までクリップしていると、後から持ち上げても情報そのものは復元できず、ノイズだけが目立ちやすくなります。

一方で、暗い中に濃淡が残っていれば戻せる場合があります。現像時にシャドウを上げたときに破綻しにくいかどうかは、元データに階調が残っているかで大きく変わります。撮り直せる状況であれば、露出を少し変えたカットを追加しておくと、帰宅後の現像で選択肢が増え、比較しやすくなります。

また、連写後にまとめて確認すると見落としが増えてしまうので、最初の数枚で方向性が合っているかをチェックしておくと、失敗を抑えやすくなります。

黒つぶれは明暗差のあるシーンで起きやすい

黒つぶれは暗い場所だけで起きる現象ではありません。背景が明るいと、カメラは画面全体の明るさを平均化しようとして露出を抑え、主役が沈むことがあります。

こうした失敗パターンを知っておくと、シャッターを切る前に対策を選びやすくなります。明暗差が大きい場面では、露出補正や測光方法の切り替えを早めに検討すると、黒つぶれを抑えやすくなります。

逆光ポートレートでは顔が黒つぶれしやすい

逆光で人物を撮ると、背景の空や水面が明るくなりやすく、カメラの露出がそちらに引っ張られることがあります。その結果、肌や髪が暗く写り、顔が黒つぶれしやすくなります。

背景はきれいなのに主役が暗いと感じた場合、顔を明るく写すのか、シルエットとして見せるのかを先に決めておくと、どこを基準に明るさを合わせるか迷いにくくなります。

顔を見せたいときは、露出補正をプラスにするか、スポット測光で顔に合わせる方法が有効です。背景の白飛びが気になる場合、ヒストグラムや警告表示でハイライトが切れていないかも確認しましょう。

輪郭を際立たせたい場合は、空や窓など明るい背景に露出を合わせ、被写体をあえて暗くしてシルエットに寄せます。狙いがシルエットなら、暗部が黒つぶれに見えるほど落ちても表現として成立します。

夜景や室内では暗部の階調が失われやすい

夜景や室内は光量が少なく、シャッター速度を速くしすぎると露出不足になりやすいシーンです。暗部を後から持ち上げるとノイズが出やすく、黒つぶれの影響が目立つ場合があります。窓のある室内や街灯のある夜景では明暗差も大きくなりやすく、明るい窓や看板に露出が合うと、室内の人物や路地が真っ黒になりやすいです。

ここでは、手ブレや被写体ブレが起きない範囲で、できるだけ明るく写すことが基本です。手ブレ補正がある場合は低速シャッターを活かし、被写体ブレが気になるときはISOを上げてシャッター速度を確保しましょう。

撮影直後に暗部を拡大し、輪郭や模様が残っているかを確認し、撮り直しできる状況であれば、その場で調整したほうが仕上がりは安定します。照明が混在する場所では色のズレも起きやすくなるため、RAWで撮影しておくと、ホワイトバランスを後から調整しやすくなります。

露出補正と測光で黒つぶれを防ぐ

露出補正と測光で黒つぶれを止める

黒つぶれは、測光が画面を平均的な明るさに合わせようとすることで起きることがあります。明るい背景が入ると、主役が暗く写ることがあります。反射式の測光は、画面内の明るさを中間調に近づける方向で露出を決める設計です。一般に18%グレーは中間調の目安として知られていますが、校正値や挙動は方式・機種・測光モードで一律ではありません。まずは測光の性質を前提に、露出補正や測光モードで主役に合わせて調整します。

まずは露出補正プラスへ:白飛びと天秤にかける考え方

黒つぶれを減らす方法の一つは、露出補正をプラス方向へ動かすことです。人物が暗く見える場面では、状況により+0.3〜+1.0EV程度から試すと変化を確認しやすく、ヒストグラムや警告表示で白飛びの有無を併せて判断できます。

プラス補正をかけるほど、白飛びは起きやすくなります。空の雲や白い服など残したい明るい部分がある場合は、撮影後に拡大して白飛びが出ていないか確認しましょう。

JPEG撮って出しでも、露出補正は効果があります。JPEGは後から大きく持ち上げるとトーンの破綻やノイズが目立ちやすいため、撮影時点で暗部を潰しすぎない方が安全です。暗部を守る考え方として、ヒストグラムを右寄りにする明るめ撮影を使う方法もあります。ただし明るくしすぎると右端が切れて白飛びにつながるので、ヒストグラムの右端が張り付かない範囲で止めるのが前提です。

測光モードとAEロック:主役に露出を寄せる手順

背景が明るいときは、評価測光のままだと主役が沈むことがあります。その場合はスポット測光や部分測光で、主役の顔や見せたい面を測り、露出を決めます。被写体が動く場面ではAEロックが便利です。測りたいところで露出を固定してから構図を整えると、背景の明るさに影響されにくくなります。逆光の人物は、まず顔を明るく写すことを優先すると失敗が減ります。スポット測光で顔を測り、AEロックで明るさを固定してから構図を整えると、背景に引っ張られにくくなります。

そのうえで、背景がどれくらい明るくなっても良いかを確認します。白い部分が真っ白に抜けていないかを、ハイライト警告やヒストグラムでチェックして判断しましょう。

一方、風景は画面全体のバランスが重要です。スポット測光に偏りすぎると不自然になりやすいため、マルチ測光+露出補正で整える方が安定します。露出補正と測光を同時に大きく変えると、どの操作が効いたのか分かりにくくなります。まず測光でどこを明るさの基準にするかを決めて露出を合わせたあとで、露出補正を少しだけ動かして微調整しましょう。

光を足して黒つぶれを防ぐ:レフ板・ライト・HDR

レフ板や小型LEDライトなど、軽くて持ち歩ける道具でも影側に光を回せます。撮影時点で暗部の階調を少しでも残せると、現像でシャドウを大きく持ち上げずに済み、ノイズや不自然さを抑えやすくなります。

影を明るくする方法:レフ板・壁反射・スマホライト

逆光ポートレートで顔が黒つぶれするなら、影側に光を回すのが近道です。レフ板を使うと、暗い側の光量を補いやすくなります。銀レフは反射が強く、白レフは光が柔らかく回る傾向があります。まずは白レフで影の濃さがどれだけ変わるか確認すると、調整の方向性が掴みやすいでしょう。

レフ板がなくても、白い壁や地面の反射が使える場面があります。被写体を壁に近づけたり、体の向きを少し変えたりするだけでも、影の出方が変わります。室内では小型LEDやスマホライトも選択肢です。光量は控えめでも、暗部の階調を残しやすくなることがあります。

正面から強く当てると平坦になりやすいので、斜めから当てて影を少し残すと立体感を保ちやすいです。光源との距離も重要です。近いほど影側に光が届きやすく、遠いほど効果は弱くなります。

明暗差を抑える手段:ブラケット合成・HDR・ハーフND

明暗差が大きい風景では、1枚撮りで黒つぶれと白飛びを同時に避けるのが難しいことがあります。そのようなときは、露出ブラケットで明るさの違う複数枚を撮り、あとで合成する方法が有効です。

カメラ内HDRも、静物や風景なら手軽に試せます。ただし人や木の葉などが動くとゴーストが出やすいので、撮影後の再生で違和感がないか確認しておきましょう。夕景で空だけ明るい状況には、ハーフNDフィルターが定番です。空の光量を落として明暗差を小さくし、地上の黒つぶれを抑えやすくします。

合成やフィルターは、効かせすぎると不自然さが出やすい領域です。まずは弱めの設定で撮り、仕上がりの差を見比べるのが安全です。合成前提なら安定感も重要です。水平がズレると合わせ込みが難しくなるため、必要に応じて三脚の使用も検討します。

RAW・HEIF・JPEGの違い:黒つぶれ耐性と編集のしやすさ

黒つぶれを後から戻したいなら、RAWで撮っておくと調整の余地が増えます。JPEGは軽くて扱いやすい一方、暗部を大きく持ち上げるとトーンの破綻やノイズが目立ちやすい傾向があります。機種によっては、JPEGより階調に余裕のあるHEIFで記録できることもあります。ただし黒つぶれを直したり、大きく補正することが前提なら、現時点ではRAWが最も安定しやすい選択肢です。

JPEGは8bit、RAWは12/14bitが一般的:階調の差が救済力になる

JPEGは各色8bitで記録され、1チャンネルあたりの階調は256段階です。RAWは12bitや14bitが一般的で、階調は4096〜16384段階と大きく増えます。この差が効くのが、黒つぶれした暗部をあとから明るく戻す場面です。暗い部分を持ち上げるほど階調を引き伸ばすことになるため、元の段階数が少ないとトーンの段差や色ムラが出やすくなります。

RAWは暗部に残っている微妙な濃淡を拾いやすく、同じ補正量でも破綻しにくい傾向があります。現像で追い込みたいカットほど、RAWのメリットが出やすいでしょう。

ただしRAWはデータ容量が大きく、保存や転送、編集の負荷は上がります。日常のスナップはJPEGまたはHEIF、明暗差が大きいシーンはRAWのように使い分けると無理がありません。

カメラ内設定で黒つぶれを作っていないか:コントラストと画作り

黒つぶれは露出だけでなく、カメラの画作りでも強く見えることがあります。コントラストが高いピクチャースタイルやシャドウを締める設定だと、JPEGでは暗部が潰れやすくなります。逆光や夜景で見た目より暗いと感じるなら、画作りをニュートラル寄りにして比較すると差が分かりやすいです。シャープネスを上げすぎると暗部ノイズが目立つ場合もあります。

メーカーによってはダイナミックレンジ補正があります。これらは主にJPEGのトーン再現やカメラ内プレビューに影響し、RAWデータそのものは原則として別扱いになることが一般的です。

作品の方向性が決まっているなら、暗部を締める表現も選べます。意図しない黒つぶれを避けたい段階では、まずニュートラルで基準を作ると比較しやすくなります。暗部が潰れにくい設定と締める設定をカスタム登録できる機種なら、シーンに応じて切り替えると便利です。

Lightroom/Photoshopで黒つぶれを戻す:基本補正の最短ルート

Lightroom/Photoshopで黒つぶれを戻す:基本補正の最短ルート

現像で黒つぶれを直したいときは、露光量を大きく上げすぎない方が安定する場合があります。全体を持ち上げると、ハイライトが飛んだり、画が平坦に見えたりすることがあるためです。

LightroomやPhotoshop Camera Rawでは、暗部だけを狙った補正ができます。調整の順番は写真によって変わりますが、例えばシャドウ→黒レベル→部分補正で毎回同じ順番で触ってみると、どの操作で見え方が変わったのか把握しやすくなります。

シャドウ→黒レベルの順が迷いにくい:階調を残しつつ起こす

まずシャドウを上げて暗部の情報を引き出します。主役が見えるレベルまで起こせたら、次に黒レベルで黒を締め直すと、立体感を保ちやすくなります。露光量を先に上げすぎると、全体が白っぽくなり、色が薄く見えることがあります。暗部だけを起こす意識があると調整量を管理しやすいです。

暗部が緑や紫に転ぶ、彩度が不自然に見えるといった変化が出たら、補正量が大きすぎるサインになる場合があります。必要に応じて戻し、ノイズ軽減と併せて調整します。最後にトーンカーブでシャドウ側を微調整すると、黒の締まりと階調の滑らかさを両立しやすくなります。

部分補正とマスクで暗部だけ戻す:全体は締めたままにする

画面の一部だけ黒つぶれしているなら、マスクが有効です。被写体の顔や前景だけを選択し、露光量やシャドウを上げれば、背景の雰囲気を保ちやすくなります。段階フィルターを使うと、地面だけ暗い風景で自然に整えられます。空と地上の明暗差が強い写真でも、全体を持ち上げずに済みます。

ブラシで影の中だけを少し起こす方法もあります。ポートレートでは、顔の影だけをわずかに持ち上げると自然に見えやすいです。調整後は等倍で境界を確認します。境界が明るく浮く場合は、フェザーや不透明度で馴染ませます。

暗部を持ち上げたときのノイズ対策

黒つぶれを現像で起こすと、同時にノイズも目立ちます。暗部は信号が弱く、持ち上げるほど輝度ノイズや色ノイズが見えやすくなるためです。撮影で確保できる階調と現像で持ち上げる量のバランスは、仕上げの質感に影響します。

ISOはあとで上げるより少し上げて撮る方が綺麗な場面がある

暗いまま撮って、あとからシャドウを大きく持ち上げると、暗部のノイズも一緒に目立ちやすくなります。撮影時点でできるだけ明るさを確保できると、現像での持ち上げ量が減り、暗部のザラつきも抑えやすくなります。

ブレを止めるためにISOを上げてシャッター速度を稼ぐのは、よく使われる考え方です。ただしRAWでは機種によって、ISOを上げて撮るのと、低いISOで撮って後から明るくするのとで、ノイズの差が小さいことがあります。

一方で、ISOを上げすぎると中間調までノイズが見えやすくなります。被写体が動かないなら、三脚や手ブレ補正を使ってシャッター速度を落とし、ISOを抑えるほうがきれいに仕上がりやすいでしょう。

露出はシャッター速度・絞り・ISOの組み合わせで決まります。まず、被写体ブレを止めたいのか、手ブレを抑えたいのか、それとも画質を優先したいのかなど優先順位を決めると、設定の選び方が整理しやすくなります。

AIノイズ除去の使いどころ:ディテールを守りながら暗部を整える

AIノイズ除去は実用的になってきており、シャドウを持ち上げた写真でもザラつきを抑えやすくなりました。ただし強くかけるほど質感が変わりやすいので、拡大表示で細部が溶けていないか確認しながら調整します。

効果が出やすいのは、シャドウを上げたあとに色ノイズが目立つケースです。先に明るさやコントラストを整え、最後にノイズ除去を入れると変化を判断しやすくなります。処理量を上げすぎると、肌や髪、草木のディテールが平坦に見えることがあります。質感が大切な被写体ほど、控えめにかけて前後を見比べる方が良いでしょう。全体にかけるのが不安なら、必要な場所だけに効かせると、解像感を残しやすくなります。

各メーカー比較:黒つぶれ軽減機能を使い分ける

黒つぶれ軽減機能を使い分ける

黒つぶれ対策は、現像だけに頼る必要はありません。メーカー各社には、撮影時に明暗差を調整して暗部をつぶれにくくする機能があり、JPEG撮って出しでも効果が出ることがあります。ただし効き方は設定次第で変わります。

カメラ内の明暗補正機能:Nikon ADL / Sony DRO / Canon ALOの違いと注意点

黒つぶれを減らすために、メーカー各社は影を持ち上げたり、明暗差をゆるめるためのカメラ内補正を用意しています。代表例が、NikonのアクティブD-ライティング、SonyのDレンジオプティマイザー、Canonのオートライティングオプティマイザです。

NikonのアクティブD-ライティングは、明るい部分を飛ばしにくくしながら、影側の階調を見やすくする方向にトーンを整える機能です。逆光や、室内から窓の外を入れるような場面で役立つことがあります。

SonyのDレンジオプティマイザーは、コントラストが強い場面で影を持ち上げ、見た目の明るさと階調を整える機能です。設定を強くしすぎると、暗部ノイズが目立ったり不自然に見えたりすることがあります。

Canonのオートライティングオプティマイザは、全体の明るさやコントラストを自動で調整し、暗部が沈みすぎないように整える機能です。便利な反面、強めだとコントラストが弱く見えたり、画がフラットに感じたりすることがあります。

これらの機能は、主にカメラ内JPEGの仕上がりや背面のプレビュー表示に影響します。RAWで撮っていてもその場で見えている明るさが変わるため、ON/OFFや効果量を把握しておくと露出の判断がぶれにくくなります。

メーカー

機能

向いているシーン

注意点

アクティブD-ライティング(Nikon)

明暗差をゆるめ、ハイライトとシャドウの階調を残す方向にトーンを調整

逆光、窓のある室内、明暗差の大きい屋外

強めだとコントラストが弱く見える/暗部ノイズが目立つことがある

Dレンジオプティマイザー(Sony)

コントラストが強い場面で影側を持ち上げ、見た目の階調を整える

逆光スナップ、顔が沈みやすい場面

強めだと不自然さが出やすい/暗部ノイズが出やすい

オートライティングオプティマイザ(Canon)

明るさ・コントラストを自動補正し、暗部が沈みすぎないように整える

撮って出し中心、軽い逆光、日常スナップ

強めだとフラットに見える/質感が眠く見えることがある

いずれも主にカメラ内JPEGのトーンと背面プレビューに影響します。RAWでも見え方が変わることがあります。

HDRモードは万能ではない

カメラ内HDRは、露出の異なる複数枚を自動で合成し、白飛びと黒つぶれを同時に抑える仕組みです。風景や建物など、動きの少ない被写体で効果が出やすくなります。注意点は、複数枚を重ねる方式のため「ズレ」が出やすいことです。人物や木の葉が動くと輪郭が二重になることがあり、手持ちの微ブレでも合成跡が見える場合があります。室内の照明環境によっては、コマごとの明るさや色の違いがムラとして出ることもあります。

撮影後は再生で拡大し、輪郭の縁取りや局所的に不自然な明るさが出ていないか確認しましょう。違和感が出るときはHDRの強度を弱めるか、HDRを切って単写+現像に切り替えるのが確実です。

スマホの黒つぶれが減った理由はHDR合成とRAWの実力

スマホでは、明暗差の大きい場面でも暗部が潰れにくい写真が得られることがあります。複数枚合成やトーンマッピングといった計算処理が背景にあるためです。一眼ユーザーでも、スマホのHDR合成やトーンマッピングの考え方を知ると、明暗差への対処を整理しやすくなります。複数枚合成で階調を確保する発想は、ブラケット撮影やHDR現像にも応用できます。

白飛びと黒つぶれを同時に減らす

スマホのHDRは、露出の違う複数枚を合成して、明るい部分と暗い部分の両方を見せる方式が一般的です。逆光でも顔が沈みにくく、白飛びと黒つぶれを同時に抑えられることがあります。多くの場合、HDRは自動で働くため、ユーザーは特別な操作をしなくても階調の広い仕上がりになります。

ただしHDRが強すぎると、影が持ち上がりすぎて平坦に見えることがあります。違和感があるときはHDRの強度を下げるか、編集で黒を少し締めて立体感を戻しましょう。スマホは自動合成で失敗を減らすのが得意で、一眼は露出や現像で狙って作るのが得意です。撮影目的に合わせて使い分けると、スマホと一眼のどちらを使うべきか判断しやすくなります。

スマホのRAW/ProRAWを活かす

スマホでもRAW撮影に対応する機種があり、Apple ProRAWのようにRAW情報と端末側の画像処理を組み合わせた形式もあります。こうした形式は、露出・色・ホワイトバランスの調整余地を確保しやすい点が特徴です。

一方で、RAWだから万能というわけではありません。暗部を上げるほどノイズが出て、HDR合成された見た目とRAWの見え方が異なる場合もあります。

黒つぶれを表現にする:シルエット・ローキーの作り方

黒つぶれを表現にする:シルエット・ローキーの作り方

黒つぶれは常に避けるべき現象というわけではありません。意図して暗部を落とすことで、輪郭や光の形を強調する表現もあります。重要なのは意図した黒か意図しない潰れかを分けることです。狙いが明確になると、露出の基準や補正の方向が決めやすくなります。

シルエットは黒つぶれではなくデザイン

夕焼けを背景に人物が真っ黒に落ちる写真は、シルエット表現として成立します。コツは、空など明るい背景に露出を合わせて、被写体の輪郭が背景からハッキリ分かれる位置を選ぶことです。輪郭が背景と重なると弱くなるので、立ち位置や角度を少し動かして抜けを作ります。

黒い面積が大きいほど画面は引き締まります。そのぶん、空の色や雲の形が写真の印象を決めます。背景が単調なら雲のある方向を入れる、雲が騒がしいならシンプルな空を選ぶ、といった選び方が効果的です。

ローキーのコツは黒を残しつつ主役の階調だけ出す

ローキーは、暗部を基調にして主役だけを浮かび上がらせる表現です。全体を明るくしすぎると、狙いが弱くなる場合があります。

撮影では、主役にだけ光が当たる位置を探すと成立しやすいです。窓光や街灯など、自然なスポットライトを使うと暗部を残しながら階調を確保しやすくなります。現像では、シャドウを少し起こしてから黒レベルで締め直し、主役の部分だけをマスクで持ち上げます。全体を均一に持ち上げない方が意図を保ちやすいです。

まとめ

黒つぶれは露出不足だけでなく、被写体と背景の明暗差や測光のクセで起きます。まずヒストグラムと警告表示を見て、暗部が左端で切れていないかを確認しましょう。撮影では、露出補正や測光で主役の明るさを優先します。背景が明るくて主役が沈む場面ほど、どこを基準に明るさを合わせるかを先に決めると調整がスムーズです。それでも明暗差が大きいときは、レフ板やライトで影側に光を回す、風景ならブラケット合成やハーフND、カメラ内HDRを使うなど明暗差を減らす手段を加えると失敗を減らせます。逆光や夜景はRAWで残しておくと、現像でシャドウ→黒レベル→部分補正の順に整えやすくなります。暗部を持ち上げすぎるとノイズが目立つため、撮影時のISOと後処理のバランスも意識しましょう。


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